2025年度 6月の幼稚園

6月第1週

6月3日 すみれ・もも・ばら組
今日はサッカー教室が行なわれたのですが、
雨の天気となりましてホールでのレッスンとなりました。
先週の体調不良多数、そして家族参観日・連休明けのお疲れもあって、
「今回はホールで良かったかも…」
と言う状況での開催となりました。
ホールでのサッカー教室と言うことで
テクニックトレーニングを多く取り入れてやってくれた平家コーチ。
ウォーミングアップで行なった『ボール取り』に続きまして、
二人組になっての『キャッチボール』そして『バウンドキャッチ』、
更には狙ったところ(両足の真ん中)を目掛けての
『コロコロキャッチボール』など、
それぞれに目的を明確化したミッションで
子ども達を引っ張って行ってくれました。

そんな中、『コロコロキャッチボール』では
「出来た!簡単!」と言う男の子。
『コロコロ』は簡単ですが
それをコントロールするのが難しく、
なかなか両足の枠に入りません。
「いやいや、足の真ん中にストライクで入らないと
『出来た』にならないんだよ!」
とそんな声を掛けをしながら、
集中力と正確性に意識を向けつつチャレンジするよう
促したものでありました。

そうそう、僕らの発する言葉って
子ども達にはなかなか捉えきれないところがあるもの。
やっぱり自分でやってみて、
『どこがどう違うのか』『目的は何処に置かれているのか』
と言うことを自分の中で整合してゆくことこそが
この子達の言語能力を高めてゆくのです。
僕らに入って来るインプットの多くは
五感によって取り込まれた『情報』なのですが、
『出力』は全て『運動』なのだとか。
自分の中に入って来たものを
自分の想いや感受性を通したその上で、
『言葉』で表現したり『行動』で体現したりすること
それが僕らのアウトプット。
しゃべるのも口を用いた運動だし、
ボールを蹴るのも足を使った運動。
どう言う言葉で相手に伝えるか・ボールをどのように蹴ればいいのか、
それらは全て『自己表現』。
『自分の身体をどう使ったら、どのような表現が出来るのか』、
色々と自分で試しながら
僕らは自分の所作とか身のこなしを学んでゆくのです。
そんなことを思いながらじっと見つめた
この子達のミッションでありました。

そんなチャレンジ一杯の一時間となりましたが、
最後の『勝ち残りボール取り合戦』でも
それぞれの『表現』を興味深く見せてもらった僕。
ボールをホールの隅っこに運んで行きまして、
自分の身体と壁を使ってキープしながら
時間切れまで粘ろうと言う作戦の子。
はたまた遠くにバーンとボールを蹴り出しては
自分がいち早くそこに追いついて支配しようとする子。
それぞれに『最後の瞬間』に自分がボールを持っているそのために
自分の得意な作戦・自分が新たに考えた作戦を駆使しながら
『自分はこうやる・こう思う』の自己表現を
見せてくれたのでありました。
そんな色々と興味深い情景を見せてもらった今回のサッカー教室。
そんなきっかけを与えてくれたコーチにも感謝です。
次回は是非元気一杯お外でサッカー出来ますように。 

【今週のスナップ 6月6日】
今日は子ども達の砂場遊びをご紹介。
春先からずっと作り続けてきた『砂場ジオラマ』。
リセットされることなく工事がずっと継続されて来たおかげで
立派な山川が出来て来ています。
驚くべきはその頑丈さ。
いつもの山なら誰かが「あ!」っとやっちゃったなら
跡形無く無塵に期す脆弱さがあるものなのですが、
今回の山はでっかいトンネルが掘られてなお
幾多の外乱に耐えうる強度を持っているみたい。
そのトンネルが起点となって
砂場一周堀り巡らされた川があるのですが、
山肌やトンネルに注がれる子ども達の運んで来る大量の水が
この山を締め固めてくれるのでしょう。
すみれさんからばらさんまで日に何度も運び込んで来るバケツの水が
この箱庭を支えてくれているみたいです。

また一周掘られた『大運河』も進化中。
本流から枝別れした支流が作られまして、
それによって切り残された丘が
瀬戸内のしまなみのようになっています。
そんな目の前に繰り広げられる『リアス海岸』を見ていると
「神様の天地創造もこんな無垢な砂遊びによってなされたのかも」
なんて思ってしまったり。
あちらは『ブラタモリ』でもキーワードとして出てくる『断層』と地殻の『力バランス』が
作り上げた芸術品なのでありますが、
この子達の砂遊びでそんな情景に想いを馳せることが出来るとは
思ってもみませんでした。

