2010.9.18
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僕の今年の子育て講座、第2回目は『弾き語り講座』をやってみたいと思います。ギターもピアノも我流で体得してきたもので、曲だって自分で弾けるようにアレンジをしながら勝手に弾いているだけのもの。今回はそのやり方を紹介する程度の講座になるかと思うのですが、みんなで音楽と遊びながら楽しく歌い語ってみたいと思っています。日時は10月29日(金)13:00〜、是非遊びに来てください。 T.音楽はオクターブで巡っているもの〜ハ長調から始めよう〜 ピアノを見てもらうと分かるのですが、西洋音階は1オクターブごとに巡って『オクト』、つまり8つ音(全音)が上にあがればまた同じ音に戻ってくるように決められています。同じ音と言ってもいわゆる『オクターブ上』、周波数で言えば倍の音で共鳴の作用によって同じ音に聞こえるのです。このオクターブごとのらせん階段を上り下りしながら私達はメロディーを作っているのです。これはつまり相対音の関係の中で成り立っている決めごとで、Cの音から始まれば上のCまでがドレミ・・・シド、Dの音から始まれば上のDまでがドレミ・・・シド、となる訳です。 ピアノでもギターでも一番簡単に弾けるのがハ長調。ピアノの場合、全て白鍵でドレミ・・・シド、と弾けるのがこのハ長調で視覚的に理解もしやすく指使い的にも弾きやすいものです。一方世の中の音楽は色んな調で作られています。これをその通りに弾くのは結構難しいものです。だから弾き語りの手始めとしてこれらの曲をハ長調に移調して弾いてみようと思います。 U.コードで伴奏をつけてみよう ギターはコードを使った伴奏が得意な楽器です。左手でコードという『型』を押さえながら右手でリズムを作るというスタイルで伴奏するので、コードを覚えれば後は右手の弾き方で色んな曲に応用ができます。コードというものは沢山ありますが、主によく使われるものは限られています。例えば童謡や唱歌などでは3つのコードだけで弾けてしまうものも沢山あるのです。ハ長調をキーにした場合は、C、G、Fの3つとなるので、このスリーコードを使ってまずは演奏してみます。 次にこれをそのままピアノに置き換えてみます。ピアノの左手伴奏のドミソ・シレソ・ドファラがそれに当たります。右手でメロディーを弾きながら左手でこのコード伴奏を添えてみましょう。 V.リズムと曲想を感じて表現しましょう 次はギターの右手です。ギターの基本はストローク奏法、6本の弦を上から下に引き下ろす方法です。この時、左手で押さえた型がコードを形成しているので全ての弦を弾いてしまっても大丈夫な訳です(例外もあります)。これを上から弾き下ろす『ダウン』と下から弾き上げる『アップ』を組み合わせてリズムを作ります。自分で曲想を感じながら合わせてつけてみましょう。この他に『アルペジオ』と言って一つ一つの弦をつまびいて弾く弾き方もあります。これらもそれぞれの曲によって使い分けると表現の幅が広がるでしょう。 これをまたピアノにフィードバック。ピアノでは左手でコードを弾くのですが、ピアノでも曲想と表現によって同じコードも色々使い分け表現が出来るのです。 W.裏技・移調アイテムを使っちゃいましょう これで伴奏を弾く所まできたのですが、次の問題は自分キーに合わせること。自分の声域で一番高い音と自分が歌いやすい音域に合わせて伴奏のキーを変えてやります。ギターでは『カポ』という道具でフレットごと抑え込み、移調します。 一方この『道具による移調の融通』が効かないのがピアノなのですが、電子キーボードの中にはこの移調機能がついているものもあります。説明書をよく読まないといけませんが、見つけられたらとても便利な機能なので探してみてください。 X.みんなで歌ってみましょう 理屈理論はこのくらいにして実際に曲を弾いて歌ってみましょう。音楽は楽しくなければできません。一番のモチベーションは「好きな歌を歌いたい」というもの。そのために練習も努力もしようという気になるというものです。それは大人も子どもも同じこと。当日は皆さん、自分の好きな歌の楽譜や歌詞カードだけ持ってきてください(コードがついていると助かりますがなくても結構です)。それも交えてやってみたいと思います。みなさんはピアノもギターも弾けなくても結構です。楽器に合わせて、歌に想いを乗せて、みんなで歌うところから始めてみましょう。それが楽しい想いになったなら、きっと自分でもやってみたくなるはずだから。子ども達と一緒に歌いたくなるはずだから。 子ども達に何かを教える時っていつもこんな感じ。一番分かりやすい、理解しやすい物事に置き換えて説明をし、その理屈や理念を分かってもらえばいいのです。いきなり「B♭を弾け」と言われてもそんなのきっと出来ません。最初は一番分かりやすいC・ハ長調から始めてその道理が分かったなら、それを自らが好きなDやGに移調して弾き始めるはず。子どもってそういうもの。それを音楽で体感しようと言うのが今回の講座の試みです。『こうしなくっちゃダメ』ではなく『こうすればできる』から始めること、なんでもそうですが先ずはここから始めてみましょう。 |