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弐百六 井上選手ら、シンコ・デ・マヨを救う(2025/5/8)New |
弐百五 就職氷河期世代は報われるか(2025/5/1) |
弐百四 ウクライナ戦争がもたらす変質(2025/4/24) |
弐百参 大阪万博オールジェンダートイレの意味とは(2025/4/21) |
弐百弐 変わらずネット記事は玉石混交(2025/4/12) |
弐百壱 ついに補聴器のお世話になります(2025/4/1) |
弐百六 井上選手ら、シンコ・デ・マヨを救う(2025/5/8) |
毎年5月連休中にボクシングのビッグマッチが開催されます。日本だと春の連休、北米だとメキシコ人の祝典シンコ・デ・マヨで盛り上がります。 今年は2日(日本時間3日)にタイムズスクエアに臨時密閉リングが組まれ、招待客だけの試合が行われました。3日(日本時間4日)には、サウジでもビッグマッチが行われました。 この両日の試合がやる気のない内容ばかりで、ファンだけでなく関係者からもボロクソに叩かれました。以下は、ジャーナリストの片岡亮氏の翻訳を引用したものです。 ティモシー・ブラッドリー氏 「期待外れ。見ていて腹が立った。バカにされているような試合だった。どの試合もガッカリした。全員、ひとり残らず、ひどいと思った。ハングリー精神が感じられない。金のためだけにやってる。それが今のボクシング界の最大の問題…みんな高いギャラをもらうために並んでる。それだけ。このスポーツを盛り上げようとか、伝説を残そうとか思っていない」 オスカー・デ・ラ・ホーヤ氏 「トゥルキ・アラルシク(サウジの資金提供者)が本当に気の毒。彼は選手たちに大金を払って、ファンのために素晴らしい試合を見せようとした。でも、肝心の選手たちがちゃんと戦わなきゃ意味ない。デビン・ヘイニーみたいにダンスしてるだけじゃダメ。あいつはホント、ホセ・ラミレスに何発かもらったら、すぐに自転車に乗ったみたいに逃げ回るだけになってて。あいつはもう終わったよ。 カネロもさ…頼むよ。あんなに高いファイトマネーもらって、走るだけしかできないって分かってたキューバン・スタイルの相手を自分で選んだくせに、後になって「逃げ回る相手とは戦いたくない」なんて言うな。最初からそういう相手を選ぶな。みんなが見たいのは、ベナビデスとの試合だった。ベナビデスは逃げない。いい試合になるじゃないか。なんでやらない? 残念だよ。そういう姿勢は上から下へ影響する。金のために戦って、レガシー(名誉)のためじゃないってなると、若い選手たちもみんなそのパターンを真似する。それってプロモーターや出資者、ファンに対してダメでしょ。ファンはいい試合を見たいんだから、ちゃんと戦えよ!」 なお、デ・ラ・ホーヤ氏はXで、「Inoue saves 5 De Mayo!!!!」と記しています。井上選手がシンコ・デ・マヨを救った!と謝辞を述べています。先行2興業のお粗末試合が、よほど腹に据えかねたのでしょう。 ジョエル・ディアス氏(井上戦の対戦相手のトレーナー) 「ボクシング界、ファンにとって残念なことでした。タイムズスクエアでの3試合、実際にはファイトがなかった。正直、見ていて退屈で、連中があれで高額のファイトマネーをもらったことにむかつきます。その額に見合ったパフォーマンスを見せなかった」 私はファンたちによる試合実況の書き込みを眺めていただけなので鬱憤が溜まったわけでもなく、みんなフラストレーションが溜まってるなの感想だけでした。しかし、そのおかげで4日(日本時間5日)ラスベガスで開催された井上選手の試合を余計に価値あるものにしてくれました。連日の世界的ビッグ興業が、井上興業の引き立て役になってくれた案配です。 前座で東洋太平洋フェザー級王者の中野選手がプエリトルコの選手(16勝1敗)から5度のダウンを奪って4RTKO勝ちでした。石の拳みたいな豪打で圧勝したそうで、こういう勝ち方をすると世界中のプロモーターが放っておきません。いい道が開かれたかと思います。 メインエベントの井上選手は8RTKO勝利でした。ただ、2Rに左フックをまともに貰って効いたダウンを喫したそうです。ネリ戦みたく、近間で不用意に攻撃的に行き過ぎたみたいです。 世界中のボクシングファンが塩試合連発にうんざりしていたところ、井上選手たちが熱戦で盛り上げてくれました。特に大トリを務めた井上選手は、間違いなく世界の頂点ボクサーの一人に位置づけられたことでしょう。これは、かつてパッキャオ選手が得ていた評価です。世界戦23KOとなり、ジョー・ルイスの22KOを抜いて単独トップに躍り出ました。