僕らは大人の考えとペースで「おかたづけ!」と
子どもの遊びをリセットしてしまいがち。
「やりっぱなし、出しっぱなしはダメよ!」と。
整理整頓や『物を片付け定位置に戻す』と言う習慣付けは
幼い頃の学びとしてとても大事なものですが、
「こう言う遊びの継続も時には大切だよね」と
そんなことを思わされた今回の『砂場プロジェクト』。
「こう言う環境が子ども達の新たな世界と感性を
発掘して行ってくれるものなんだね」
と改めて思ったものでありました。
でも『遊びの継続』と『出しっぱなし』は異なる物であり
『お片付け習慣啓発』はちゃんと子ども達に伝えながら、
また時間も規模も限られた世界を超えながら
こんな自由遊びをやっていきたいなぁ…と思ったものでありました。

 6月5日、6日 ばら組
今週のばらさんは製作をしているところ。
先週から体調を崩す子が次々出まして、
一人がんばっていたあゆむちゃんまで今週お休み。
そんな中、帰って来てくれた子達と製作を始めたえりか先生。
絵の具を用意して何が始まるのかと思いきや、
白い画用紙一面に紫や赤やそんな色を自由に塗ってゆきます。
どの子も思いのままに紙面一杯にぬりぬりぬり。
『こうでなくっちゃいけない』と言う縛りが子どもによっては
とっつきにくさを感じてしまう製作と言うカリキュラム。
でも『色を塗る』と言う体験を楽しみながら
その結果については「OK!OK!」と言ってもらえるこんな製作は、
この子達にとっても抵抗なく楽しくなって来るものです。
それぞれのペースで画用紙をぬりぬりやって
楽しんでいたばらさんでありました。

「たのしい!」は良いのですがそれで終わってしまえば
やんちゃ体験で終わってしまいます。
翌日絵の具が乾いたところでえりか先生が取り出したのは『激落ちくん』。
それに輪ゴムを十文字にかけてきゅきゅっと縛り
『スタンプはんこ』を作ってくれました。
それを白い絵の具に押しつけて、
昨日の画用紙にぽんぽんとスタンプして行ったなら、
色鮮やかな下地に真っ白な花が咲いてゆきました。
そのカラフルな背景と白による形の組み合わせが
梅雨の雨に濡れるあじさいの花のように見えるから不思議不思議。
「へぇー!」とひとり感激していた僕でありました。

色とりどりの背景の中に『白い形』がちりばめられたこのあじさい。
ガクアジサイのようにも見えるし花あじさいの表現の一つでも全然あり。
僕らは絵を掻く際、輪郭によって形を表現し、
その区切られた空間を絵の具やクレパスで埋めることによって
そのものの色を表現しようとしてしまうもの。
でも被写界深度を浅くして
手前の対象物にだけピントを合わせたなら、
本当にこんな感じで見えるのが映像の世界。
これなら子ども達の今のスキルをもって「出来た!」と思える満足感を
一杯に与えてあげることも出来るよねぇ!と、
その製作のコンセプトを嬉しく受け止めた僕でした。

もひとつ小さい子達の保育をしていたえりか先生の
こんなノウハウや子ども達への投げかけが、
今年の日土幼稚園にまた新しい風を吹かせてくれています。
嬉しそうなこの子達の顔と
この子達が自ら表現したこの素敵な表現に
嬉しく思った今週のばら組でありました。

 6月5日 もも組
今週のももさんはクラス活動でミッションゲームを楽しんでおりました。
『先生の話を聞いているようで聞けていない…』ってこの子達。
動き出しや話し出しには過敏に反応するのですが、
最後まで聞かないからとんちんかんになっちゃって…。
『一を聞いて十を知る』も大切ですが
(僕もそう言うタイプで先に思考が走り出しちゃうのです)、
ちゃんと最後まで話しを聞くこともこれまた大事。
と言うことで実祐先生が始めたのが『かみなりゲーム』。
子ども達を仰向けに寝かしまして
「かみなり」と言ったらおへそをかくす為にうつぶせに。
そんなゲームを投げ掛けチャレンジしておりました。
最初は「かみなり」の言葉にも
指示通り対応出来ない子達もあったのですが、
段々とコツを掴んで来て上手について来れるように。
すると今後は『かみなり』ならぬ『かみさま』とか
違う言葉を繰り出しひっかけを試みる実祐先生。
子ども達もそれにひっかからないように
注意深く先生の言葉を聞くようになりました。

