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百五拾    カセットデッキ復活途遠し(2024/3/14)New
百四拾九   「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」(2024/3/5)
百四拾八   興梠一郎講演会に行きました(2024/3/5)
百四拾七   『カムイ伝第二部』って完結してたんですね(2024/2/29)
百四拾六   島成園讃歌(2024/2/22)
百四拾五   カセットデッキもう駄目そう(2024/2/10)
百四拾四   今年のミス日本グランプリ(2024/2/4)
百四拾参   自販機破壊の暴挙(2024/1/26)
百四拾弐   揺るぎなき共産党(2024/1/19)
百四拾壱   能登半島地震(2024/1/6)




百五拾    カセットデッキ復活途遠し(2024/3/14)
 毎日飽かずカセットデッキを再生しながら復活に取り組んでいます。
 その中でモーター回転が正常に至るには、ほぼ4時間を要することが判明しました。2時間で正常かとも思っていましたが、僅かに速く、そこから時間をかけて少しずつ正常に近づく案配です。音楽を流しっぱなしにしていると、回転の僅かな変化に都度気づかされます。
 再生開始時には、LPレコードを45回転で再生したくらい高速です。それが2時間ほどで34回転余くらいに落ちます。聞き慣れた音楽だと、そこからの僅かな変化を聴き取ることができます。昔の安物のポータブルプレーヤーみたいなものです。あれは34〜35回転のモノが多かったものです。ダイレクトドライブなら安物であっても回転は精確でしたが、得てして安物はベルトドライブかアイドラードライブが多く過回転でした。
 高校時代に貰い物を使っていたとき、回転の速さが我慢できなくなり、モーターシャフトをラジオペンチで挟んで回転させ、時間をかけて研磨して33回転に落としたのも良い思い出です。

 正常回転になっても、停止して間を置くと再び回転が速くなります。ただ、一旦定速に落ち着いた後であれば、これまた短時間で正常回転に落ち着いてくれます。

 しかし、モーター正常化に向けての取り組みが3か月を超えても、未だ症状が好転せず変わらぬままなんです。夏場の熱気がゴム性状を変化させるかと期待して継続していますが、なんか駄目な予感がひしひしとしています。

 限られたテープを次々に換えながらの聴取とあって、聞き飽きたりもします。そこで、聴きたいレコードを再録音して気を紛らわせています。
 マニアとしては完璧を期すべく、消去ヘッドをクリーニングし、さらに事前にテープを無音で録音し、いわば初期化した上で録音しています。バイアス調整も念を入れ、録音レベルも有効レンジを最大限活用しています。その際に3ヘッドの威力を実感します。3ヘッドなので、ソース音源と再生音を瞬時に切り替え、音質を揃えることができます。
 おかげでカセットテープとは思えない高音質での再生音を堪能できます。なお、消去ヘッドはセンダスト、録音・再生ヘッドはともにアモルファスという究極の逸品です。まさに最強のカセットデッキで、長岡鉄夫氏の評を引用します。

 鮮度の高い、力強いサウンド、音場感もよく、CDのダビングでもへたなDATに負けない。ハイCP機だ。

 当時の詳しいレポートが手元にないのが残念です。たしか、あらゆる点で絶賛していたはずです。高音質への拘りが隅々にまで行き渡った、ビクターが持てる技術すべてを投入したものでしょう。
 捨てるには惜しい機器だけに、なんとか復活させたいものです。
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百四拾九   「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」(2024/3/5)
 先週のこと、先々月から地元美術館で開催されている川瀬巴水展を終了間際に観覧しました。川瀬巴水は好きでも嫌いでもなく、きれいな版画だなあの感興でした。なので、あえて足を運ぶ気にもならなかったものの、せっかくだからと訪ねました。

 本展覧会においては、約180点と画業のほぼすべてが網羅されていました。巴水は日本全国を旅して、その風景を描いています。その際のスケッチも並置していて興味深かったです。残念なのは、関東大震災で自宅や工房が焼けたため、ほとんど焼失したそうです。なので、以後のスケッチなのでしょう。

