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百弐拾    テレンス・クロフォードは歴代最強(2023/8/7)New
百拾九    CPUファン交換(2023/7/29)
百拾八    井上選手4階級制覇なるか(2023/7/24)
百拾七    再度、NHKをぶっ壊せ(2023/7/16)
百拾六    「ルーブル美術館展 愛を描く」と京セラ美術館(2023/7/7)
百拾五    雑草、イシクラゲとの戦い(2023/7/2)
百拾四    井岡選手勝利なんだけど(2023/6/25)
百拾参    時間の空きをつくるのが難しい(2023/6/19)
百拾弐    フェラーリの快挙(2023/6/12)
百拾壱    ドイツがよく解りません(2023/6/4)
百拾     自然が様変わりしている(2023/5/28)
百九     ライト級ウォーズ大トリ(2023/5/21)
百八     無駄話の可否は(2023/5/14)
百七     ご多分に漏れない劣化電気シェーバー(2023/5/6)
百六     ボクシングシーンが面白くなってきました(2023/4/29)
百五     マ・ドンソク兄哥のアクションがベスト(2023/4/22)
百四     ピカソ展最高でした(2023/4/15)
百参     大谷選手は脳筋にあらず(2023/4/7)
百弐     スポーツいい話と残念な話(2023/3/29)
百壱     歌謡ショー初体験(2023/3/22)




百弐拾    テレンス・クロフォードは歴代最強(2023/8/7)
 先週日曜日、ラスベガスで4団体ウェルター級統一戦が開催されました。WBO王者テレンス・クロフォードとWBC/WBA/IBF統一王者エロール・スペンスJr.との対戦で、昨秋に予定されたのがここまで延期されました。19,900人という大観衆からも期待の高さが窺われます。また、2,100万ドル以上のチケット収益だったそうで、ビッグマッチに相応しいものでした。PPVもアメリカ国内だけで70万件だそうで、5,500万ドルと推定されています。

 試合結果は大方の予想どおりで、クロフォード選手が9回TKOで一蹴したともいえる内容でした。
 開始後、様子見というには激しく、双方ともが積極的に主導権を取ろうと打って出ました。身長は僅かにスペンス選手が高く、リーチは僅かにクロフォード選手が長く、ほぼ互角の体格です。
 下図のとおりのジャブの差し合いです。双方がスタンスを広げ、序盤では双方ともに後ろ重心でした。しかし、ジャブの打ち込みには体重を乗せています。特にクロフォード選手のフォームが見事です。多分、クロフォード選手の威力が勝っていたでしょう。



 2回、クロフォード選手はすでに見切ったかのように攻守ともに見下ろすような余裕が出てきました。下図は最初のダウンを奪ったシーンです。左クロスから右ジャブ連打で、スペンス選手は尻もちをつきました。



 左打ち下ろしが実にスムースで、そこにすかさず右ジャブを繋げました。
 クロフォード選手は、その場その瞬間ごと必要なパンチを高速演算したみたく繰り出します。
 7回のダウンシーンも心憎いばかりでした。ロープに詰められた格好ですが、むしろ誘引した印象です。スペンス選手の左フックより早く右アッパーを突き上げ、よろけるスペンス選手に右フックを追撃してダウンを奪いました。



 中盤以降、スペンス選手にまったく勝ちが見えない展開で、そのスキル差が大きく拡がっていきました。私は昔からクロフォード選手のボクシングスキルを高く評価し、メイウェザー選手をも上回ると考えていました。なので、九百弐拾四  某ボクシング系ブログのお題(2019/9/21)でもクロフォード選手が勝つ前提で語っています。

 クロフォード選手の他者に抜きん出た美点を挙げると、まずはスイッチボクシングからくる左右の融通無碍さです。パンチを理想的なフォームで打つというだけでなく、左右いずれの構えでもそれができます。相手からすると安全圏が存在しません。パンチを打つ際、人体構造からパンチが強く打てる打てない方向やエリアがあります。もちろん、クロフォード選手も同じ人間ですから同じ制約下にあるものの、その限界がかなり克服されているやに感じられます。これを可能にしているのは、左右いずれでも打つ練習を重ねたゆえでしょう。

 加えて長いリーチのおかげで、相手を迎え撃つための空間と時間に余裕があります。この僅かな猶予が大きな差を生んでいます。瞬間的に状況を見据え、他を凌駕する多彩なパンチで応じることができるんですね。
 余裕を持って空間を支配する様は、リカルド・ロペスを髣髴させます。そして、クロフォード選手はロペス選手以上に多彩な対応ができているやに見えます。パンチの多彩さがこれを可能にしているのでしょう。さすがのメイウェザー選手でさえ、敵わなかろうと思わせる所以です。

 ウェルター級の歴史的強豪といえば、レナード、ハーンズ、デ・ラ・ホーヤ、トリニダード、メイウェザー、パッキャオらです。私は、それらレジェンドさえも凌ぐであろうと考えています。ハーンズ選手がアウトボクシングに徹したらポイントアウトできるかもしれませんが、攻勢を取り出したクロフォード選手から逃げ切れるか疑問です。

 クロフォード選手に歴代最強を冠する是非はいかがでしょうか。世間の賛否が知りたいです。
 残念なのは、クロフォード選手の圧倒的な強さに対峙できるライバルがいないことです。階級アップすれば、チャーロ選手やチュー選手が待っています。いずれ対戦が観たいものです。
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百拾九    CPUファン交換(2023/7/29)
 今週の火曜日にPCが起動しなくなり、「CPU Fan Error」が表示されました。六百参拾七  新PC悪戦苦闘(2014/1/12)で経験済みなので、CPUファン故障が確定です。CPUの温度が135℃で、立ち上がらないのも仕方ありません。
 埃が詰まっての回転不良も考えられるので、ケースを開けて掃除しました。9年間放置してたので、内部は埃だらけでした。ハンディクリーナーで徹底的に吸引し、下図のとおりクリアにしました。



 これでも回らなかったので、本品を買ったパソコンショップにファンの有無を確認しました。9年間というものショップに足を運んでなかったので、最近のショップ事情が分からなくて念を入れました。パーツ有りの返答だったので、すぐにケースごと訪ねました。ファンの取り付け方法もきれいさっぱり忘れていたし、現物を前に店員さんの判断を仰ぐのが間違いありませんから。

 さすが店員さんはよく知ってます。私のPCを見るなり、ファンだけでなく、全体に寿命じゃないのと診断されました。で、「今日び、PCI バスを備えたボードってありますか?」と尋ねました。もちろん存在しないそうで、キャプチャカードの関係で新調できない事情を説明しました。

 それならと、従来品より強力なファンを取り付けてくれました。これで安心でしょうと。CPU温度は+34℃なので以前より冷えているみたいです。元々このPCを買うとき、そこそこの性能で発熱の小さいCPUを選択したのも正解でした。温度を下げるのに気を使ったり、そのためにパーツを選別したりの苦労もありません。マザーボードも機能限定のミニタワー向けで、発熱、消費電力が少なくて済んでいますし。こういうPCだと劣化が少なく、長く安心して使えます。

 現行PCを購入して10年弱、マザーボードを入れ替えて9年余、これまでで最長の使用期間となりました。4コア8スレッドですから、未だパフォーマンスに不満はありません。このたびファンを新調したので、今後も長く役立ってくれることでしょう。
 もし、PC新調ともなれば、そのときはキャプチャカードと録り溜めた動画を捨てることとなります。そんなの哀しいです。
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百拾八    井上選手4階級制覇なるか(2023/7/24)
 明日、有明アリーナにおいて、WBC/WBO S.バンタム級王者のスティーブン・フルトン選手に1位の井上尚弥選手が挑みます。5月7日に横浜アリーナで開催される予定だったのが、井上選手の拳の怪我で延期していたものです。3か月近く待たされての一戦だけに待ちきれません。