お次に挑戦したのは『信号ゲーム』。
実祐先生が「あお!」と言えば一歩進む。
『赤』は停止で『黄色』は一歩バック。
そんな信号指令を受信しながらゴールに向かうゲームです。
これもそのロジックを頭に入れるところから始まって
指令をしっかり聞いて前に後ろにぴょんぴょんぴょん。
時々起こるうっかり間違いに自分を正し・やり直したりもいたしながら、
面白ゲームに参じていた子ども達でありました。

最後は『どん!じゃんけんゲーム』。
今度はふた組に分かれまして、
行き当たったところで「じゃんけんぽん!」。
勝ったら前に、負けたら次の人がスタートと、
そんなルールでのゲームを楽しみました。
色々やって遊んだこの日のももさん達。
指令を聞くコツを少し分かってくれたのか、
聞く耳が出来て来たようなそんな気も。
でもこの子達は行ったり来たりのそんなお年頃。
こんな体験によってちょっとずつ
成長して行ってくれることでしょう。
『一歩進んで二歩下がる』そんなときもあるでしょうが、
今月の聖句は『成長させてくださったのは神です』。
その時が必ず与えられることを信じながら
言葉と想いを投げ掛けつつ、
実祐先生にもこの子達と一緒に成長して行って欲しいと思っています。
そんなこんなをやりながらちょっとずつ
成長のらせん階段を登っている
この子達なのでありました。

 6月4日、5日 すみれ組
すみれさんの育てて来た『プランター野菜』。
だいぶ大きくなって来て、
嬉しい変化を見せてくれています。
イの一番に収穫となったのはピーマン。
アブラムシが発生しその対策としてテントウムシを捕獲して、
その葉っぱに移植したあのピーマン。
乗っけたそばからプーンと飛んで行ってしまったテントウムシ達が
アブラムシ退治をしてくれたのかどうかは定かでありませんが、
その後無事にすくすくと育ちまして
大きな実をつけてくれたのでありました。
それを丁寧に収穫したすみれさん。
嬉しい今年の初物となりました。

続きましてトウモロコシ。
こちらも早くも花が咲き、受粉の頃となりました。
美香先生によりますと、このヒゲヒゲのある方が雌しべなんだそう。
大きく立派な雄しべは花粉が吹き出て
触れば粉粉になるほどです。
それをはさみで切り取りまして、
雌しべにつけて受粉作業をやっていたすみれさん達。
下にある雌しべに身をかがめて受粉させようとしたところ、
また別の雄しべに頭が当たってぼふぼふの粉だらけに。
雄しべを被った子ども達に
「○○ちゃんの頭からトウモロコシが生えてきたらどうする?」
と言ったなら、
先ほど収穫したピーマンを頭にのっけまして
「ピーマン、生えてきた!」とおどけて見せた男の子。
みんなで笑い合ったものでした。

そんなこんなで愉快な農作業を楽しんだ子ども達。
ミニトマトも大きくなって色付き出し、
キュウリも赤ちゃんを発見することが出来ました。
スイカもそれらしきものを花の間に認め
「さてここからどうするの?空中菜園?」
と現在作戦立案中。
これからがさらに楽しみとなっています。

さて、その日のお昼前、
早速収穫したピーマンを試食することにしたすみれさん。
「お昼まで待つ?」と言う美香先生に
「お昼まで我慢出来ない!」と心の声が漏れて来た女の子。
みんなも同じ想いだったようで
お昼を待たずして早速お料理と相成りました。
芸の細かい美香先生。
二つのピーマンを縦に切るのと輪切りに切るので切り比べ。
その断面を示して「どう?ちがう?」
と子ども達に観察を促します。
僕もいつもさっさと切って種を取って…とやってしまうのですが、
先生によるプレゼンを見ていて気づかされることが一杯出現。
輪切りのピーマンから「お部屋が三つに分かれている」
なんて言うから
「へーそうなんだ」とひとしきり感心していた僕でした。

