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弐百弐拾 事業主委託訓練の不思議(2005/12/4)
弐百拾九 沖縄にて(2005/11/27)
弐百拾八 最後のOS9マシン(2005/11/19)
弐百拾七 「蒼天航路」完結(2005/11/13)
弐百拾六 無主の地(2005/11/6)
弐百拾五 靖国といい歴史教科書といい(2005/10/30)
弐百拾四 ハイクラス・オーディオへの仲間入り(2005/10/21)
弐百拾参 カートリッジ更新(2005/10/16)
弐百拾弐 カートリッジ破損(2005/10/8)
弐百拾壱 断線(2005/10/1)
弐百拾  卒業式のBGM(2005/9/25)
弐百九  TULIP LIVE(2005/9/18)
弐百八  9.11(2005/9/11)
弐百七  癒しの動物(2005/9/4)
弐百六  アクセス制限(2005/8/28)
弐百五  絶品!! 銀線ケーブル(2005/8/21)
弐百四  戦艦大和の防御設計は優れていたのか(お盆特別回)(2005/8/14)
弐百参  RCAケーブル決定(2005/8/10)
弐百弐  天の助け(2005/8/7)
弐百壱  嗜好の変化(2005/7/31)




弐百弐拾 事業主委託訓練の不思議(2005/12/4)
 ニート対策、雇用のミスマッチ、正規雇用の拡大などの課題に対して、厚生労働省や文部科学省はいろいろ取り組んでいます。例えば、日本版デュアル訓練や就業体験(インターンシップ)がその代表です。世間にはあまり知られていませんが、事業主委託訓練というものもあります。平成15年度より取り組んでいる、雇用のミスマッチを解消する極めて有効な手法です。
 具体的に説明すると、通常の離転職者に対する能力再開発訓練は、失業給付を受けながらの“Off-the-Job-Training”です。公共職業訓練施設や専門学校に委託しての職業訓練を指しています。対して、事業主側の求人ニーズに合わせ、きめ細かいOJT(On-the-Job-Training)を実施するやり方です。
 訓練は求人サイドの職場で実施されます。事業主が求人をする際、会社側と求職者の間でニーズとスキルレベルが合致するのが理想です。しかしこれは、実際にはなかなか難しい話です。そこで、就職後の職務を実際に体験し、あるいは会社側は職務内容を指導し、両者それぞれが適性を確認し合うわけです。そして問題がなければ雇用契約を結びます。しかも訓練中には失業給付が為され、あるいは訓練期間一杯まで給付期間が延長されます。

 いかがでしょうか。まさに理想的な訓練だと思いませんか。国や都道府県、あるいは求人に困っている事業主にとって、期待の雇用機会創出の施策なのです。これを読んだ方は、就業の機会を希望している、それも自分の適性に合った職業選択に迷っている人間にとって福音じゃないかと感じたでしょう。ところが現実は厳しいものです。訓練希望者がほとんどいないのです。特に不思議なのは、事務職に対しても希望者がいないことです。実は本県の場合、事業開始以来事務職希望者がゼロという情けなさです。言い忘れましたが、この訓練を実施する要件として、正規採用であるのが前提なのですよ。
 今、最も就職希望の多い職種は言わずもがなの事務職です。特に女性にとって正規の事務職というのは、金の草鞋を履いてでもの美味しい話です。現に、OA関係、経理関係に対する訓練希望者数は圧倒的です。それほど強く希望し、求人数の少なさを嘆くくせに、いざ事業主委託訓練の募集を提示しても見向きもしません。皆さんも、ちょっと首をひねっちゃうでしょう。

 私が想像するに本当のところでは、彼ら、彼女らに切実な就職希望がないのでしょう。『失業給付期間中は、のんびり資格取得の訓練を受けたい』『事務職求人が少ないのは仕方ない。いざともなれば、派遣社員でいい』『失業期間中に、なんで会社勤めをしなきゃいけないの』などといった心根であるとしか思えないのです。
 反対に、『失礼な。私は正規で事務職に就けるなら、何がなんでも喜んで応募する。勝手な決めつけをするな』という方がいれば謝ります。どうか是非とも応募してください。募集情報については、所轄のハローワークにお尋ねください。
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弐百拾九 沖縄にて(2005/11/27)
 つい先ほど、沖縄から帰ってきました。職場の仲間たちとの観光旅行です。

 一泊旅行なので、那覇近辺を訪ねただけです。定番の旧海軍地下司令部跡やひめゆりの塔、摩文仁の丘です。やはり、ひめゆり部隊の殉職に胸が痛みました。
 沖縄戦を指揮した牛島中将は、陸軍軍人の中では陸戦法規をまだしも理解していた軍人だと思います。その牛島司令官にして、軍民分離を行いませんでした。結果、市民を巻き添えにし、悲惨な戦禍拡大を招いてしまいました。旧陸軍の戦争指導が批判を受けるのは当然です。本来であれば、東京裁判とは別に軍事法廷によって裁かれるべき事項だと思います。

 と同時に南京戦においても同様の、いえそれ以上に卑劣なことが為されました。中支派遣軍の快勝と国民党軍の敗走を受け、国民党の唐生智司令官は後事の始末を放棄して南京を真っ先に逃げ出しました。南京に逃げ込んだ国民党兵士たちは、軍服を脱ぎ捨てて市民に紛れ込みました。その結果、日本軍は市民の中から兵士を拘束せざるを得ませんでした。その光景を見た南京市民には、日本軍による市民への暴略と映ったことでしょう。この状況が不幸なことに、南京虐殺の証言に繋がりました。
 戦後、国共内戦に敗れた国民党は台湾に逃げました。ただ、この中華民国はヤルタ体制を引き継ぐ国連の常任理事国でした。大陸の中華人民共和国は国際社会での立場をアピールする目的で、国民党の南京での不始末を強く非難していました。つまり、日中国交回復までは、南京事件の責任は中華民国にあるとしていたのです。最近の若い人たちには信じられないでしょうね。

 いずれにしても、軍隊は国家と国民を守るのが使命です。でありながら、旧日本軍にしても、国民党軍にしても市民を盾にしたのです。日中いずれもハーグ陸戦協定に批准していなかったのです。そのような軍隊に対して、権力と暴力装置を与えた悲劇のひとつが沖縄戦だったのでしょう。ありきたりの感想ですが、ほの暗い洞窟を覗き込みながら60年前の戦争に想いを致してしまいました。
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弐百拾八 最後のOS9マシン(2005/11/19)
 知人のデザイナーが、昨夏G4/デュアル1.25GHzを購入しました。それを忙しさにかまけて梱包のままにしていました。今春、暇ができた私はセットアップを頼まれました。このマシンはOSXとOS9をデュアル・ブートできる最終機種です。知人は733MHzを利用していたので、特に必要性はなかったものの、前記の理由で買わざるを得なかったわけです。

