癌家系があるようにがんは遺伝するようにも見えます。癌遺伝子とはなにか、どうしてできるのか。
たばこが発癌の原因の1位に上げられていますが、成人男性の喫煙率は昭和41年の83.9%をピークに平成21年には38.9%と半減しています。ならば肺癌は減少するはずなのに肺癌の死亡率が現在トップになり、たばこが主因という説明には疑問を感じます。
放射能も発癌物質です。原爆が投下された広島で最も多発したがんは白血病でした。水爆実験に遭遇した第五福竜丸は23人の乗組員のうち12人が肝臓癌か肝疾患で亡くなり、チェルノブイリの事故では甲状腺癌が最も多発しました。
被爆をした地域でなぜ特定のがんが多発するのか。放射能がどのようにして癌細胞をつくるのか。


〈癌細胞の発生と癌遺伝子の関係〉

がんとは正常細胞に癌遺伝子という癌細胞特有の塩基配列による遺伝子ができ、その癌遺伝子の情報により無限に分裂し増殖する悪性細胞による病気です。癌遺伝子ができなければがんは発生しません。癌遺伝子の発生と癌細胞の増殖を許す理由としては次の三つの説が主流です。

1つには、DNAで構成される人の正常な遺伝子には、癌遺伝子とほぼ変わらない塩基配列の原型(げんけい)癌遺伝子というものがあり、この原型癌遺伝子が放射線や化学物質の作用により傷がつき、またある種のウイルスが運び出し、その塩基の修復にミスをして、癌遺伝子の塩基配列となるのでは・・という説があります。

(塩基とは、DNAを構成するグアニン・アデニン・シトシン・チミンという遺伝子の文字)
(原型癌遺伝子=プロトオンコジーンとは、正常な遺伝子内に、癌細胞にある遺伝子または癌ウイルスの遺伝子とほぼ同様の遺伝子が発見されたもので、あくまでも人の遺伝子として正常な働きをしている遺伝子であり、この遺伝子の文字である塩基が変わって癌遺伝子となるという説)

2つにはB型肝炎ウイルスや成人T細胞白血病ウイルスなど、発癌ウイルスの遺伝子が細胞の遺伝子に入り込み、このウイルスの遺伝子の一部が癌遺伝子となり増殖を開始するというウイルス発癌が明らかになっています。

3つには無秩序な分裂を抑制する遺伝子として、rb遺伝子やp53遺伝子など現在20種余りの癌抑制遺伝子が発見されていますが、このブレーキ役の癌抑制遺伝子にウイルス遺伝子が作る蛋白が結合し、これが欠落することから分裂を阻止できず増殖するという説があります。現実に、悪性度の高い癌にp53遺伝子の欠落が見られるとのことです。

これらの要因がいくつか重なり、1個の癌細胞ができ、白血球の監視の目をのがれて増殖し、目に見えるがんという腫瘍ができるとされているわけですが、なんらかのかたちでウイルスが関係しています

癌ウイルスと癌遺伝子の主な発見

1911年・米国ロックフェラー研究所のラウスが、ニワトリの肉腫をすりつぶし濾過した液を他のニワトリに接種すれば肉腫が発生することを発見。(当時はウイルスという言葉はなく、何らかの見えざる病毒が肉腫を起こすと表現した)

1967年・米国のカーステンがマウスの肉腫からウイルスを分離し、このウイルスの遺伝子をラス遺伝子(K.ras)と名付ける。

1976年・米国のビショップ等が、ラウスにより発見されていたニワトリの肉腫ウイルスから癌遺伝子を取り出し、これをサーク遺伝子(src)と名付けた。

1982年・米国のワインバーグが、人の膀胱癌からもマウスの肉腫ウイルスと同じラス遺伝子を発見。

その後の様々な癌ウイルスと癌遺伝子の発見につながります。
現在発見されている癌遺伝子は60種余り。その多くはウイルスの遺伝子です。


癌ウイルスと発癌のメカニズム

■癌ウイルス
現在、人の癌ウイルスで明らかになっているものは、

1.子宮頚部癌を発生させる
人パピロマウイルス
2
.肝臓癌を発生させるB型とC型肝炎ウイルス
3.
T細胞白血病を発生させる成人T細胞白血病ウイル
 ス(HTLV−1)