そうして種も取り除き、下処理と同じ方向に切り分けられたピーマン達。
これは『繊維の方向に切った方が苦みが少なくなる』と言ううんちくは知っていた僕。
でもいかんせん好き嫌い無く何でも一口で食べてしまうので
いまいち違いが分かりません。
それはさておいてピーマンをフライパンで炒め始めた美香先生。
仕上げに焼き肉のタレをかけたなら、
おいしそうな匂いがお部屋中に立ちこめました。
その焼きたてをみんなでいただきます。
「おいしい!」「おいしい!」と口々に言う子ども達。
ピーマンの嫌いな子はいないと言うこのクラスですが、
自分達で育て収穫したものは尚更だったでありましょう。
もも・ばらさん達にもお裾分けしてあげようと言うことで、
取り分けた残りをまたみんなで山分け試食。
『焼き肉のタレ味のピーマン』をたっぷり堪能した子ども達でありました。

そんなこんなで色んな体験を味わった
この日のすみれの子ども達。
本当に素敵な『食育の時』をみんなで分かち合った一日となりました。
子ども達のためにがんばってくれた美香先生に心より感謝です。


 今週の顔
 ばらさんのゆいかちゃん、
スクーターに乗ってご機嫌笑顔。
元気元気に遊んでいます。
そんなゆいかちゃん、
「練習しているの」と涼しい顔。
その意識の高さにびっくり。
『がんばる自分』を心の糧に
日に日に大きくなっているゆいかちゃんです。
ばら組のかなたくんです。
体調不良から帰って来た今週末、
『やだやだうえーん』かな?と思いきや
シャボン玉遊びで超ご機嫌。
カメラに向かってアワアワ攻撃、
嬉しそうな笑顔を見せてくれました。
自分の『これ面白い!』を見つけながら
 幼稚園で自分を顕せるようになりました。
 ももさんのななこちゃん、
今週お誕生日です。
ななちゃんが元気に戻って来て
クラスもまた明るくなったそんな感じ。
おっとり&高らかな笑い声は
まさしく僕らのかわゆいアイドル。
「大きくなったらアイドルプリキュア!」
5歳のお誕生日、おめでとう。
 ももぐみのとうまくんです。
とうまくんもシャボン玉遊びで大はしゃぎ。
シャボンの泡を僕に投じて
「やったった!」のこんな顔。
イタズラ大好きで茶目っ気たっぷり、
でもすぐにあせあせあせりまくりの
愉快なリアクションのそんな顔も。
明るく元気に弾けまくってくれています。


6月第2週

 6月9日、10日 ばら組
今週は雨続きの一週間となりました。
でもばら組のお部屋を覗くと元気な声と動く姿が…。
気になって度々足を運んだ僕でした。
ダンスでは『ロケットペンギン』に挑戦しているこの子達。
新しいダンスは勝手が分からず
「やらん!」ってそんな子もあるのですが、
元々歌もダンスも大好きなばらさん達。
段々と新ダンスにも想いを引かれて来たようで、
「やらん!」と言いながらも一緒に走り回っておりました。
なんだかんだ言いながら
心と体が動き始めて来たその姿に、
「またお調子に乗ることが出来たなら
きっとこの子達の十八番となりそう」
とそんな予感を感じている僕なのです。

翌日は以前に『しんぶん紙吹雪き』で遊んだ新聞紙を
取り出して来たえりか先生。
それをくるくるぎゅっぎゅと握ってから
テープをペタペタ貼りまして、
『新聞紙玉』を子ども達と作っておりました。
そこに登場したのが大きなひらひらの不織布。
そこに新聞紙玉を乗っける子ども達。
「あーなんかやってる」
とそれまで隣りの部屋から見ていた僕も、
楽しそうな子ども達音笑顔につられて入ってみれば、
流れるBGMに合わせて先生二人が布をゆらゆらさせています。
そして時が満ちて「ぽーん!」と玉を跳ね上げたなら
子ども達は大喜び。
そのBGMをよくよく聞いてみたなら
「ポップコーン!」と歌っていて
「なるほどそう言うコンセプトの遊びなのね」
と嬉しくなってしまった僕でした。