 井上選手が勝てば、堂々の4階級制覇達成となります。日本人選手にもすでに前例があるものの、質を以って語るなら別格でしょう。無敗の統一王者を破ってとなりますから、先例は語らずにおきます。

 フルトン選手は間違いなく強敵ながら、井上選手が負ける図が浮かびません。これは世界共通の認識みたいで、海外カジノのオッズでも、井上1.3倍、フルトン3.5倍と井上選手有利となっています。井上選手にしては、過去に例のない接近した数字ではあり、フルトン選手への期待が大きいともいえます。

 なお、グローブは残念ながらレイジェス製でなく、国産のウィニング製だそうです。レイジェスは薄いので、ドネアUのように、井上選手の強打が最大限に発揮されます。なので、少し残念なのです。

 フルトン選手は身長とリーチに勝っていて、アウトボクシングを身上にしています。常にステップを心がけているだけに、パンチに体重を乗せません。統一戦を闘ったブランドン・フィゲロア戦がいろいろな示唆を与えてくれます。
 相手のパンチを外してジャブを当てるのが上手いのですが、パンチがないものだからフィゲロア選手はあっさり距離を潰していました。近間になるとすぐにクリンチにいくものの、メキシコ選手は密着してのガチャガチャが得意ですから、接戦となりました。意外だったのは、フルトン選手は近間でのアッパーが上手かったですね。

 しかし、井上選手相手だと上の闘い方は通用しません。井上選手はスピードで上回りますし、なによりハンドスピードが速く、連打も速いです。しかも、その連打が強打ですから、フルトン選手もカウンターを狙う暇がないでしょう。まして、クリンチにいくのはガードを外すわけですから、危険と隣り合わせとなります。結局、バトラー戦みたく亀の子に為らざるを得ないのではないでしょうか。

 もちろん試合では、なにが起こるか分かりません。如何なる結果になるかは、試合を観てのことです。明日の試合結果を見て、あらためて書き込みます。

 7月26日 追加
 8RにTKOで完膚なきまでの勝利を得ました。
 やはりパンチの差ですね。フルトン選手は初回のやり合いでボクシングが縮こまったものの、そこから徐々に慣れ、本来のアウトボクシングでの差し合いで上手さを発揮しました。高度な攻防が繰り広げられる中、8Rに唐突なフィニッシュとなりました。
 ボディへの左から右クロスを打ち抜きました。このワンツーコンビは本当に速かったです。そして、ダウンから立ち上がったところにラッシュしてのストップとなりました。
 井上選手は試合全般を通じて、速いフルトン選手をさらに上回る高速ボクシングを演じました。で、8Rのワンツーは、そこからさらにギアアップされていました。こんな芸当はメイウェザー選手しか知りません。井上選手はスピード面でメイウェザー選手に並んだと言って問題ないんじゃないでしょうか。しかも、そのスピードを倒すことに特化しているわけですから、ボクサーとしての価値がより高いかと思います。

 ただ、試合後のインタビューでフルトン選手の強さ上手さを讃えることをしませんでしたね。そういうところが駄目なんです。よい試合となった半分の功績は、強い相手あればこそなんですから。
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百拾七    再度、NHKをぶっ壊せ(2023/7/16)
 九百弐拾弐  NHKをぶっ壊せ(2019/9/7)でもNHK問題を語りました。多分、NHK関係者や仕事で恩恵を被っている方以外すべてが、現行制度を許せないでしょう。

 今年5月19日にも変なニュースが報じられました。AV Watch の記事を引用します。「NHK、受信料は「組織運営のための特殊な負担金。視聴の対価ではない」

 受信額設定根拠が説明されていますが、鼻ホジで読むべきです。見事なまでのお手盛りですもの。総務省の有識者会議のスタンスも、NHK存続のための会議ですからなんにも期待できません。
 本当に手前味噌な理屈です。この謂いだと受信料を手数料扱いし、使用料じゃないと明言したわけですけど、それで筋が通るんでしょうか。真っ当な整理なら、受信契約料(手数料)として1〜数万円とか高額料金とし、月額視聴料(使用料)を300円とかに設定するのがあるべき料金体系だと思います。契約数が多いのですから、こんなものでしょう。上のNHKの言い分を許しちゃいかんでしょう。

 などと考えていたら、面白い記事が出てきました。
 講談社のHPから、「韓国KBS「受信料問題」をNHKがまったく報じないの…関係者が語る「驚愕の理由」です。

 韓国の月額受信料(約280円)を観ずると、まさに使用料ですね。こういう数字が世間に知られると、さぞかし都合が悪いのでしょう。
 記事中、NHK関係者の声として次の紹介があります。実在している人物かは知りませんけど。

 実は上層部からこの問題についての報道を控えるよう、指示が出されているのです。理由は様々に考えられます。もし韓国でKBSの受信料が分離徴収されるようになれば、受信料を払わなくなる視聴者が激増するでしょう。受信料の徴収強化を図っているNHKとしては、受信料忌避を助長しかねないこの問題を報じることに逃げ腰になるのも仕方ありません。
また、KBSの受信料が月額約280円と、NHKの月額1275円(地上放送のみの契約)と比べて安価なことも積極的に報じたくない理由の一つと見られます。NHKの受信料が高すぎるとの批判が高まりかねないという懸念もあるのでしょう。


 NHKの場合は、地上波とBSとを別途徴収するという阿漕さですから、決して知られたくない隣国事情なのでしょう。誰もが不適切な徴収と知りながら、これを正すことができずに切歯扼腕してることでしょう。私の場合は、もやは悲憤慷慨レベルです。
 NHK党が「NHKをぶっ壊せ」を党是にして国政に出ていたときは期待したものの、変な話題づくりと金問題で右往左往するばかりでガッカリしました。期待をかける場もないという絶望しかないんですね。
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百拾六    「ルーブル美術館展 愛を描く」と京セラ美術館(2023/7/7)
 一昨日、標題の展覧会を鑑賞してきました。会場は京セラ美術館で、元は京都市美術館だそうです。なんか見憶えがあり、現地を訪ねてはっきり思い出しました。
 大昔に平安神宮近くに出張した際、ついでにと平安神宮を見学しました。隣に市立美術館があり、覗いてみると精華大学の卒業制作展が行われていたので入館しました。グラフィックデザイン系がもろに同業だったので、興味津々だったのです。他に建築系とマンガ系もありました。みんな頑張ってるなあの感想で微笑ましかったです。

 名称変更はネーミングライツなのでしょう。重厚な煉瓦づくりの外観はそのままに、エントランスを地階に設える改装で再出発したそうです。しかしねえ、見た目はともかくこれからの温暖化多雨を考えると問題がありそうです、いくら排水機能を強化してても、大雨で入場できないとかを危惧します。ちょっと考えれば誰でも想像できるのにね。内部については以前の記憶がありませんから、リフォーム前後を比較できません。

 地階から階段を上がって入った1階部が本来のエントランスです。



 以前からこんなだったか、リフォームされてこうなのかが判りません。全面が白亜の内壁で、よい雰囲気でした。

 「ルーブル美術館展 愛を描く」は、十分に堪能させていただきました。個人的にはあんまし興味が持てないテーマだけに、こういう機会でもなければ鑑賞することもありません。
 神話とかキリスト教に題材をとっているので、日本人には馴染のない題材ばかりです。解説文を読んで初めて理解できます。「ぶらぶら美術・博物館」で予習していたので、結構楽しめました。テーマを知らなければ、絵が訴えている内容を理解できません。
 それぞれがストーリーを踏まえた表現であるだけに、知ると面白いです。残念なのは、撮影禁止だったことです。ただ、「アモルから最初のキスを受けるプシュケ」だけはOKだったのでしょうか。撮影可の表示には気づきませんでしたが、これだけはみんながスマホで撮影していました。傍らにいた職員さんも無視していたので、OKだったのでしょう。個人的には面白くもない絵なので撮影しませんでしたけど。

