2019.2.3
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二月の子育て講座は『ひきがたり』です。今回の選曲、前半はこの一年こども達がいるシーンで流れていた音楽達(それは歌として・BGMとして・そして合奏曲として流れて来た曲達)を、その音楽を用いて子ども達に想いを投げかけて来てくれた先生達とそして僕自身へのオマージュとして歌ってみたいと思い、曲を選んでみました。一月のお誕生会でもちょっと紹介して歌ってみたところ、アレンジは違うのに歌い出したなら「これ、〇〇の歌!」すぐに反応してくれた子ども達。子ども達の中でこれらの音楽は楽しかった思い出と共に息づいているように感じたものでありました。後半は最近また耳にしたり何かの拍子で思い出したりと、昔歌ったことのある歌を並べてみました。これらの歌を以前に歌った時と今の僕の心持ちとは全然違うのですが、歌自体は何ら変わることなくこの時の流れの中にも消えてゆかずに僕の中に残って来た歌達です。その不変性が物差しとなって、その頃のことを昨日のことのように確かに思い出したり、またそれを解釈し受け止める自分の成長や変化を感じることが出来たりと、歌とは本当に不思議なものだと思うのです。そんな想いを言葉に綴りながら、『いまいちど』ここで歌ってみたいと思います。 2月20日(水)13:00〜14:00幼稚園ホールにて。皆さんのお越しをお待ちしております。ちっちゃい子達も大歓迎、一緒に歌い盛り上がってください。 ○<アンパンマンのマーチ〜手のひらを太陽に> ひよこクラブより。今年も公私に渡ってアンパンマンにお世話になった僕と我が家族。先日高知のアンパンマンミュージアムに行って来たのですが、ほかの大都市にあるミュージアムと違って、本当の作者のひととなりが良く分かる美術館となっておりました。毎年映画化されるアンパンマンのストーリーとキャラクターがイメージボードのように油絵で大キャンバスに描かれていたのですが、やなせ氏が亡くなった以降に映画化された物語に登場した新キャラのものもあり、映画のモチーフや物語が商業ベースのやっつけ仕事ではなかったことがよく感じられたものでありました。やなせ氏特有のおどろおどろしい絵本のタッチとアニメのキャラクターデザインが余りに異なるものであったので、「やなせ氏の関わりは原案程度なんだろうな」と思っていたのでありましたが、映画一篇ずつに絵本を描きおろしたりこんな大作の油彩絵を残したりしているその足跡から、先生の想いが満ち満ちた映画の一本一本だったのだなとちょっと分かった気がしたものでありました。この歌の中で歌われている『何のために生まれて、なにをして生きるのか』が映画でも度々取り上げられるテーマで、それは子どもには難しいメッセージになるのですがストーリーに盛り込んで来た映画アンパンマン。昨年で30周年30本続けて映画化を実現して参りました。僕も子ども達の中にそんな何かを残してゆく仕事を続けてゆくことが出来たならと思うのです。大それたことは望んでいません。大きくなったその時に、おもむろにふと思い出すことがあるかないか程度のことでいいから。 ○<アンダー・ザ・シー〜星に願いを〜ちいさなせかい> 発表会特集。さらっと聞き流して来たこの曲達に向き合おうとすると、なかなか難易度が高いことに改めて気付かされたものです。『星に願いを』などはメインテーマの間に挟まれたBメロの音取りが結構難しかったのですが、ここで聴かせる表現が出来て初めてメインが生きるんだと言う音楽の妙を感じたものでありました。ただいま練習真っ最中です。 ○<やさしさに包まれたなら・ひこうき雲(荒井由美)> 年末の紅白、『成功はユーミンとサザンのおかげ』と大いに評価されたものでありましたが、『平成最後の紅白』と謳いながら「『昭和の歌』が良かったんじゃない!」と言う声につながった一夜ともなりました。でもそれが歌の力だと思うのです。「昭和だから」「平成だから」と時代に迎合しようとして作った音楽は、その時にはものすごい勢いで燃え盛るものでありますが、その後どれだけの歌が残りこうして歌い継がれているでしょう。やはり幼き日の記憶や人の命の尊さについて歌った歌は、それぞれの聞き手の想いを苗床にしていつまでも心の中に瑞々しいままに残ってゆくのでしょう。「小さい頃は神様がいて…」と歌うこの曲、きっと人生の絶好調の時には思い出さないものなのかも知れません。ふと立ち止まった時に自分の小ささを真摯に受け止め神様の力の大きさを感じながら、それを糧にまた前に向いて歩いてゆける力の源となってくれる歌なのではないかと思うのです。「みんながんばれ!」「大切なあなた、ありがとう」とこれらの歌は僕らに語りかけてくれています。 ○<青空と人生と・生まれ来る子ども達のために(小田和正)> 去年のクリスマスは十数年続いて来た小田和正の『クリスマスの約束』(TBS)が延期となり、約束が途絶えたそんな年となりました。続けて来たものはいつか終りを告げるもの。そんな当たり前の約束なのですが、周りの者からしてみたらつい残念がってしまうもの。惜しまれつつ終わると言うのは美しいものでありますが、この決断を下す時に小田さんがいろんな想いに苛まれたことが予想出来てしまうからあえて何も言うまいと思うのです。そして「今までありがとう」と述べながら、これからも彼の歌を歌い継いでゆきたいと思ったのでありました。僕が中学一年生の時に初めて彼の曲を聞いてから、他のアーティストの誰よりも長く聴き、誰の歌よりも長く歌い続けて来たのがこの小田和正。それをこれからも続けてゆく、それだけのことです。「私の歌で何ができただろう…」と歌うこの歌に喜びと力を一杯に与えてもらって生きて来た僕。幼稚園をしてゆく中で歌の力を教えてくれたもう一人の敬愛するアーティストである祖母への感謝の想いも込めて歌いたいと思います。 |