4.
上咽頭癌とリンパ腫を発生させるEBウイルスです。

また、近年の北海道大学の研究では胃癌とEBウイルスの報告もあります。
http://www.igm.hokudai.ac.jp/vir/work.html

■ウイルス発癌のメカニズム
ウイルスというものは、血液の流れにのって受け入れ口(受容体)が合う特定の細胞に侵入します。
右の図はレトロウイルスの増殖過程を示すものです。
   (レトロウイルスとは逆転写酵素を持つウイルス)
レトロウイルスは、細胞に侵入すると自分のRNAを逆転写酵素によりDNAに転写し、このウイルスDNAが細胞核に入り細胞のDNAに組み込まれます。
組み込まれたウイルスDNAは、細胞の蛋白を利用し新たなウイルスを産生します。
なお、組み込まれたウイルス遺伝子の情報により細胞分裂が開始されれば癌が生じます。
1つの例として、成人T細胞白血病ウイルスはこの作用を持つレトロウイルスの種であり、リンパ球に潜んで母乳などから感染し、徐々に増えながら壮年期ころにT細胞の癌化=T細胞白血病を起こすことが知られています。
ウイルスによる癌化=癌遺伝子の発現の具体例として重要な意味を持っています。

以上のように、“ウイルス遺伝子が細胞の遺伝子に入り込み癌遺伝子と成るメカニズム”は明らかとなっていますが、放射線や化学物質により傷ついた原型癌遺伝子の塩基が修復過程で癌遺伝子の塩基に変貌するということについては説明がつきません。
すべてに筋がとおる説としては、ハスミワクチンの開発者である故蓮見喜一郎博士の発癌理論が最も正しいものと思われます。

蓮見ワクチンの開発者 蓮見喜一郎医師の発癌理論
氏の理論を要約しますと、発癌の主因は血液などを介して感染した癌遺伝子を作ることができるウイルスであり、ウイルスを子孫に引き継ぐことから癌は遺伝するかのようにも見える。
放射線や化学物質などの発癌物質は、そのウイルスの遺伝子が、人の細胞核の遺伝子に結合しやすくなるフリーラジカル(遊離基=奇数電子の発生)をおこす物質である・・というものです。
従って、発癌物質を取り入れるほど癌細胞はできやすく、同じ放射能被爆で地域によって多発する癌があるということは、それを起こすウイルスを持っている人が地域的に多いととらえれば理解できます。

なお、ウイルスが細胞の遺伝子に自らの遺伝子を組み込むという作用を利用し、ADA欠損症に対し、欠損している遺伝子をマウス白血病ウイルスに乗せてリンパ球に運び込ませる遺伝子治療が過去に行われましたが、癌細胞が生じることから現在は中止されています。
また、近年注目されている万能細胞とよばれるIPS細胞の作成にも、ウイルスを使って必要な遺伝子を組み込む関係上、かなりの確率で癌細胞が生じることが大きな障害ともなっています。
これらのこともウイルスによる発癌を裏付けるものです。
2009年12月現在

〈がん治療の問題点と免疫療法の必要性〉

悪いものは取り除くという考えで手術が優先されます。また細胞毒である抗癌剤(化学療法)が有効とされ、さらに放射線(物理療法)による破壊が現在の3大治療法です。
がんの治療は早期発見による手術が最も確実な方法です。
しかし
できたものを切り取るか殺す方法だけではできる原因というものは絶たれてはいませんし、再発を阻止できるものでもありません。
なぜなら、『癌細胞は分裂を開始した早い段階から、一部が剥離を起こして遊離し、血管とリンパ管を流れ体内をめぐり着床する・・』とされています。たとえ早期癌であっても、一部の癌細胞はすでに遊離していることから転移・再発の不安は残されるわけです。 
 (癌細胞は、ウイルスがおこす円形化という細胞変性効果により円くなり剥離し遊離すると考えられています)
最初に発生した原発癌から遊離した癌細胞が、別の部位に着床し増殖したものを転移癌といいます。乳癌の肝臓転移を例にあげれば、肝臓にできた癌細胞は肝臟細胞の癌化ではなく、乳癌細胞が遊離して血液中を流れ肝臓で着床し増殖したものです。

手術後は定期的な検査が行われます。転移や再発癌が見つかれば、切れるものは切り、切れない場合は放射線や抗癌剤治療がおこなわれます。しかし治療の効果は期待できず厳しい局面となります。
再発におびえながらも、再発を阻止する治療法はないというのが現医療の問題点です。
再発を防げるか否かは、遊離しまた取り残された癌細胞に対して、白血球が認知し排除できるか否かがカギとなります。そこに術後においても免疫療法をおこなう必要性があるわけです。

