私の庭のバラ観察・托葉(たくよう)  Nonohana-garden

托葉が決め手? バラの種類を推定するときに、重要な手がかりになるのが托葉です

暖かい日が多くなって、そろそろバラの新芽が展開してきました。観察していると、不明のバラの托葉がとても興味深いことになっているのを発見しました。バラの種類を識別するための重要なポイントは托葉なのですが、原種のバラだけでなく、交雑したバラの托葉は、どういうふうになっているのでしょう、観察してみました。

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<詳細不明のバラbP オドラータの托葉>

不明バラの托葉で発見がありました

これは、オドラータと名前がついていたバラの托葉です。
私の庭の不明バラのbP、中国で発見された原種バラということです。
ずっと観察を続けていますが、芽吹きの托葉を観察して発見がありました。
なんとノイバラと同じような細かい切れ込みがあります。
他のロサ・キネンシスと呼ばれる中国のバラの托葉とはぜんぜん違います。
どう考えたらいいのでしょう、ノイバラとなにか関係があるのでしょうか。

---・--・---・ バラの托葉にはどんなタイプがあるのでしょうか ---・---・---・---

托葉が、基部以外は葉柄と遊離し早落するグループ
付け根の部分だけくっついているグループです。新芽の頃には托葉がわかりますが、成熟した枝では見えなくなっています。いつの間に落ちて無くなっているんですね。
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ナニワイバラの托葉
基部以外は葉柄と遊離し早落する
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カカヤンバラの托葉
わずかに葉柄に沿着し羽状に切れ込む
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モッコウバラの托葉
基部がわずかに葉柄に沿着 狭被針形

托葉が葉柄に沿着し切れ込みがあるグループ
ふちがぎざぎざで、切れ込みや腺があるグループです。特にノイバラのぎざぎざは特徴的です。
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ノイバラの托葉
托葉は腺質で羽状に深く細かく裂ける
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テリハノイバラの托葉
幅広く緑色、ふちには不ぞろいな腺鋸歯
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アズマイバラの托葉
托葉の縁に、わずかに線鋸歯がある

托葉が葉柄に沿着し全縁のグループ
このタイプのバラが多いです。ふちはほとんど滑らかで、幅の広いもの狭いものなど、少しずつ違います。
腺があるものや、ほとんど無いものもあります。
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ロサ・キネンシスの托葉
表面が赤いのが特徴、反り返るようにつく
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ハマナスの托葉
幅広く膜質 耳片は半卵形で先はとがる
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カザンリクの托葉
托葉は中央部も広くならないで沿着する

---・---・---・--- 改めて、ノイバラの托葉と、その交雑種の托葉を見てみます ---・---・---・---

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ノイバラの托葉
ノイバラの托葉の特徴は、なんといっても、羽のように細
く切れ込んだぎざぎざですね。
そして赤い点のように見える腺です。ここからは香りの分泌液が出ています。触るとよく香ります。

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ノイバラ交雑種 ルッセリアーナの托葉
ガリカとノイバラの自然交雑種と考えられている、ルッセ
リアーナの托葉です。幅の広い丸い形は、ガリカに似てい
るのでしょうか、でも赤腺毛が発達している様子はノイバ
ラを感じさせます。この部分に触るととても強く香ります。
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ノイバラの変種 ツクシイバラの托葉
これはノイバラの変種のツクシイバラです。托葉に腺毛が
びっしりで、ノイバラを思わせますね。でも、葉には照り
があり、厚く革質で、花の時期も遅く、ノイバラとはぜん
ぜん違う感じのするバラです。
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ノイバラの交配種 ローズマリー・ヴィオー
こちらは、ムルチフローラランブラーに分類されている、ロ
ーズマリー・ヴィオーです。花は房咲きで、ノイバラの血を
引いていることを感じさせますが、托葉はつるつるで、まっ
たく面影はありません。

---・---・---・--- ロサ・キネンシスとコウシンバラ、そしてティーローズ ---・---・---・---
中国で栽培されていたバラや、その原種のバラついては、知りたいことがたくさんあります

疑問1 R.chinensis コウシンバラは、庚申日ごとに咲くバラ?