 利用している地元旅行代理店は、コロナ禍への対応として、バスの二人掛けを一人利用と制限していました。今年の春までは、そのように余裕のある−代理店からすれば利益圧迫の対応でした。それが、コロナ空けということで、席を完全に埋めて40名の参加でした。下図は、参加者のほんの一部です。



 やはり窮屈で、片道5時間のバスは苦痛でした。楽な姿勢が取れないので、腰、肩、頸がゴキゴキになりました。やはり齢ですね。今後の日帰りバスツアーについては、考え直さなければいけません。いえ、参加者が少なければいいのですが、自分が楽しみな企画は、他者にとっても楽しみでしょうから難しいです。
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百拾五    雑草、イシクラゲとの戦い(2023/7/2)
 参拾参    イシクラゲ退治(2021/11/16)に書いたとおり、徹底的なイシクラゲ駆除を行ったものの、年が明けると再度繁殖が始まりました。特に、今年に入ってからの繁殖具合が半端ありません。結局、薬剤で殺しきれてなかったんですね。

 想像するに、イシクラゲの菌糸が土中にまで浸食していて、薬剤が及ばなかったのでしょう。イシクラゲが分厚く繁茂した状態では、薬剤がその下に届きませんから。また、鳥が日々行きかいますから、我が家だけ退治したところで、いずれ再発するでしょうしね。

 薬剤の「コケそうじ」2Lがひとつ残っているので、もう一度駆除ができます。次にやるときは完璧を期します。雑草が生えている状態だと、薬剤が草に遮られてしまいます。薬剤が確実に菌糸に届くよう、雑草を抜いて土が露わな状態が必須です。かつ、イシクラゲも排除して薬剤を土中に浸透させるのがポイントです。

 イシクラゲを取り除くのが、また大変なんです。イシクラゲはワカメみたいなもので、雨水で湿ると柔らかいワカメ状となります。乾くと小砂利や土を噛んだ状態で硬化し、処分しずらくなります。そこで、雨上がりの柔らかいタイミングで取り除いています。
 ただ、この菌糸の生育スピードが半端なく、取り除いて一週間もするとあちこちに再生します。今年に入ってからというもの、すでにバケツ10杯分ぐらい取り除きました。きれいに取り除いたエリアも、1か月もするとイシクラゲで黒く覆われるんですね。本当に始末に苦慮します。

 九拾九    雑草殺しの禁じ手(2023/3/9)で塩散布による草殺しを試みました。結果は、失敗に終わりました。相も変わらず雑草は健在で、夏前にひととおり抜いたものの、梅雨の雨と日照で勢いづいているところです。理由ははっきりしています。塩の量が少なかったのでしょう。

 秋になって草が枯れ始めた頃合いを見て、再度塩攻撃を試みるつもりです。その際は塩の量を4〜5倍に増やします。すれば、さすがに効くでしょう。周囲の田圃とコンクリート鉄筋への影響を気にして、使用量を抑えたのが敗因でしょうから。

 雑草を処理し、次いでイシクラゲを完全に取り除いて表土が露わな状態にします。そして「コケそうじ」を散布します。薬剤が効果を発揮した後、次いで塩を撒いて草を殺します。今秋予定の取り組みを見据え、草抜きとイシクラゲ掃除を進めてゆきます。
 面倒な作業ですが、今度こそ報われることを願ってます。成功すれば数年間であれ、草抜きとイシクラゲ駆除から解放されます。とは言え、なかなか狙いどおりにはいかないでしょうけど。
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百拾四    井岡選手勝利なんだけど(2023/6/25)
 昨日、大田区総合体育館でWBA世界S.フライ級タイトルマッチが開催され、6位の井岡選手が前王者ジョシュア・フランコ選手を明確な判定で破って戴冠しました。なお、試合はまだ観ていません。

 それはいいのですが、体重をつくれずに階級スポーツの根幹を毀損するグダグダな展開でした。
 前日計量、井岡選手はリミットでパス、王者フランコ選手は55.2sで3.1s超過、再計量が55kgの2.9s超過で失格しました。タイトルは剥奪され、井岡選手勝利の場合のみ戴冠となります。
 過去のルイス・ネリ選手や日本人選手による悪質体重超過を踏まえたJBCルールで、リミットを3%以上超過すると試合中止のはずが、適用されずに試合が実施されました。
 当日午前10時に義務づけられたリバウンド制限130ポンド(58.97s)は、58sでパスしました。
 ちなみにネリ選手は2.3sの悪質超過で、後に無期限資格停止(日本国内)が科されました。

 今回の興業にはTBSが係ってなく、井岡サイドの主催でABEMAのPPV(6,200円)となっています。試合中止の場合でもPPV払い戻しがないそうです。それもあって中止にできなかったのでしょうか。いずれにしても、日本では興業側が強いのでコミッションが機能しないんですね。

 他国でも同様の問題は起こります。特に目玉のカードだと難しい話となります。他のカードに魅力があれば、一試合を潰しても成立しますが、該当試合が目玉だと中止し辛いのでしょう。興業を延期すると、チケット払い戻し、PPV払い戻しで多方面に迷惑が掛かりますしね。
 また、地上波生中継が予定されていたら、放送局はてんやわんの対応となるでしょう。山中選手がネリ選手の減量無視の無法を受け入れざるを得なかったのもそういう事情であったものと想像します。

 なかには確信犯的に体重超過しても勝ちの名分を求めるケースがありました。
 1998年、ミニマム級歴代最強といわれるリカルド・ロペス選手との再戦(統一戦)で勝つため、ロセンド・アルバレス選手は体重超過でタイトルを失いながらも勝ちにきました。ロペス選手は体重差に苦しみながらも、小差判定で勝ちました。

 2014年、ワシル・ロマチェンコ選手がWBO世界フェザー級王者オルランド・サリド選手に挑戦しました。ロマチェンコ選手が勝てば、史上最短となるプロ2戦目での戴冠となります。サリド選手は体重超過で王座を剥奪されながらも、ロマチェンコ選手を破る栄誉を欲したものと思われます。加えて頭をぶつけるラフファイトで小差判定勝利を得ました。

 昨夜のフランコ選手の意図は不明です。試合内容からコンディションがよくなかったと報じる向きもあり、必ずしも意図的な体重超過でなかったのかもしれません。いずれにしても、階級スポーツの根幹を揺るがす事態であるだけに、ボクシング界の対策を期待したいです。っても改善は無理でしょうね。昔から問題視されているのに、一向に対処されないんですから打つ手がないんでしょう。

 対戦契約に体重超過への厳しいペナルティを明示しておけばよいと思うのですけどね。さらに、私見ですけど、供託金を収めることによって、初めて契約が成立するスタイルにするのが正解でしょう。体重がつくれないと、ペナルティを食らうだけでなく、供託金が没収され、大損を食らう態様にすればいいんです。すれば、興業中止の際の損金も賄えますしね。
 この手法の問題点は、中南米、東南アジア、アフリカなどの貧しいボクサーやジムが試合に辿り着けない恐れがあることです。しかし、その厳しさあればこそ、ルールを遵守する機運が尊重されるというものです。

 体重超過問題以外にも、井岡選手の大麻成分検出問題もあって、なにやってんねんと言いたいです。WADA基準値以下の微量とのことで、ドーピングに該当せずだそうです。微量といえど、日本では禁止薬物なんですから検出されること自体が問題なんです。興業を危うくする行為に手を染めるなら、海外で生活して、海外で試合すればいいんですよ。
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百拾参    時間の空きをつくるのが難しい(2023/6/19)
 今年初め、うちの婆さんが大腿骨頸部骨折ですぐに手術し、リハビリを受けたうえで4月に退院しました。年寄りとあって骨密度が低くて骨折しやすいんですね。特に大腿骨頸部が脆く、年寄りがよく骨折する部位です。幸いなことに手術も上手くいき、家で歩行器を利用して歩いています。調子が良ければ、歩行器なしで歩けるくらいに回復しています。

