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                            〜少しずつですが更新していきます〜

● 居なくなっても殺しちまっても会いに行く黄昏 (2012.10.14)

● 赦すとか赦さんとか遠い打ち上げ花火 (2012.10.14)

● 日溜まりから日溜まりへ懐かし君へ (2012.10.14)



● 石もって湖面に映るは活火山  (2012.10.13)

● 心臓ならべて提灯街道ひと気無くふたり (2012.10.13)

● 岩壁見上げる 崖の上にも目がある 神無月 (2012.10.13)



● 病み上がり月光ぎらり蝮の道へ  (2012.9.30)

● 星をばら撒きながら真っ暗になって待つ公園 (2012.9.30)



● 大きな怪鳥羽を休める山村の夜明け (2012.9.24)

● 思い立って家を出る巨大鉄橋くぐる 轟音 (2012.9.24)

● トンネル抜けたら落ちてきた夕空夕雲 (2012.9.24)

● 山が真っ暗な口を開け空を飲み込んだら夜だよ (2012.9.24)



● 死んだ犬あしもとに見て急に高くなってく夕空 (2012.9.17)

● 雲が雲を追いかけて追い抜いたらサヨナラ (2012.9.17)



  ☆   ★   ☆   ★   ☆   ★   ☆   ★   ☆   ★


草いきれ目にしみる飛びゆこうとんぼ (2008・7・6)

忘れないでいたら傍にいない夕暮れ  (2008・7・6)

シャッターを切った今日が終わる   (2008・7・6)



茂みに立ちすくんでカーブミラーがぎょっとしている  (2008・7・7)

眼科待合室出たらそとはひぐらし   (2008・7・7)

山頂展望台に虫けら死に見上げれば観音  (2008・7・7)

赤い服の女がカンナのようにわらう熱帯夜  (2008・7・7)



敷石に光も跳ねてみせる青空     (2008・7・9)

地面に落ちる影ひろいながら山道      (2008・7・9)



夢で逢えたのだからと今朝は笑う     (2008・7・10)

稜線燃えたぎって落日が喰らう     (2008・7・10)

最後の坂道曲がりきったら旗のような三日月  (2008・7・10)

一人よりも暗い松林をつっきった足音  (2008・7・10)

振り払ったら虻死んだ釣り合わぬ     (2008・7・10)



昼のとぼけた顔が扇風機にあたっている (2008・7・11)

耳がラジオと向きあって夜を聴いている  (2008・7・11)



子犬の死が身代わりになる未来   (2008・7・15)



浜を日傘はゆらゆら下りていく夏雲のほうまで (2008・7・21)

黒絵の具でじゃらりとかぶせる蝉時雨  (2008・7・21)

車に流れ込んでくる風が思い出を運んでくる  (2008・7・21)



山越えて雲の舳先はぐいぐい進んで海行き    (2008・7・26)



枝葉の隙間からさびしい星があんなに遠い     (2008・8・3)



早朝蝉がじゃんじゃん鳴いて青白くひかる窓がある     (2008・8・6)



がらがらと店のシャッターを開ける今日の顔がある   (2008・8・19)

どこよりしずかな町にこうして雲も湧きあがってくる   (2008・8・19)

裾広の山が倒れてランナーがあらわれた         (2008・8・19)
   


いいことあるかな屋根瓦に月がのる          (2008・8・20)



つま先が靴底で丸まって目をつぶっている    (2008・11・19)



さむくなって膝骨がぎしりと歯を見せる冬      (2008・11・20)

どんどん青くなっていく空を走ってゆく自転車      (2008・11・20)

ひしめきあう家と家の間からまっさおな空が近寄ってくる    (2008・11・20)



寒空窓に張り付くヤカン湯気立つ日がかわる    (2008・11・28)


ストーヴにのせた林檎じゅわりと色めいて夜に泣く    (2009・1・1)


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