この世の果てで恋を唄う少女
YU-NO人物辞典_現世編10
結城 正勝

PS4版
CV:藤原祐規
セガサターン版
CV:岩永哲哉

境町学園2年生で、たくやの1学年後輩。
以前不良にからまれているところを、偶然通りかかったたくやに助けられ慕うようになる。

結城 正勝


 境町学園二年生。たくやや澪たちの一つ後輩にあたる。以前不良にからまれていた所をたくやに助けられ、以降たくやの事を「おやびん」と呼ぶようになり、周囲を腰巾着のごとくうろつくようになった。ゴシップや噂の収集が得意で、役に立つものから立たないものまで大小様々な情報を集めてはたくやに教えている。澪の事を密かに想っており、たくや以上に澪の周囲にもうろついてはいるが、はっきりと自分の気持ちを打ち明ける段階には至っていない。現在は目下剣ノ岬を調査している澪の手伝いと夏期補習をサボるたくやの代返のため夏休みの間も学校に通っているようだ。

【澪編】

 夜の海岸、澪がたくやに剣ノ岬へ執心する理由を告げているのを立ち聞きした彼は、同時に想いを寄せる澪が、自分では無くたくやに好意を抱いている事を思い知らされる。次の日、校内に澪の父である境町市長の汚職の情報を、たくやの名を語って貼り紙で暴露。澪の中のたくやへの想いを壊し、その隙に彼女を優しくいたわろうとしたが直後に澪は行方を絶つ。結城の取った行動が結果として澪の居場所を、学園内はおろか境町の中からも失わせてしまったのだ。その事が澪の失踪に繋がったことを知った彼はたくやの元に走る。澪がやり残した事、澪がこの町に執心した理由・・・夜の剣ノ岬、双子岩の側には澪のバッグが、持ち主に見捨てられたかのように置き去りにされていた。

【澪編以外】

 常に澪と共に行動する結城。たくやと澪が接触しない以上、案外いい雰囲気で剣ノ岬の調査を行っているのかもしれないが、そこから先に進展する事に関してはちょっと疑問符と言った所。


【再録】talkの独断偏見コメント


 憎めない腰巾着と言った感じの彼。そんな彼がヒロインの一人に横恋慕し、挙げ句主人公の妨害をするのはエロゲーなんかではよくある話。豊富やEVEの二階堂と違うのは、妨害の理由が純粋な横恋慕の気持ちにあるからで、だからあんまり悪い印象は受けません。ま、豊富がそのあたりを全部背負い込んでくれているのもあるんでしょうけど。モーニングコール、代返、情報収集・・・パシリとしてはかなり優秀な彼。しかし、たくやの周囲にいれば憧れの澪と接する機会も多くなるだろう、というくらいの計算はあったはずで、いや、逆にたくやの周囲に居たからこそ澪に想いを寄せ始めたのかもしれません。ま、どっちにしろあんまり相手にされてないんだけどね・・・お嬢様ってのはこれだから・・・

 ちなみに澪編の洞窟探索では彼を選択する事も可能。「恋敵(?)が邪魔だ」とか「オレを陥れた罰じゃ」とか言って彼を穴に落としたりすると性格悪いって言われちゃうぞ。私は美月さんと一緒に探検してるからそんな事は一度たりともやったことはありません。誰だってあんな暗い洞窟の中に、結城と美月さんとどちらと一緒に入るかって言われたら、美月さんを選ぶと思うけどなあ。

20年越しのキャラデザ変遷+名字の元ネタ


 トレードマークだった帽子が無くなった代わりに何故かおでこを全開にしちゃってますが、それ以外の大きな変更は見られません。サターン版同様アクティブで動きやすそうな私服で登場しており、「おやび〜ん」と言いながらちょこまかと動き回るその姿は、銭形平次の時から受け継がれている使いっぱしりの正統なスタイルでもあります。サブキャラながら結城というキャラの人物像を端的にわかりやすく説明している、無駄の無いキャラデザですね(笑)

 名字の元ネタは下総の名門・結城氏。史実でも同姓同名の結城正勝という当主が存在していました。

 結城氏は古河公方を支持して山内上杉氏と長期にわたって争った。戦国時代に入っても一貫して古河公方を支援する姿勢を続けた。そのような中で名君と呼ばれた15代当主・結城政朝が登場した。彼の治世のとき、結城氏は、多賀谷氏や山川氏を屈服させ、さらに周辺勢力との抗争に勝ち抜くことにより、戦国大名としての飛躍を遂げることになる。その子・結城政勝の時代には小山氏に子の高朝を送り同盟関係を強化し、晩年には分国法の「結城氏新法度」を制定するなど政治的・軍事的基盤を固め、勢威を常陸や下野にまで伸ばして、再びの最盛期を築き上げた。(Wikipediaより)