 近所のディサービスを週二で利用し、近在のショートスティを月一で利用しています。家を空けるにはショートスティが必須ながら、簡単に利用できるものではありません。施設側としては、見知らぬ要介護者の利用は受けられません。その人となり、介護態様を知らないと受け入れできませんから。そこで、定期的に月一の利用をしています。

 活用するには、施設の空きとこちらの予定が合致しなければならず、調整に苦慮するところです。で、来月のスケジュールが上手く合いまして、久々の日帰り旅行が可能となりました。

 京セラ美術館で6月27日から 9月24日まで開催されている「ルーヴル美術館展 愛を描く」です。これは、国立新美術館で3月から開催されていたのが巡回してきたものです。「ぶらぶら美術博物館」で採り上げられ、私もTV視聴しました。東京まで訪ねるのは面倒なのでパスしたのが、地元旅行代理店が日帰りバス旅行として企画してくれました。

 問題は、旅行実施日がショートスティ受け入れ可能かです。幸いというか、どんぴしゃで旅行日が空いていたので双方に申し込んで参加可能となりました。

 神話をテーマにした愛、マリアなどキリスト教における愛、17世紀オランダや18世紀フランスなどで描き始められた現実の人間の愛、19世紀フランスにおける新古典主義からロマン主義で扱われた愛など、ルーブルが所蔵するコレクションの中から“愛”をテーマに73点を厳選したそうです。

 こういう愛をテーマにした作品は、あんまし面白くもないとこれまで敬遠してきました。今回はルーブル選りすぐりだけに、今まで避けてきたジャンルながら鑑賞を楽しみにしています。
 いつも思うんですが、こういう名品に若い頃こそ触れておくべきです。っても、若い頃は刺激的な方向にいきがちで、人生をやり直したところで、やはり興味が湧かないでしょうけど。

 昼食は、チャプター京都トリビュートポートフォリオホテルの牛サーロインステーキ付きフレンチコースランチだそうで、これまた楽しみです。こういう名店を私的に利用することは、まずありません。旅行代理店企画なればこその体験です。旅行代理店の社員さんは、他社の上を行くべく日々情報取得に務め、利用者からのフィードバックを反映させますから期待できます。たまに外れの企画もありますが、それもまたご愛嬌で。
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百拾弐    フェラーリの快挙(2023/6/12)
一昨日から昨日のかけて開催されたル・マン24時間レースは、意外な結果となりました。大本命のトヨタが2位で、総合優勝はフェラーリでした。トヨタが首位を譲ったのは意外でした。

 総合優勝の候補はHYPERCAR部門です。今やハイブリッドのパフォーマンスが圧倒的で、これを主導してきたのがトヨタです。7年前、彗星のように登場して他社を圧倒したものの、ゴール直前で始動しなくなるというドラマチックな終局でした。6年前も総合優勝間違いなしの走りを見せていたのが、コースアクシデントへの対応から始動しなくなり、やはり涙を飲みました。これらは、いずれも制御関係のミスでしょう。この悔しさを乗り越えるためにトヨタは、さぞかし磨き込んだのでしょう。以後は敵なしの走りで5連覇を成し遂げ、今年は6連覇を視野に入れていたことでしょう。

 今年のHYPERCARは、トヨタ以外で経験を積んでいるグリッケンハウス、初参入のポルシェ、ルノー、フェラーリ、キャデラックが揃いました。世界のワークスが腕を撫して激突する大会だったわけです。それ以外にも聞いたことのないチームも参加していましたけど。
 そんな興味も、主催者側が変な指示を出して釈然としない点もありました。性能調整とかで、レース直前に最低重量が変更されたのです。具体的には、トヨタ37kg、フェラーリ24kg、キャデラック11kg、ポルシェ3kgの重量負荷が課されました。重量そのものは小さいながら、微妙にバランスが変わり、その負荷によって長い距離だと僅かなラップ差を生じます。トヨタやフェラーリにとっては受け入れ難かったでしょう。
 主催者側の言い分は、レースを面白くするためだそうで、穿った見方をするとプジョー(フランス)への後押しとしか思えません。主催者の一方が地元フランスですから仕方ありませんけど。

 ただ、これに対する相殺措置として、使用可能エネルギー量が増加されました。各車のドライブシャフトに取り付けられたリアルタイム・トルクセンサーによって使用量が監視されます。トヨタはこれまでより4MJ(メガジュール)、フェラーリが2MJ、キャデラックが1MJ増加し、ポルシェは調整なしとなりました。

 トヨタ7号車は不運な被追突でリタイヤし、8号車がフェラーリ51号車と首位を争いました。両者の車載映像を長く眺めていて、フェラーリの出来のよさを確認しました。シケインやS字で減速した後、加速してスピードが乗る場面でフェラーリが一枚上手でした。トヨタ車は加速のピックアップに一歩後れを取る印象を受けました。また、ドライバーの腕もフェラーリが確かでした。トヨタもハートレー選手はフェラーリに後れを取っていませんでしたが、日本人選手は明らかにラップが遅かったです。

 フェラーリチームが見事というしかありません。難しいHV制御をなんなくこなした凄いマシンと完璧なドライビングで着実にラップで差をつけました。僅かな差ではありますが、それが勝敗の分かれ目なのです。口惜しくもありますが、フェラーリの技術とマネージメントの見事さを讃えるのが筋です。

 トヨタには、捲土重来を期していただきたいです。きっと、トヨタ社員みんながそう心に誓っているものと想像します。
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百拾壱    ドイツがよく解りません(2023/6/4)
 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ドイツは右往左往しました。当初はエネルギー確保の為もあって、できるだけ関わりたくない意向丸出しでした。武器供与は不可として、ヘルメットのみの提供で大非難を浴びましたね。戦況の深刻化とともにドイツの空気も変化してゆき、やがて対空車輛「ゲパルト」の供与に至りました。次いで周辺国の「レオパルトU」供与を許し、今は訓練中ですね。ロシアと国境を接するNATO加盟国にしてみれば、ウクライナが不利な形で停戦したら、次は自分たちが矢面に立ちますから躍起になるのもむべなるかなです。

 各国がレオパルトを供与するには、ドイツの許可が必要なんですね。また、部品等の手配にもドイツメーカーの協力が必要ですから。

 そんなドイツも今や腰の引けたフランスと一線を画しています。イギリスほどでないにしろ、アメリカ以上積極的に軍事的係りを持とうとしているように見受けられます。ひょとして、産業界が受けるであろう恩恵を認識したものでしょうか。本当のところは知りませんが、ラインメタル社の積極攻勢を見てると邪推してしまいます。

 ドイツの兵器製造企業「ラインメタルAG」は、最新技術を盛り込んだとする次世代型の戦車「パンター」の輸出についてウクライナ側と交渉を進めています。パッペルガーCEOは、ウクライナが同社製歩兵戦闘車両「リンクス」に関心を示しているとも述べています。パンターであれリンクスであれ、ウクライナ側への最終的な引き渡しにはドイツ政府の承認が必要ではありますが。

 パッペルガー氏はウクライナへのパンターの提供は「15〜18か月」内に可能とし、製造はドイツあるいはハンガリーで進められるだろうともしています。また、ウクライナに戦車製造のための工場を開設したい意向も明らかにしました。工場の建設費用は2億ユーロ(約290億円)の見通しで、年間約400両の戦車を製造できるとしています。

 ラインメタル社の株価は20ユーロ前後で推移していたのが、そのような報道を受けて280ユーロまで高騰し、この4月にDAX(フランクフルト証券取引所で取引されるドイツの主要40銘柄)に昇格しました。まさに戦争の商人です。

