この世の果てで恋を唄う少女
YU-NO人物辞典_現世編03
有馬 亜由美

PS4版
CV:名塚佳織
セガサターン版
CV:井上喜久子
B83-W59-H83

たくやの継母であり、ジオ・テクニクス社の社員。
大学生時代の憧れの恩師・有馬広大博士の妻になるも、幸せな生活は長く続かず、結婚して半年も経たない内に未亡人になってしまう。

有馬 亜由美


 大学時代の広大の教え子にして再婚相手。年齢差や先妻との死別など障害は少なからずあったと思われるが、当人たちはラブラブで全く気にしていない様子。現在はジオ・テクニクス社の技術主任。境市海岸付近の地質調査工事の責任者だが、ただの地質調査にしては規模が大掛かりであるなど工事そのものに不信感を抱く者も多く、また原因不明の落雷事故による犠牲者が続発している事などの責任問題で多忙を極めている。二月前の広大の死亡事故以降、その死の悲しみを振り切る為に仕事に集中してきた事も重なり、気丈に振る舞う外見とは裏腹に精神的にはかなりまいっている状態でもある。

【亜由美編】

 市民の抗議団体運動、堺町市長との汚職繋がり・・・ジオ・テクニクス社を取り巻く環境は一層厳しいものになる中、彼女は部下である豊富の思惑も重なって
次第に追い詰められていく。最終的には機密書類の漏洩および盗難の責任を被せられて社のスケープゴートとして仕立て上げられるはずだった。そこには彼女一人に責任を押し付けようとする社の動き、そして彼女を利用してライバル社に研究内容と自分を高く売りつけようとする豊富の思惑が絡んでいたのだが、香織と取引をしたたくやの手でその思惑は看破され、亜由美一人が辞めさせられるという事態は避けられる事となった。

 一連の事件の中、結局自分が豊富に利用されていた事、そしてそれを再三に渡り注意していたたくやを信じる事が出来ずに居た自分、そして最愛の人を亡くし心の支えを失った寂しさに気付いた彼女は傷心の中、手首を切っての自殺を図ろうとするが寸出の所をたくやに止められ、そこで初めて自分の胸の内の想いをたくやに告げた。

【亜由美編以外】

 亜由美編以外では終始忙殺されてすれ違うばかりになるのが基本。TV番組に出演し、批難の矢面に立たされる姿は見る事が出来るがそこから先に踏み込む事は無い。ホテル前で豊富と居る所を目撃するシーンがある所から推測するに、関わるルートを取らなければ豊富の思惑通りに事が運ぶ事になるのではないだろうか。


【再録】talkの独断偏見コメント


 男のロマンを体現できるシナリオ。「義母」という響きから想像する像よりは幾分か年齢が下になるけど、基本的には選択可能なヒロイン中最年長なのでばっちり燃えてください・・・ってのは私だけ?

 しかし個人的にはパンチの一つもお見舞いしたくなるフシも多々。結局の所は「自分一人が犠牲になればそれで済む」と考えていたわけで、そういう所を社や豊富に利用された感は否めません。責任問題云々にしても「社の方針」ということで実態を隠蔽し続けた責任はやはりあるんじゃないでしょうかね。健気や美徳に映るのは映りますが、社会的なレベルで考えれば彼女一人を悲劇のヒロインとして見るのもいかがなものかと。彼女の中の何処かで、自分をそういう悲劇のヒロインとして見て「何て私はカワイソウなんでしょう!」と思っていた部分は、もしかしたら少なからずあったのかもしれません。だから豊富の、見え見えの下心満載アプローチに引っかかったんではないでしょうかね。同様にたくやに対して必要以上に「女」としてではなく「母」として振る舞ったあたり、自分の可愛さってやつを自覚してたんではとも思います。あんまり書くと亜由美ファンに怒られそうなので・・・ってもう遅い?