 『信長の野望』では関東の名門ながら実力的にはぱっとしない中級〜上級者向けの大名。のんびりしてると北条家の猛攻の前にあっという間に滅んでしまいますので、北条や武田などの大勢力と手を組むなどして生き延びながら、隙を見計らって同盟を解消しては攻め込むなどの思い切った手を打つ必要もあります。北条、上杉、佐竹、豊臣、徳川の間を転々としながら生き延びて来たその様が、お調子者のYU-NOの結城の姿と重なるのかもしれませんが、弱小大名の必死の処世術をお調子者と呼ぶには流石に失礼なので、その辺はちゃんとリスペクトしておきましょう。



この世の果てで恋を唄う少女
YU-NO人物辞典_現世編11
龍蔵寺 梅

PS4版
CV:伊沢磨紀
セガサターン版
CV:鈴木れい子

龍蔵寺幸三の母親。大きな屋敷で息子と二人暮らしをしている。
龍蔵寺曰はく認知症を患っているらしいが、たくやには幾度となく意味深な言葉を投げ掛けてくる。

龍蔵寺 梅


 龍蔵寺幸三の母。老齢故に認知症を患っているようで、屋敷を訪れる人に向かって意味不明の言葉を投げ掛けて困っている、とは龍蔵寺の弁。タタリ騒動の元凶と噂される武家屋敷を訪れたたくやは、そこが学長である龍蔵寺の屋敷であることを彼女から知らされた。屋敷にも出入りしている美月の話によれば、彼女がおかしい言動を取り始めたのは丁度今から一月前のことで、龍蔵寺の様子が変わった時期と重なるのだと言う。敷地内の土蔵の中で日記を見つけた彼女は、龍蔵寺では無い何者かが彼を殺して龍蔵寺に成り代わって居ることに気付く。しかし老女一人の力ではどうすることも出来ず、認知症を装って彼の注意を逸らし、屋敷を訪れる者にその異変を知らせようとしていたのだ。

 たくやが美月と共に頻繁に屋敷に出入りしている事を知った彼女は、たくやに土蔵の鍵を渡してそこで落ち合う事を約束。その時に龍蔵寺の異変について知らせようとしていたが、直前にバレて龍蔵寺に殺害される。深夜の土蔵、たくやが見た物は、首吊り自殺に見せかけられて土蔵の梁から吊された彼女の死体だった。


【再録】talkの独断偏見コメント


 「骸骨のような」という形容がぴったり当てはまるばあさま。不気味な笑いと共に意味不明の言葉を残すという点で、かなり課せられた役割が明確な存在ではないかと。死体のシーンも正直言ってビックリしましたので、徹頭徹尾、きっちりと役割を果たしたのではないかと思われます。生前の龍蔵寺が残した日記なんぞを見つけなくても、様子が変わった事に気付いて居たでしょう。何と言っても彼の母親なんですもの。何者かが息子を殺して、それに成り代わっている・・・その事を知ってしまった以上、殺されるのは火を見るより明らか。耐え難い恐怖の中で、老女の知恵なりに必死にボケを装って助けを求めていたのかと思うと、こんな脇役にもほろりと涙を流さずにはいられません。

 ちなみにゲーム内で彼女が言う「燕雀いづくんぞ、鴻鵠の志を知らんや」というのは、「ツバメやスズメのような小さい鳥(のような小人・志の低い人間)では、白鳥のような大きな水鳥(=鴻鵠)が抱く志を理解することは出来ない」という意味の中国の故事。勉強になりますね。

20年越しのキャラデザ変遷+名字の元ネタ


 役割が明確に決まっている老女キャラなのでリメイクされてもデザイン的なブレは全くありませんが、サターン版よりも若干顔つきなどが柔らかくなっており、骨ばった骸骨のような不気味さは幾分か和らいでます。それでも死体発見時のCGは相変わらずショッキングなので、今風のキャラデザになっても抑えるところはちゃんと抑えてくる名脇役っぷりは健在です。

 名字の元ネタは勿論息子の幸三と同じく肥前の龍造寺氏。

 1530年、水ケ江城主龍造寺家兼が田手畷の戦いで周防の大内氏を破ってから少弐氏からの自立が進み戦国大名としての道を歩み始めた。この龍造寺氏の勃興は、九州ではほとんど見られなかった下克上の数少ない例と言えよう。しかし、1544年に馬場頼周を中心とする少弐氏重臣達の調略に敗れ、一族の多くを殺害されて、龍造寺氏の勢力は一時的に壊滅した。再起した隆信の時代に龍造寺氏は肥前を制圧し、北九州に勢力を広げ、さらに大友氏が日向の耳川の戦いで島津氏に大敗するや、大友氏の混乱に乗じて大友氏の勢力圏の筑後に侵攻するなど、短期間に戦国大名としての最盛期を築き、九州北東の雄である大友氏を圧倒するに至る。(Wikipediaより)

