2012.2.19
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2月の予定日に『キリスト教保育講演会』が入りまして、急遽3月7日に変更になりました『ひきがたり2012』でしたが、今年もそのレジメを書く頃となりました。今回は皆さんに色々演出していただいた僕らの結婚式・披露宴のご報告を兼ねながら、そこで御披露した歌をその時の想いを語りながら歌って行きたいと思います。 今回は本当に色んな方々に色んな嗜好の色んなサプライズをプレゼントしていただき、驚きと感動をもってブライダルウィークを過ごさせてもらいました。その中でももう高校生になろうとしている懐かしい卒園生からの手紙や、日土から離れ遠くでがんばっている子ども達の写真が、『お久しぶりの再会』として僕に勇気をくれました。「みんながんばっているんだな」と。いつもそばにいることはとても大切なことですが、会えずにいる時にその人のことを想い続けると言うのも素敵なことです。そしてそれは勇気に希望になるものなのです。今回のことで僕もまた昔の写真や書き物を広げたりめくったりすることが多くなりました。僕らはこうして写真や文章や歌を『よりしろ』に、想いをその中で温め育てることが出来るのです。そういう物達を、想いを『のこす』と言うことを形にしながら生きてきたこと、皆さんにその喜びを共有してもらったことを、いま本当によかったと感じています。今回はそんな想いを感じながら、『ひきがたり』を聞いてください。13:00〜14:00です。 ○車も電話もないけれど<奥田民生> 『遠い国から大きな黒船に乗ってきた、便利なものと危ないものと僕のお嫁さん』 これは黒船到来のカルチャーショックを歌ったラブソングなのですが、僕にとっても彼女はカルチャーショックでした。野の草花や鳥達を相手に牧歌的風景の中で生きてきた僕にとって彼女の嗜好はなかなか理解しがたいところがあったのです。でも「一緒にいたい」と言う想いはその困難をも跳ね返すパワーの源となると言うことも実感できました。そう、それはきっとおたがいさま。彼女にも僕の偏屈さからいらぬ心労をかけていることでしょう。そのことを分かち合いながら分かり合いながら、これから生きて行きたいと思いこの曲を選びました。この僕もとうとう携帯電話を持つことになりました。 ○歌うたいのバラッド<斉藤和義> 『本当のことは歌の中にある いつもなら照れくさくて言えないことも』 言葉はいつも同じ『言葉』なのですが、その時々のニュアンスや状況で違う想いを相手に抱かせてしまいます。ひとは言葉を重ね合うことでそのすれ違いを埋め合わせてゆくものなのですが、その作業が苦手なのが僕なのです。細かい一語一句に「言った言わない」とやりあうよりも、相手の言葉をゆるく抱き止めながら想いを伝え感じ合いたいと思ってしまうのです。おかげで彼女からはいつも「前に言ったよ、また聞いてない」と言われてしまいます。まあ頭の回転と記憶力ではかなわないので仕方がないのですが。でも大切なことは「あいしてる」、それだけです。 ○関白宣言<さだまさし> 『忘れてくれるな仕事も出来ない男に、家庭を守れるはずなどないってことを』 今のこの時代、この『関白宣言』など披露宴で歌ったら冗談にもならずにみんなに引かれてしまうと思ったのですが、なぜかこの曲がお気に入りの彼女。リクエストをもらって披露しました。当時は「女性蔑視だ!」などと格好の標的にされて叩かれもしたそうですが、今聞いてみれば「おもしろい歌」で済んでしまうのかもしれません。それほど世の中が「男が!」「女は!」と力まなくてもいい風潮になってきたのでしょう。普段はそれで心地よい。でもここ一番の所では「おれは!」と自らを奮い立たせなければ一歩先に足を踏み出すことが出来ない状況もきっとあることでしょう。今の若者には「いやなら逃げ出してしまえばいい」とそんな気風を感じてしまいます。男であることと共に使命感や責任感も投げ出してしまうような男どもに、『仕事も出来ない男に家庭を守れるはずなどない』と言うのは今の時代の女性達からのメッセージなのかも知れません。僕だって先は分かりませんが、この言葉を思い出しながら、笑いながら、くいしばる場面がきっとこれから出てくることでしょう。時に男には意地や見栄を張ることも必要なのです。がんばれ、お父さん! ○SOME DAY<佐野元春> 『いつかは誰でも愛の謎が解けて、ひとりきりでいられなくなる』 僕は比較的なんでも自分で出来てきた方だったので、僕の仕事の邪魔になるような相手なら一人でいる方がいいと思って生きてきました。でもそうでないことが分かる日が、僕にもやっとやってきたのです。一緒にいられることの喜び、そばにいてくれることのうれしさ、そんなものに包まれながら、僕は今を生きています。一緒にいるためには色々大変なこともあるけれど、それでも一緒にいたいと思える人が出来ました。この人とこれから、僕は歩いて行こうと思っています。 ○秋桜<さだまさし> 『こんな小春日和の穏やかな日は、もう少しあなたの子どもでいさせてください』 話し言葉がとにかくダメで、文字に書けば少しはましなものの原稿を読んでも様にならないと言うことで、両親への感謝の言葉はこの『秋桜』を弾き語りにしました。そのまま『花束贈呈』になだれ込んでしまったので本当に双方の両親には何も言わずじまいの披露宴でしたが、でも花束の時に一言だけ「今後ともよろしくお願いします」と下げた頭にただただうなづいてくれた両親でした。同居ですから。向こうも実家から歩いて10分ですから。うれしい「もう少しあなたの子どもでいさせてください」がこれからもしばらく続くことでしょう。 |