〈癌細胞消失のしくみと免疫療法〉

経験ある医師の多くは、手術も抗癌剤も何もしないのに、まれに癌細胞の自然消失が起きることを経験されています。医師はこの事実を『千人おれば2〜3人は消える人もいる・・』と平然と言います。
それまで増えつづけてきた体内の癌細胞が、何もしないのに突然死んだり解けて消えたりするはずはありません。
体内の異物細胞の自然消失は、白血球が破壊して処理しない限り起こりません。
一例として、他人より移植された細胞は白血球により異物と認知され、短期間で破壊排除されることは周知の事実です。
そのしくみは、細胞が持っているHLAと呼ばれる自己と非自己を見分ける触覚のようなものが合致しないため、すぐさま白血球が異物と判断し、貪食(どんしょく=食べる)したり酵素によって破壊し、分解処理して排除するためです。
移植細胞や癌細胞などの異物細胞を破壊するのはNK細胞やマクロファージ、そしてキラーT細胞(活性型T細胞)と呼ばれる白血球です。
癌細胞もそれら白血球により異物な細胞と再認識されれば破壊され、結果的には自然消失とも見れる現象も起きるわけです。

白血球による癌細胞の認知は、癌細胞が持つ蛋白分子(癌細胞膜抗原)をHLAとともに白血球が受け取り、この蛋白分子を白血球が異物として認知することにあるとされています。
これを人為的に起こす療法が免疫療法の手法です。
丸山ワクチンや食事療法においても現実に効果例は存在しますが、大切なことはその効果確率が高いものを選択することです。

■今日では、
白血球が癌細胞を異物と見破る能力をより増強させる手法として、癌細胞膜表面にある蛋白分子=癌抗原を利用した特異的能動免疫といわれる手法こそが最も有効な免疫療法と考えられています。強制的に癌細胞特有の蛋白を白血球に与えて異物として教え込もうとする方法です。
現在その最先端には、患者の樹状細胞という白血球に患者から抽出した癌抗原を食わせ、これを患者に接種する樹状細胞療法(DC療法)という免疫療法があります。
また、ハスミワクチンも保存された癌細胞からウイルスを含む癌抗原を抽出し、これをワクチン化したものであり、癌抗原ワクチンです。消失を含めかなりの効果がみられ、術後の再発予防にも確かな効果が得られます。
金銭的に許されるのであれば、高額な樹状細胞療法とハスミワクチンを組み合わせることが現在最も効果がある医療における免疫療法と考えられます

〈免疫療法と抗癌剤との併用について〉 

免疫療法の効果を期待するなら、少しでも白血球が減少し弱化する(免疫の低下となる)ものとの併用を避けねばなりません。癌免疫療法は、白血球が癌細胞を認知し破壊するスピードと癌細胞が増殖するスピードとのせめぎあいであり、健全な白血球のさらなる活性化が全てです。
化学療法という抗癌剤のほとんどは細胞毒となる劇薬であり、盛んに増殖する細胞がこの毒を多く取り込み死滅することをねらった薬剤です。盛んに増える細胞といえば、癌細胞もそうですが胃などの粘膜細胞や毛根細胞そして血球を作る骨髄細胞などです。これらの正常な細胞も破壊されるため、吐き気が起き、脱毛が生じ、白血球が減少し弱化します。薬を止めれば癌細胞も増殖します。
癌細胞の全てを殺そうとすれば白血球がひどく減少し感染症にかかり患者は生きることはできません。毒で殺そうとすることに無理があるわけです。
また、術後の転移や再発を防ぐとして弱い抗癌剤を内服するように指導されるケースもありますが、残された癌細胞を全て殺すことができるのは毒ではありません。

癌細胞はできた早い段階からその一部が遊離し血管やリンパ管を流れ体内をめぐります。
術後においても、また抗癌剤治療の後も、再発を防ぎ治癒に結びつくか否かは白血球が癌細胞を見つけ出して破壊するかどうかにかかっています。

ならば、
残された癌細胞を処理するためには毒を与えるのではなく白血球の活性化が要求されるわけです。
毒性の少ない抗癌剤としても細胞毒にかわりがなく免疫能は低下します。
近年開発された分子標的薬といわれるものにもイレッサなどの劇薬があります。

白血球の免疫能の低下は再発の予防にはなりませんし免疫療法には妨げとなります。


先ずは癌細胞をたたく意味から抗癌剤を使用するとしても、できるだけ短期間で中止し、免疫療法に入れば免疫療法単独でなければなりません

繰り返しますが、免疫療法は白血球に何らかの刺激を与えて活性化を起こそうとする療法ですから、毒で弱ったり減少した白血球にそれをたくすことは困難です。癌細胞の増殖が勝りいずれは敗北します。
免疫療法の充分な効果をねらうためには毒性のある抗癌剤を併用してはなりません。
「毒で殺し、同時に白血球で殺す・・・」そんなうまい話しはないわけです。
素人ではない医師が、なぜこのような簡単なことが解らないのか不思議でなりません。 

■丸山ワクチン、ハスミワクチンの開発者は両者とも抗癌剤との継続しての併用をいましめていましたが、今日ではいずれの機関も現医療との摩擦を避けるため併用を否定してはいません。
患者側みずからが判断しなければならないところに難しさがあります。



<<戻る   次へ>> 自己免疫疾患へ    TOP