 で、私ゃ苦労しました。この機種は、まずOSXをセットアップし、その後でOS9をインストールするタイプです。インストール・ディスク(DVD)のマウントに10分も待たされたり、何度やってもOS9のインストールが途中でキャンセルされました。症状から察するに、インストール・ディスクの不具合としか考えられません。それでも念を入れ、ディスクを磨いて何度もチャレンジしました。やたらにアクセスが遅く、通算で20時間ほど費消しました。さらには、HDDを替えてみたり、ATAのチャンネルを繋ぎ変えたり、あげくに汎用のOSディスクで試したりと、3度も足を運びました。

 結論として、不具合の原因はインストール・ディスクしか思い当たりません。知人には、販売店の営業マンに連絡してディスク交換を申し出るように伝えました。その後、うざい経過を辿りました。営業マンは「HDDの不具合だろう」とし、Appleの担当者も「ディスクの不具合は考えられない。HDDの不具合だ」と譲らず、結局本体ごと送付の羽目になったそうです。
 検査の結果は予想通りでした。ハードウェアに不具合はなく、インストール・ディスクの問題なので、後日新しいディスクを送るとのことでした。で、送られてきたディスクで以って、昨日セットアップを完了しました。
 しかし、Appleも相変わらずピント外れです。ディスクがおかしいと言ってるのだから、ディスクをチェックすればいいのにねえ。おかげで余計な手間のかかったことか。

 そのデュアル1.25GHzマシンは、それまで使っていた733MHzよりかなり速いです。知人もデータを移行してメイン作業用に昇格させました。
 しかしねえ、OS9が発売されたのはたしか2000年だったと思います。それが4年程でインストールさえできなくなるというのは、ずい分ユーザを舐めた話です。クラシック環境が用意されているものの、それで仕事をするのは非現実的です。これだから私は、職場用(DTP)以外でMacintoshを買う気がしないのです。さらに来年からはIntelのチップに変更されるそうですね。すると、エミュレーションでは物足りないこともあって、アプリケーションを買い換える必要もあるでしょう。Mac地獄とはこのことです。
 まあ、知人にしろ当方の施設にしろ、印刷関連業界ではOSXもIntelマシンも関係ない話です。ちなみに某印刷会社のプリプレス部門を統括している知人など、最近になってやっと業務マシンをOS8.6からOS9に更新したくらいですから。
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弐百拾七 「蒼天航路」完結(2005/11/13)
 私も三国志ファンです。最初に読んだのは、柴田錬三郎氏の「英雄ここにあり」です。以後、吉川英治本や、これを下敷きにした横山光輝本(漫画)を読みました。個人的には柴田版が気に入っています。柴田氏は漢文学を専攻しているだけに、深い素養が作品に厚みをもたせています。作中で紹介されている曹操の「短歌行」は感動モノです。「短歌行」は多くの人によって読み下されていますが、柴田氏の手になる以下の文章は掌中の珠の如しです。

 短歌行

酒に対して当に歌うべし
人生幾何ぞ
譬えば、朝露の如し
去りゆく日々の苦多し

概して当に慷すべし
憂思忘れ難く
何を以ってか憂いを解かん
唯あるのみ杜康(うまざけ)

青々たる子(きみ)が衿
悠々たる我が心
ひたすらに君が為の故に
沈吟して今に至りぬ

ようようとして鹿は鳴き
野の萍(くさ)をくらう
我に嘉き賓客あらば
琴を鼓き笙を吹かん

明らかに明らかなること月の如く
なんの時にかひろうべき
憂い、中より来たりて
断絶することあたわず

陌(はく)を越え、阡(せん)を度(わた)りても
枉(あ)くまでも用(か)くて存(とむら)い相(まい)らせん
契闊に談嚥すべし
心に念ず旧き恩(ちぎり)

月明らかにして星は稀なリ
烏と鵲は南に飛び
樹を撓(めぐ)り三たび匝(めぐ)るも
何の枝にぞ依るべきや

山は高きを厭わず
海は深きを厭わず
周公は哺(は)みしものを吐きしかば
天下の人は心を帰せぬ

 日本語そのものの韻の踏み方が尋常じゃないです。やはり作家の手になるものは一味違います。この「英雄ここにあり」は、北伐に向けての出師の表で終わっています。続編の「英雄生きるべきか死すべきか」で劉備亡き後の蜀を、孔明そして姜維が背負って闘う姿が描かれています。三国志好きには一度は読んで欲しい小説です。私はもう5度ほど読んでいます。

 ここまでに挙げた三国志は、いずれも通俗演義をなぞっています。ところで講談社の「週刊モーニング」に、1994年より「蒼天航路」が連載されました。10年以上に及ぶ連載が、先週ついに完結しました。
 「蒼天航路」は珍しく正史を参考にアレンジされています。おかげで物語の説得力はぴかいちでした。シナリオを担当した李學仁(イ・ハギン)氏の力量でしょうね。その李氏は1998年に逝去され、以後は作画担当の王欣太氏がシナリオも担当しています。私の想像では、“官渡の戦い”のプロットまでが李氏の手になるのではないかと睨んでいます。その前後で質に差が感じられます。特に孔明のキャラクタや“赤壁の戦い”の描き方には不満が残ります。李氏であれば、孔明を正史に合わせて、着実堅実で、敗けを避ける人物に描いたことでしょう。まさか蒼天のオカルト人間に仕上げることはなかったでしょう。

 「蒼天航路」の美点は説得力にあると書きました。他の三国誌本では、曹操(魏)の強さの根拠が記されていません。蒼天は、青州の黄巾残党精鋭の吸収を描いています。また、曹操が兵を強兵に鍛え上げる様を何度も描いています。あるいは城市づくりや産業育成まで丁寧に説明しています。そこまで書き込んだ三国志本は他にありません。
 本作は曹操を主人公に据えているので、曹操の死とともに完結せざるをえません。私も完結を惜しむ一人ながら、仕方ないと諦めています。

 ちなみに作中のキャラクタで一番好きなのは呂布です。単純にかっこいいですもんんね。
(C)王欣太
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弐百拾六 無主の地(2005/11/6)
 11月3日に放映された「報道ステーション」の特集は、あんまりな内容でした。ご覧になった方には、あらためて説明の必要もないでしょう。

 清時代より、チベットは独立国家として存在していました。清滅亡とともに、完全な独立を達成しています。それが1950年の中共軍の侵攻以後、チベットは中国の侵略下にあります。そして弾圧、虐殺、チベット文化破壊を繰り返し、漢人を入植させての国家簒奪を図っています。
 この点について、チベット側にも問題があります。ダライ・ラマ選出時、愚かな内部抗争を行い、国民党や中共の口出しを許しています。まあ、仮に法王選出の混乱がなくても、中共の侵略はあったでしょうが。


 番組は、そのような侵略の実態に触れることなく、中国による開発を建設的に紹介するという構成でした。いくらなんでもねえ。この特集を見た方は、みんな満州国との比較に思いを致したのではないでしょうか。
 「漢人の入植」→「満蒙開拓団などの日本人や朝鮮人の入植」
 「鉄道開発」→「満州鉄道」
 まあ、こんなとこでしょう。それ以外は全然異なっています。「五族協和」を謳った満州国は、民族文化廃絶などやっていませんし、一応がとこ傀儡政権を拵えています。もちろん関東軍がやったことは非道であり、弁解の余地はありません。
 どう考えても、満州の事情より、チベット問題の方が侵略性が高いでしょう。でありながら、TV朝日は疑問提示も問題提起も一切していません。特に鉄道事業は、豊富なチベットの鉱物資源を東送するための資源簒奪事業なのです。こんなあからさまな略奪を、明るい開発事業として紹介するとは、私なんかおぞけを震ってしまいました。