これは、文句なくレジェンドとして語られるであろうレコードです。 YouTubeに試合動画が上がっていたので確認しました。海賊動画なので、部分トリミング映像ですけど。 対戦相手のWBA1位ラモン・カルデナス選手は、相手の打ち終わりに左フックを強振して合わせる練習を積んでいました。ドネア選手がこれをハイレベルに我が物としていて、全盛期に鮮やかなKOを重ねました。ダルチニアン選手、モンティエル選手、シドレンコ選手などの強豪を一撃で打倒したあの左フックです。 2Rに見事に食らいましたが、それ以後はすべて外しました。カルデナス選手側からすると、以後の左フックは距離合わせが上手くいかなかったものでしょう。 井上選手もさすがに効いたのでしょう。ダウン以降、パンチが上体主導の力みパンチに見えました。強打の源である下半身を土台とする蹴り出しが曖昧というか、一体化していなかったやに見えました。肉体的ダメージというより、精神的な齟齬に感じられました。素人の勝手な感想です。 井上選手は絶好調でないくらいが見応えがあります。勝ち負けの結果が予断を許さぬ展開となって惹きこまれますから。 セミファイナルを務めたそのラファエル・エスピノサ選手も7RTKOで圧勝しました。エスピノサ選手こそがフェザー級最強であり、井上選手を脅かすラスボスです。エスピノサ選手は自身の利を生かしたボクシングをより磨き上げていて、井上選手にはなかなか勝ち難い相手です。この一戦こそが、最も待ち焦がれるビッグマッチです。 |
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弐百五 就職氷河期世代は報われるか(2025/5/1) |
先日のニュース「「就職氷河期世代」支援で建設・物流業への就労拡大など検討指示」を内容に合わせて物流関係サイト(LOGI-BIZ online)から紹介します。 就労・処遇改善、社会参加、高齢期への備えの3点を軸に支援していくことを示した。 会議の議長を務める石破茂首相は各閣僚に対し、この3点に沿って政策を充実・強化させていくよう要請。 具体的には、農林水産、国土交通の両相に農業や建設業、物流業などの分野で就職氷河期を経験した世代の就労拡大を図ることを求めたり、厚生労働相に賃金上昇につながるリスキリング(再教育)を含む就労・処遇改善の支援を図ったりすることなどを指示した。 就職氷河期世代が就職で苦労したのは、そのとおりです。求人と求職のミスマッチがあったのは事実です。一方で、職がなかったわけではありません。そのミスマッチの筆頭が事務職です。これは今も続く解決しえない問題です。 氷河期世代にしても、ブルーカラーを希望すれば職はありました。今も昔も事務職については、「求人<求職」です。逆にものづくり系は、圧倒的な「求人>>求職」関係があります。ものづくり系であれば山ほど仕事はあったし、求人サイドからすれば大歓迎でした。技能習得の必要性があれば、新卒者なら無料で公共訓練が受けられました。そんな風に道は開かれていたものの、誰もが行きたがらなかったのが現実です。 氷河期世代への支援といっても難しい面があろうかと思います。すでに中年ですから、技能の習得向上も若い者に比べて難しいのが現実です。まして、若い頃から忌避し続けてきたものづくり技能労働者への道を誘われ、果たして今になって方向転換するでしょうか。もちろん、こういうのは人それぞれで、考えを変える方もいるでしょうし、避け続ける方もいるでしょう。 フリーターは、バブル時代に好景気を背景にして多様な職種と高賃金で増殖しました。ところがバブル崩壊後に厳しい環境に立たされました。21世紀初頭の超氷河期時代には、正社員への道を諦め、フリーターを選ぶ、あるいは選ばざるを得なかった若者が多数発生しました。彼らに対する就職支援は、長く労働行政のテーマでした。私も長く携わっていましたから。 そのような厳しい状況の中、諦観とともにフリーター人生でよしとする若者も多く生まれました。組合関係者から哀しい話も聞きました。正社員への道を提示しても、むしろ断られるケースが多々あったそうです。気楽なフリーター生活に慣れた結果なのでしょう。 そのような経緯を間近で見たきただけに、冒頭の就職支援策が上手くいくか疑問を持ってしまいます。また、就農支援にも携わりましたが、さすがに人を惹きつける雇用条件や自立成業の難しさがありました。 もちろん、氷河期世代が救われることを祈っています。ただ、その難しさも身を持って知っているんです。 |