 北海道、東北、北陸、京阪神、東海道、中山道、九州、中四国、沖縄ときて、当地も画題にしていました。加えて朝鮮も描いています。人気なのは、「東京二十景」ですね。例の「芝増上寺」は、色も鮮やかな作品を展示してくれていました。
 残念というか仕方ないのですが、褪色を抑えるために照明が暗いんですね。夜景や暮色濃い風景、雨模様などと色調そのものが暗いものが多く、暗い照明では分明し難く残念でした。

 近代以後における風景版画の第一人者であるのは間違いないのでしょう。当時から海外人気が高く、好事家であるスティーブ・ジョブズも大ファンだったそうですね。

 私はというと、あまりに綺麗すぎる絵とあって、感動とまではいかないんです。とはいえ、今回足を運んだのは無駄ではありません。川瀬巴水の人気と評価の理由を知ることができました。巴水は、広重や北斎がつくり上げた従来の構図から離れ、独自の構図を創るべく苦悩もしているのが解りました。
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百四拾八   興梠一郎講演会に行きました(2024/3/5)
 先週のこと地元法人会が、興梠一郎氏を招いて講演を行いました。テーマは「いま中国で何が起きているのか?〜習近平体制の現状と課題〜」でした。なにかで講演会のこと知り、すかさず申し込みました。さすがの人気で、ホールはほぼ満員でした。

 自己紹介の中で、学生の頃から少林寺拳法をやっていた関係で多度津には縁があると語っていました。総本山を何度か訪ねたそうです。

 興梠一郎氏はBS報道番組で引っ張りだこです。国際ネタ、特に中国関連だと第一人者の扱いですね。ただ、そのあたりの現況について講演会でも語っていましたが、自分の扱いは二番手、三番手だと。メインゲストは内側に座り、自分は外側だと。確かにそうですね。座席指定を見ると、ああ今日の扱いはこうなんだと自虐していました。なお、全人代を控えているだけに、最近は取材や出演依頼が目白押しとか話していました。

 講演内容はというと、まずは近著『毛沢東 革命と独裁の原点』の紹介を兼ねた独裁のあり方についてです。ついで、経済問題、最後に台湾問題でした。いずれも見聞きしている内容ばかりではありましたが、ご本人生身が目の前で語ってくれるとあって説得力がありました。前から2列目に座りましたから、表情もよく見えて楽しかったです。印象として、飄々とした人物との観です。

 願わくば、TVでは公開できない講演会用スペシャルネタを期待しましたが、それはありませんでした。とはいえ、十分に楽しませていただきました。
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百四拾七   『カムイ伝第二部』って完結してたんですね(2024/2/29)
 『カムイ伝』は、私にとって極上の漫画です。第一部を読んだのは大学時代で、コミック版を一気読みしました。多感な時期だったので、感動ひとしおでした。第一部完結後、十数年経ってビッグコミック誌で第二部が開始されました。
 この連載は掲載時にしっかり読みました。しかし、話が途中のまま、連載が途絶しました。コミックも中途のまま出版され、作者も放置したやに思えました。これが1999年のことでした。

 それから二十数年が経ち、もはや忘れていた頃、ネットで驚きの情報に接しました。『決定版 カムイ伝全集』という、やや大き目の四六版が出ていて、この最終巻に頁が描き足されて話が完結しているとのことでした。ただ、紙本はすでに絶版で電子版のみ販売だそうです。仕方なく、楽天で中古本を注文しました。

 それが一昨日に届きまして、二十数年ぶりに途絶していた話の続きを読むことができました。同時に第二部の完結を見ることができ、喉に刺さった棘がやっと取れました。

 第一部に比べ第二部の構成は、必ずしも巧みではありません。白土氏の表現したい世界はあったのでしょうが、加齢もあってか投げ出した印象です。絵も完全に弟の岡本鉄二氏によるものです。
 結局、望月佐渡の守のあくどい政治的野望が達成され、竜之進たちは敗北したんですね。
 音弥のライバルになる筈だった源(錦丹波の息子)は、針ヶ谷夕雲(無住心剣術開祖)の弟子となり、柳生流の音弥との闘争が予感されました。しかしながら、源のその後は音沙汰なしで、フェードアウトしちゃいました。