 もう一点、満州国と違っていることがあります。チベットはまぎれもなく独立国家でした。対して、当時の満州はどうであったか。
 清が倒れ、中国の後継国家は孫文の衣鉢を継ぐ国民党(北京)政府であったでしょう。ただ、国民党の勢力圏は外縁にまでは及んでいませんでした。国民党に対抗する共産党勢力や、幾度も蒋介石に反旗を翻した汪兆銘政権があり、東北部(満州)には軍閥が割拠していました。軍閥の頭目の張作霖は反孫文であり、蒋介石と戦い敗れました。その敗戦処理が日本軍による張作霖爆殺に繋がったのです。息子の張学良は蒋介石に服属し、中国統一へと一歩近づきました。中国統一は日本にとって本来歓迎すべきことです。そもそも日本側に領土的野心はなく、経済的権益の保護だけが眼目でした。中国統一を受け、日本は満州へ莫大な投資を行いました。その規模の大きさは、国内投資を上回るものであったのではないでしょうか。正確な額は調べていませんが。いずれにしても、これによる南満の発展は目覚ましいものがあり、この時期に築かれたインフラは現代にも生きているくらいです。それほどの基盤を築けばこそ、これを守るために傀儡政権を発足させたわけです。

 当時の満州の軍閥は、重税による簒奪と気ままな略奪行為を繰り返しています。まっとうな政府もない状態の満州と、長い歴史と文化を誇るチベットを同列に扱っていいはずがありません。中国自身が東北部を“無主の地”と呼んでいたのですから。
 誤解しないでください。何度もいいますが、私は関東軍による満州制圧を一分も肯定しませんよ。


 報道ステーションの取材スタッフも、私が書いていることくらい知悉しているでしょう(無知なのかも知れませんが)。取材許可を得るためには、あのような内容にならざるを得ないのでしょうね。チベット侵略に対する批判的放送をしたら、きっと北京当局の反発を招き、TV朝日や朝日新聞の北京事務所が強制捜査されたり、今後の取材に許可が下りなかったりのペナルティが科されるでしょう。他の部局からは、なんてことをしてくれたんだと内部批判さえ受けるでしょう。
 完全に北京当局に足元を見透かされています。30年前の秋岡家栄北京特派員(朝日新聞)以来の持ちつ持たれつの伝統ですね。
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弐百拾五 靖国といい歴史教科書といい(2005/10/30)
 靖国参拝問題も歴史教科書問題も日本側にこそ問題があると思います。これらを内政干渉と切り捨てる前に、日本国内の言論状況こそが問題でしょう。端的に言って、マスコミの報道手法が問題です。

 例えば歴史教科書の記述に対して、中韓が公的に口を挟むようになったのは、マスコミの報道手法によるものです。かつて実教出版社の高校日本史教科書に、大陸への“進出”の記述がありました。教科書検定が済むと、マスコミ各社(新聞社、放送局の担当記者)は分担して変更内容をチェックします。当時、実教出版の教科書を担当したのは日本TVの取材記者だったと記憶しています。彼らは“侵略”を“進出”に書き換える旨の検定意見があったと勘違いしました。この単純ミスが一人歩きを始め、マスコミ各社は一面トップの派手な報道合戦を繰り広げました。

 このとき、どこかの記者が中国の外交部に注進に及び、コメントを取ったのです。中国側担当者としては、批判的コメントをせざるを得ないでしょう。記者は鬼の首を取ったように、中国はこのように反発していると書き連ねたのです。以後、マスコミは中国や韓国側に駆け込み、コメントを取るというパターンが定着しました。と同時に、マスコミは貴重な記事ネタとして重宝するようになりました。このようなスタイルは、あらゆる人々にとって不幸な状況を招いてしまいます。中韓政府関係者にしても、日本国内で騒ぎになり、それが自国内で報道されてしまうと静観するわけにはいきません。反日教育を徹底し、国民の反日感情が沸騰しているなかでこれを無視すれば、やがて自政権への批判に繋がってしまいます。不当な内政干渉と理解していても、日本政府に強い抗議をせざるを得ないでしょう。


 記事ネタとしての有効性を大ならしめるため、マスコミはいろいろ姑息なことをやってきました。

 ・家永教科書検定裁判に関しての恣意的報道
 家永氏の個人的な側面はさておき‥‥いえいえ、無視するわけにはいきません。家永氏は本来、反動歴史家としてのポジションにありました。ところが戦後のいきすぎた民主化の波に乗るために、彼は見事に豹変しました。戦後、日教組は社会科教師用に歴史教育のためのテキストを編纂しています。この中で、家永氏は反動歴史家としてのレッテルを貼られています。私、このテキストを貴重な資料として大切に保存しています。
 家永教科書の検定部分を確認すると、文部省サイドの検定意見はきわめてまっとうに見えます。ところがマスコミが家永検定を語るとき、コメンテータは常にバイアスがかかった説明をしています。

 ・新編日本歴史教科書
 ここ数年話題になっている歴史教科書のことでなく、十数年前に出版された小堀桂一郎氏らの手になる教科書のことです。当時、マスコミは上にも書いた家永検定に絡め、文部省検定は表現や学問の自由を犯すものとしていました。また、国家による歴史改竄作業であると強く批判していました。ところが小堀氏らの教科書に対しては、学問の自由だの文部省による改竄だのの台詞は一言もなく、ひたすら教科書そのものを批判していました。なんて露骨なダブルスタンダードであったことか。

 ・市民運動の実態
 市民運動は結構なことです。問題は報道姿勢と報道内容です。TVなどで市民団体の抗議が流れます。たとえ数十名の小さな集会でも、マスコミの方向に沿うものであれば大々的に報道されます。一方で、大きな集会であっても、マスコミの意図にそぐわなければ無視されます。そのような報道に中韓も左右されるわけですから怖いことです。


 中国や韓国の政府関係者にも楽をさせてあげましょう。日本国内報道の偏向のおかげで、彼らもまた困るのですから。
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弐百拾四 ハイクラス・オーディオへの仲間入り(2005/10/21)
 シェルターのMODEL501Uが一昨日届きました。10万円以下で最もFレンジが広く、最も高分解能のカートリッジという条件で調べた結果です。

 セッティングには苦労しました。まず、シェル込み26gの重さのため、アーム・ウェイトに余計な加重が必要です。7gのワッシャを付加して調整しました。ウェイトの後端に仮づけしてバランスを取ったところ、ワッシャは3枚も必要でした。これをブチルゴムで接着しました。そうすると、カウンターウェイトの目盛りはもう当てにできません。ウェイト後端ともなれば、モーメントはより大きいでしょう。多分、2〜3割くらいは余計に針圧をかける必要があるでしょう。でも怖いので、適正針圧(1.4〜1.8g)に収まる1.7gにセットしました。カートリッジの固定はばっちりです。オーディオ・テクニカのAT-LH18/OCCは18gもある分厚いシェルなので、ネジ穴が深くてがっちり固定できました。カートリッジの垂直やアンチスケート量を念入りに調整し、音出しです。シェルターのカートリッジもDENON同様にかなりセンシティブです。アンチスケート量の適正範囲が極めて狭く、そこを外れると、どちらかのチャンネルから歪んだ音が出てきます。