 ラインメタルの新型パンターがレオパルトUの後継と決まったわけではありません。レオパルト後継はメルケル政権で独仏共同開発に決まっていたはずです。レオパルトU製造元であるKMW(クラオス・マファイ・ヴェーゲマン)社とフランスのネクスター社との合併カント社が開発しています。そのあたり、どうなっているのでしょうか。
 ラインメタル社としては、なりふり構わず先行実績を重ねるつもりでしょうか。独仏合弁会社が開発している新型戦車の方は、影も形もないだけに事情が読めません。

 ところでパンターは、画期的な内容だけに価格未発表ながら、一両20億円を超えるとか言われています。どうやって供給するんですかね。初代プリウスみたくバーゲンで市場浸透戦略を採るのでしょうか。
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百拾     自然が様変わりしている(2023/5/28)
 日々、身の回りを眺めていると、昔とは大きな違いが感じられます。
 鳥だけ採り上げても別な風景になっています。40数年前から鷺が増えました。次いで20年ほど前から烏が大繁殖しています。一方で、雲雀と雀が減っています。

 子供時代には、春ともなれば雲雀が常に滞空し、ピチピチ煩かったものです。今はほとんど見ることもありません。稲刈りすると、雲雀の巣がそこここにあって、小さな卵を一杯潰したりしました。食べたことないけど、多分美味しいんじゃないでしょうか。また、雀が電線にずらりと止まっている図が定番でした。今はまったく見ることもありません。

 烏はまさに大群で割拠し、稲刈り後の田圃を圧しています。土が剥き出しになると、すかさず烏が大挙してきて田圃が黒々とします。虫を狙ってのことなのでしょう。稲刈り作業を上空から観察していて、すかさず舞い降りてきます。そのとき、鷺も一緒にやってきますね。黒々した中に、白く背の高い鷺が歩く様子はシュールでさえあります。

 近所の農家の方々、今は麦刈り後の土起こしに精を出しています。すると、鷺がトラクターの周囲に集まってくるんですよ。掘り起こした際に虫が顕わになるのを狙ってのことなのでしょうか。下図の具合です。



 トラクターの後方に一杯いるでしょう。なにやら啄みながら、トラクターの後を歩いてついてゆきます。ときには、トラクターの進行先で待つこともあります。
 人間の営みに合わせた食生活ですね。人間が鳥を攻撃しないのをちゃんと判っているんです。鷺に嫌悪感は湧きませんが、烏は邪魔というかウザいものです。もっと人間を恐れてくれればいいんですけど、完全に舐めてくれています。

 それと、鳩もウザい鳥です、あいつらも人間を舐めています。車庫兼倉庫に何度も巣作りを試みやがりました。その都度、小枝類を取り除きましたが、しつこいんです。で、見かけるたびに追い払い、一度は低く飛んだタイミングを捉えて叩き落としてやりました。さすがに恐れを抱いたようで、2年ほど近づかなかったものを、先日のことまたまた巣作りを始めやがったので、除いたうえで空き箱を嵌め込んで巣を設えるスペースを潰しました。近くの電線に止まって恨めしそうにしていましたが、もう許しません。

 燕は好きなんですが、糞害がウザいので巣を作らせません。解体した納屋には土台を設えていたので、燕と毎年つき合ってきました。でも、もういいんです。燕さん、さようならです。
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百九     ライト級ウォーズ大トリ(2023/5/21)
 本日、ラスベガスでライト級4団体タイトルマッチが開催され、王者のデビン・ヘイニー選手にWBC1位のワシル・ロマチェンコ選手が挑みました。前座がWBO S.フライ級1位中谷潤人vs2位アンドリュー・モロニーの王座決定戦で、ダブルのお楽しみとなりました。

 ヘイニー選手が前日計量でやらかしました。フェイスオンでロマチェンコ選手を強く突き飛ばしてくれました。
 ロマチェンコ 「突き飛ばし!」 ヘイニー 罰金 ネバダ州コミッションが提訴をご覧ください。話題づくりの演出だとは思いますが、かなり強く押しています。これで怪我でもしたら取り返しがつきません。コミッションが罰金を科したということは、マジだったのでしょうか。感心したのはロマチェンコ選手の体捌きというか、体幹の強さです。押し込みを上体のバネで見事に殺しています。まるでショックアブソーバーを内蔵しているかと思わされます。

 中谷選手が2階級制覇をかけた一戦はビッグマッチの前座に設えられ、晴れがましい舞台となりました。ここで勝てば一気に名前も浸透するというものです。ただ、残念ながらメインエベントの4試合前なので、視聴者の目に触れるかが心配です。日本ではWOWOW生中継とあって早朝から楽しみにしていました。

 結果は、中谷選手が劇的な勝利を飾りました。最終回にカウンターの左フックで倒しきりました。パッキャオ選手がハットン選手をカウンターで失神させたシーンを髣髴させるものでした。今年の年間KO賞の有力候補に挙げられるでしょう。
 今後はS.フライ級の中心に位置づけられ、中谷戦は大金を稼げるカードと看做されるでしょう。と同時に井岡選手がベルトを返上してまでして避けたのも納得させられました。

 そして、メインエベントは、超ハイレベルな展開でした。ヘイニー選手、ロマチェンコ選手ともに自分のボクシングができませんでした。これは、双方がそれぞれ相手を研究し、相手のボクシングをさせなかったものです。双方が試合展開の中でボクシングを変えながら対応して見せました。
 序盤、アウトボクシングの中でヘイニー選手はロマチェンコ選手のスキルの高さを認識し、攻撃的なボクシングに変更しました。すると、体格の違いがあからさまになってロマチェンコ不利の様相になりました。ラウンドが進むとロマチェンコ選手もヘイニー選手のスタイルを解析して対応できるようになりました。
 ヘイニー選手は不利の様相が見えると、次いで足を止めてボディに強打を打ち込み始めました。これでロマチェンコ選手有利な展開も終わったかと思うと、次いでロマチェンコ選手は左に回っての左ストレートを打ち始め、それを端緒に得意の近間での連打を多用しました。

 こんな風に双方が相手のボクシングに応じてボクシング内容を変え、攻守が転換していきました。優劣が明確でなく、ポイントが接近し、僅差の判定でヘイニー選手の防衛となりました。

 勝敗の分かれ目は体格の差です。まるで2階級差かと思わされるほどの差で、ロマチェンコ選手はよくやれたものです。身長、リーチ、幅と厚み、すべてが大差でした。かつて、ロマチェンコ選手とリゴンドー選手がやったときの差がこんなものでした。ですから、ロマチェンコ選手に同情はしません。あれと逆の構図ですからね。

 これでヘイニー選手もPFPに名を連ねるでしょう。次はデービス戦とスティーブンス戦ですね。どちらも勝敗が読めず、興味満点のビッグマッチです。今後もライト級ウォーズが楽しみです。
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百八     無駄話の可否は(2023/5/14)
 10日ほど前のTwitter まとめに変なのがありました。
 文学部の学生に「自分は本読まない、まんがや映画などにも興味ないから授業で無駄話しないでほしい」と言われた大学講師の話

 これは講義する側の人間が、よ〜く考えなければならないことです。私自身、若い頃に散々考えさせられました。
 結論から言うと、基本的に無駄話は余計です。ただ、内容に興味を持たせるため、題材の周辺を補足したり、関連事項を補強したりで話を膨らませたり深化させたりは結構なことです。そのためには、深い理解と豊かな幅広い周辺知識が求められます。それがないと、教科書やテキストをなぞる講義しかできません。そういうスタイルは聴いてて面白くないし、敢えて聴く必要性も弱くなりますから、生徒の授業に対する興味も薄くなりかねません。

 その点、『ぶらぶら美術・博物館』でMCを務める山田五郎氏なんか上手いもんです。あれは、山田氏が博識なればこその芸当です。また、生徒が興味を持つことに落とし込んだり、解りやすく身近な話に落とし込む手法も定番ですね。