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弐百四 ウクライナ戦争がもたらす変質(2025/4/24) |
ドイツのウクライナへの武器支援は、最初はおっかなびっくりだったものの、今は全面的な支援が行われています。すでに、それら実戦投入での現場評価が得られていて、軍民両面で対応が検討されています。 「大型装備品で「戦争に完全に適する」ものはほとんどない」 このリンク先は、ドイツの報道番組がドイツ軍の内部文書や観戦武官の報告及びインタビューをまとめたものです。 PzH200(155mm自走榴弾砲) カタログスペックは抜群ながら、ハイテク機器が故障しやすく部品の消耗度が高く、砲身交換含め戦場での修理はほぼ不可能。この点は他の兵器にも共通していて、技術的な面だけでなく、ドローンの脅威下では戦場近くでの修理は自殺行為。 レオパルト2 戦場整備がほぼ不可能なうえ、回収整備に専用車輛が必要。回収したところで部隊での整備は無理でメーカーへの要後送。 レオパルト1 除籍廃品分をラインメタルが整備してウクライナへ送ったもの。 装甲が薄いので前面戦闘に出さず、後方からの砲撃支援に使用。なので、戦場での価値が低い。 対空ミサイル Iris-T ドイツによる支援武器中で最新鋭兵器。ミサイルが高価なので、すぐに弾がなくなって遊兵となる。また、運搬車両が古くて交換部品が供給できない。 ゲパルト ウクライナが最も感謝している支援武器。頑丈で射撃が精確なうえ、地上目標にも有効と高評価。修理が簡単なのも高評価。 装甲車両 マルダー 本来更新されているべき古い車両ながら、装甲が厚く操作が簡単で壊れにくいと高評価。 高評価なのは古い兵器ばかりです。それとは別に、やはりドローンが重宝されています。木製ドローンHF-1こそが最も満足度が高いそうです。すでに4,000機がウクライナに納入済みで、これに加えて射程を延ばしたHX-2が6,000機受注されたそうです。 キエフ駐在のドイツ大使館の副武官の結論を概ね次のようなものです。 「ドイツの大型装備品はほとんど戦争に完全に適していない」 「複雑な装備は使われないままである」 「部隊が現場で修理を行うことができない場合、高度に近代的で複雑な大規模装備の運用価値は低い」 ご尤もな指摘で、ウクライナ戦争によって変質している戦争について、本邦も共通認識を持つべきかと思います。なんか自衛隊というか防衛省さんは、他人ごとのように眠っています。 |
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弐百参 大阪万博オールジェンダートイレの意味とは(2025/4/21) |
先週の讀賣新聞オンライン「法的に女性は「生物学的な女性」に限定、英最高裁が判断…トランスジェンダー巡り「女性の機会奪う」」です。これは極めて重要な判決です。 スコットランド自治政府が、行政機関への女性の登用を進める際、出生時点で男性だった人でも、トランスジェンダーなら女性として扱ってきたことに対し、原告の女性団体は、「女性の機会が奪われる」などとして異議を唱えていた。 ことに対して、 英国の最高裁は16日、女性の定義が争われた訴訟の判決で、法的に女性と認められるのは生物学的な女性に限られるとの判断を示した。 西側先進国で、よろしくない潮流が生まれていたのを、決定的ともいえる判決で流れを押し戻すものです。元々はアメリカで生まれた潮流が、巨額資本をバックに広められたものです。日本でも由々しき事態に至っていたのが、この判決を境に見直しが為されればよいのですが。 トランスジェンダリズムでいろいろトラブルが起きていて、特に問題なのが男性による性転換手術なしでの性自認です。これによって重大な性犯罪が惹き起こされ、女性の安全が脅かされています。ひどいケースだと、自認で以って女性刑務所に収容され、女性受刑者に性加害を加える事件もありました。 ・女性専用スペースでの犯罪 ・レズビアンへの接近 ・幼い女児との空間共有 これらに警鐘を鳴らし、対応を求める取り組みが為されていて、日本だと「女性スペースを守る会」などが立ち上がっていました。ところが、それら団体が悪質な攻撃に晒されている現実があります。昨年10月、千葉県主催の女性に対する人権講演が、LGBT活動家としばき隊に潰されました。このときのタイトルが「女性スペースを守る活動とは」でした。 抗議によって熊谷知事が日和った結果だそうです。このように、女性の人権を守ろうとする運動に対し、声を上げることさえ許さぬ勢力がいます。 台湾にも似たような状況があり、むしろ日本より数歩進んでさえいます。台湾政府は将来的に手術なしでの身分証変更簡素化を約束しています。