 龍造寺の御老人と言えば、龍造寺家兼(1454-1546)。一度は主家の少弐家を追われながらも、齢九十にして龍造寺家再興の為に挙兵したという凄まじい爺様です。後に「肥前の熊」として名を馳せた玄孫・龍造寺隆信の力量を見込んで還俗させたというエピソードもあり、どことなくYU-NOの龍蔵寺親子と重なる部分も感じます。

この世の果てで恋を唄う少女
YU-NO人物辞典_現世編12
北条 篤

PS4版
CV:上田燿司
セガサターン版
CV:青野武

興信所の所員。
ある人物からの依頼で、たくやの父・有馬広大の行方を捜しており、彼が擁護していたという少女、波多乃神奈にしつこく付きまとい、何かを調べている。

北条 篤


 神奈の住むマンション前で鉢合わせする男。神奈とは幾度か関係を持ったようであり、彼女の周囲をうろつくのはその為。実際は龍蔵寺から広大の行方を突き止めるように依頼された興信所の人間で、かつて広大の保護を受けていた神奈をマークする事で情報を掴もうとしていた。広大の息子であるたくやの事も当然知っており、たくやが神奈の部屋に泊まった翌日には取引を申し込む。「神奈から広大の居場所を聞き出せば、依頼主の情報を教える」と。父の行方と神奈の身を案じるたくやは取引に渋々ながらも承諾。しかし約束の時間、夜の公園で訪れた先で見た物は、ナイフを手に神奈に襲い掛かる北条の姿であった。

 常軌を逸したかのような目つきと言動で神奈から執拗に広大の居場所を聞き出す北条。後に助けに入った絵里子によれば「ナイアーブ症状」と呼ばれる強力な催眠状態に陥っていたらしい。結局絵里子の助けによって北条は失神。たくやと神奈は危機を脱する事には成功するが、神奈が身に付けていた、「それを失えば命を落としてしまう」ペンダントは水に浸かって消失することになる。


【再録】talkの独断偏見コメント


 どーでもいい脇役のチンピラ親父に青野武を持ってくるんだから、流石この時期のサターン作品はキャスティングが豪華だなあというのが一番の印象。だってそれ以外の感想って言ってもねえ、ホントにただの脇役だし・・・まあお世辞にも信頼のおける探偵とは言ってあげられない彼。恐喝まがいで情報を聞き出そうとするし、依頼主の情報も簡単に教えようとするし・・・まあ巷の興信所の人間ってのはこういうのも少なく無いって事です。誰もが小次郎や松田優作やホームズみたいじゃないわけですね。こういう嫌悪感を刺激されるような人物とですら神奈は関係を持っていたという所が話のポイントではないかと。

 後、彼に言わせれば「興信所」と言う方が「探偵」って呼び方よりもエレガントとのこと。婚姻前の身元確認や浮気調査、ペット探しの毎日が興信所の常なのであります。剣乃作品ではEVEの小次郎など探偵の主人公も多いので、こういうゲスい探偵像というのもアクセントになって面白いですね。

20年越しのキャラデザ変遷+名字の元ネタ


 胡散臭くてゲス野郎なオヤジキャラというわかりやすい人物像はリメイク版でもほとんど変更されていません。サターン版では何故かつぶらな瞳で、故・青野武の声も影響してどこか愛嬌のある雰囲気もあったのですが、リメイク版では目付きも悪くなり、見た目の胡散臭さに磨きがかかりましたね。その分特筆すべきポイントが一切無くなってしまったのですが、まあ元々こんな脇役に青野武がキャスティングされてたこと自体が豪華過ぎたので、落ち着くところに落ち着いた感じもします(笑)

 名字の元ネタは相模の戦国大名・北条氏。鎌倉幕府で執権職を踏襲した北条氏との混同を避けるため、日本史上では「後北条氏」と記されます。

 室町幕府の御家人・伊勢氏の一族だった伊勢新九郎盛時(後の早雲庵宗瑞)が文明8年(1476年)の今川義忠の戦死をきっかけにして起こった今川氏の内紛の際に甥の龍王丸(後の今川氏親)を支援したことが伊勢氏(北条氏)が関東圏に勢力を築くきっかけとなった。明応4年(1495年)には大森氏から小田原城を奪って本拠地を移し、1516年に三浦半島の新井城で三浦義同を滅ぼして、相模国全土を征服した。北条氏を称したのはこの宗瑞の子・氏綱が名字を伊勢から北条に改めてからのことだが、今日では便宜上、早雲庵伊勢宗瑞に遡ってこれを「北条早雲」と呼んでいる。(Wikipediaより)