 一聴、Fレンジの広さに驚かされました。特に超低域レンジは、私のアナログ初体験ゾーンです。下の「ゴジラ伝説T」B面2曲目「キングギドラ出現 !」には地の底から響いてくるような無気味な効果音が入っています。シンセサイザーによる極めて低い音です。これが腹に響くのです。今までこんな鳴り方はしていませんでした。嬉しくなって、次々にレコードをかけました。ピンクフロイドの「おせっかい」A面冒頭の「ONE OF THESE DAYS(吹けよ風、呼べよ嵐)」には、オーディオの快感を堪能させて頂きました。広いレンジの音が、全域ハイスピードで鳴りわたります。これだとCDの存在価値が疑わしいなあ。

 

 また、分解能も文句なしです。スピーカーの解像度が大幅に高まっているので、その能力を面白いくらいに生かしてくれます。多分、これ以上の解像感を得られるカートリッジは、数十万円もする高額商品数種だけではないでしょうか(使ったことないけど)。録音効果や意図がまざまざと再現されます。
 さらに嬉しいのは、音の高低が一線上に並ぶことです。MONITOR2000は大型3ウェイなので、ややもすると低音が下に、高音が上に位置します。それが見事に一線に並ぶのです。ただし、前後感は出ません。スピーカー左右間に配置され、奥行き感や前に飛び出すなどの3次元再生は無理です。
 それ以外の特徴として、芯のある力感あふれる音です。かといって硬くはなく、むしろニュートラルで透明感があります。今のところ欠点は見当たりません。今後さらに鳴らしこんで、調教していこうと思っています。

 今後の課題は針圧管理です。針圧計がないとどうにもなりません。針圧計を買うか、あるいは以前使っていた軽いシェルに変更するかです。とりあえず軽いシェルで音調を確認してみます。それで問題なければ一件落着ですから。
 DL301U破損のおかげで、私のアナログシステムもマニア並みのハイクラスに突入することができました。今は顔がにやけています。
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弐百拾参 カートリッジ更新(2005/10/16)
 次のカートリッジをどうするか迷った結果、シェルターのMODEL501Uに決めました。価格は高いものの、最近の高額商品に比べれば可愛いものです。話題のEminentなんて30万円もするそうです。各所の評価を読むと、一度は聴いてみたくなりますけど。
 来週には届くので楽しみなことです。ただ、心配なこともあります。カートリッジ本体が8g、シェルが18gで26gになります。アームの取り付け可能重量は28gまでなので一応はいけます。でも、サブウェイトなどといった気の利いたものがないので、10円玉を貼り付けなきゃなりません。まあ、格好を気にするタイプじゃないのでいいんですけどね。気になるのは取り付けネジです。シェルターは穴空きシェルにナット止めを想定しているように見受けられます。さてうまくいくかどうか。杞憂であればいいのですが。

 スピーカーを更新してより、アナログ再生はパワーアンプ部以外すべて変更になりました。予想はしていたもののお馬鹿なことです。それでも世間のマニアに比べればつましいシステムです。自分の貧乏性が可愛くもあり、情けなくもあります。


 近所のナショナルの電気店で、TechnicsのSP10MKUとFRのアームをセットした自作プレーヤーを発見しました。売り物かと尋ねると、ご主人の趣味のプレーヤーでした。ぜひ売って貰えないかと懇願しましたが、「これを手放したら、もはやよいプレーヤーは二度と手に入らないから駄目だ」と断られました。そりゃそうですね。考えることはみな同じです。
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弐百拾弐 カートリッジ破損(2005/10/8)
 またまたヘマをやらかしました。本日、ハードオフで中古レコードを物色したおりに、オーディオ・テクニカのシェル(AT-LH18/OCC)を見つけました。在庫流れ品だと思われますが、安かったので購入しました。帰宅するやすぐにカートリッジを付け替えました。リード端子の密着を高めようと色気を出したのが間違いでした。ピンへの締め付けを試みた際、変な具合に力を加えてしまい、下図のように一本を折ってしまいました。あ〜、アホな自分が憎い。



 せっかく買った中古レコードも聴けません。以前使っていたカートリッジが残っているものの、意気消沈して組み上げる元気もありません。というか、20数年前のAT30では今さら聴けたものでもないでしょう。
 DENONのDL301UはMCなので、針交換で本体交換になります。交換するか、あるいは他のカートリッジに更新するか迷っています。

 追加:1時間後です。
 レコードを鳴らせないのは淋しいもので、お古のカートリッジをセットしました。20数年間も鳴らし続けたカートリッジです。針も消耗していることだし、歪っぽいかと思ったのは杞憂でした。針は生きており、意外にいけそうです。音質をとやかく言うレベルの製品ではないものの、癖のない音です。レンジが狭いのは当然ですが、フラットライドで私の好みから外れていません。不思議なのは、AT30がDL301Uより音圧がかなり高いことです。出力電圧の差は僅かなのに、10dBも違います。多分、DL301Uのインピーダンスが適切でないのでしょう。おかげでAT30は、くっきり元気の良い鳴り方です。逆に解像感や繊細感はDL301Uに及びません。まあ、次のカートリッジを手配するまで何とか我慢できそうです。
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弐百拾壱 断線(2005/10/1)
 かなり前から、スピーカーの片チャンネルの音圧が低めでした。昨日アナログを聴いたとき、明らかに音が変でした。音圧が低かったのはスコーカーです。調べてみると、ユニットへの接続部のファストンが嵌合部の根元で折れていました。チューブのおかげで僅かに接触を保っていたので、一応音は出ていたわけです。下図のとおり、右側のファストンのメス部が切断しています。オートバックスで買った安物なので、致し方ないでしょう。



 本日、同じくオートバックスで買いました。今回は金メッキタイプがあったので、当然そちらを選びました。先ほどつけ替えて、今は快調です。

 ついでに、CDアウトに繋いでエージングを進めていた銀線ケーブルを、ヘッドアンプとプリ間に入れました。それまで使っていたモンスターの安価なケーブルに比べ、完全に上手をいっています。Fレンジが広く、分解能も優っています。欠点は一本調子というか、明るめの音調一本槍な点です(8Nのケーブルであれば、微妙な肌合いを七色変化の如く再現してくれます)。ですから、ややもすると平板になりがちです。ただ、その一本調子な音調というのが、基本的に爽やかな音色なので嫌味がないのです。またモンスターに比べると、スケール感が一回り大きく、ハード気味です。まだエージングが終わってないので結論めいたことは書けませんが、アナログ経路に銀線ケーブルを選択したのは正解だと思われます。
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弐百拾  卒業式のBGM(2005/9/25)
 明日は卒業式です。当方の就職支援訓練の期間は、2年、15ヶ月、1年、6ヶ月、3ヶ月、1.5ヶ月と多彩です。明日は私が担当している6ヶ月訓練の修了式なのです。
 となると、彼らを送り出すためのBGMが必要です。昔は「いい日旅立ち」(山口百恵)を長く使いました。いいかげん飽きたこともあって、「贈る言葉」(海援隊)に変更しました。なんの因果か、そのためのCDを私は自腹で買わされました。7年前のことです。