これにはみんな喜んで参加していたばらさん達。
その姿を興味深く見つめたものでありました。
楽し面白いことはみんな大好き。
お調子元気も出せるようになりました。
でも『これ出来ないかも』のものには
「やらん!」と予防線を張るのね…と
この子達の繊細な潜在意識を垣間見たような気がしたもの。
楽しかったら自然に身体が動き出しちゃうのでありますが、
でもそこに『自分は出来る・出来ない』と言う
客観意識が芽生えて来るから
「やらない…」ってなるのです。
言ってみればそれだけよくよく周りと自分が見えていると言うこと。
そんなこと気にしないで
楽しいことを「楽しい!」って楽しめたらいいんじゃない!
と思いつつ見つめた光景でありました。
きっとそんな子ども達の想いを汲んで
投げ掛けてくれたのがえりか先生のこの『ポップコーン』だったのでしょう。
『できた・できない』の型がない
自由演技のお楽しみ。
もじもじ君達も心の底から楽しむことが
出来たのではなかったでしょうか。

それにしてもあの新聞切れ、
「よく残してあったな…」とまた変なところに感心してしまう僕。
一見その場限りの『やんちゃ遊び』のように見えて、
『物を大切に扱うこと』や『次に使える機会を考えること』など
子ども達に伝えたい・考えてもらいたいことが
その中に詰まった投げ掛けだよね…と
見ていて思った僕でした。
先週はお休み多数のばらさんでしたが、
今週は元気になって戻って来て
また心も体も元気に幼稚園を楽しんでくれています。
それがなにより嬉しい
今週のばら組でありました。

 
 6月9日 もも組
「みんなそろったらかこうせんやろう」と言って来たもも組さん。
久しぶりにみんなそろいまして
いざやりましょうと言うことになりました。
それにしてもその言葉を聞くたびに
「下降線とはなんぞや?」
と思っていた僕。
今回みんなが手にしたおそろいのテキストを見てみると
『かこう せん』、
つまり『書こう、線』でありました。

そんな僕はさておいて
子ども達はテキストを前に『お勉強モード』。
ここで先週の『先生の話しをちゃんと聞く』
と言うことが、
活かされて来るのです。
『鉛筆の持ち方』から始まって
実祐先生の一斉指導の言葉を聞きながらやってみる子ども達。
『これはこう言うもの』と言う理解や直感を持つこの子達、
でも先に先にやろうとすると違うことになってしまいます。
自分の理解を具現化し体現しようとする想いも大切ですが、
設定課題の場合は設題者の意図を汲むことが
正解への近道であり、
それがお勉強に挑む姿勢の第一歩。
そんな感じでクラス活動をがんばっていた
今日のもも組さんでありました。

 【6月10日 ペンテコステ礼拝】
今日はペンテコステの礼拝。
日土教会の松井牧師をお招きして
子ども達にお話をしてもらいました。
キリスト教の三大聖日のひとつ、ペンテコステ。
でもこれを語るのが一番難しい。
「この間、イースターってしたよね。何の日だった?」
「たまごのひ!」
「そうね、じゃあクリスマスは?」
「・・・」
「イエス様のお誕生日ね。
今度のペンテコステはね、教会のお誕生日なんです。
あとは松井先生にお願いします」
とそんな導入で松井先生にお願いして後を託した
僕だったのでありました。

そんな僕の『丸投げパス』を
しっかりと受け止めてくださった松井牧師。
絵本を用いながら丁寧に
イエス様お誕生のクリスマスから
復活のイースター・そして今回のペンテコステまでの物語を
子ども達に語ってくださったのでありました。
それをしっかりと聞いていてくれた子ども達も偉かった。
こうして二千年前のペンテコステの日に生まれた教会が
長い時をかけてこの日本・そして日土の谷にも伝わって、
そこから生まれた日土幼稚園でも
こうして神様の御言葉が語られていることのこの不思議。
不思議そうに・でも一生懸命聞いている子ども達の顔を見つめながら
そう思った僕でありました。

本日は幼稚園の子ども達のために
お話をしてくださった松井先生、
本当にありがとうございました。
「またきてね!」「またきます!」
とお別れをした子ども達と松井牧師でありました。

【今週のスナップ 6月10日】
雨続きだったこの一週間。
お部屋ではお店屋さんごっこが
あっちでこっちで大流行。
発信元はすみれだったようなのですが、
それが他のクラスにも伝播して
あちらこちらで人気マーケットが開かれておりました。