地方自治体もこの趨勢を受け、新規建設施設には「性別友好的なトイレ(オールジェンダーのこと)」が増え、女性用トイレが減っています。観光地の公共トイレでは、すでに女性用がほとんどなく、上のトイレや親子用トイレばかりだそうです。台北市では学校改修の補助金申請には、性別友好的なトイレの設置が必須だそうです。 台湾のトランスジェンダリズムの中心人物は、批判的意見を濫訴で圧し潰そうとしています。すべて却下棄却されましたけど。その方は日本でも精力的に活動していて、私も攻撃対象になるのが怖く、詳しい人物像を書くのが憚られます。 大阪万博でも“オールジェンダートイレ”が大幅拡充されています。大屋根リング上トイレと、東ゲートゾーントイレだけは、“オールジェンダートイレ”を配していないものの、その他ゾーンでは“オールジェンダートイレ”が主にさえなっています。バリアフリートイレが多いのは結構なことですが、“オールジェンダートイレ”が多いことは、決して褒められたことではありません。しわ寄せを女性が被っているからです。 トイレ46か所のうち18か所に、“オールジェンダートイレ”計112台設置されているそうです。その設備は、両側に男女共用の個室トイレが並び、中央に同じく共用の洗面台と鏡があるそうです。ただ、すべてが完全共用ではなく、女性専用の個室トイレも3室設けられていて、男性専用の個室はないそうです。また、小便器はさらに奥まった位置に設置され、女性も使う共用スペースを通り抜ける配置だそうです。 これは女性だけでなく、男性であっても使い勝手が悪いです。この点に関し、すでに前例があります。2023年4月に開業した東急歌舞伎町タワーにも“オールジェンダートイレ”が設置されていました。共用個室8室、女性用2室、男性用2室の構成だったものの、「女性や子供が安心して使えない」という批判が噴出し、わずか4か月後に全面的に男女別トイレに改修されました。 東京五輪を機に普及が始まったとか言われていますが、風潮に流されるのでなく、立ち止まって考えていただきたいです。大阪万博トイレの設計デザインを担当した方々にも省みてほしいです。いえ、担当者はグランドコンセプトに従わざるを得なかったのかもしれません。多分そうなのでしょうが、原点に立ち返っての使い勝手を主張してほしかったです。 |
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弐百弐 変わらずネット記事は玉石混交(2025/4/12) |
補聴器を必要に応じて活用しています。TV番組で込み入った内容の場合には、すかさず着用しています。TVの音声が大きいと、耳の負担も大きくなって聴力をより劣化させてしまいます。できるだけボリュームを下げるのに大いに役立っています。 洋画だと字幕があるので関係ありません。つまらない番組なら聴こえようが聴こえまいが、これまた関係ありません。報道番組など、内容に耳を傾ける必要があるケースなどで助かっています。 Merkmalの「EVさらに失速? なぜEUは「炭素繊維」を目の敵にするのか?「環境」は口実? 日本勢52%シェア、EV戦略、ブランド防衛…規制の真意を考える」です。 自動車ジャーナリスト鳥谷定氏の記事です。よくもまあ、安っぽい陰謀論を語れるものです。こういう他責指向のネトウヨが喜びそうな言説が、ネットでよく見られます。また、そんな安づくりの記事をメジャーどころが転載するんですね。この鳥谷氏の記事もYAHOO!ニュースが転載していましたもの。 EUがEV路線を採ったのは、HVで先行された日本メーカー潰しだのの言説もよく聞かされました。事実はまったく別のところにあるのにね。 炭素繊維をボディにまで採用しているのは、特別仕様のスポーツカーかスーパーカーくらいのものです。一部に使うのは結構あります。ダッシュボード、ルーフ、ボンネット、ブレーキローターなど、特別仕様として用意されたりもします。炭素繊維が分解もできず、有害な廃棄物となるのは昔から知られたことです。環境保全の観点からは、しごく真っ当な政策です。こんな解りきった話でさえ、陰謀論に落とし込む安っぽい記事です。 規制はむしろ、EUメーカーに厳しい話となります。コストを厭わぬスーパーカーやスポーツカーが、軽量化を目指す際に必要とするもので、規制されることによってEUメーカーこそが困る話です。東レや帝人がEUメーカーにどれほど食い込んでいるかは知りませんが、規制されたとて困るとも思えません。 規制によって市場が縮小すれば、そこでEUの素材メーカーが生き残れるはずもありません。市場を潰すこととEU素材メーカーを育成することをどう両立させようっていうのでしょうか。話が矛盾しています。 こんな言説が蔓延るのも、それを喜ぶネトウヨがいて、その需要に応える余地があるからでしょう。玉成混淆を見極め、石を干上がらせるよう我々一人一人が見定めなければいけません。 |
