子育て講座10月『音楽で遊ぼう〜ギター・ピアノ弾き語り講座』レジメ
    2017.9.24
 10月の子育て講座は『弾き語り講座』です。これは『音楽で遊びながら子ども達の心を感じてみよう』と言う毎年続けてきた僕のシリーズで、日頃子ども達が興味を示してくる歌や音楽を題材にお母さん達に『音楽』と言うものを楽しんでもらおうと企画しているものです。今年のテーマは『子ども達のダンス曲、一緒にやってみたいと思いませんか』ってお話。10月25日(水)13:00〜14:00 お座敷にて。どうぞお気軽にご参加下さい。

<私的音楽理論一考>
 僕はこの仕事をするようになってから、子ども達に『自分』を投げかけるためにちょっとずつ色々勉強し、ちょっとずつ色んなことが出来るようになって来ました。それまでに出来ていたことと言えば、ギターを弾くことぐらいだったでしょう。ピアノもハ長調のドミソ・シレソ・ドファラくらいしか弾けなかったのですが、ギターは音楽理論を勉強するにはとても分かりやすい楽器だったので、「この曲を弾こうとするならこうしたらいいんだ」って言うことをピアノにもよくよく応用出来たのでありました。音楽ってとにかくオクターブの中の決め事が分かったなら、後はどんなにも応用してゆけるんだってこと。例えば皆さんがアカペラで歌を歌うのに適当にどのキーから始めてもちゃんと同じメロディーで最後まで歌えますよね。一つ一つの音の波長(周波数)で言ったら全然違うはずなのに。それが音名と階名の示す音の概念の違いです。キーになる音を決めてそれを基準にドレミを積み重ねその規則性を守って行ったら、音楽ってちゃんと成り立つように出来ているのです。その感覚をピアノを始めた子ども達にも伝え納得してもらうことが出来たなら、彼らもあんなにピアノレッスンに四苦八苦しなくて済むのではないかとも思うのです。
 自分でキーを決めたなら(決めることさえもなく適当に始められるのが人間のすごいところなんですけれど)、音楽は決めたキーを基準にそこから積み上げて構成してゆけばいいようになっています。それが楽器で直感的に分かるのがギターで、ギターにはそれに使うカポと言う道具があります。これをハメたら後は同じ指使いで色んな調で弾けるようになると言うとても便利な道具です。今時のキーボードには『トランスポーズ』と言う機能がついていて音を上げ下げ出来るのですが、それと同じ理屈です(カポは音を上げる方しか出来ませんが)。これを頭の中に入れながらちょっとピアノに向かってみましょう。始める音を決めたなら、そこからの積み上げでピアノでも色んな調で曲が弾けます。ただピアノには白鍵と黒鍵があるので、そこで指使いが変わってしまいます。でも基準になった音から半音の鍵盤いくつ離れたところにある音か、と言う積み上げの規則性はどの調であっても変わりません。特に左手はコードを使えばメロディーに対して『気持ちいい音』が当たればそれで伴奏になってしまいます。音は半音・一音でぶつかると不協和音になるので、気持ち悪く・もしくは違和感のある音に聞こえます。だから弾きながら、「あれ、ここはこの音の方が合ってるな」って自分で組み立てゆけたならピアノ伴奏って弾けるはずのものなのです。実際にピアノを弾きながらやってみましょう。

<これを弾き語りにしてみよう>
 この理屈を用いますとメロディーが頭に入って来たなら、なんとなしにピアノも弾けるような気がして来るでしょう。ここでひとつ曲を取り上げてピアノを弾いてみましょう。楽譜を買い求めてさらうのもいいのですが、せっかく子ども達お気に入りの曲がそこに流れているので、ここではその音を頼りに右手でメロディーを弾き、左手でコードを探りして弾いてみたいと思います。今回の課題曲はもも・たんぽぽのダンス曲『まっくらけっけっけ』です。

<ちょっと応用・格好つけてアレンジなど>
 実際にピアノを弾いてみて3つのコード『ドミソ・シレソ・ドファラ』でこの曲が弾けることが分ってもらえたかと思います。でも段々物足りなくなってくるでしょ。今度はギターに持ち替えてちょっとマイナーコードを使ってみたりセブンスコードを入れてみたり、そんなアレンジを入れてみましょう。ギターの良いところは曲に調子を合わせやすいところ。左手で抑えるコードとは別に右手でリズムを決めることが出来るので、この『けっけっけっ!』なんてところ、合わせてストロークで弾いてみれば絶好調の『楽しいソング』に仕上がってくれます。これもみんな演奏者の感性次第。「こんな風に弾きたい!」と言う想いが自分なりのアレンジに仕上げて行ってくれるのです。ほら、こうやって弾いてみると段々楽曲的にも素敵で楽しいものになってゆく「気がしませんか?」

<最後は皆さんで座談会>
 今回もまた皆さんの想いや子ども達とのエピソードをご披露していただけたなら嬉しく思います。運動会前にこの講座があれば運動会に向けての導入・動機付けにもなったのかも知れませんが、その後の親子逸話などまた聞かせてください。お母さんがピアノを弾き子ども達が踊り歌う、そんな家庭内発表会が開催出来たならどんなに素敵なことでしょう。歌やダンスは本番舞台だけのものではありません。その後の反芻こそがこの子達の心をじっくりと育てて行ってくれるのです。


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