 要するには、そういう姿が男心をがっちりキャッチするのはわかるんですけども、もう少し気丈と言うか積極的に行動できないもんかと。しかしそこで「最愛のダンナに死に別れた」という要素まで考えると、これはもう何とも言えませんねえ。ま、とにかくユーザーからの人気は高いとは思いますが、同レベルくらいではどこかムカツク部分を感じている御方もいらっしゃるかもしれません。少なくとも私は手放しで「この人を守る!」とは思えませんでしたね。嫌いじゃあ無いんですけども。たくやの行動も時折歯痒く思ったもんですが、自分は子供で彼女とは距離があるって部分を感じさせてくれるシナリオ運びは流石だな〜と。

 シナリオ的には「超念石」の存在がカギになりますか。後現代編における基本的な人々の思惑が判明しやすいシナリオでもあります。豊富とか香織とかジオ社の方針とか。そして後述しますが異世界編でも何かと苦労の多い亜由美さん。せめて現代編では自殺なんかさせずにハッピーな結末を迎えてあげましょう。


20年越しのキャラデザ変遷+名字の元ネタ


 アラレちゃん眼鏡におさげ髪というイモねーちゃんな容姿の割に、胸元を大きく開いたピンク服にパンツ丸見えミニスカートというかなりアンバランスなデザインでしたが、リメイク版では落ち着いたグレーのスーツ姿となって仕事の出来る女性のイメージがきちんと表現されているデザインとなりました。研究室ではちゃんと白衣を着ていますしね。家での私服デザインも新たに追加され、作中でのオン(仕事モード)とオフ(家庭モード)の切り替えが一目で分かるようになっています。仕事のオン時にはバレットで髪をまとめており、家庭でのオフ時には髪をおろすなどヘアースタイルも綺麗に切り替えており、新旧デザインの変遷を最も大きく受けたキャラデザと言えるでしょう。逆に言えば家でも職場でもピンクの衣装で出ずっぱりだった旧デザインがちょっとアレだったわけですけども(笑)

 そして亜由美さんと言えば永遠の17歳・喜久子姉さんの熱演というか怪演がキラリと光ります。リメイク版の名塚佳織も亜由美のイメージ通りで素晴らしいのですが、流石にコレばっかりはサターン版のキャスティングに軍配をあげたいです。実のところ亜由美さんのようなキャラはあんまり好きではない…というのは上の文章からも滲み出ておりますが(笑)、そういったキャラへのイメージを覆して来る喜久子姉さんの怪演は見事の一言に尽きます。井上喜久子に佐久間レイに久川綾に冬馬由美と、改めて見るとYU-NOのキャスティングってコンシューマーギャルゲ黎明期の当時を鑑みても相当とんでもない布陣ですね。

 名字の元ネタは勿論たくやと同じで、肥前の戦国大名有馬氏。

 戦国時代に有馬晴純が現われて島原半島を根拠に肥前一帯に一大勢力を広げ、さらにポルトガルとの交易で最盛期を築き上げたが、その子の有馬義貞は、龍造寺隆信の圧迫を受けて衰退する。1584年、有馬晴信は島津氏と結んで沖田畷の戦いで龍造寺氏を撃退し、後に豊臣秀吉の九州平定で本領を安堵された。(Wikipediaより)

 早めに龍造寺を倒して有能な武将を配下に出来れば攻略も可能ですが、年代が下って島津、大友、龍造寺のいわゆる九州三国志状態になると初期戦力差が絶望的なまでに開いてしまっているので、よほど上手く立ち回らないと速攻で龍造寺に潰されてしまいます。史実でも龍造寺と対抗するために島津と結んでいるくらいですしね。まして秀吉の九州征伐が始まるような年代でのプレイだと初心者では何も出来ないまま終わってしまうでしょう。かなりのコアユーザー向けの飛沫大名ですが、史実ではその豊臣政権下で本領を安堵されているあたりが作中の人物関係とリンクしていて面白いです。


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