忘れもの    高田敏子

入道雲にのって
夏休みはいってしまった
「サヨナラ」のかわりに
素晴らしい夕立をふりまいて

けさ 空はまっさお
木々の葉の一枚一枚が
あたらしい光とあいさつをかわしている

だがキミ!夏休みよ
もう一度 もどってこないかな
忘れものをとりにさ

迷い子のセミ
さびしそうな麦わら帽子
それから ぼくの耳に
くっついて離れない波の音


2008年8月31日に。
夏は終わってしまいました。
上の好きな詩のイメージで。
気候ではまだ夏なのに、人間の作った暦に従わなければならないっていう
やるせない気持ちをぴったり言い表していると思います。
一つ前の絵と対になっています。