 『信長の野望』ではこの北条早雲の孫・氏康の時代からプレイ。難攻不落の小田原城を拠点とし、戦国一の民政家として有名な君主・氏康をはじめ家臣も精鋭揃いの初心者向け勢力です。武田、今川との三国同盟を利用して相模以東の関東方面から攻略していくのがセオリーですが、ゲーム開始シナリオによっては三国同盟以前の年代でのプレイも出来ますので、その場合は武田、今川と鎬を削っての関東の覇権争いを楽しむことが出来ます。五代続く関東の覇者・北条氏とYU-NOのこのゲスオヤジとの共通点は全く見当たりませんが、秀吉の小田原攻めの時には家臣団の分裂も酷く、その最期は割とあっけないものだったりもするので、秀吉視点の歴史物では案外「名家の威光に傲り高ぶった情けない敵役」として描かれることも多いです。これなら共通点も無くは無いですかね?

この世の果てで恋を唄う少女
YU-NO人物辞典_現世編13
真理奈(女守衛)

PS4版
CV:山本彩乃
セガサターン版
CV:西村ちなみ

亜由美の勤める「ジオ・テクニクス社」の正門前の警備にあたっている。
真面目そうに見えるが、勤務中にテレビを見ていて侵入者を見逃すなど、警備員としてはあるまじき緩さを見せることも。

真理奈(女守衛)


 ジオ社正門脇の詰め所に常駐する女守衛。基本的にジオ社のセキュリティ・システムは高レベルのインテリジェントガードが施されており、わざわざ屈強な警備員を何人も配置する必要は無いので、彼女の仕事の大半は簡単なゲートチェックや香織のようなマスコミ関係者を追っ払ったりの方が多いと思われる。住民団体の抗議行動前後の後始末も彼女の仕事。御苦労様です。

 ゲーム内ではジオ社の前で数回会う程度。たくやが少年だからあんまり気にしていないのか、それとも生来がおっとりした性格の持ち主なのか、警備員という割には人当たりも口調も柔らかい方で賊が侵入した時の話などをたくやに話したりもする。ちなみに神奈編で香織がジオ社への侵入を失敗した時は猛然とこれを追撃。間違えてたくやを捕らえるが、これが多分一番警備員らしいシーン。

【再録】talkの独断偏見コメント


 剣乃作品の「まりな」と言えばやはり…いう事以外、特に書くことが無い、本当にただの脇役な彼女。主人公たくやとの会話で適当にからかわれる程度の役どころなので、別にイカツイおっさんでも良かったとは思うんですが、何故か可愛らしい外見の女性になってますね。警備員してるくらいなので引き締まったステキなボディを婦警さんっぽい警備員衣装で披露してくれるのが眼福ですが、だからと言ってサービスCGがあるわけではありません。たくやのことを「ボク」呼ばわりで子ども扱いして大人の余裕を見せてくれる割に、ドラマに夢中で侵入者を許すなどのポンコツっぷりがちょっと可愛かったりします。でも、それだけ(笑)

20年越しのキャラデザ変遷+名字の元ネタ


 このキャラも大きなデザイン変更はありません。一応リメイク版の方ではサスペンダーが追加されていますので、警棒とかスタンガンなんかを携帯するためのホルスター型サスペンダーではないかと思いますが、そういう見せ場は一切無いので、単に絵的に追加しましたよということなんでしょうね。また、髪型がアップ気味のポニーになりましたので、顔の雰囲気も変わったことでややスポーティーな印象になりました。だからと言ってそういう見せ場はありませんが(笑)

 名字の設定がありませんので他キャラのような戦国大名ネタはありません。そもそもリメイク版では「真理奈」という名前すら設定されておらず、リメイク版基準の攻略本でも名も無き「女守衛」扱いでしかないので、「まりな」ネタで名前をいじる余地すら削られてしまってます。リメイク版では他にも豊富と北条が名前のみの設定となっていますが、サターン版の時から名前の方は設定上で確認出来るだけで作中では紹介されていませんでしたから、この三人はリメイク版で改めて下の名前は不要と判断されてしまったようです。彼女に至っては名前という個性が失われてしまってますので、これで正真正銘のモブとなってしまいました。アーメン…


<<prev 人物事典09 龍蔵寺 幸三

>>>next 人物事典11 有馬 たくや(異世界編)