 「贈る言葉」に不満はないものの、やはり飽きました。そこで、私の手持ちの「遠い世界に」(五つの赤い風船)に変更しました。2年前のことです。これは賛否両論です。年配のフォーク世代には好評ながら、若い職員はしらけているみたいです。



 で、前回の卒業式には、やはり手持ちの「卒業」(斉藤由貴)を流しました。う〜ん、評判はいまいち。



 さあて、明日はどうするか。松山千春にも「卒業」があります。個人的には好きなんだけど、けちをつける輩がいそうだな。そういう方には、てめえで準備提供しろと言いたいんだけどさあ。

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弐百九  TULIP LIVE(2005/9/18)
 先週の土曜日、チューリップのコンサートを観ました。1989年の解散コンサート以来の観劇でした。チューリップはメンバーチェンジを頻繁に行っています。5人のバンドですけど、延べ9人が参加しました。解散コンサートは最高でした。チューリップに関わったメンバー中、7名がステージに並んでいました。おかげで分厚いサウンドが聴けました。リーダーの財津和夫の友人で、べーシストの吉田彰の不参加だけが残念でした。
 今回のコンサートは、第二期(吉田彰と宮城伸一郎が交代)のメンバーによるものでした。選曲はライブ定番に加え、肩の力を抜いた曲も数曲あり、十分以上に楽しめました。面白かったのは観客層です。大半が40代のおじさん、おばさんばかりで、落ち着いた雰囲気が心地よかったです。

 帰宅後、懐かしいレコードやCDを引っ張り出し、BGMがわりにかけ続けています。ネタはたっぷりあります。私のチューリップ・コレクションは次図です。



 アナログ・レコードが17セット(20枚)、CDが7セット(8枚)、カセット・テープが1本です。レコードの大半は学生時代に買ったものです。初期のレコードは擦り切れるくらい聴いています。なかでも「無限軌道」が気に入っています。左列2段目のジャケットがそれです。A面最後の「たえちゃん」は放送禁止歌となりました。ただ、発売直後はフリーだったので、当地のNHKラジオで放送されました。やばい内容です。女子校名や人名がそのまま歌われており、しかも春歌を下敷きにしているので、オリジナルの歌詞はコンサートでもまずいんじゃないかな。

 私がチューリップのコンサートを初めて観たのは学生時代です。そのコンサートには驚かされました。アルバム「日本」のB面最後の組曲「甲子園」が演奏されたのです。この曲は実演不可能だと思われていたのですが、テープを利用することによってうまく再現していました。そのときのコンサートは、「甲子園」を聴けただけでも幸せでした。

 チューリップにはタイプの異なった二人のボーカルがいて、曲想に厚みがあるなどといわれました。でも、それは違います。チューリップのボーカルが素晴らしかったのは、実はアマチュア時代なのです。アマ時代には、Sさんという方がボーカルを担当していました。この方は財津嫌いで、プロへの参加を拒否したそうです。今は銀行員をやっているそうです。「私の小さな人生」はデビューアルバム「魔法の黄色い靴」に収録されていますが、それ以前のアマ時代に東芝から発売されています。当然のこと、ボーカルはSさんです。で、Sさん歌うところの「私の小さな人生」は絶品です。甘く繊細な声質で、いつまでも聴いていたくなるような心地よさです。後のチューリップのボーカルがSさんであれば、きっとチューリップは数段がとこ上のアーチストとして君臨できたのではないでしょうか。
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弐百八  9.11(2005/9/11)
 今日、9月11日は衆院投票日です。と同時に、WTCビル崩壊の日でもあります。4年前、TVを点けるとWTCビルが燃えていました。やがて二次突入が行われ、衝撃的な崩壊が起こりました。その映像を見たとき、不謹慎ながら天罰との思いを禁じ得ませんでした。アメリカ人がWTCビルの悲劇を語ると、ついつい「お前らは、もっと酷いことを世界中でやってきたんだぞ。その程度のことで騒ぐなよ」と突っ込みたくなります。

 これを契機に走り始めた対テロ戦争は、根本的な矛盾を孕んでいます。そもそもテロとは不正規戦のことです。不正規戦と構える戦争というのは、説明のつかない構図です。ベトナム戦争でジャングルに爆弾をばら撒いたのと同じです。ベトナムの場合は確信犯的にやったことです。重要軍事目標はあえて攻撃せず、関係のないジャングルに爆弾を落とせば、いつまでも戦争を続けられます。軍需産業は永久に儲けられるわけです。ベトナム戦争とはまさにそのような、産軍複合体が栄えるための戦争でした。ベトナムのジャングルがそうであったように、対テロ用に正規軍を大量投入してどうなるものでもありません。テロの温床とは、反アメリカの意識そのものなのですから。これを相手に最新兵器でどう闘おうというのでしょうか。軍需に関わる企業の意を受けた政治家や政府高官にとっては、そういった無意味・無駄こそ望むところなのです。でも、アメリカ国民にはいいかげんに目を醒まして欲しいものです。っても、どうしようもありません。アメリカの方向を決定づける大統領選挙は無法選挙に堕しています。昨年のウクライナの大統領選挙に対して、選挙監視団が大挙して現地入りしていました。ウクライナのケースより、アメリカの大統領選挙の方がよほど不正まみれでしょう。途上国の選挙かと紛うばかりのお粗末さです。次回のアメリカ大統領選挙には、国連の選挙監視団が出張ればいいのにね。
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弐百七  癒しの動物(2005/9/4)
 衆議院選挙にカトリーナ被害と話題は尽きません。政治向きのことは良く分かりません。自民党分裂選挙については、物事を明確にするうえでいいことだと思います。あとは有権者が判断すればよいことです。


 郵政民営化反対の急先鋒たる綿貫民輔氏は、トナミ運輸の実質的オーナーです。55年から59年まで社長、衆院議員になってからも71年から76年まで会長を務めました。現社長の勝介氏は長男です。で、トナミ運輸と郵政公社は、郵パックを始めとした郵便の物流事業の提携を行っています。Webの世界ではあちこちで語られていますが、大手マスコミはなぜか記事にしません。このような利害衝突こそ、書く価値があると思うのですがねえ。まるで、堤前コクド会長がJOC会長を兼ね、長野五輪を誘致したのと同じ構図です。


 ハリケーン被害の甚大さに耐えかねて、ブッシュ大統領は世界に向けて資金援助を求めました。その前にやるべきことがあるはずです。まずは、各国が申し出ている援助チームの派遣を受入れることです。これをやらずに金だけを請うというのは、アメリカらしいといえばアメリカらしいけど。
 また、何よりアメリカ自身が予算修正を行うべきです。例えば、迎撃ミサイル開発を凍結するとか、原子力空母の新規建造を破棄するとか、やるべきことはやって欲しいです。