 私も講義は教科書やテキストから離れてやってました。教科書に頼るのは、図版や写真、あるいは図表データを確認するときだけで、自前の図版レジュメを下敷きにし、私に注視させての講義スタイルを採っていました。このスタイルを実行するには、前提として広範な知識を習得しておく必要があるため、準備が大変です。教科書をなぞるスタイルは楽なんですね。

 で、お題の世間話の範疇に入るようなどうでもいい話で興味を惹こうとするのは、駄目講義の典型です。生徒も気を使ってくれるし、空気を読んで合わせてもくれるでしょう。しかし、度が過ぎればこのtwitterのように駄目出しの苦情も出てくるでしょう。そこは反省すべきで、省みないとどうなるか。やがては生徒の愛想も薄くなり、「またか」「どうでもええわ」「はよ本題に入れ」「話がずれてきてんぞ」とか口には出さず、うんざりされるでしょう。

 同僚というか部下が、これでクレームを食らい、収めるのに苦労したことがあります。生徒も世間の仕組みを解っていて、知事メールとかめんどくさい手を使ってくれました。

 Twitter で提示されている学生さんの苦情内容が事実であるか怪しいです。
 文学部だけど自分は本読まない、純文学もラノベもまんがも映画もTVアニメもゲームも音楽も興味ない、美術館博物館ライブ行かない、だから授業も無駄話しないでさっさと進んでください。と書いてきた学生さんがかつていた
 この学生が無味乾燥な生活を送っていると看做すのは浅はかです。書かれていることをそのまま信用しちゃ駄目です。無駄話に嫌気が差し、極論を述べた可能性もあるでしょう。この講師が講義中に挟んだ漫画、映画、アニメ、ゲーム、音楽の話が無駄話であった可能性もあるでしょうから。いえ、その該当講義を聴かないかぎり、否定も肯定もできませんけど。

 後の方に次の書き込みがあります。
 これほんとごめんなさい案件で、学部生のときに文学部の英文学講読で、先生の思い出エピソードが多くてテクストの読みが進まないから、そのようなことを授業アンケートに書いたら翌週、「教育学部の学生がこんなこと書いてたけど」と前置きされて「テキストの読みに関わる話をしてるんです」と
 この英文学先生は猛省すべきです。「テキストの読みに関わる話」と自信があるなら、きっちり関連を説明すべきです。生徒の意見を貴重な示唆と受け止めることができないタイプなんでしょう。まずは謙虚に省みるべきです。大学の先生には、皆でないにしろプライドが高くて己を省みることができない方が結構います。

 時間潰しを歓迎する生徒は喜ぶでしょうし、いろんな人間がいますから、そういうのを好む方もいるでしょう。私はというと、まったく耐えられません。あんだら話を長々聴かされたら、徐々に血圧が上り、最後には殺意が湧いてきます。
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百七     ご多分に漏れない劣化電気シェーバー(2023/5/6)
 4年前に八百九拾弐  電気シェーバーの疑問(2019/2/3)を書きました。この時に買った安価なシェーバーは2年余で動作しなくなり、同製品を新たに買いました。それも2年保たず、先日のこと動作しなくなりました。仕方なく、またまた買い換えましたよ。下図のとおり、同製品3代並びで哀れを誘います。



 2,000円未満の安さなので、買い替えに否やはありません。しかし、日本製−それもPanasonicでありながら、製品寿命の短さが哀しくなります。日本のプロダクトも落ちぶれたものです。実態は中国製でありますが、Panasonicブランドを謳っている以上、がっかり感が拭えません。

 前二機種とも2年前後で動作不可となったわけで、品質不良は確定的です。モーターが安物で問題アリなのは間違いないでしょう。かつてのSONYタイマーならぬPanasonicタイマーです。多分、現行品も2年ほどで回転しなくなるのでしょう。
 格安なのでそれで困るわけでないにしろ、かつての日本家電を知る者にとっては残念です。いつまで経っても壊れないので、買い替えもできないというあれです。

 安価な製品は、もはや国内生産では割に合わないので、品質劣悪を覚悟しなければいけないんですね。哀しくもありますが、受け入れざるを得ない現実です。いや、不満なら高額製品を買えよと思うでしょう。しかし、シェーバーに関しては、立派な高額品がむしろ使いものにならないんです。4年前に書いたように、いずれもが深剃りが効かないんです。

 それぞれの製品を店頭で試すことができればいいのですが、店頭サンプルは動作しません。電池切れのまま放置された状態で、剃り具合の確認ができません。ひょっとしたら、深剃り可能な製品もあるかもしれませんが、試せないんじゃ怖くて手出しできません。

 ネット情報だと、いずれも深剃りに不満ありの模様です。深剃りが効くなら値段は問いません。銭金の問題でなく、機能が保証されているかどうかなんです。そこが信用できない以上、使用経験のある本製品を買い続けるしかないんです。これは、いっそ悲劇というべきです。

 カタログ上で「深剃り6枚刃」などと謳う高額機種がありますが、信じちゃ駄目です。以前書いたように、往復タイプの使えなさにがっかりし、すぐに買い替えた経験があります。また、ユーザーの口コミを見ても、深剃りを期待するなと書かれているのが常です。数万円払って購入し、使ってみてそれだと腹立ちが収まらないでしょうね。

 ということで、Panasonicの旅行用安価な機種を使っているんです。製造中止になった旧モデルから通算すると、ほぼ私の一生に添い遂げてくれています。ネット情報によると、この機種をリピート購入している方が多いのに驚きます。みんな同じ考えなんですね。
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百六     ボクシングシーンが面白くなってきました(2023/4/29)
 WBOウェルター級王者テレンス・クロフォードとWBC/IBF/WBAスーパー王者エロール・スペンスJr.による4団体統一戦が、7月22日ラスベガスで開催されることになりました。PBC興行とのことで、WOWOWで生観戦できそうです。昨年秋に実施されそうになったものの、ギャラで揉めたかで中止になったんですね。
 これぞ、中量級の決定版です。あとは、ライトヘビー級のペテルビエフvsドミトリー・ビボル戦が待たれます。それも今年中にはなんとかなりそうな予感がします。

 今最も激戦区であるライト級も対戦が順調に進んでいて、百      今春のライト級ウォーズ(2023/3/17)に書いたスケジュールの最終決戦を残すのみとなりました。
 4月8日にWBC挑戦者決定戦が行われ、3位シャクール・スティーブンソン選手と5位吉野修一郎選手が闘いました。結果は一方的な内容で、6RTKOで吉野選手が敗れました。
 4月22日には、WBA王者ジャーボンタ・デービス選手に1位ライアン・ガルシア選手が挑み、7回KO負けとなりました。激闘ながら、デービス選手が危なげもなく鮮やかなボディショットを決めました。
 大トリは、5月20日の4団体統一王者デビン・ヘイニーvs元3階級王者ワシル・ロマチェンコ戦です。上2戦と違い試合結果の見当がつきません。そういう試合こそが楽しみなんですね。

 そして4月15日にロンドンで開催されたWBOヘビー級暫定タイトルマッチが予想を覆す結果となり、世界を驚かせました。挑戦者である12位の張志磊(ジャン・ジーレイ)選手が暫定王者のジョー・ジョイス選手を6回TKOで破ったのです。なに分暫定王者であり、正規王者のオレクサンドル・ウシク選手を横に置いての話ではありますが、ジョイス選手は次世代のホープと看做される人気ボクサーだけに話題となりました。

 アジア初のヘビー級戴冠で、中国におけるボクシング熱再燃の可能性もあります。フライ級のゾウ・シミン選手がWBO王者となって注目されたものの、日本の木村選手に敗れて鎮火したかに見えましたが、今回はヘビー級とあって熱量も違ってくるでしょう。
 試合内容は、ジョイス選手をテクニックで上回り、パンチの当て勘にも優れていました。198cmの巨体とクレバーなボクシングには、伸びしろが感じられて期待が持てます。加えて左構えなので、対戦相手からするとやり辛いはずです。

