ノイバラの観察 吉野川河口付近 5月の観察

 ついに咲きました!花のいろいろ 〈毎月観察していた河原のノイバラの花の紹介です〉2004年5月2日

4月中ごろからは肌寒いような日もあり、雨や風のお天気が繰り返されて、なかなか観察にいけませんでした。
5月の声を聞いたのでもうたまらず、どんな花が咲いているのか、はやる気持ちを抑えながら川原に行ってみました。

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こんなにたくさん花が咲いていました。

川原のノイバラでも、生育している環境はいろいろです。この株は、根が波に洗われて倒れてしまったものです。

この辺りは河口付近で、汽水域と呼ばれる海水と真水の入り混じった場所です。それでも生きていけるのですね。


では順番に見ていきます。〈私の観察しているノイバラたちには愛称をつけています〉

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浜さんです

上の全体図の浜さんの花です。純白のノイバラ
の魅力を再認識させてくれるかわいい花です。

栄養状態のせいか、それともこういうタイプ
なのかよく分かりませんが、葉は硬く小さいです。

花径も2.5cmくらい、茎は短くコンパクトに
咲いています。

浜さんはこの川原のノイバラの中では、
花と葉が小さいタイプです。

咲き進むと柱頭が赤みを帯びるのは、
この辺りに自生するノイバラと共通して
います。
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白い茎の篤美ちゃんです

葉が大型で、冬にも落葉しなかったタイプの
この春出たシュートの先に咲いた花です。
花もノイバラとしてはやや大型で、3.5cm
ほどの白い花です。房は両手で持つほど
大きいです。
抱え咲きというのでしょうか、半開きです。

観察している途中からわかったのですが、
茎が色違いです。同じ場所から二色出ています。

外観は同じなのに、つぼみがついてみると
茎の色が違っていました。
ほとんどの株が蕾の色は薄ピンクですが
この株は蕾がクリーム色です。

茎の紅い篤美ちゃんのほうです

紅い篤美ちゃんは、腺毛が紅いのではなく
地色が紅いのです。よく見るとやわらかい白い毛が生えています。
腺毛はめだちません。

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つぼみも、うすいピンク色です。

あずさちゃんも咲いてきました

遅咲きだった梓ちゃんはこんな風に、はなびらの間がすいていて、花柄も長めで、ゆったりとした咲き方です。

花の大きさはやや大型、3.5cmほどです。
横に全開します。

は紅く、つぼみもピンク色です。立ち上がらず横に広がって茂みを作ります。

葉の形や、茎の色などかなり興味を持っていましたがうどん粉病にかかっていました。
野生のバラでも病気になるのだな〜と意外な発見でした。
病気になりやすい株などは淘汰されてなくなっていくのでしょうか。

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お気に入りなのでもう一枚。あずさちゃんです。

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岡さんです

これは芽吹きの時に、葉が小さくて、やや照りが
あるような感じで、注目していた株です。

でも、浜さんといとこかもしれません。
よく似ています。花が小さくてキュートですね。

咲き方は、咲き始めは花びらがスカートのように
下にさがります。

花は2.5pから、開ききっても3cmになりません。

葉も小さく花枝も短いので、全体にこじんまりとして
いてたいへんかわいいです。

このタイプは立性で、自立するので庭に植えるのにも
向くかもしれません。

でも株は2m近くになります。
ノイバラの自然のパワーを感じる株です。

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岡さんのつぼみは丸くてコロンとしています。

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花の咲き方は、最初スカートのように下に広がって、
次第に横に全開します。

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かなちゃんです

これはノイバラにしては実が細長く、カニナの
実に似ていたので注目していた株です

つぼみを横から見てみると、花柄やガク筒の
部分には腺毛がなく、つるっとしています。
そして細長いのが魅力的です。

株立ちは非常に旺盛。シュートを出して横に
走ります。高さは低くて藪状態になります。

庭に植えるにはかなり管理が難しそうです。

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花は白です。咲き進むと芯の部分から薄紅紫にぼかしが入ります

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踏み込むこともできないほど密に茂った株

たまみちゃんです

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たくさん咲いた珠美ちゃんの花ですが、ちょっと病気なので離れて見てください。