時計やジュースなど色々なものが作られて、
それを欲しい子達が品定め。
中でも売れ筋商品はアイスクリーム。
注目すべきはおしゃれなコーン。
昔の白いふやけるコーンではありませんで、
カリッとパリっとのシュガーコーン。
「今時の子達にとってはこれなんだよね」
と思いつつ見つめた情景でありました。
画用紙で出来たコーンなのですが
色もデザインもそれと分かるあの意匠。
紙を円錐状に丸めれば出来ちゃうし、
見る方にとっても分かりやすいし、
「最初のプロトタイプは作成は美香先生?」
と思ったもの。
でもそこからは子ども達のものとなり、
それぞれの想いを乗っけながら
あれこれ発展・展開して行った
『アイスクリーム祭り』となりました。

子ども達の遊びにとって
こんな最初の一滴がとても大事。
そこからどんどん波紋が伝わって、
こんな素敵な子ども達の創作・創造の世界が
広がってゆくのです。
そんな素敵な情景を見せてくれた
この子達のお部屋遊びでありました。 

 6月10日 すみれ組
すみれさんは『歯の健康月間』と言うことで
歯をモチーフにした自分達の顔を作っておりました。
『お利口で物分かりが良く、
何事もツツガナクこなす子ども達』
と言うイメージのあったこの子達。
すみれになってふた月ほどが経ち、
この子達との生活の中で色々と課題も見えて来ました。

「歯って何本?」の問い掛けから始まりまして
20本と言う数字に辿りついたこの子達。
「じゃあ歯を20本作ってみよう」
と白い帯状の紙をハサミで切り始めた子ども達。
数を数えながら切ってゆくのですが、
それって途中で分からなくなるパターン。
『何かをしながら数える』って
何かの拍子で往々にして分からなくなってしまうもの
(僕もそうです)。
それは想定内と言うことで
じゃあそれを数えてみようと
まずは個人個人に投げ掛けた美香先生。
すると
「いーち、にー、…
ろーく、なーな、ろーく…」
と聞こえて来て
「ろく?ななの次はろく?」
と怪しい案件が発生。
でもみんなも所々でそんな感じ…
と言うことで次の作戦に出た美香先生でありました。

次は「みんなであわせて、いーち、にーって数えよう」
と投げ掛けた美香先生。
みんなで合わせれば数を数える練習にもなるし、
間違っていたら気が付くし…
と言うことで始めたのですが、
手元が不器用な子達がみんなから遅れ出し
数える声もずれて来ます。
これでは折角の『みんなで一緒に』が成立しなくなるので
「みんなの声に合わせて
いーち、にーってがんばってね」
とアドバイス。
真面目な子ども達は一生懸命それについて行こうと
がんばって数えたのでありました。

そんな子達のがんばりに免じて
優しく見守ってくれていたらいいのに、
さらに『イタズラ天使』が子ども達を困らせます。
折角そろえて「いーち、にー」
とがんばっていた子達の指先に、
汗のせいか・それとも雨の湿気のせいか
数え終わった歯がくっついて
また数える前の山の中に戻してしまいました。
20まで数えたので余った分を先生に返した子ども達。
「じゃあ貼ってみよう」と
それを一本一本自画像の口に貼り始めたのでありました。

みんなが全て貼り終り、
「じゃあ答え合わせね」
と貼られた歯を数えてみれば、
「15、16、17、18!…」
とそんな子が続出。
「18本?20は?
はい、あと2本急いで切って!」
とそれぞれに足りない歯を補填して
なんとか完成したこの子達の自画像でありました。

去年のすみれさんはやること一つ一つに大騒ぎだったので
『出来ていないこと』がよく分かり、
その再チャレンジによって
色んなことが出来るようになって来た子達でした。
一方今年のすみれさんは
そんな先輩の背中を見ながら・その蔭に上手に隠れながら
そつなくやるのが得意な子達だったので、
自分でも『何が出来て・何が出来ていないか』
を分かっていないところもあるみたい。
なのでこのすみれの一年は
なんでも自分から挑戦して行って
『自分を知るところ』から始めてくれたらいいなと思うのです。
そんなこの子達の姿を見つめながら、
その時々に応じて
必要な投げかけをしてくれている美香先生。
このコンビの大奮闘&大冒険を
これからも見守りつつレポートをしていくことにより、
皆さんと喜びや感動を分かち合えたら…
とそんな風に思っている僕なのです。

