−何が起こった!?−




 「神無月」 閉 鎖秘話と誕生秘話 第1羽



 昔、「Touya's room 神無月」という事務所(ホームページ)があった



 そこはCGをメインとし、中途半端ながらいろいろなコンテンツがあり
 毎日少数ながら来場者も訪れていた



 「睦月 冬弥」 通称 「とーや」
 「Touya's room 神無月」の総責任者(管理人)である彼の
 失踪から早3年近い年月が流れていた‥

 オープンしてあった事務所も今では看板も無く
 中身は倉庫に保管され事務所の中は空っぽになっていた

 事務所の閉鎖後はアシスタントであった「如月 雪奈」「卯月 桜」の両名は
 本業である学生に戻り平穏な日常を過ごしたに違いない

 その雪奈は現在、当時共に仕事をしていた蘭宮魎の家に居候してい る
 桜の方は行方を調査中である

 そんな中、雪奈は久しぶりに元事務所に向かっていた
 特に用事があった訳ではないが地元に戻ると足が自然とここに向くのだ

 突然に姿を消した冬弥、アシスタントとして予感が無かったわけではない
 だが、もしその時が来たのなら相談があるだろうと思っていたが実際は一言も相談は無かった
 その事は少なからずショックではあったが
 「相談が無かったのだからきっと帰ってくるのだろう」と前向きに考える事にした
 そして、いつも変化のない事務所を見てはタメ息を付くのだった

 今回もきっと変わってないだろう
 もう、ほとんど期待もしなくなった自分、この状況を受け入れ始めた自分に
 ほんの少し悲しみを覚えながら雪奈は事務所の前にやって来た

 ? 「あれ?」

 いつもと同じと思った事務所には変化があった
 入口の前に看板が立っていたのだ
 ボロボロの折りたたみ式の看板でいかにも間に合わせという感じだ

  「誰か他の人が借りたのかな‥」

 と思った雪奈だが、それはありえないと否定する
 なぜならまだここは冬弥の名義になっているからだ
 鍵も自分が持っているのだから

 近くまで寄って見ると看板には青い字で「神無月」と書いてあった
 だが「Touya's room」ではなく「Kazu's room」になっていた

?  「カズの部屋?」

 首を傾げる雪奈だったが、冬弥以外の人だと問題なので
 おそるおそる事務所の中を覗いて見た

 ペタペタ ペタペタ

 暗くてよくは見えないが何か小さい生き物が
 せっせと荷物を運んでいるようだ
 小さい体なので高い所には手が届かず、重そうな荷物は運べずに苦労をしている

?  「何? あれ‥」

 人間でないシルエットの生き物がいる事に驚く雪奈
 だが、それでもこの事務所は冬弥の物だ、帰ってくるまでは自分がここを守らなきゃ
 それが自分のすべき事だと強く思い、勇気を出して勢いよくドアを開けた

!  「誰!? そこに居るのは!?」

  「!!!」

 ドンガラガッシャーン

 飛び上がって驚いたその生き物はどこかで聞いた効果音と共に
 自分でぶつかって倒れてきた荷物に押し潰された

 「わっ  ご、ごめんなさい」

 予想した以上の相手の反応に思わず謝ってしまう雪奈
 慌てて荷物に潰された生き物のへ駆け寄ってみると

 「ムギュ〜」

 そこには目を回してしる1羽のペンギンが居た

 「ペ、ペンギン?」

 予想外の生き物がいた事に驚くがすぐさま救助活動を開始する

  「う〜ん」

 目を覚まして頭をプルプルと横に振るペンギン
 その仕草に思わず見とれる

  「ゴメンね、大丈夫だった?」

 ペンギンに意味が分かるはずもないであろう言葉で話しかける
 が、驚いた事に返事が返ってきた

  「あぁ 大丈夫」

  「!!!」

 絶句する雪奈
 目をまん丸にして驚いている

  「えっ!? ペ、ペンギンがしゃべた」


 「おっと、ビックリしたからって悲鳴を上げるなよ、後々面倒な‥って
  なんだ雪奈か 久しぶり」



 ヨッと右手を上げて挨拶をするペンギン

  「しかも、ボクの名前まで‥」



 (落ち着け‥ ペンギンがしゃべるはずがないんだ
  しかもボクの名前なんて知っているはずがないんだ‥ 落ち着け‥)


  必死に落ち着こうとする雪奈 目をつぶって深呼吸を繰り返す

  「よし とりあえず‥」

  「電池を探そうなんてするなよ」

 ギクッ!!

 あっさりとペンギンに行動を読まれた雪奈

  「な、なんで‥わかったの?」

  「何年付き合ったと思ってるんだ? それぐらいの行動は読めるぞ」

  「えっ 何年って‥」

  「僕だよ 僕」

 わかるだろ、という感じで答えるペンギン
 雪奈の脳裏の一つの答えが浮かび上がる

  「ま、まさか‥ と、とーやさん‥?」

  「そ♪」

 一体、何があったのか!?





to be continued






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