園庭の石段からみた情景〜09秋の書き下ろし6〜 2009.12.6
 <ひきがたり〜追加公演【1月29日】>
 80周年記念感謝祭の時にやった『ひきがたり』、微妙な反応に僕もよかったんだか悪かったんだか計りかねている今日この頃ですが、参加者が集らない『子育て講座』に大見得を切って「僕ならああしてこうして」と言っていたところ、「じゃあ1月はお願い」とまたまた園長指令。僕に出来ることと言えば、写真を語るか歌を歌うか、日頃の子ども達とのずっこけ話を披露するかそんなものしかないのでどうしたものかとレジメを書き始めることにした次第です。このレジメも「講演会や子育て講座に行う場合、人に聞いて欲しければどんな話をするのかあらかじめ提示することが大事だからレジメは必要だ」と役員会において自分で発言してしまったのを受けて、そのありようを示すべく書いてみようと思った訳です。
 その子育て講座としてやろうと思っているのが先の『ひきがたり』の最後にのたまわった『追加公演』。良かったのか悪かったのか分からない中、たった一人でしたが「今度はいつやるんですか?」と言ってくださったお母さんの言葉に励まされ、その機会もすぐさま与えられ、そこでやることにしました。神様はいつもそのように美しい道筋を僕に与えてくれます。それを『神様のおかげ』と思えるところに僕の幸せがあると思うのです。そんなお話から。

○やさしさに包まれたなら(荒井由実)
 結婚前の松任谷由実の歌、映画『魔女の宅急便』にも用いられた曲です。僕は度々『神様』の話を持ち出しますが僕はクリスチャンなのでその神様とはキリスト教の神様です。でもこうやって皆さんにお話をする時の『神様観』って実は甘いんですよね。神学的に見れば神とはもっと厳しいものでもっと神聖なものでもっと抱擁的なものでもあるのです。『罪と赦し』がキリスト教の根幹を成すもの。「天の神様の言うとおり」なんて牧師先生達が聞いたら「なにふざけたこと言っているんだ」と怒られてしまうかもしれませんが、聖書も「その重荷をあなたのかわりに背負ってあげよう」と言っています。そのメッセージを僕が言葉にしたなら「その結果に思い悩まないで。それはあなたのせいではないよ、全て神様の御心なのだから」、となるのです。若い頃は自分の力で何でも乗り越えて行ける、そんな風に思う時期があります。その頃は神様なんかに頼らずともやっていけるという想いを抱くと共に、失敗すれば自分の力のなさに立ち上がれないほど打ちのめされてしまいます。もともと自分には力などないのに。でも『神』という存在を自分の中に受け入れることによって人は救われるのです。「良いことも悪いことも全て神様の御心」、だから結果すべてが『良し』となるのであれば、全てを「なるようになるのさ」と受け入れることができたなら、心の重荷は神様によって背負っていただけたのではないか、僕はそう思うのです。
 『小さい頃は神様がいて』と歌うこの歌は、まさにキリスト教保育の幼稚園を歌っていると思うのです。何を見ても新鮮で、何を受け止めても感動的で、でも卒園してゆけばみんな神様を忘れ自分の力だけを信じて生きてゆく、きっとそんな大人になってゆくことでしょう。でもそれは仕方のないことです。私達クリスチャンでさえ毎週礼拝をして神様の御言葉を聞いているのは、そうしなければ私達の心は神様の御元に立ち帰れないから。それほど私達の心は弱く、一度学んだだけのことなど日々の生活の中ではすぐさま忘れ色あせてゆくものなのです。でもその心に神様の記憶があったならば神の存在によって救われることもあるのです。そのことを私達は『種まき』と呼んでいます。今は実を結ばない、蒔いたもの全てが芽を出さないことも分かっている、でも一つでも私達の行いによっていつか救われる心があるならば、私達は喜んで種を蒔き続けようと思うのです。

○夜空ノムコウ(スガシカオ)
 SMAPがヒットさせたこの歌、僕は彼らに曲を提供したスガシカオが歌うこの歌を聞いて好きになりました。『・・・かなあ?』と自分に問いかけているくせにその答えはどこにもなく、目の前の現実の描写がその答えらしき想いを提示している、確かなものを掴みきれない今を生きる僕らの想いを歌っているようです。
 でも人は何も語りかけるはずもないただただそこにあるものを見つめた時に何かを感じ自分の背中を押すことが出来る、そんな生き物です。星とか山とか海なんて僕らに何を語りかけるはずもないのに、そんなものを見つめているとその対比として自分を客観視でき何かの答えを掴み取る、きっとそんなものです。だから空を海を星を見上げてみてください。何かが背中を押してくれるはず。大丈夫、大丈夫と。

 とそんな話をしながら『ひきがたり〜追加公演』をやってみたいと思っています。歌いたい曲は一杯あるのですが、お母さん達へのメッセージに結びつかなければ不許可という枠を自分で設けました。歌いたいがために無理やり話を持っていくなんてことがあるかもしれませんがその辺はご容赦を。その他に○ビューティフル・ネーム(ゴダイゴ)○僕の好きな先生(忌野清志郎)○MOTHER(奥田民生)○奇妙な日々(佐野元春)○月影(斉藤和義)○愛の唄(オフコース)○妖精といた夏(山崎まさよし)○まんまる(さだまさし)なんて歌を準備しています。時間の許す限り皆さんのリクエストと相談しながら順番を決めながら歌い語って行きたいと思っていますのでレジメと相談しておいてください。お客さんがいなかったら、お残りの子ども相手に違うプログラムで歌合戦でもしましょうか。全ては「天の神様の言うとおり」、なるようになるのさという心持で皆さんをお待ちしております。


戻る