 この夏は動物に癒されました。なかでもホワイトタイガーの赤ちゃんにはメロメロにされました。



 赤ちゃんといえど虎です。さすがでかいこと。今はミルクだけの食事なので安心です。肉はすり潰してミルクに混入しているそうです。ですから、噛まれても甘噛みなので怪我をしません。肉を本格的に食べ始めたら、じかに触れ合うことはできません。ホワイトタイガーに触りたかったら今のうちです。白鳥動物園で会えますよ。生後4ヶ月でこの成長ですから、あといくらもしないうちに檻の外からしか見ることができなくなるでしょう。

 ほかにも猿の赤ちゃんやアライグマに直接触れることができます。猿の赤ちゃんが一匹、一人ぼっちで繋がれていました。余程寂しいのでしょう。泣き通しでした。この写真撮影の後、右の私の身体に登って遊んでくれました。まだ赤ちゃんなので腕力や握力がなく、私の頭や肩からすぐに落ちていました。



 最近、癒しの目的で犬と触れ合う動物園やワンワンランドの類は多いものです。でも、虎と触れ合える動物園は珍しいでしょう。知人にホワイトタイガーを抱いた写真を自慢げに見せられ、負けじと先日訪ねました。
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弐百六  アクセス制限(2005/8/28)
 当方の職場には、パソコンが多数設置され利用されています。そのうちインターネットに接続しているのは、職員用業務パソコンのみです。で、そのうちのいくつかを生徒に開放しています。就職情報収集や訓練上の資料収集のためです。以前は事務室に設置していたのを、今は生徒用の談話室に置いています。職員の目が届かなくなったこともあって、けっこう遊びに利用しているみたいです。 たまにチェックすると、余計なアプリをインストールしていたり、設定を変えていたりします。Windows98なので、どうしても勝手にいじられてしまいます。


 最近、自殺サイトが社会問題なっています。ために、情報政策課より「一般の県民が利用する端末に対して、アクセス制限をかけるように」とのお達しがありました。NT系だと無料の制限ソフトがたくさんありますが、98向けには殆どありません。教育機関向けにプロキシで利用する無料ソフトが提供されていますが、これは当方の環境では無理です。仕方なく有料のNortonにしました。98ですから、セットアップしても自由に設定変更できます。無意味といえば無意味です。まあ、対外的に一応なんらかの対処をしたというポーズだけでも。
 生徒がしょうもないサイトに接続しまくった痕跡があるので、もうあらゆるジャンルに制限をかけました。おかげで動作が重いこと。メモリ64MBの旧態依然としたパソコンなので、常にスワップしまくりです。
 しかし、私がなんでこんなことをしなきゃならんのか。誰も手を出そうとしないから、仕方なくというか、嫌々やっています。




 お恥ずかしいディスクを買いました。麻丘めぐみのベスト盤です。私が高校時代に活躍したアイドルです。年配の方には説明の必要もないでしょう。当時、私の友人が大ファンで、レコードを欠かさず買っていました。その友人がYAMAHAのNS-690でよく聴かせてくれました。今回あらためて自分のシステムで聴くと、当時の印象と若干異なっています。ボーカルがいい感じです。分解能が向上したおかげで、録音時の本来の声質が再現されているのでしょう。ちょっと病みつきになりそうです。
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弐百五  絶品!! 銀線ケーブル(2005/8/21)
 先々週、市販RCAケーブル送って頂いた際、4種類の線材もサービスで同梱されていました。WBTのRCA端子を購入したこともあって、そのなかのひとつを選択してピンケーブルを自作しました。WBTのプラグは感動モノです。端子部分が広がらないように、分厚いカバーで締め付ける構造です。惚れ惚れと眺めてしまいました。ブランド品であれば一ケ4,000円もするところ、ノーブランドとあって1,500円でした。

 選んだのは、4芯の銀線をアルミ箔でシールドし、さらにその外側を銀メッキされた銅線でシールドしたものです。私が今までに扱った線材の中で、もっとも凝ったつくりのケーブルです。しかも、銀線は初体験とあって期待もありました。下図は完成図です。ヘッドアンプとプリ間に使うつもりで1m にしました。フォノ経路に入れる前に、他のケーブルと比較するため、CDアウトに繋いでみました。





 今まで聴いたことのないタイプの音でした。繊細で小ぶりな鳴り方です。若干音圧が低めで、オフ気味にも聴こえます。ただ、風が吹き渡るように爽やかなのです。低音がまた、目の前をさっと通り過ぎるように鳴り渡ります。銀線ファンが多いのも頷けました。
 数日の間鳴らし続けたところ、エージングが進んだみたいです。ケーブルのエージングを初めて体験しました。今日の印象は当初とかなり違ってきました。オフ気味だったのが、繊細感はそのままにクリアさを増しています。一方で、風が吹き渡るような爽やかさというのは減退し、普通の音に近づきました。
 先日購入した8Nに比べると、繊細で音像が小ぶりです。そのかわり、音場の広がり感はありません。分解能も8Nより劣るかな。いずれにしても、それぞれに良さがあり捨て難いです。どちらをメインにするかはじっくり考えます。それにエージングには時間がかかりますから、もっと鳴らし込まなければいけないでしょう。最終的にどんな音調に収まるか楽しみです。
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弐百四  戦艦大和の防御設計は優れていたのか(お盆特別回)(2005/8/14)
 東京都杉並区の中学歴史教科書として、扶桑社版「つくる会」のテキストが採択されました。この件では、採択反対の「親の会」と中核派に対して、「つくる会」支援団体と2ちゃんねらーの対決の図でした。このなかで唯一2ちゃんねらーだけは、文字通り草の根運動です。会って打ち合わせをするでもなく、Webの掲示板の会話のみでそれぞれが自主的に行動しました。世の中は確実に変わってきています。


 2ちゃんのスレッドを読むと、彼ら自身が受けた歴史教育が書き込まれています。学校や先生によっては、思想教育かと紛うばかりの内容です。その点、当地は平和な県です。社会科教科書の選定に関わっている先生と話したことがありますが、しごく理性的で安心しました。

 私の学生時分の教育は緩いものでした。今のように歴史が政治的に利用されることもなく、自由に語られていたものです。私の小学高学年時の恩師は、退職間際の女性でした。この恩師というのが、女学生時代を満州で過ごした方でした。思い出話としてよく聞かされたのは、「先生は溥儀皇帝の前で、満州国国歌を披瀝したのよ」でした。そして、音楽の時間には、ピアノを弾きながら必ず聞かされました。

天地内有了新満州
新満州便之新天地
頂天立地無苦無憂
造成我国家
只有親愛並無怨仇
人民三千萬人民三千萬
縦加十倍也得自由
重仁義尚禮使我身修
家己斉国己治此外何求
近之則興世界同一化
遠之則興天地同流