たくさん花が咲いていますが、少し病気です。
この春は庭のバラにもうどん粉病が多発しました。
川原も同じです。

このバラは咲き始めからすでに、薄紅紫のシミ
が出ています。病気のせいなのか、性質なのか不明です。

遠くから見ると、白バラなのに薄くピンクに
見えます。

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スプレーしたように薄紅紫が出ます。

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しずかちゃんです。

この株が、この川原の標準タイプです

咲いてみると紅い腺毛はもう感じません。
ごく普通のノイバラです。花房が大きいです。

この川原のノイバラには、白い花でも蕾の色が2種類あって、静香は
薄ピンクの蕾です。

そして、咲き進むとしべの色がピンクになる花と、ならない花とがあ
ります。
同じ株と思って観察していても、花を見てみると、芯が紅く目だつの
や、そうでないのがあります。

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花色は純白ですが、蕾は薄ピンクの枝です。

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静香の花房、花枝が長くて花房が大きいです。これはシュートの先に咲いた花

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咲き始めもうすいピンク色です

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つぼみはピンク色

お気に入りの阿波娘 りっちゃんです

咲き始めがピンクで、咲き進むと柱頭がピンク紫になり、、遠くから見ても花芯のしべの色が目だつ、
ちょっとすてきな株をみつけました。

これは、観察スタート時点では、丸い実で、
樹性は立性、庭に植えるには良いかなという程度
の注目度でした。

それが咲いてみると、いちばん目立つ株でした。
花径は3.5cmくらいになります。やや大型です。
さすがに花の重みで垂れ下がりますが、支柱をし
てやれば大丈夫、高さは1.5mほど。

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全体の姿です。花の重みで垂れ下がっていますが、
秋にはきりっと立っていました。
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咲き進んだ時の、しべの紅色がチャームポイントのりっちやんです

川原のノイバラを観察していてわかったことあれこれ

ノイバラに似ていて、ノイバラではない野生の野バラが、日本には何種か自生しています。
まだ出会えてないので、これから探しに行こうと思っています。とても楽しみです。
ノイバラとの違いの決め手は、花柱に毛があるかどうかと、托葉の縁の様子にあるそうです。

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りっちやんを拡大してみました

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あずさちゃんの花柱部分のアツプです

ノイバラの条件
花柱は無毛

ノイバラの花柱はこんなふうに
少しずつ違いますが、とにかく毛が
生えてないのが決め手のようです。

あんまり小さいものなので、肉眼では
全然見分けがつきません。

托葉は深く切れ込む

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かなちゃんの托葉部分です
細い糸のような切れ込みです

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岡さんの托葉はギザギザが荒いですね

ノイバラの葉の付け根の部分はこのようになっています。この部分を托葉といいます。
ノイバラと他の野バラは、この部分でも見分けることができます。
鳥の羽のように細く深く切れ込んでそれに液を出す腺があります。
花形や花つき方、葉の様子がいろいろ違っていても、この部分でノイバラと分かります。

 

花色の変化

白いノイバラも、咲き進むにつれて
花芯の部分から薄いピンク紫に染ま
ってきます。

一面にスプレーで吹き付けたように
染まったりする花もあります。

花が終わったあとに川原に行くと、
白いノイバラなのに、ふじ色に見
えます。

他の場所のノイバラも同じなのか、
これから気をつけて見てみようと
思っています。
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新しく見つけた花の蕾、横から見るとステキなつぼみです

またまた新しい発見

同じノイバラのタイプと思って見過ごしていた
株の花が、こんなにきれいでした。

花柄が長く、花も大きく、とてもノイバラとは
思えないほど、蕾がステキです。
名前は、岡さんの隣の株なので岡下さんとします。

全体のタイプは立性で、花の大きさは最大で3cm
花のつき方葉の様子などは、静香と同じです。

どの株もそれぞれにかわいくて、捨てがたい魅力があります。場所柄、刈り取られたり、枯れ草火災で焼けたり河川の工事でなく
なったりと、いつまでも観察できる保証はないので、記念にひとつ庭に植えたいと思っています。


私が観察しているノイバラは、近所の川原の約500メートルの区域内で茂みを作っている、たくさんある茂みの中で特徴的な株の12株ほどです。
それぞれの特徴から、私がイメージする名前をつけています。たったこれだけの区域内でも、これだけ変異が見られるのがノイバラの面白いところで
すね

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