 中国での生中継視聴者数が早朝に係らず1,300万人だったそうで、まさに異次元レベルです。北京五輪でS.ヘビー級銀メダルを獲得し、ロンドン五輪では後の前3団統一体王者のアンソニー・ジョシュア選手に2回戦で敗れています。赫々たるアマ実績を残しながら、プロではながらく芽が出ずで、やっとです。

 現時点では正規王者のウシク選手とやっても難しいでしょうし、ヘビー級最強のフューリー選手にはまったく歯が立たないでしょう。あるいは、ワイルダー選手やジョシュア選手にも届きません。なので、今後は地道に上位ランカーと経験を積むのが吉です。その試合を中国国内でやれば、上の視聴者数から見てもビッグマッチとなりそうです。アジア選手がヘビー級の(暫定)王者として、アジアで興行開催というのも胸熱です。将来的には、中国でボクシング熱が沸騰するかもしれません。本当に楽しみです。
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百五     マ・ドンソク兄哥のアクションがベスト(2023/4/22)
 今週のこと、WOWOWのネットライブラリーで久々に韓国映画を観ました。マ・ドンソク氏が主演を務める『犯罪都市 ザ・アウトロー』と『犯罪都市 ザ・ラウンドアップ』です。どちらも見応え十分でした。

 マ・ドンソク主演というと、『殺人の追憶』が評価が高いですね。素晴らしい映画だと思います。しかし、個人的には、ああいう投げっ放しは嫌いです。むしろ、『悪人伝』みたく、エンタメとしてきっちり完結した物語でないと鑑賞後に釈然としません。『悪人伝』のリアルさは、マ・ドンソクの肉体が生み出したものでしょう。分厚いヘビー級の肉体と軸のぶれない体捌きが、本物の取っ組み合いとして迫ってきます。

 『犯罪都市』シリーズ2編は、韓国の暴力世情を背景にしていていて、拳銃不使用、刃物上等のスタイルです。その刃物の扱い方が実に上手くて感心します。本当に刃物で人を殺すなら、必然的にこうであろうと思わせられます。

 よくあるバットスイングみたく大振りで切りつけたりしません。あくまでシャープに刃を煌めかせています。掠っただけでダメージを負いますから、確実に人を傷つけるなら、あんな風でしょうね。そこにドンソク兄哥の刃圏内に出入りしながら相手を叩きのめすアクションが光っています。言っちゃあ悪いのですが、ジョン・ウィックのアクションより数段上です。

 鹿島神道流に剣先を相手の腕に触れさせる技があります。以前はなんだかなあと思っていましたが、真剣を入手して扱っていると深く納得させられます。触れるだけでいいんです。腕とか身体の内側には、太い血管や腱や筋があり、触れるだけで弾けるように裂けます。しかも、そのような技は振り回す必要がなく、内側から小さく動かせるだけで済みます。もちろん、ただ当てているのでなく、打ち込みや振り込みを極めていると、瞬間のインパクトが強力なんです。剣道で謂うところの“手の内”です。全日本剣道選手権を観戦すると、選ばれた選手たちの打ちの強さに圧倒されるでしょう。

 『犯罪都市』を観ると、素手で刃物に向き合うのが無謀だと納得させられるでしょう。もちろん、ドンソク兄哥だけは主人公枠で別腹ですけど。

 そんなことを考えさせられるほどの暴力映画に仕上がっています。人体に対して容赦ない加撃を加える悪党の怖さが真に迫ってくるんですね。シリアルキラーともいうべき感情を排した悪人ぶりを、韓国俳優がまた熱演していて生理的嫌悪感さえ抱かせるほどです。日本映画じゃ、ここまで迫真の映像をつくり出せていません。
 アニメは別にして、邦画はもはや韓国映画に遠く及びません。『仁義なき戦い』も遠くなりにけりです。
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百四     ピカソ展最高でした(2023/4/15)
 今週半ばに中之島にある国立国際美術館を訪ねました。3年前に観覧した九百八拾参  Go Toで「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(2020/11/7)以来です。地元旅行代理店が企画した「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」を鑑賞する日帰りバスツアーです。

 ピカソを鑑賞する展覧会は数多くあったでしょうが、今回のは格別でした。下図の「座るアルルカン」みたく有名な絵もたくさんありましたが、それ以外の見どころが興味深かったです。また、一部を除いて撮影OKだったのも嬉しかったです。


 著名画家というのは、いずれもがデッサン力が半端ありません。下図は淡彩で、やはり素晴らしいです。現役時にデッサン指導で描かせたのが、こういうスタイルです。


 一番興味深かったのは、両大戦間の絵です。第一次世界大戦の悲劇から内戦を経、共和制からフランコ政権が成立します。この間の混乱期というのは、保守的な思潮が満ちたため、ピカソもまた懐古主義的な要素を取り入れて構成しています。




 いかがでしょうか。ピカソらしくないというか、時代に阿るような帳尻合わせが感じられます。
 また、彫塑が変わっていました。これはキュビズムの人物造形を3次元で再現してるんですね。まさにピカソならではの塑像です。



 ピカソ以外に、セザンヌ、マティス、クレーも多数展示されていました。私が注目したのは、P.クレーです。1920年前後の作品がクレーらしくない異質なものでした。いえ、私にとっては、クレーの歴史に沿った作品だなあと納得させられましたけど。下図は「暗い扉のある部屋の透視図法」です。


 他にも「夢の都市」とか「平面の建築」とかの建築がらみの作品が目を引きました。私のようなデザイン系の人間にとっては、当然でしょうねの作品傾向です。この時期、クレーはバウハウスで形態親方を務めていました。バウハウスという建築系環境で得た知見と交流から、彼の芸術も大きな影響を受けたでしょう。上図の作品なんか、まさにその時代の成果です。
 今展覧会に係った学芸員さんたちも、バウハウスとの関連性はさすがに知らなかったのでしょうか。説明でも触れられていませんでした。

 ピカソ展は地下3階で、2階では「メル・ボックナーと同時代の日本人作家の作品展」が開催されていて、こちらはがっかりというか、どうでもよかったです。言っちゃあ悪いのですが、当時流行った独りよがりな作品群なんです。否定はしませんけど、デュシャンあたりに比べると格落ちの感です。

 国立西洋美術館からの巡回展だそうで、大阪でやっていただいて本当に助かりました。安いバス旅行で済むとあって、こういうのは大歓迎です。昼食はホテル阪神でのバイキングで、これまた腹一杯堪能させていただきました。
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百参     大谷選手は脳筋にあらず(2023/4/7)
 みんかぶマガジンに先々週掲載された記事です。
 偉業達成の大谷翔平はなぜ米国民にこれほど愛されるのか…ママを熱狂させ、27億円の広告が動く野球以上の「何か」
 ロサンジェルス在住の広告代理店勤務の岩瀬昌美氏によるもので、今は全文が読めなくなっています。

 大谷選手の人気が、もはや空前絶後レベルに至っているとの内容で、今後のFA契約金はMLB史上最高になりそうで、広告契約フィーも評価最上であることから、スポーツ史上最高額となりそうとの予想です。

 その理由もたくさんあり、なかでも女性たち、それもおばさんたちの絶対的支持があると見ています。自分の子供もこんな風であったらとか、旧き良き時代を現代において再現しているとかです。こういうのは、一夜漬けでどうにかなる話ではありません。渡米以来、大谷選手が営々と築き上げ、絶対的な信頼を勝ち得たものです。

 そんな大谷選手の魅力が横溢したWBC大会も、勝利後のあれこれでさらに評価が高まりました。
 Fox Sports が提供している大谷選手へのインタビュー動画「大谷翔平選手、マイク・トラウト選手との対戦と日本代表のWBC優勝を語る」です。

