円筆法(えんぴつほう)


  円筆の“円”は“方”に対する言葉。丸いという意味である。筆の穂先を

  点画の中に隠すように直筆で運筆すれば、点画は自然に丸みを帯び

  た筆使いになる。特に転折(おれ)の部分などは角ばらず、やわらかな

  丸みをもった感じのものとなる。篆書は主としてこの用筆法である。このよ

  うな用筆法
 を清朝の学者康有為(1858-1927)は円筆といった。六朝

  時代の北派の書のうち、例えば『鄭文公下碑』や、唐代の顔真卿の書

  『建中告身帖』などはこの円筆法の代表といってよい。

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