 6月11日 もも組
先日の『かこうせん』のお勉強と打って変わって、
この日は『おもしろアート』を楽しんでいたこの子達。
『最近、お家を作るのが流行っている』
と言うことで実祐先生が投げかけたのが
『みんなのお家をつくっちゃうおう!プロジェクト』。
大きな画用紙を観音開きに折りまして、
その上部を線に沿ってハサミで三角に切った子ども達。
すると三角お屋根の素敵なお家になりました。
そこにそれぞれ思い思いに
家にあるもの・間取りをデザインして行きまして、
マイホームを描いた子ども達でありました。

実祐先生のお手本が秀逸で、
お部屋にはテレビが置いてあり
その画面には『YouTube』の赤いロゴ。
子ども達はそのキャッチ―な情景を真似したくって
沢山の子がアルファベットも書けないと言うのに
見よう見まねでその絵を真似しておりました。

また家の中の階段を描き
その下にトイレもあって…と
精密にデザインしていた男の子、
「これは〇〇ちゃん」「これはママ」
「僕は幼稚園だからいない」
と昼間の我が家を想い想定して登場人物を描いていた子、
と想いの向かう先はそれぞれでしたが
「いつの間にこんなに絵で表現が出来るようになったの?」
と驚かされたものでありました。
一方、「お家にウサギがやって来て…」、
「うちはイノシシがいる!」
「家の中に海があってホオジロザメが泳いでいる!」
とファンタジーな世界を繰り広げ
その創作活動を楽しんでいた子達も。
そんな子ども達の絵にひとつひとつ言葉をかけながら
嬉しそうに見つめていた実祐先生。
今日はどこにも正解も正否もありません。
子ども達の心象世界を発露する場で良いのだから。
先日の『かこうせん』では学ぶことの作法と心構えを
みんなで学んだこの子達。
『求められていることを理解し実行しようとする学び』
それも大切な学びでしたが、
自分の想いを具現化し表現することも大切なお仕事。
そこからお互いを知り・分かり合おうとする関りが
始まってゆくのだから。
ちょっと愉快なこの子達の
それぞれの想いを垣間見ることの出来た
素敵な時となりました。

【今週のスナップ 6月11日】
ずーっと雨続きの一週間でありましたが、
中日のお昼、ちょっと雨が上がった時間がありまして、
そこでお散歩に出かけて行ったすみれさん。
砂場にかけられたブルーシート。
その下の山川の形に沿って水が溜まり
子ども達も興味津々。
「長靴だから入ってもいいよ。
深いから上から入って来ないように気を付けて」
と言われ長靴を踏み入れた子ども達。
自分達で掘りまくった水路の深さで、
もう少しで長靴の丈を超えそうになって
「うわー、ぎりぎり!」
と言っておりました。

ヤギ牧場に向かう坂路では水が流れ落ちて来て
「ウォータースライダーみたい!
すべりたい!」
と女の子。
さすがにここを滑るとお尻が擦りむけてしまうので、
代わりに葉っぱを流して遊んでおりました。
道すがら雨で垂れ下がって来た枝を切りながら
一輪車に乗っけて運んだ僕ら。
ここを通る自動車に当たりそうになるのを防ぐのと、
雨でご飯をくれる人の来訪が
少なくなってしまったヤギさん達にあげるのと、
一石二鳥。
頭上の小枝を切る度に
葉っぱに溜まった雨水がどしゃーと降って来て大わらわ。
そんなこんなもありながら
ヤギ牧場までやって来たこの子達でありました。

それなりにエサをもらってはいるのですが、
雨続きで子ども達からもらえるおやつの配給がなく
少々欲求不満のヤギさん達。
来てくれた子ども達に向かって猛アピール、
「おくれ!おくれ!」とやって来ます。
その勢いにのけぞりながらも
エサをやりつつ嬉しそうな顔をしていた子ども達でありました。

久しぶりにお外を散歩出来て御機嫌だったこの子達。
雨の季節にはその季節なりの楽しみ方があるものです。
『園庭で駆け回って』と言うのは難しいけど
その時々で子ども達と楽しめるものを
探し投げかけてくれている美香先生に感謝です。 