 一方で野生動物の世界を丹念に描いていて、むしろ第二部の完結を野獣の闘争に託した印象です。なにせ、第二部巻頭において、サルの群れの生態と闘争を描き、これがほぼ二巻にも及んでいます。そして、第二部終結へと向かうに、猿群と野犬群が互いの存在を許さぬ決戦へとなだれ込み、猿群は壊滅します。
 勝ち残った野犬群に狂犬病が蔓延し、これを滅すべく狼の群れが生死をかけた決戦を挑みます。カムイもまた狼と共闘して狂犬病を絶滅させようとします。そして、勝った狼たちも狂犬病に侵され、すべてが死に絶えます。狼の群れを率いていたのは、第一部冒頭から登場していた白い狼です。それが子を生していて、血を受け継ぐ白狼のみが生き残るというラストです。

 隔靴掻痒ともの足りなさが残るものの、白土氏もこの時点で70代半ばだったのでしょう。健康面がどんな具合であったかは知りませんが、創作を続けるには無理があったものと邪推しています。いずれにしても、構想していたであろう第三部が読めないのは残念だし、仕方ないとの諦念もあります。
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百四拾六   島成園讃歌(2024/2/22)
 昨日、地元旅行代理店主催の日帰り旅行に参加しました。中之島美術館で開催中の「モネ 連作の情景」観覧のためです。
 現地を訪ねて驚きました。下図のとおり、モネ展だけでなく、「女性画家たちの大阪」も同時開催されていたのです。



 もうね、モネの方は足早に観覧しました。混雑して観辛かったし、モネ好きとあって散々鑑賞していますから、早目に切り上げました。数少ない撮影可のうち、下図だけ紹介します。これは「藤の習作」で、描き込みを途中で切り上げています。筆の早いモネの、さらに筆を重ねていない段階が見て取れます。こういう絵が手元にあれば、きっと勉強のお手本になることでしょう。もはや、私には関係のない話ですけど。



 見学に充てられていたのが2時間だったので、手早く「女性画家たちの大阪」のチケットを購入しました。双方のチケット間割引があったので、券売機前の行列に並ばずに済みました。割引者は別途窓口対応だったので、これまた時間節約ができました。

 中之島美術館は、戦前に大阪で活躍した画家たちの絵を大量に所蔵しています。彼ら、彼女らは中央画壇に距離があり、必ずしもメジャーではありませんでした。なので、美術史において適切な評価を受けているか疑問もあります。
 なかでも、島成園はもっと名が知れていい画家だと思います。いえ、成園は「三都三園(京都:上村松園、東京:池田焦園、大阪:島成園)」の一人に数えられるんだから著名だろうとの指摘もありましょう。

 しかし、彼女の意欲的な画業が当時は理解されず、むしろ男性たちから無慮の非難を浴び続けました。私は、氏のチャレンジングな画道が好きです。
 代表作のひとつである「祭りのよそおい」なんか、無比ともいうべき超高度な到達点を示しています。4人の娘が描かれ、それぞれの装いに注目してください。着物、帯、頭の装飾、履物、扇子と団扇、足袋の有無などに違いがあります。いわば、経済格差とそれを受け入れて生きる少女たちの挙措振舞いを描いているんですね。長く見たかった作品を、今回初めて実見できて感激しました。ちなみに、成園21歳の作品です。信じられません。

 作品群の大半が撮影禁止で、最終エリアのみ撮影可であったものの、それらは知らない方々の作品で撮る気も起きませんでした。が、そんな中に一作、島成園の自画像があったので、すかさず撮りました。



 いいでしょう。自画像といえば、他にも「無題」もありました。顔にないはずの痣を描き込んで、醜い痣を持った女性の心情を表現しようとしたものでしょうか。
 中之島美術館には島成園ら大阪で活躍した画家たちの作品が多数所蔵されていて、今回そのうちの代表作多数が展示されていました。こういうとき、田舎住みが恨めしくなります。大阪に住んでいれば、何度も足を運んでじっくり鑑賞できるのにと残念です。

 JR大阪駅の関連ビルに「くるぞ、万博」の巨大なデモが掲示されていました。しかし、準備遅れの怪しい現実を前に空しさが漂っていました。

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百四拾五   カセットデッキもう駄目そう(2024/2/10)
 昨年11下旬から百参拾六   カセットデッキ蘇生中(2023/11/30)のとおり、カセットデッキの再生に取り組んでいます。経過は不調で、好転の兆しもなく不具合が直りそうもありません。テープ再生を1.5か月間ほど試みたものの、症状はまったく変わりません。2時間ほど再生を続けてやっと正常回転に至ります。もう諦めます。ひょとして夏場ならゴム性状に変化が表れるかもしれませんが、あんまし期待しちゃ駄目ですね。

