ピックアップ氷室 : EVE burst error PLUS


 『EVEシリーズ作品紹介』ページでは紹介できなかった氷室名シーンを各作品毎にピックアップしていく、その名も『ピックアップ氷室』。氷室バカtalkによる愛情たっぷりの解説付きで、氷室好きの人もそうでない人ももれなくうんざりすることうけあい!……な氷室バカならではのバカ企画となっております。

 シリーズ第一作目のburst errorからピックアップするのはこのシーン。

・Dec.6 _ エール外国人学校女子寮


■「かわいくないって」「かわいいさ」「……」

 御存知、「大使館に突入→真冬のプールにダイブ」の後に来るこのシーン。サターン版他だと小次郎と氷室がいっしょにお風呂に入るのですが、PS2版PLUSではアダルト要素をカットする必要からこのように肌で一つのシーツにくるまる展開になります。元々の展開ではここでいっしょにお風呂に入るだけではなく二人が肉体的にも結ばれる内容のCGや文章がありまして、後のシリーズで氷室が「唯一の所員兼恋人」となるスタート地点でもあります。要するに夫婦の馴れ初め的な位置付けなわけですが、全年齢作品たるPLUSでは直截なアダルト表現をするわけにもいかず、このような代替シーンが用意されました。

 この直前、二人は危険を冒してエルディア大使館に侵入し、殺されそうな目に遭いながらもなんとか命からがら逃げることに成功します。真冬のプールにダイブしたことで身体は冷え切っており、一刻も速く身体を温める必要から、濡れてしまった服を脱いで裸でシーツにくるまって身体を温めることになった……という流れですね。勿論、そういった理由だけでこのように肌を寄せ合っているわけではありません。共に危険から脱したという安心と一体感が二人の距離を縮め、パートナーとしての信頼や好意以上の感情を抱くようになったのは、むしろ自然な流れとも言えるでしょう。

 この時の氷室はエルディア政府の陰謀に日本政府が荷担・介入している事実を知り、自身の国家機構のエージェントとしての在り方に疑問を抱いてその任から退く決意を固めつつあります。この時彼女が欲していたのはそれを後押ししてくれる言葉と、その言葉を自分に届けてくれる存在だったのでしょうか。氷室の決意を否定せず、彼女の今までの在り方を優しく認めてくれた小次郎の言葉に、彼女は強い愛情を抱くことになります。公僕としての自分では無く「氷室恭子」としての自分を認めて包み込んでくれることへの喜び。こうするべき、こうしなくてはという考えに凝り固まっていた自分に「良いんじゃないか」という言葉を与えてくれた小次郎の存在は、氷室のこれまでの生き方に想いを馳せると、想像する以上に大きくて頼もしく思えたのかもしれません。

 ま、ぶっちゃけるとエロゲーなので勿論セックスがこれからも続く二人の関係の決定打になるのは当然なんですけども、そういった要素を排してみても二人の馴れ初めや想いがカットされるわけではない、ということに改めて気付かされたシーンでもありました。しかもこっちの方がシチュ的には興奮出来るというミラクルマジック!CERO規格の壁もあって色々とシーンの改編に頭を悩ませたであろうPLUSですが、このシーンに関しては氷室バカ的にも大満足な見事なファインプレーだと思っています。シーツの隙間からちらりと見える氷室の美尻が……って、これ小次郎の美尻じゃないよね?

ピックアップ氷室 : burst error EVE the 1st


 続いては大幅リメイク作品となったPSP版burstからのピックアップ。

・Dec.3 _ エルディア国際学校


■リメイクされたらつるペタロリになっていたでござる

 PSP版burstはキャラデザ…というより、キャラの設定そのものを根本から大幅に変えている作品になりますが、氷室ほど極端に変わってしまったキャラもいません。もし数年前の私に「この無表情なつるペタロリ娘が氷室恭子なんだぜ」と教えたとしたら、多分数年前の私は全力で数年後の私を殴っていたことでしょう(笑)。同一人物として共通点などを探す方が困難なほどになっているので最早完全に別人扱いで触れていきますが、PSP版burstという作品を割り切ってプレイ出来るのであれば、この氷室は氷室で結構カワイイんじゃないかと思ってます。

 このCGは小次郎と氷室が最初に出会うシーン。原作(※以降、便宜上サターン他版をこう呼びます)では小次郎と氷室がぶつかって、氷室が伝説的な大開脚をばっちり決めておパンツをこれでもかと披露してくれるわけですが、PSP版ではこんな感じで柵に引っ掛かっている氷室を発見します。PSP版の氷室は年齢も18歳の現役女子高生。原作のように任務で学校での潜入捜査を行うエージェントなどではないのですが、ハッカー故の知的好奇心からかこれまでにも度々学校のセキュリティを破って侵入しては、自身の通学成績や出席状況などのデータを改竄していました。曰く「学校生活は刺激が無くてつまらない」とのことで、そうやって改竄した自分の成績だけを見て学校側は自分を評価しているということに関して非常に冷めた感覚を持つ少女としても描かれています。

 学校の周囲を色々と嗅ぎ回っている小次郎に興味を持ち始めたのは、そういった彼女の退屈な現状に刺激を与えてくれるからであり、或いはクラッキング技術で小次郎を手助けすることによって自分を認めて欲しい、自分自身を見て欲しいという想いもあったのかもしれません。原作の氷室もハッキングやクラッキング技術を駆使して小次郎の捜査に協力しますが、あちらは任務遂行の必要から習得したスキルであったのに対して、PSP版氷室のそれは純粋な知的好奇心と、ちょっとした自己顕示なんて要素も含まれているのかもしれません。感情をあまり表に出さない不思議ちゃん的キャラで描かれている一方で、ハッキングシーンになると途端に目を輝かせて饒舌になるあたり、この少女の心を垣間見るようなワンシーンにもなっていますね。

 その辺り、実は原作氷室とも幾ばくかの共通点みたいなものはあるのかもしれませんが、いかんせん作品そのものからしてあまりにも変わり果ててしまっているので、やはり別人扱いのロリ氷室。以前AZU様から頂いた4コマが私の心の有り様をキレイに代弁してくれていますのでご紹介致します。うん……きっとAZU様も同じ気持ちだったんだね…(笑)