子育て講座10月『音楽で遊ぼう〜ギター・ピアノ弾き語り講座2』  レジメ
    2011.9.19
 今年で2回目、僕の秋の子育て講座は『弾き語り講座2』をやってみたいと思います。僕の保育において子ども達との遊びややり取りの中で活躍してくれているのが楽器達。楽器を介して子ども達に想いを投げかければ、多くの言葉を並べるよりもすっと伝わることが良くあります。今回はその辺から話を始めてみましょう。日時は10月26日(水)13:00〜、是非また遊びに来てください。

T.言葉はリズムとイントネーション
 礼拝やクラスの活動を始める前の導入で、ざわつく子ども達に向かって「しずかに!」と叫んでみても、言葉は彼らに届きません。そんなとき僕は「ドーミーレ!」とピアノで語りかけています。「ドーミーレ!」とは童謡『かくれんぼ』の「もーいーかい?」のメロディーです。これを聞き分けた子ども達は「もーいーよ!」と返し口を閉じてくれるのです。ここには「みんなは分かってないけれど、私はこの意味が分かるのよ」と言う自負が「私ってすごいでしょ!」と言う満足感となってこの子達の心を満たして、「私はちゃんとしよう」と言う気にさせてくれるのでしょう。この他にも色々なやりとりがあるので、楽器を使いながらここで紹介してみましょう。果たしてそのように聞こえるでしょうか。

U.子ども達の好きな歌を好きなように表現してみよう
 今年は『マルマルモリモリ』の歌が子ども達に大流行しています。幼稚園でも初めは年長さんがクラスで始めたものだったのですが、それを見ていたばら組さんもいつの間にやら興味を覚え、夏休みを明けてみれば女の子達を中心にうれしそうにくねくね踊って見せてくれるようになりました。それならばと2学期の敬老参観日では『マルマルモリモリ』をやろうと、ピアノの伴奏を編曲し録音もして準備して臨むことにしました。するとやっているうちに遊び心が沸いてきて、「歌もみんなで吹き込んでオリジナルの『マルモリ』が出来ないかな」などとと思いつき、子ども達と代わる代わるマイクを回しながらカラオケ遊びでひと盛り上がりしてしまいました。本番ではその音源に合わせて僕はギターと歌を、ばらの女の子はマルモダンスを、たんぽぽさん達はポンポンをふりふりしながら嬉しそうに踊って見せてくれました。そう、僕らは踊りも何も子ども達に教えてはいないのです。でもその音楽を聴きながら、子ども達はそれぞれ自分の想いをそこに乗せて表現してくれていたのでした。僕もそうなのですが「ダンスはちょっと恥ずかしいよなあ」と思うのでしょうか、椅子に座ったままの男の子が目に留まりました。またいつもの「やらん!」かなと思っていたらその子はなんだか嬉しそうにマルモの歌を口ずさんでいたのです。これはうれしかったと同時に『マルモの歌をやる』と僕らは謳っただけで、「子ども達がそれをどのように表現するのかは自由でいいんだよな」と改めて感じさせられました。みんながそろってきちんと同じように出来なくてもそれでいい。ばら・たんぽぽの時代は自分が流れてくる音楽に触発され、何かを表現したいと願う想いがこの子達の心に育ってくれたならそれでいいと。これはそんなことを教えてくれた一曲となりました。分かるところだけでいいからみんなで一緒に歌ってみましょう。踊ってもいいですよ。

V.今年もちょっとコードのお勉強
 その時に作った『マルモ』のコード譜使ってちょっとお勉強。幼稚園の子ども達も耳コピーでメロディーを弾けるようになる子が何人もいます。それに左手を添えて一緒に弾いてみてください。歌詞の上に書いてあるアルファベット、これがコードです。コードと言うと難しいかもしれませんがそのもとになるのはベース音。一つの音を人差し指ひとつで「ぼんぼん!」って弾いていればそれだけで伴奏になるのです。最近市販されている簡易伴奏譜によくよくこの手法が使われています。例えばこの曲で『C』と書いてあるところはハ長調の『ド』を左手で弾いてやるだけ。『C』を『ド』に置いて、あとは『D』なら『レ』、『E』なら『ミ』とアルファベット順に置き換えてやればいいのです。ほら簡単。コードとはこの上に3度と5度の音を重ねてやればいいだけ(詳細はまた色々ありますが)。そうすると音に広がりが出てもうワンランク上の伴奏に聞こえるようになってゆきます。理屈はそれだけ。当日『マルモ』のコード譜をお配りするのでおうちでも挑戦してみてください。

W.音楽は自由だ
 今年の初め、佐野元春がセルフカバーのアルバムをリリースしました。その中の『Rain Girl』と言う歌を紹介します。原曲は8ビートのご機嫌なロックンロールナンバーだったのですが、今回のアルバムでは3拍子のワルツにアレンジし直されていてものすごい衝撃を受けました。R&Rがワルツにもなるんだと。これまで4拍子のものが拍を早めて2拍子になったり逆に遅くしてスローバラードにとそんなアレンジは知っていたのですが、3拍子は2の倍数ではありません。当然そんな変換など出来っこないと思っていたのです。それを元春はやっていた。それを聞いた時、「音楽はどこまでも自由なんだ」と改めて教えられたと思ったものでした。ちょっと3拍子づいてしまった今年の僕ですが色々な曲を3拍子にして遊んでみましょう。

 こんな感じのプログラムを準備しています。どうぞお出かけください。


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