 加えて拙い失敗をしでかし、一部破損させてしまいました。長時間再生させたので、久々にヘッドクリーニングしようと無水アルコール(エタノール)を入手しました。



 カバーが邪魔なので取り外そうとしましたが、長年月の経過で固着してビクともしません。やや力を込めたところ、外れたもののピンが一箇所折れたうえ、留め具のピンも外れてしまいました。幸い、元に戻せてピンなしでも動作するので一応助かってはいます。外れたピンは、配置が見当もつかないので横に取り置いています。

 折れて外れたときは絶望的な心持ちになり、いらんことしなきゃよかったと後悔しきりです。以後は、カバーを着けたままヘッドクリーニングしています。

 クリーニングの効果はありますね。音にすっきり雑味がなくなりました。それはいいのですが、破損が悔やまれます。できれば時間を巻き戻したいです。

 回転正常化に向けての試行には、手持ちテープすべてを順番に充てています。中には特に聞きたくもない音楽もあり、あらためて聴きたいレコードから録音しました。録音性能も劣化していて、かつての感動的な高音質には届いていません。
 購入後30年ほども経ってるしで、劣化は仕方ありません。それでも、アナログテープの味わいは間違いなくあります。昨年末からCDを聴くことなく、飽かずカセットテープ三昧です。これを暖かくなるまで続け、さらに暑い中でゴムの変化を待ちたいと思います。実のところ、もはや期待はしていませんけど。
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百四拾四   今年のミス日本グランプリ(2024/2/4)
 ミス日本の公式Instagramです。ミス日本コンテストは、「日本らしい美しさで社会をより良くするコンテスト。内面と外面、そして行動をあわせた3つの美の両立を大切にしています。」だそうです。

 この件について、いろいろ議論があったそうです。私は知らない話だったのですが、BBCが「ミス日本、グランプリにウクライナ出身モデル 「日本人のアイデンティティー」めぐる議論が再燃」と記事にしていました。ことの是非は判りません。国籍要件はともかく、体形といいDNAといい日本人とかけ離れているのは事実です。その辺りの判断いかにあるべきか、難しいです。

 「内面の美」「外見の美」「行動の美」の三点を審査するとかで、和服審査もあるみたいです。そのため、外人さんに和服が似合うのかとの疑義も呈されていました。その点については、問題なしと断言できます。

 昨年12月に京都の展覧会を訪ねました。百参拾七   承天閣美術館、福田美術館訪問(2023/12/8)がそれです。秋シーズンを過ぎていたので日本人観光客は少な目でした。一方、インバウンドさまさまで、渡月橋辺りは外国人でぎっしりでした。
 で、和装オプションを選んだ方が多く、女性たちがとても似合ってました。中国、台湾、韓国などの東アジア系は、元々似たようなものですから不思議でありません。意外だったのは、インド系や中東系の女性です。あちらのメイクはくっきり際立つタイプなんですが、これが和装に合ってるんです。所謂、“小股の切れ上がったいい女”風に仕上がってました。

 岩下志麻氏を代表とした、映画『極道の妻たち』出演の女優たちが典型です。彼女たちの艶やかでシャープな立居振舞いが、まさに小股の切れ上がったいい女でしょう。海外の女性たちが和装によって、日本人女性以上に魅力を増していました。

 今回の受賞者について、ウクライナ戦争に斟酌なしとは考え難いです。もちろん、私の邪推です。仮に、ロシア発の美貌女性がエントリーしてたら面白かったろうになどと皮肉な見方をしてしまいます。とにかく、何が正しいかは判りません。
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百四拾参   自販機破壊の暴挙(2024/1/26)
 能登半島地震の当日夜だったかに高校内に設置された清涼飲料水自販機破壊事件が起こりました。未だその経緯について、詳細が判然としません。産經新聞の記事「「切羽詰まり」 能登地震の混乱で自販機破壊 関与の女性が謝罪 災害支援型も停電で機能せず」を引用します。