 【今週のスナップ 6月13日】
今日は幼稚園の梅で作った『梅ジュース』と『梅ジャム』の試食会。
お昼前にみんなが手塩にかけて作った梅シロップをお水で割って
程良い濃さのジュースにしてもらいました。
それをまずはちょっとずつ
試飲サイズにコップに注いでもらって
「いただきます」。
「かんぱい!」ってやって喜びを分かち合っていたのはももの子&実祐先生。
『梅って酸っぱい』ってイメージのある子ども達。
飲んだことのない子も多いはずなのに、
おにぎりにつきものの梅干しから
そんなイマジネーションが湧いて来るのでありましょう。
最初はこわごわゆっくり口に運んでいたこの子達だったのでありますが、
でも一口飲んでみると
「おいしい!」「あまい!」「ちょっとからいけど、おいしい!」
と大絶賛。
嬉しい今年の初飲みとなりました。

その足でばらの部屋を覗いてみれば
この子達も口々に「おいしい!」「おいしい!」。
「もう三杯目なんです」
とえりか先生。
「どれどれ?ウメッシュで酔っぱらっているんじゃないの?」
と声をかければ、
身をよじって素早いレスポンス・リアクションの子ども達。
おかげでコップの中のジュースがこぼれて大惨事。
床を拭いてくれたえりか先生に申し訳なく、
「ごめんなさい」と謝った僕でありました。
『飲んでいる子ども達に話しかけてはいけません』、
と身をもって教訓を得た園長先生だったのでありました。
でも美味しそうな顔を見せてくれるばらさん達に
ちょっとほっとのそんな想い。
幼稚園でまた「うれしい!」「たのしい!」
の想いを見つけることの出来たこの子達は、
きっと来週も元気&ご機嫌で幼稚園に来てくれることでしょう。

さてさて、最後に訪れたすみれ組。
さっきまで席に座って飲んでいたのに、
部屋に向かえばもう全員飲み終わった後でした。
「おいしかった!」と感想を聞かせてくれたすみれさんでしたが、
写真は瓶だけとなってしまいました。
これまたごめんなさい。
お家でお味の程を子ども達に聞いてみてください。

さてそんなジュースタイムに続きまして、
お昼ご飯のデザートに出されたのは梅ジャム&クラッカー。
手作りジャムをクラッカーに付けていただくなんて、
なんておしゃれな幼稚園でしょう。
これもおしゃれでグルメな美香先生のプロデュース。
食育に関してうちの園で右に出る者はありません。
野菜を育てたり木の実を採って味わったり、
こんな色んな体験が出来るのも
美香先生を始めとする先生達のおかげだと感謝しています。
作ってくれた佐代子さんにもありがとう。
そして豊かな自然の恵みを与えてくださった神様に、
心より感謝です。


【6月13日 避難訓練】
今日は今年第一回目の避難訓練が行なわれました。
火事想定の訓練で、台所が火元と言う設定。
午後は雨も上がると言うことで外への避難を実施。
今回は幼稚園の門の方へ逃げる訓練を行ないました。
ベルとサイレンが鳴ると
さっと顔色を変えていたのはばら組の子ども達。
「わー!わー!」「やー!やー!」なっちゃうかな…
と思いもしたのですが、
先生の避難指示をしっかり聞いて
冷静に行動してくれました。

一方のベテランさん達の中にはニタニタのろのろやっている子、
美香先生に総括してもらい子ども達に投げ掛けてくれた言葉を
フワフワぽーっと聞いていた子達もありまして、
そこはもう一度確認し合った僕ら。
訓練が終わった後に
先生のしてくれた『お・は・し・も』の約束を
みんなで確かめ合っておりました。

目指すは100点の訓練だけれど、
『百点を取ること』が目的ではありません。
足りなかったところにこそ、
反省・改善の気付きが与えられます。
そう言った意味では良い避難訓練となりました。
がんばって泣かずに行動出来たばらさんも
後で「こわかった」と教えてくれました。
『恐いけれど大丈夫』が出来たことを
嬉しく思ったもの。
そう思いつつもそれぞれの子達の心に寄り添いながら
またやって行けるよう、
心のアンテナを感度高く持っていたいと思ったものです。
みんなががんばってくれた分、
僕もがんばろうと思わされた避難訓練の日となりました。





















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