 漢詩ですけど、当然満州語による発音です。生徒たちは意味不明の曲を何度も聞かされました。でもこれ、結構いい調子なんですよ。今でも「人民三千萬(レ〜ンミ〜ン サンツェンワン)」のフレーズが耳に残っています。今、小学校の先生が音楽の時間に、満州国国歌を歌ったら大問題になるでしょうね。嫌な時代になったものです。


 自由な言論空間は教育の場に限らず、あらゆるところで保証されていました。おかげで子供たちの周囲には、戦記や兵器の記述があふれていました。ですから、だれでも戦艦大和やゼロ戦のことくらい知悉していました。今の子供たちにとっては、アンタッチャブルというかロストワールドの世界でしょう。いえいえ、大人にとってさえロストワールドなのかもしれません。
 角川映画「男たちの大和」の封切りが迫れば、またぞろTV番組でも大和賛美が行われるでしょう。昨年だったかのNHKの終戦特集では、大和の水中防御と沈没を絡めたプロジェクトX風の特集がありましたしね。
 で、大和特集が行われるとすれば、“日本造艦技術の粋”だの“ハイテク大和”だののキャッチコピーを聞かされそうです。


 私は大和の設計については、見るべきものはないと思ってます。大口径の砲門とそれに見合った防御力を得るために、大量の装甲を使用したというのが、それほど凄いことなのでしょうか。むしろアメリカの艦船のようにモノコック構造で強度を出し、少ない装甲量でいかに不沈性を高めるかの工夫こそが技術力というものでしょう。あるいはダメージ・コントロールに配慮することにより、実戦での残存性を高めたアメリカ造艦技術こそ評価すべきでしょう。

 大和の水中防御には明らかな欠点があります。NHKの番組でも一切触れられていませんでした。というか、当時から大和の設計仕様は極秘であり、設計図やテストデータは徹底的に秘匿されていました。海軍省が焼けたのと、終戦時の焼却命令によって資料の殆どは焼失してしまいました。それもあって真実が語られなかったのでしょう。戦後、米海軍の技術調査団の徹底した調査によって、大和の詳細が掘り起こされました。調査手法は、散逸した資料収集と関係者に対する聴取です。

 まず、下図をご覧ください。大和の装甲帯の使用部位は広く知られています。この図はよく見かけるものですね。ただし、これは私が描き起こしたものですから当てになりません。適当ですから。
 問題とすべきは、丸で示した継手部分です。



 この構造が公になったのは、私の知るかぎり1993年に発行された雑誌「丸」においてです。米海軍技術調査団の報告書は作戦部長に提出され、ずっと機密扱いになっていました。それが提出後、47年を経て公開された次第です。
 


 三つ重ねの継手はリベットの強度を奪い取り、横方向の耐久力が得られませんでした。関係士官らは問題を自覚しており、許容されている完成の遅れ内に、より有効な継手が採用されるだろうと思っていたそうです。
 現実にこの継手部分に損傷が生じ、浸水を起こしています。大戦後半のアメリカの航空魚雷の炸薬は、TNTからトーペックス火薬に更新されました。トーペックス火薬の爆発エネルギーは、TNTの1.5倍から2.0倍とされています。このような爆発エネルギーを想定していなかったということもあるでしょうね。強力な爆発エネルギーは装甲帯を後退させます。これを復元させる設計にはなっているものの、その際に隔壁にダメージを与えてしまいます。
 また、この継手構造が隔壁そのものを破壊する恐れもあり、現実に信濃は内側隔壁に穴が空きました。
 なお、上図は私が適当に作図したものですから、引用されても、正確さは保証できません。

 他にも艦首から艦尾まで全通している縦の隔壁も問題です。この隔壁によって、浸水を左右の半分に抑えるのが目的です。条約時代の大型艦に対して、各国ともに採用していました。ところが、アメリカは無条約時代の大型艦から、縦の前後に走る隔壁を無くしてしまいました。実に合理的理由です。例えば、左舷に浸水した場合、復元するため右舷に注水する必要が生じます。これだと、左右で仕切る意味がありません。
 大和の場合、前後方向の隔壁を無くして、その分を横方向の隔壁にまわしたとすると、隔壁数は1.5倍くらいに増えます。これによって浸水の局所性が高まります。そのうえ、装甲帯を支える強度が増します。それでなくても大和の隔壁強度は低かったそうです。

 また、主要区画外側へ注水することによってバランスを取るのが理想的です。傾斜の修正には、外側に重量をかける方が効果が大きいのは自明です。残念なことに、それを満たす能力を持ったポンプシステムが無かったのも致命的でした。大和は急速な浸水に対して、外側機械室区画に注水して復元を試みました。これだと注水量の半分ほどの効果しかありませんでした。そしてこの点こそが、大和や信濃の転覆沈没の主原因なのです。

 米海軍調査団の指摘に対して、艦政本部の技術者たちは、しぶしぶその事実を認めざるを得なかったそうです。っても、当時の日米間の技術格差は大きすぎましたから、しようがないでしょう。ことさらに、大和を始めとした旧海軍艦艇設計の優秀さを言挙げするのはやめましょう。事実は違うところにあるのですから。


 ずいぶん偉そうなことを書き連ねましたが、私は設計や機械について無知です。ピントはずれなことも書いているでしょう。間違いがあれば指摘してください。
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弐百参  RCAケーブル決定(2005/8/10)
 届いたRCAケーブルを差し替えて、音の変化を楽しみました。
 オーディオ評論家って大したものだと思います。私なんかには到底務まりません。ケーブルによる違いは明確にあります。でも、その違いというのが、ディスクによって印象が異なっているのです。経験値のない私には、なにが本当なのか判別がつきません。下の画像は、今回借り受けたケーブル群です。@Cが購入候補で、DFは所有ケーブルです。他にもモンスターやaudio-technicaがありますが、CDには繋いでいません。



@ ACROTEC 6N-A2010(\34,650-/1m) 売価\16,000-
 一聴、耳に馴染んだ音である。私が十数年間も愛用していたEと同じものだから当然である。ただ、Eより芯線が太いので、歪感がより少なく聴こえる。

A ACROTEC 8N-A2080(\35,700-/0.6m) 売価\18,000-
 @と同系統の音であるが、一枚上手である。ベールが一枚剥がれたように見透しがよい。最も空間を感じさせる。低域の表現も過不足ない。

B PAD MIZUNOSEI(\52,500-/1.0m) 売価\29,800-
 癖がない。といっても、このレベルになると、一体何が癖で、何が自然なのかさえ判断がつかない。ディスクによっては、ごく薄い紗のベールを透かすような印象があるが、これはむしろ癖のなさがもたらす、本来あるべき音質なのかもしれない。低域方向のエネルギー感は少な目ながら、ベースの音階や調子を最も再現してくれた。

C WIREWORLD EQI/1.5(\36,900-/1.5m) 売価\18,000-
 音の響きが一番豊か。録音が違うんじゃないかと思うほど。音像が小さく、ボーカルの口が人間の大きさで再現される。JBL/4344 で聴くボーカルに似ているが、空間が感じられない。他と比べると低域レンジが狭いと思う。