 この事件の報道は最初から曖昧で、その事実関係が確認されないまま書かれていました。破壊した人間も未だ不明だし、現地にいた人間とのやり取りも未だ確定していません。
 最初は、犯行に及んだ数人の人間が、「学校事務局の担当に許可を得た」「現金はその担当者に渡した」とされていましたが、これも嘘みたいです。現地に学校職員は存在していませんでしたから。

 器物損壊と窃盗以外の何ものでもないでしょう。緊急避難として免責されるはずもありません。地震当夜のできごとで、生命が直ちに脅かされることもありません。
 地震とかの大災害で車が走れなくなった際には、キーをつけたまま端に寄せて放置せよと周知されています。そういう緊急事態であれば、誰しもが眼の前の車を利用したいでしょう。しかし、勝手に他人の車を拝借することは許されません。あるいは、飲食物を欲したからといって、災害地の他人の家を漁っていいはずもありません。

 自販機の壊し方が、またえげつないです。中身を取り出すにしろ、ここまで破壊するかの感を持ちます。犯行を為した人間の考えの浅さと、他者の権利をなんとも思ってない夜郎自大っぷりが不愉快です。

 当初あたりの報で、犯人たちが学校事務局の人間に許可を得たとの話が嘘くさくて仕方ありませんでした。私が現役時代にも、施設内に自販機を設置していました。その経験からすると、契約飲料メーカーや契約販売店に許諾を得ない限り勝手にどうこうできません。契約書に有事の際の緊急放出が書かれているならアリでしょうけど。いえ、それなら壊さなくてよいように予備開閉キーを学校側に預けているはずです。

 当時の運用は、敷地内、施設内への設置であるため、公有財産使用許可申請だったかとともに、電気使用量を確定するためのメーター設置まで行いました。業者による定期的な飲料補充以外で、売り切れの際にはこちらから業者に連絡を入れていました。とにかく自販機が他人の財産であることが明々白々で、勝手に機器破壊を指示するなんてあり得ないんです。

 災害避難先として指定されている場合だと、食料備蓄が課されます。また、飲料水については、学校などでは貯水槽と屋上タンクが設置されていて、断水しても当面の間は困ることがありません。この高校も校舎内での配管破断がなければ上水道が使えたはずです。使えなかったのなら、破断してたのかな。ただ、報道からはそのあたりの事実提示がなく、情報が曖昧なのです。
 取材記者が劣化しているのか、あるいは大災害にあって、こんな小さな事件にかかずらっていられないのかもしれません。
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百四拾弐   揺るぎなき共産党(2024/1/19)
 年初党大会において、共産党委員長が23年ぶりに交代し、初の女性委員長として田村智子参院議員が就任しました。党勢低迷に加え、閉鎖性への批判に応える狙いがあったのでしょう。しかし、前委員長の志位和夫氏が議長として君臨するとあって、新執行が魅力を発揮できるか怪しいところです。

 田村氏を後任人事にと報じられたのはずいぶん前で、そのときの感想としては、志位氏が権力を握り続けるために操縦できる人間を選んだものと感じられました。

 ルーマニア大統領(それ以前の党第一書記通算)を24年間務めたチャウシエスク氏にしろ、エジプト大統領を29年余務めたムバラク氏にしろ、独裁者の権力欲は共通しています。プーチン大統領の大統領職永世継続願望もあからさまですし、習近平主席が二期を延長したのも耳に新しいですしね。

 志位氏を始めとした日本共産党最高権力者たちが、いかに権力の座に連綿としてきたかも明らかです。宮本顕治氏は委員長職を16年間ほど続け、後任の不破哲三氏が7年間ほどと短命で、次の志位和夫氏が20年間と長期政権でした。若い志位氏が就任したとき、宮本氏がコントロールしやすいように若輩者を選んだものと邪推しました。
 今回の田村氏就任にも、同様な意図を読み取ってしまいます。志位氏が自身を今後も生きながらえさせる意図でないかと邪推しています。

 昨年、「党首公選導入」を求めた職員を除名したことを受け、今大会2日目には、神奈川県議団長の大山奈々子氏が党の体質に異例の苦言を呈しました。
 田村氏は大山氏について、「姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘する」と糾弾し、異論を許さぬ共産党の体質を隠しもせず、指導部独裁である「民主集中制」の維持も明言しました。