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弐百壱 ついに補聴器のお世話になります(2025/4/1) |
私はオーディオマニアなので、耳の劣化を都度自覚してきました。20年ほど前にオーディオ趣味を再開した際、高域の聴き取り感度低下に気づきました。音がきつく感じられたのです。機器チェックのための20Hz〜20KHzスィーブ信号を流すと、音量が凸凹してショックを受けました。 そのあたりのことは、オーディオの章に詳しく書いています。我慢がならず、中高域が繊細気味のCDプレーヤーに買い替えたり、リボン型のスーパー・ツィーターを付加したりで、涙ぐましい対策を施しました。 劣化はどんどん進行し、50半ば過ぎからは話し声が不明瞭で聴き返すようになりました。60代半ばには会話に往生する場面も出来し、もはやこれまでと補聴器を試しました。電気店のフェアに招かれた際、補聴器体験コーナーに足を運びました。Panasonic の営業が来ていて、しっかりお試しさせていただきました。 今のデジタル補聴器の威力は大したものです。曖昧模糊とした子音が明瞭となり、かつてのように人語を過不足なく把握できました。ただ、音調が生音とは異質とあって、その時点では導入をパスしました。 その後もTVのアナウンスが聴き取り辛く、音量を上げ気味にしがちです。しかも劣化具合が確実に進行しています。放置すると、音量を増やして余計に耳を悪くします。 そこで、例の電気店のフェア開催時に、再び補聴器体験を訪ねました。上の経緯を話すと、担当営業が「それはチャンネル数が関係してくるんです」「以前に体験したのが24chで、新型は48chなので、より生音に近づいていますよ」とアドバイスされました。後で解ったのですが、問題は別のところにありました。 なるほどと納得したものの、購入せずにグズグズしていましたが、先週のこと思い立ち、眼鏡で長く世話になった近在の店を訪ねました。そこは、Signia とかのブランドを扱っていました。巷ではONKYO か Panasonic が有名なので、どんなものか不安でしたが、試して問題なければよかろうと話を進めました。なお、Signia は元がドイツのシーメンス製で、歴史ある製品だそうです。 Panasonic 体験時と同じく、増幅レベルを2段階下げてもらい、さらに低い帯域のレベルも下げていただきました。ご主人も感心していました。私の帯域レベル下げ指定が、ぴったり私の聴力感度に合致していたんです。 その後、48ch、36ch、24ch、16ch ごとのシミュレーションも体験し、安価な24ch で十分と判断できました。むしろ、上のチャンネル数より24ch の方が明瞭に感じられました。さすがに16ch は曖昧でしたけど。 次いで、それまでの耳穴式に変えて耳掛け式を試しました。耳穴式は完全に耳を塞いで人工音に置き換えるものです。耳掛け式は環境音が入り込むのをそのままに、人口音を付加する方式でした。おかげで音調がより自然で気に入りました。以前に感じた不自然さは、耳穴式ゆえでした。極小のマイクとスピーカーで音を作り出すのですから、生音と異質なのも当然です。 風音、周辺の雑音遮断、反響抑制、特定相手への指向性など、環境への多彩な対応機能がありますが、それら設定をオフにしました。その方がすっきり感があるのです。私の場合、日常生活で利用する気はなく、TV音声聴き取りや大事な会話場面だけで使用する予定なので、今は不要です。必要になれば、再設定すればいいだけですから。 貸し出し体験も不要とし、その場で24ch モデルを注文しました。で、本日のこと品が届いたとの連絡で受け取ってきました。4日前に設定したイコライジング・バランスがそのまま移行されていて、なんの文句ありませんでした。使っているうち、新たなバランスが欲しくなったら再設定していただくことにして受け渡し完了となりました。 あとは左右合わせて45万円を振り込むだけです。高いけど仕方ありません。普段は着けず、TVのアナウンスを聴いたり、大事な会話をするときだけ着用する予定です。若いつもりは毛頭ないけど、補聴器が必要となる現実が哀しいです。 |
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