第1章 ■師匠選び とにかく上達は、師匠次第。ここで失敗する人が多い。 この世界は一度師匠と決めたら一生涯ついて行け。 途中であっちの先生の方がよさそうだから、今の先生 に習うのをやめて移ろう・・なんてもってのほか! そんな失礼なヤツ? はどこへ行ってもダメ! こんな会話を私の師匠(青木研碩)と新しく入門 したいと希望してきた人がしていたのを覚えています おばさん: 「先生、私先生にお習字を習いたいのですが・・・」 研碩: 「はいはい。ところで書道を習われたことは なかったのですか?」 おばさん: 「実は○○先生に習っているのですが、 どうも上手くならないので、先生のご高名 をお聞きしてお願いに参った次第です。」 研碩: 「よ〜くわかりました。お断りします。」 おばさん: 「どうしてですか?」 研碩: 「あなたを弟子にすることはあなたを指導 している○○先生に対して、礼を失する ことになります。あなたも一度先生と決め たら、その先生を信じて一生懸命に勉強 すれば上手くなります。この世界では人の お弟子さんを勝手に教えるというような 不義理をしてはならないのです。」 龍仙:・・そうなんだと教えられました。 そのこと以来私の師匠は生涯研碩先生 一人と決めました。万が一私の弟子が 他の先生にも入門しているのがわかった 時点で当然、・・・破門です。 ■ジャンル選び 書道には、ジャンルがあります。 @中国伝統(古典)書道(漢字)を基本として 継承する「漢字書道」 A日本伝統(古筆)かな文字を基本として継承 する「かな書道」 B漢字かな交じりで書く「調和体書道」 C極限なまで線質の強さと白と黒を追求する「前衛書道」 D印を刻す「篆刻」 E少ない字数の「少字数書」 等いろいろあって、自分が習いたい先生は何が専門 なのかを知ることから始まります。 病院の先生に例えますが、どんな患者さんでも 治せるってものではないんです。 専門分野があって、外科、内科、耳鼻咽喉科、 胃腸科・・・・しろうとさんよりはましだけど、専門分野 以外については、応急処置程度の知識と考えてイイでしょう。 専門分野の書家の先生には、とてもかなうものでは ないのです。 第2章へ |