 「この大会の討論の中で、元党員の除名処分について、『問題は出版したことより除名処分ではないか』、つまり、除名処分を行ったこと自体が問題だとする意見が出された」
 「この意見に対して、代議員・評議員から、処分を受けた元党員の言動は党の綱領と規約の根幹を否定し、党の変質を狙った、明らかな攻撃であったこと。メディアを利用して地方選挙の前に攻撃をしかけたのは、元党員の側であること。わが党は異論を許さない党などでは決してないことなどが、この攻撃を打ち破る論戦を懸命に展開した経験に立って発言された」
 「除名処分が規約に基づく当然の対応であったことは、すでに山下副委員長から再審査請求の審査内容として明確に報告され、再審査請求を却下することに異議を唱える者はなく、党大会で承認を得たことは、党の最高決定機関による党への妨害者・攪乱者への断固とした回答を示したものとして重要だ」
 「党大会での発言は一般的に自由であり、自由な発言を保証している。しかし、この発言者の発言内容は極めて重大だ。私は『除名処分を行ったことが問題』という発言を行った発言者について、まず、発言者の姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘する」


 凄いというか、今日びこんな一方的な暴言が許される公党が存在しているんですね。これが許されるということは、逆説的に日本の言論の自由が本物である証左でしょう。

 “民主集中”って、便利な言葉です。独裁をこんなに上手く言い換える知恵に感心します。あるいは、労働者を“党の前衛”とか奉っていますけど、これも本質は党の栄養分、または党の露払いほどの意です。まさに“プロレタリアート独裁”の名に恥じない振舞いです。

 60年代から70年代にかけてのリベラル言論が優勢だった時期であればともかく、言論の平準化が行き渡った現在においてさえ、なお上のような言説を堂々と述べ立てるんですね。いっそ、清々しいです。共産党はこうでなくっちゃとさえ思いますもの。
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百四拾壱   能登半島地震(2024/1/6)
 元日の夕刻前、僅かな振動がありました。後で調べると震度1だったので、よくある小さな揺れです。しかしながら、いつもの震度1とは揺れ具合が違っていました、小さいながら長い周期で、今まで体験したことないタイプでした。

 別に気にも留めていなかったのが、夜のTVニュースで驚きました。石川県中心の震度7とのことで、ただ事ではありません。東北大震災以来、北海道の胆振地方、熊本県と震度7の地震が多発しました。同じ震度7でも、今回はM7.6で、三陸沖のM7.9に近くて、しかも震源が陸に近いとあって大参事必至でした。

 古い家屋が震度7に耐えられるはずもありません。珠洲市や輪島市での倒壊具合は、紛れもなく巨大地震の恐ろしさを伝えるものでした。加えて火災被害も大きく、阪神淡路大震災での長田町火災を髣髴させました。
 元日夜間を通じて大津波警報が発せられ、長く注意喚起が続きました。翌朝の空撮映像で津波被害が明らかになり、これまた東北大震災を想い起させるものでした。船舶が転覆したり陸に打ち上げられたりの惨状も東北で見慣れたものです。また、家屋が根こそぎ洗われていたのも東北で散々見せつけられたものです。

 津波による人的被害がなかったのは、東北大震災の教訓が生かされたものでしょう。今の日本人にとって、津波の脅威は血肉の教えとなっています。ただ、この教訓が頭から離れないのも半世紀余ほどでしょうか。さすがに100年も経てば、生の記憶を有する人間がいなくなります。いかに教えを残し、教育し続けても、いずれ風化するのは仕方ありません。

 東南海大地震が発生したらば、我が家は倒壊必至です。震源からの距離次第ではありますが。遠ければ震度5くらいで済み、なんとか無事に収まるでしょう。危惧する点としては、断層が我が自治会の隣を走っているのです。それが予期せぬ被害を生み出しやしないかが危惧するところです。

 家を設計するとき、2階建ての柱と壁の構造に留意したものの、所詮は普通の木造家屋です。根本的な耐震構造に無縁なので、覚悟はしています。


 翌日には羽田空港で考えられないような大参事が起こり、年初からして気鬱です。多分、全国民が同じ思いでしょう。願わくば、これ以上の悲劇が起こらないことを願っています。
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