| 阿波の地神さん | ||
| 徳島県では『地神さん』と呼ばれる農業の神様の名前を刻んだ石塔が各郷にあり、その数は2000基とも言われ[飯田 1965 地神碑と社日祭 近畿民俗37号]、春秋の社日(春分、秋分に一番近い戌の日)には集落の人々が『地神さん』の前に集まり四方に竹を立てしめ縄を巡らし、供物をそなえ、豊作を願って地神祭りを行う信仰が続いている。 『地神さん』にはいろいろな形態があるが徳島県では大部分が下から箱石(方形が多い)、雲石(石板)、1~3段の台石の上に五角柱型の心石を置き、心石の各面に農業の神様である<天照大神・大己貴命・少彦名命・埴安姫命・倉稲魂命>の五神名を刻んだ形であり、天照大神を刻んだ面は通常北向きである。この形式は大江匡弼『神仙霊章春秋社日醮儀』(天明元年・1781)などの神道書を規範にしたと思われる。五角柱型以外のものでは五祖神と刻んだ碑及び自然石の石塔なども存在している。 徳島県で五角柱型の地神塔が多いのは寛政元年に徳島城下富田八幡宮の神職早雲古宝が藩主蜂須賀治昭に説いて藩内各村浦に地神塔を奉斎せしめた為とされる。[徳島県史第四巻 1965] この形式の地神塔に刻まれた紀年銘で一番古いものが寛政元年で県下で七例が報告されている。 |
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| 五角柱型 (板野町中久保気比神社境内) |
五祖神型 (徳島市明神町大麻比古神社境内) |
自然石塔型 (勝浦町棚野岩船神社境内) |
| 五角柱芯石/台石2段/雲石/箱石 寛政元年銘7例の内の一つ |
五祖神と刻んだ石碑/箱石 | 農業祖神/象女命と刻んだ自然石の心石/台石2段/箱石 |
| 2010年放送大学の面接授業「阿波の民俗再発見」の中で徳島で盛んだと言う地神信仰の講義を受け、徳島生まれなのに始めて『地神さん』の存在を知った。 そこで徳島で盛んな信仰と言う事に興味を引かれ、手近なところから神社や集会所などを巡り、又地元の人に尋ねながら所在地、形、お祭りの様子などを調べ始めた。 現在、山村地区などでは過疎化が進み、『地神さん』の祭りも絶える所も出始めているので、過去の報告などから調査不十分と思われる地域を重点に今の内にと悉皆調査を始めた。 調査結果は「徳島地域文化研究会誌」に報告しましたがまとめてこのホームページに掲示した。 (1)一覧表中に記載した三神塔とは 鏡 句句迺馳命 瓊 大山衹命 劔 水象女命 と刻まれた石碑で、 [高橋 2004 地神塔と三神塔 徳島地域文化研究2号]及び [高橋 2005 地神塔と三神塔(続) 徳島地域文化研究3号]を参照下さい。 (2)仏式の地神塔 藍住町及び徳島市西部に見られる仏式の地神塔は神名が <地神明王-五穀擁護-諸悪蟲輩交横馳走/百穀苗稼甘蔗蒲萄-和光同塵結縁之始/八相成道以其終論-威光倍増> などとなっている。 |
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| 開始 | 2018年3月2日 |
| 上板町追加 | 2018年5月1日 |
| 勝浦町追加 | 2018年7月9日 |
| 藍住町追加 | 2018年9月2日 |
| 阿波市吉野町追加 | 2019年6月12日 |
| 徳島市南部、上板町各1例追加 | 2019年6月12日 |
| 牟岐町追加 | 2021年6月1日 |
| 小松島市追加 | 2025年12月9日 |
以上