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<子ども達にはかないません> 二月四日の土曜日、日土教会に於いて僕の結婚式が執り行われました。『わたくしごと』ではあるのですが、幼稚園関係者の皆さんに盛大なお祝いと励ましのメッセージをいただき、感謝の想いをお伝えいたしたいと言う願いより今回はその時のお話をつづらせていただきたいと思います。式と披露宴では平気な顔をしていた(はず)の僕が唯一うるうるしてしまったのは幼稚園の子ども達が突然現れた2回のサプライズだけ(だったはず)。それほど感激させてもらってしまいました。僕等のために色々と準備・ご足労をおかけした皆さん、本当にありがとうございました。 皆さんもよくご存知でしょう。僕は淡々とした性格なので当日は、『間違いがないように落ちついて』とそんな事を自分に言い聞かせながら式に臨み、一つ一つ過ぎてゆくごとに「よし、ここまで出来た」「ここまで終わった」と舞い上がらないようにリセットをかけながら式の進行に身を任せていました。『新郎新婦退場』まで無事に終わり多少の緊張がほどけたその時に僕はふと園庭に目を移しました。するとそこに沢山の子どもが佇んでいる姿が目に飛び込んで来たのです。「卒園生の何人かは来てくれる」と言う話は聞いていたのですが、そこに集まっていた面々、上は中学生から下は今のクラスの子ども達までの大人数。しかも卒園してから何年もの時が流れ、久しく会うことのなかった子達まで顔を並べていたのです。幼稚園にやって来なくなったとは言え、こちらからも積極的に働きかけてはいなかったのにこんなにも沢山の子達がこうして集まって来てくれたこと、本当にうれしかったです。 そこからちょっとうるっと来て、ホールでメッセージや歌のプレゼントをもらった時には半泣き状態。いつも色んな事を子ども達から学ばせてもらってきた僕ですが、またまたこの子達にやられてしまいました。でもみんながもう一度がこうして集まり同窓生の絆を感じ合い、懐かしい幼稚園に足を運ぶことで自分のアイデンティティーを再確認し、日土教会での結婚式を心に焼き付けもう一度『教会』と言うものに想いを寄せてくれたなら、それは僕の望むところ。伝道と教育の業のつぶてになれたのなら本望です。それは言い訳でも負け惜しみでもありませんが、こうしてメッセージにして皆さんにお返し出来たなら、泣かされた意義も意味もあったと言うもの。『しん先生』はただでは転びません。それは昔も今も変わりません。 昨年、挙式の日取りが決まり牧師の松井先生に司式をお願いしたところ『日土教会として挙げる結婚式にしましょう』と言うことになりまして、『牧師先生を始め教会員に全てお任せ』と言う贅沢な式を挙げていただくことになりました。松井先生も結婚式の司式は初めて、日土教会も久しく結婚式を行なったことがないなど、一つ一つ手探り且つ相談を重ねながらの準備が続きました。『結婚式』は基本的には式典でありお約束ごとで構成されているのですが、みんなの想いがこの時間と空間を豊かなものにしてくれました。でもその過程におけるそれぞれの『こうしたらいい』が噛み合わずなかなか調整・段取りには苦労もしました。でもなぜか『式を挙げていただける』と言う想いは自分が当事者であるにも関わらず僕をより客観的な視点に立たせてくれました。『自分がどうこうしたい』と言うよりは差し迫ってきた式の準備に追われ皆のテンションが上がってゆくのを感じながら、自分は『すべて天の神様の言う通り』と流れに身を任せるつもりで決まってゆく事に従った僕でした。 その中で松井先生は「教会は開かれたものだから、誰にでも来てもらったいい」と幼稚園の子ども達や僕等の友人知人など多くの人に参加してもらいたいと言う想いを抱いておられたのですが、日土教会は会堂も狭く当日も寒さが予想されるためどうしたらいいだろうと皆で頭を悩ませました。教師とその家族が当事者で、「お祝いに駆けつけてくれた教会や幼稚園のお客さん達のお世話も十分出来ないだろう」となかなかいい答えが見つかりませんでした。ですから幼稚園の子ども達の参加は計画の段階で『できません』と言う話になっていたのです。それを受けて動いてくださったのが卒園生のお母さんと『現役母の会』のお母さん達。それぞれこの状況を受けて独自の企画を立ち上げ、みんなに呼びかけて僕らのお祝いをしてくれたのです。そう、披露宴ではもう一つのサプライズが披露されたのでした。 披露宴会場に突然現れた子ども達。「きいてないよー」であっけに取られている僕に向かって、みんなを代表してのお祝いの言葉とみんなで撮ったビデオメッセージを披露してくれました。ビデオの中でお揃いの衣装に身を包み歌って踊ってくれた子ども達。またうるうるにやられてしまいました。そう言えば昨年末、行き帰りのバスの中で「しん先生の歌を覚えんといけんのよ。しん先生には内緒なんだけど」と僕に真顔で言ってた子ども達。「そうよな、内緒よな」と返しながらも心の中で「言ってんだろう!」と笑いをこらえながら突っ込んだものでした。教会での結婚式の時には披露されなかったので「形にならなかったのかな」と思っていたところに披露宴会場まで乗り込んできてのサプライズ。またもやこてんぱんにやられてしまいました。この日二度目の『涙目しん先生』。やっぱり子どもには勝てません。当分は彼らの前に立っても泣き顔を見られた気恥ずかしさと、大きなプレゼントをもらった感謝の想いから、いつもの調子が出ないかも知れません。まいったなあ。 そんなこんなのおかげさまで素敵な結婚式・結婚披露宴を挙げさせていただきました。このことを皆さんにご報告するとともに、心よりの感謝を持ってお礼を申し上げます。皆さんからいただいたこの想い、ちゃんと保育でお返しできるようこれからもがんばってゆきますのでどうぞよろしくお願いいたします。 |