D OFCリッツコード
 20数年前に自作。今となっては歪っぽい音である。

E @と同じ6Nのケーブル
 十数年前に出張したとき、秋葉原で買ったケーブルで自作。気に入っていたのだが、30cmの長さなので使えない。俺って馬鹿。

F カルダス G-Master
 今春自作したもの。


 試聴は短時間で切り上げました。長く聴くのは、かえって具合が悪いです。ケーブルを繋ぎ替えたときに感じる印象が、時間の経過とともに薄まってしまうからです。そのかわり、何度も繋ぎ替えて違いを確認しました。
 いろいろ迷ったものの、Aの8Nのケーブルにします。Cも捨て難いです。Cは明らかに中高域の分解能が他を凌いでいます。ボーカルについても魅力的です。でも、先々低音に不満が出るでしょうから諦めました。
 ここに書いた感想は、私の機器や部屋、ディスクとの相性によるものです。他の方の参考にはならないと思います。貸し出ししていただいた U-Station21 にはあらためてお礼を申し上げます。

 さあて盆休みを取って、たっぷり音楽三昧にふけるぞ。
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弐百弐  天の助け(2005/8/7)
 スピーカーのコンデンサを替えてより、ほぼ8ヶ月が経ちました。エージングは未だ、ゆるゆる進行している模様です。一体どこまで進化するのか、楽しみな毎日です。
 まずボーカルの“サ行”の発声において、きつく詰まった鳴り方をしなくなりました。これは分解能が圧倒的に向上したためでしょう。単純な“サ・シ・ス・セ・ソ”でなく、その発声にまつわる微小なニュアンスまで分解して再生するため、サ行独特のきつさが解消したのだと思われます。シグナルの「二十歳のめぐり逢い」を聴いていて気づいたことがあります。この曲のボーカルは二重にかぶっていました。ハモリパート以外の部分は、同じメロディを同一人が歌っています。以前はこれを聞き分けることができませんでした。「ふーん、こんな仕掛けになっていたのか」ってなもんです。
 分解能の向上はボーカルだけでなく、当然のこと楽器の再生にも威力を発揮してくれます。あらゆる楽器の音に付随する微小な響きまで再生されるので、いわゆる“豊かなニュアンス”が再現されるようになりました。

 分解能の向上については、カルダスのピンケーブルも与ってのことでしょう。しかし、このケーブルに不満が募ってきました。明らかにFレンジが狭いというか、両端がだら下がりに聴こえるのです。特に低域方向の力が弱いため、ダイナミックさが減退しています。購入時に店長から、「低域の圧力は無いよ」と念押しされました。覚悟はしていたものの、次第に我慢できなくなりました。そこで困ったときのU-Station21頼みです。
 ここでは中古を含む各種RCAケーブルが販売されています。店長宛に、私の好みに合うケーブルをセレクトして欲しい旨のメールを送ったところ、「好みは本人にしか判断できないことである」との丁寧な返事を頂きました。そのうえで、各種ケーブルを送るから、試聴して選択してくださいとのありがたい提案を受けました。もう喜んでこの申し出を受けました。ケーブルは明日届きます。しかしねえ、展示品(中古品)を貸し出すとなると、商売に差し障りがあるはずなんですけど。お盆休みで営業休止ということもあるのでしょうが、申し訳ないこと頻りです。しかも、私は安い中古品やアクセサリーを買っただけのしょぼい客です。高額商品を買った上得意客ならまだしも、このような好意を受け感謝に耐えません。ですからこれを読んでも、くれぐれも U-Station21 の店長に無理難題を吹っかけないようにしてください。
 さらに美味しい便宜供与の話も頂戴しました。ここに書くとまずいような、業界裏流れのパーツも買うことになりました。そしてさらに、店長のリファレンス・ケーブルも参考用に同梱してくれるそうです。本当に大助かりです。今週は試聴三昧、ケーブル決定の運びにしたいです。


 

 長い間捨て置いていた旧プレーヤー(Lo-D/PS44)をゴミ出しのためにバラしました。完全に分解する前に記念写真を撮りました。ひっくり返して懐かしさがこみ上げました。25年ほど前、フラッシュ構造のキャビネットを強化するため、間仕切りしてセメントを流し込んでいます。おかげでずしりとくる重さで、文句なしの重量級プレーヤーに変貌しています。分解分別しながら、あらためて昔の日立製プロダクトの質の高さに感心しています。モーターのスピンドルは結構太いものです。1.6kgのターンテーブルに対して贅沢なくらいです。このプレーヤーは49.800円の廉価プレーヤーです。そのわりには、感度の高いトーンアームが使われています。今もアームの動きはスムーズそのものです。このアームは、テラークの「1812年」も問題なくトレースしてくれました。アーム基部にはしっかりしたベースが組み込まれています。当時の評価は、というか評論家には相手にもされていませんでしたなあ。それを日立シンパの私は、あえて買った記憶があります。フォノケーブルも裏蓋を開けると、ピン端子にアクセスできる造りです。私はカートリッジとアンプを直結する江川流無接点接続を選択したので無用でしたけど。アクリルカバーのヒンジ内部のバネも巻数が多く、未だにテンションが生きていました。アースのとり方も整然としています。それ以外の配線の取り回しも整理されており、それもあってセメント充填が可能になったのです。
 現用のVictor/QL-A70の内部配線や取り回しは最悪です。キャビネット内部への充填材使用は諦めています。アースもなんだかなあです。日立のプロダクトに、より技術者の良心を感じます。その日立もピュア・オーディオから撤退して20年も経つのかな。私のオーディオ・システムからも、日立製品はなくなってしまいました。
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弐百壱  嗜好の変化(2005/7/31)
 少し前に裕次郎やクールファイブのCDを買って見事にはまりました。あれから下のようなディスクを購入しました。我ながらトチ狂っています。以前のオーディオ・マニア時代には、演歌なんか馬鹿にしていました。仲間とカラオケに行ったときも演歌厳禁で、演歌を歌った奴が場所代持ちのルールで遊んでいるくらいです。確かにオーディオの快感からは程遠い演奏や録音です。
 ところがスピーカーのグレードアップによって、なんとはなしに演歌も楽しめるのです。理由を問われても明確に説明できませんが、多分センシティブなシステムは優秀録音盤を要求するのでしょう。今のスピーカーは前のスピーカーに比して、一回りスケールやfレンジが上回っています。その余裕が、古い録音に対しても広い許容を見せるのではないでしょうか。
 
 
 
 それに、いい歌はやはりいい。村田英雄の「姿三四郎」や「柔道一代」には胸が熱くなりました。ガキの頃夢中になった活劇ドラマの主題歌とあって、知らず一緒に口ずさんでいました。


 昨日、ついに「STAR WARS ES3」を観ました。結構感動しちゃいました。アナキンの心がオビワンから離れてゆき、二人が闘うシーンでは切なくもなりました。それとダース・シディアス卿の正体が明かされますが、なるほどそうくるかと筋が展開します。
 もちろん、長い物語だからあらためて振り返ると矛盾がいろいろあります。でもいいんじゃないでしょうか。むしろ綻びは目立たない程度に収まっていると思います。ただ、銀河を統括するジェダイ評議会のメンバーがあれっぽっちじゃあねえ‥‥
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