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橋口和恵(TOSS南国港Free-wayTOSS中学☆坊ちゃん)
2008/8/5 東京 ビックサイトで行われた第10回向山型数学授業セミナーでD表検定を受検したものを,指摘していただいた点を修正した。渡邉佳織氏「「連立方程式の利用(あわせて○つの問題)」の修正追試である。修正箇所は「どんなお話ですか」という問いのあと,「初めはどうだったのですか」「次にどうなったのですか」と聞いていくことで、文章の流れを考えるようになり、問題の全体像をつかませるようにしたことである。
文章題を苦手としている生徒は多い。文章題が苦手な生徒はまず、問題のイメージがわかないのである。「どんなお話ですか」という問いにくわえ、問題の文章の流れを考えさせることで問題のイメージをより具体的につかませることができる。ただ,細かく聞き過ぎると、逐一指導になり、文章全体を読み取る力が育たないので,注意したい。
【フラッシュカード】
授業の始めのつかみで、全員ができることをして始める。この授業では文章から線分図を書かせ、立式できるようにしたいため、線分図のカードを見せて、立式する練習を行う。
《修正箇所・・・立式をスムーズにできるようにするためにフラッシュカードで復習をすることを入れた。》
(範読し、繰り返し言わせる)
「2+3=5 はい」 「2+3=5」
(カードを見せて、一緒に言う)
「はい」 「x+y=8」
(カードを見せて、生徒だけで言う)
「2x+3y=50」
【教科書】
指示1 教科書36ページを開きます。
教科書の問題を、まず教師が範読して、その後一斉音読をする。場合によっては、さらに個人で読ませることもある。
「Q Aさんは、学校の清掃活動に参加しました。そのとき、同じ大きさのアルミ缶とスチール缶をあわせて25個集め、その重さの合計は760gありました。アルミ缶1個は16g、スチール缶1個は52gです。アルミ缶とスチール缶をそれぞれ何個集めたでしょうか。 Aさんは、さんはい」
発問1 何のお話ですか。
「清掃活動の話です。」「Aさんが清掃活動に参加した話です。」「アルミ缶とスチール缶を集める話です。」
ここでは1つに絞らず、生徒が答えることで問題のイメージをつかめればよい。
発問2 初めはどうだったのですか。
「Aさんが学校の清掃活動に参加しました」
発問3 それでどうだったのですか。
「アルミ缶とスチール缶を集めました」
発問4 それでどうだったのですか。
「合わせて25個になりました。」
発問5 それでどうだったのですか。
「合計の重さが760gになりました。」
発問6 何を求めるのですか。
「アルミ缶とスチール缶をそれぞれ何個集めたかです。」
指示2 ノートに、アルミ缶χ個、スチール缶y個とすると書きます。
(板書)
アルミ缶χ個、スチール缶y個とする
指示3 2行あけて8cmの線分を書きます。
「書きました。」 「お隣と確認」
《修正箇所》文章を線分図に直し、立式する組み立てにするため、線分図を書かせるパーツを入れた。
発問7 あわせて何個集めたのですか。
「あわせて25個です。」
指示4 黒板と同じように25と書きます。
線分図に書き込む。アルミ缶のχ個も同じように書く。
発問8 スチール缶の個数は、さんはい。
「yです。」
指示5 上の線から4行あけて8cmの線分を引きます。
指示6 重さの線分図を書いてごらんなさい。
「書けました。」
黒板の線分図の重さの全体を指さして発問する。
発問8 ここはいくらですか。一緒に言います。さんはい。
「760gです。」
発問9 何を表していますか。
「アルミ缶とスチール缶を合わせた重さです。」
発問10 ここは何と書くのですか。
「16χです。」
発問11 何を表していますか。
「アルミ缶のχ個の重さを表しています。」
発問12 ここは何と書くのですか。一緒に言います。さんはい。
「52yです。」
「あっていた人?」 挙手させる。
発問13 何を表していますか。一緒に言います。さんはい。
「スチール缶y個の重さを表しています。」
発問14 上の線分図からできる式はどんな式ですか。
「χ+y=25」
指示7 下の線分図からできる式をノートに書きなさい。
「できました。」
指示8 一緒に言います。さんはい。
「16χ+52y=760」
指示9 2つの式の連立方程式を解きなさい。
ノートに書いて持ってこさせる。
あっていれば○をつけ、黒板に書かせていく。
間違っていれば×をつける。
《先行実践》 TOSSランド9263141 「連立方程式の利用(あわせて○つの問題)」渡邉佳織氏 http://www.tos-land.net/
《参 考》 西野一葉氏:『向山型中学校数学教え方事典2年』(明治図書),p68,69「連立方程式の利用(線分図)」
西野一葉氏:『向山型中学校数学教え方事典2年』(明治図書),p70,71「連立方程式の利用(個数の問題)」
井上好文氏:『月刊向山型数学授業』(2002年5月)「連立方程式の導入、隠れ基本形を見つけ出す」