コウシン(庚申)バラという呼び方は、冬も庚申月に咲くことから名づけられた、四季咲きバラの総称です。ではなぜ、他の日ではなく庚申が選ばれたのでしょう。暦を見ると庚申日だけは特別に書き込みがされています。
もしかしたら、奈良末期に日本に伝来され発展したという、中国の道教の「守庚申」と関係があるのかもしれませんね。「庚申」の日の夜には人々は寝ずに一夜を明かす守庚申を行ったといいます。そんな特別な日に咲くバラとして、昔の人にはわかりやすい名前だったのでしょうか、とても興味深いです。

では、ほんとうに庚申日ごとに咲くのでしょうか。興味が湧いて、例年なら真冬に剪定していたものを、今回まったく自然な状態で観察しています。ちなみに2005年の最初の庚申日は2月5日、次は4月6日になっています。確かに2月に咲きました。その次の蕾が、もう膨らんでいます。さあ、咲くかどうか、楽しみです。

けれども、四季咲き性のない中国のバラも、コウシンバラと呼ばれていることもあって混乱しますね。キネンシスとかチャイナ、ティーローズなどと呼ばれる、中国で栽培されていたバラの托葉を見てみます

---・---・---・--- 中国のバラの托葉はどうなっているのでしょう ---・---・---・---

四季咲き性のバラの托葉です

現代バラに四季咲き性をもたらしたといわれる、ロサ・キネンシス・センパーフローレンスの托葉です。ふちにわずかに赤みを帯びた腺毛がありますが、切れ込みはありません。

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オールドブラッシュの托葉部分
センパーフローレンスと同じで、托葉の縁には切れ込みはなく、表面に赤い筋が入り、葉軸も赤いのが特徴です。
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ヒュームズブラッシュの托葉部分
こちらは現代バラにティーの香りをもたらしたといわれる、別名Rosa xodorataロサ・オドラータの托葉です。托葉の縁に赤い腺毛が並んでいますが、切れ込みはありません。全体に赤いのが特徴です。
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ヒュームズブラッシュの蕾
まったく剪定しないとどうなるのか、目下観察中です。蕾がふくらんできました。前回の花がさいたのは2月の中ごろでした。本当に庚申日ごとに咲くのでしょうか。

 

一季咲き性の中国のバラはどうでしよう

ティーの香りを現代バラにもたらしたと言われるもうひとつの種、パークスイエローに蕾が出てきました。ヒュームズブラッシュと同じ、ロサ・ギガンティア由来のバラです。こちらは春の一季咲きです。葉の色が黄色ぽいのが特徴です。
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パークスイエローの新芽とつぼみです。
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フォーチュンス・w・イエローの托葉部分
このバラも、ギガンティア由来のバラです。葉の裏に棘が多いです。
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パークスイエローの托葉 表側から
赤みの腺毛が托葉の縁に並んでいますが、中央部分は黄緑色です新梢も黄色みを帯びています。

---・---・---・--- 気になる中国のバラをもうひとつ ---・---・---・---

詳細不明のバラ、粉粧楼

大変古いバラで、作出は宋〜清代とも言われますが、詳細不明のバラです。
オドラータの一種といわれることもあります。
葉の形が丸くてしっかりしているので、ティーローズの特徴はあまり感じられません。西洋バラが交雑しているのではと、とても興味深く観察しています。
新芽が伸びているので托葉を見てみると、細かい切れ込みがありますね。このような切れ込みはノイバラに良く見られるものです。
不明bPのオドラータにも新芽の時には切れ込みがあります。

赤みを帯びる托葉は、ロサ・キネンシスの特徴を持っています。
こうして見ていくと、見れば見るほど興味が湧いてきて、見飽きません。

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粉粧楼の托葉 赤くて細かい切れ込みがある

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