理由は何もないけれど いつもそこにあるもの かけがえのない 存在…

いつも見る風景に 疑問を抱きながら 人々は今日も生きていた

オカズ 作品集

病室シリーズ

あとがき

2000年の春先から描き始めた《病室シリーズ》。
初めて描いた作品は《群れ》だった。
作品が完成した時、僕の探していたものが見つかった気がした。
そして、このシリーズで画集を作りたいと思い、それを目標にしてきた。
それまでは自分で代表作だといえる作品がなく、自分らしさとは何か?煮え切らない思いを胸に描いていた気がする。
この《病室シリーズ》は僕の生活の一部をトリミングしたもの。
僕の日常での心の葛藤や、喜怒哀楽がたくさん詰まっている。
そんな思いが、見てくれる人の目と心にどう映るのか…?
でも、これが僕という存在なのだ。

僕にはまだまだ夢の続きがある。
その夢の続きを歩みゆくべく、僕はこの場を後にします。

                       2002年 秋 オカズ

それは辛く悲しいことだけど 決して忘れたくないこと その思いは永遠に…

昨日見た風景は 今日見る風景 それが生きてる証なの?

仲間たちだけのテリトリー そこには自分という存在がある でもそれは逃げなのかも…

その向こうに君が… 思いは揺れるカーテンのように

月の欠片たち

いつもそこには安堵感があった 妄想と快楽を求め 人はまたそこで屈んでいた

集められた汚物の中にも それぞれに個性はあった でもそれは無意味なのだろうか 

寝ても覚めても記録中 それが彼らの平和の条件 だけど彼らは自由を求めていた

集団の中では皆同じ ここですよ って叫んでみても ムダなだけ

天使のようなその声 その笑顔 響き渡るあなたの温もりが 僕たちの心を癒してくれた

すなわちそれは喜び ささいな当たり前の日常 無くしたその時 喜びを知るだろう

誰にでも必ず居場所がある でもその場所は 生きていてこそ存在する

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それが自然のなりゆきでも ふと 立ち止りたい時がある それが明日がある証なのかも

大地に根を張る一本の樹 うごめく生命たち きっと身近な場所に幸福はある

不安が込み上げる夜 そこには キミの優しさが ささやかに咲いていた

見え隠れする真実 自分しか知らない過ちも いつも何かに映っていた

明日はどこにある? でも 明日があることを信じ 歩き続けるしかない

何のために 何故に 答えが見つからないから 僕は答えを探しはじめた

傷つき怯えながらも 人々は群れとなり 冷え切った体を温め合っていた