子育て講座6月『子どもの顔を見つめてみよう〜デジカメ写真講座』レジメ
    2014.5.20
 今年度も6月の子育て講座は『デジカメ写真講座』を設定しました。デジカメやビデオのファインダーを通して子ども達のことを見つめてみると、それまで気がつかなかったことにふと気がつくことがよくあります。それはその子を見つめる『視点・切り口』が普段とは違うモードになるからだと思うのです。普段は子どもの顔を見た時に、無意識のうちに「これは○○ちゃん、この子は…」と先にその子に関する情報と照らし合わせながら見つめているところがありまして、その情報から外れた点に関して「あれ、今日はおとなしい?」などと気になり「体調悪いの?」とその子の異変に気がつくプログラムが知らず知らずのうちに頭の中で走っているのです。固定観念に大いに支配されている訳です。一方写真やビデオを撮る際は「その子の一番良い所を残したい」と言うのが心情でしょう。「こっちの角度が良いだろうか?」「この笑顔の方が自然でいいね」なんてその子の良い所を『探そう・引き出そう』として、『見つめ・声をかけ・シャッターを切っている』訳ですから、その子の素の姿よりも良い顔が撮れるのは当然のことなのかも知れません。本当は普段からそんな心持で子ども達のことを見つめてあげられたら良いのですが、忙しいお母さんや先生と言う職業をやっていると『いつもいつも』と言う訳にはきっと行かないものなのでしょう。
 そんな訳でカメラ・ビデオは特別な魔法のアイテムとなるのです。撮る方も撮られる方も、素敵な思いで向き合えるから素敵なコミュニケーションを仲立ちしてくれる道具となるのです。そんな折角の魔法の道具も『思い通りに操作できない』『子ども達が思うような良い表情を見せてくれない』となるとただのガラクタになってしまいます。なので今回は簡単にデジカメ・ビデオのうまい使い方、子ども達をその気にさせる投げかけ術などをご紹介してみたいと思います。これはあくまでもきっかけですから、これを期に親子で楽しい時を沢山過ごし笑い合える時を沢山沢山持てたなら、きっときっと素敵な思い出と写真・映像が一杯残すことが出来るようになると、僕はそう信じています。
 今年も写真撮影の実践編を盛り込みながらやってみたいと思います。皆さん、日頃お使いのデジカメを持って園庭に集合して下さい(あるなら取り扱い説明書もご一緒に)。6月25日水曜日、13:00〜です。お天気ならば子ども達をモデルさんに実際に写真をみんなで撮ってみたいと思っていますのでどうぞお楽しみに。当日、雨が降りませんように一緒にお祈りしていてください(雨の場合はお座敷集合です)。

【実践撮影会】
 まずは今年も子ども達の写真を撮るところから始めましょう。何がある訳でもない日常の自由遊びですが、子ども達、各所において素敵な笑顔を輝かせて遊んでいます。シャッターチャンスをじっと待ったり、声をかけて気を引いたり。撮影テクニックや投げかけのノウハウなど色々ありはしますけれど、何より子ども達が嬉しく楽しくなれたなら、まばゆいばかりの笑顔で応えてくれるはず。子ども達もそして自分が嬉しくなれたなら、撮影会はまず成功。後はそのシャッターチャンスを段々と自分のものにしてゆければいいのだから。そんな軽い心持でどうぞカメラを構えてみてください。

<ささやいて声が届く距離がちょうどいい>
 一つだけデジカメを扱うアドバイス。今時のほとんどのデジカメにはズームレンズがついているのですが、子ども達のスナップを撮りやすいのは広角・標準域の画角です。よくそのレンズの写る範囲を『35mm換算○○mm相当』と表現するのですが、35〜50mmがピントも合いやすく子ども達との距離も遠すぎずに撮りやすいと思います。子ども達に投げかける声のタブーは「はい、わらってー!」。写真撮影の時にはつきもののこの言葉ですが、「わらって!」ではなく『笑わせてあげればいい』のです。たわいもない冗談、「すてきー!かわいい!」のほめ言葉、子ども達が食いついてきそうな好きな話題のネタ振りなどなど、親子の楽しいひとときと素敵な会話をこちらから投げかけ演出してあげたなら、きっと素敵な笑顔で笑ってくれるはず。そう言う意味でも遠くから望遠レンズを構えて「おーい!」と呼びかけるよりも、言葉のニュアンスが感じ取れるそんな距離でカメラを向けるのがいいでしょう。撮影と一緒に是非このひとときを楽しんでみてください。撮影テクニックとしては色々あるのですが、その現場においてその都度アドバイスしてゆきたいと思いますので、どうぞ質問などがありましたらどうぞお気軽に声をかけてください。

【お話会】
 戸外での撮影会の後、座敷にて補足説明や懇談の場を持ちたいと思っています。みんなで写真を介しながら、子ども達のことや子ども達への想いなどについて言葉を交わしてみましょう。おうちから子ども達の写真を持って来て皆さんに発表してみませんか。写真と共にその時の記憶はまぶしいほどによみがえってくるもの。その時のエピソードなど紹介していただけたら僕も嬉しいです。また「この写真、もっと○○な風に撮りたかったのに…」と言うものがあれば、それに対してアドバイスも出来るかと思いますので、どうぞそれぞれいろいろな想いを持って遊びに来て下さい。未就園の子ども達も格好のモデル&お勉強のテキストです(例年僕の実践腕試し?)。ご遠慮なく一緒に連れて遊びに来て下さい。お待ちしております。


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