 大谷選手の受け答えは、内向きの島国根性丸出しアスリートすべてが見習うべきです。パッキャオ選手の試合後インタビューも、こんな具合に対戦相手と神への感謝でした。

 それに引き比べ、日本人アスリートたちが試合後のインタビューで語る内容のグロテスクなこと。同じWBCがらみだと、監督を務めた山本氏や小久保氏など本当にひどかったです。山本氏でしたか、大激戦となった台湾戦の勝利後インタビューで、台湾側の健闘に一言も触れず、自チームのことしか語りませんでした。TV前で聞いててこちらが恥ずかしくなりました。山本氏や小久保氏も、大谷選手の受け答えを聞いたら穴に入りたくなるんじゃないですか。なにも感じないなら、ただの低脳です。

 リオ五輪でレスリングの吉田選手が決勝で敗けて泣き出し、相手選手に慰められていましたね。あれを見て、皆さんどう思いました。勝った相手を讃えるべき場面で、なにもせずに逆に慰められる図ですよ。私ゃ、恥晒しとか思いました。
 もっとひどかったのは、サッカー中田選手が予選で敗けてフィールドに寝転がって悔しさアピールした図です。あまりのグロテスクさに死ねとか思いましたもの。

 ボクシングだと、山中選手がひどかったです。試合後のインタビューは常に自分のことを語るだけで、対戦者に対する敬意も糞もありませんでした。あげくに、娘をリングに上げて父娘交歓をやってました。誰だったか敗けた挑戦者が、敗者インタビューに備えてリング内で待機していましたが、挑戦者無視セレモニーに呆れて帰ったこともあります。半分はTV局の対応が悪いにしろ、山中選手本人の自分だけ意識が問題でした。

 また、女子サッカーなでしこのワールドカップ優勝を憶えていますか。今回の大谷選手の「こんな舞台で投げられて感謝しかない」と比べてください。彼女らに欲しかった台詞もこれです。あのとき自分たちのことしか話さず、対戦相手への敬意は一切ありませんでした。ただ、宮間選手だけは、馬鹿騒ぎに加わらずにアメリカチームに足を運んで健闘を讃えあっていました。なんで、他のメンバーはそれができなかったのか。多分、島国根性の内向き意識しか頭になかったのでしょう。

 なお、動画のコメントに納得の感想がありました。
 「What a high IQ response」
 まさに、これですね。若いのに大したものです。大谷選手はビルドアップされてますけど、決して脳筋じゃないです。
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百弐     スポーツいい話と残念な話(2023/3/29)
 先週のWBC決勝と準決勝には興奮させられました。大谷選手はじめ日本チームは、NPBの面目を見事に保ってくれました。MLBに次ぐ高いレベルの地域リーグであると世界が瞠目したことでしょう。

 大谷選手のMVP受賞は当然でありましょうが、打撃面だけなら吉田選手がMVPに相応しい活躍でした。今シーズンにおけるレッドソックスでの活躍が楽しみです。きっとやってくれますよ。

 百      今春のライト級ウォーズ(2023/3/17)に記載した、5月7日に横浜アリーナで開催されるスティーブン・フルトンvs井上尚弥戦が拳の怪我で7月25日に延期となりました。昨年12月のバトラー戦から半年近く空いての試合が、さらに延びるとあって肩透かしの気分です。井上選手がボクシング史の伝説となるには、やはり試合数をこなすことが大切です。時代を駆け抜けるには、密度がないと空虚感がまつわりついてしまいます。年間3試合が最低必要かと思います。ここのところ2試合程度のルーズさとあって、ボクシング界の顔というには弱い印象です。
 怪我とあっては仕方ありませんが、7月のフルトン戦を皮切りに、以後はチャレンジロードを邁進していただきたいです。

 一方で嬉しい話もあります。ライト級ウォーズで説明したように、4団体統一世界ライト級王者デビン・ヘイニーvs元3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ戦の前座として、WBO世界スーパーフライ級1位中谷潤人選手と2位のアンドリュー・モロニー選手による世界王座決定戦が組まれたそうです。

 中谷選手は、2020年11月ジーメル・マグラモ選手にKO勝ちしてWBOフライ級王座を戴冠し、初防衛戦のアンヘル・アコスタ戦をアメリカで行ってTKO勝ちしました。練習もアメリカで行ったりで引き籠り路線を払拭しています。
 昨年11月にS.フライ級に上げてフランシスコ・ロドリゲス選手に勝ってWBO1位にランクされ、挑戦権を獲得しました。井岡選手への挑戦が期待されましたが、井岡選手がWBO王座を返上したため、決定戦となった次第です。

 中谷選手は24戦全勝18KO、左構えで身長171cm、リーチ170cmと軽量級では恵まれた体格です。相手からするとやりにくいでしょう。長い距離で強いジャブを打つ一方、近間で潜(くぐ)るボクシングが冴えていて、強く打ち抜くハードパンチャーです。ボクシングファンたちは、井上選手、寺地拳四郎選手に次ぐ倒し屋のイメージを持っていて、試合が楽しみなんです。

 その中谷選手が、ヘイニーvsロマチェンコ戦というビッグマッチの前座をラスベガスで務めるのとあって、晴れがましくもあります。鮮やかな勝利を飾れば、世界が中谷選手に注目するでしょう。
 片や、王座返上までして中谷戦を避けた井岡選手は、もうお終いですね。いくらご本人が格好つけようが、恥逃げとの印象は免れません。なんで、逃げたのでしょうか。失った名誉は取り返せないのにね。残念ではあります。
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百壱     歌謡ショー初体験(2023/3/22)
 田舎住みとあって、農協さんの金融にお世話になっています。家族ともども定期と普通預金があり、いろいろなプレゼントやキャンペーンが提供されます。そのひとつとして、「前川清と純烈 プレミアムライブ2023」のチケットが当選しまして、先週のこと観覧してきました。
 本格的なコンサートに足を運んだのは、弐百九  TULIP LIVE(2005/9/18)以来で、そのときと同じ2,000人収容の大きなホールでした。前回は3階後方だったのが、今回は1階4列目という最前方で、出演者の表情までリアルに拝むことができました。

 客層は完全にジジババでした。農協主催の前川清ショーともなれば当然でしょうね。当地のJAだけでなく、他県JAでも人気ショーらしく、彼らも場数を踏んでいました。百姓ジジババいじりが実に手慣れていました。

 純烈は名前しか知らず、曲も聞いたことがありません。なんか、オバサン連中に人気の模様で、途中の握手タイムでは、オバチャンたちが我も我もと手を挙げていました。ただ、今はコロナとあって、握手を控えてのハイタッチでした。メンバー紹介やMCの内容からすると、仮面ライダー出演者がいたり、スキャンダルでメンバー入れ替えがあったりだそうです。女性週刊誌に無縁なので、さっぱり理解できませんでした。観客たちはよく知っているみたいで、ギャグにも笑いを返していました。

 本命の前川ショーは十分に堪能しました。加齢ゆえの発声に難ありかと危惧しましたが、まったく問題ありませんでした。1948年生まれなのに大したものです。同年の財津和夫氏は、すでに声が出辛くなっていて今年で引退だそうですね。2歳年上の吉田拓郎氏も声がまともに出ないとかで、昨年で音楽活動から引退したそうですし。
 財津氏も吉田氏も加齢とともに音域が狭くなり、声も掠れたりでシンガーとしての限界に阻まれたわけですが、前川氏は別格でした。昔と変わらず朗々とした歌声でした。

 他人のカバー曲も楽しめましたが、後半にまとめられていたクールファイブ時代のヒット曲が素晴らしかったです。
 「中の島ブルース」「噂の女」「東京砂漠」「そして神戸」とヒット曲が続き、最後に純烈を加えて「長崎は今日も雨だった」のコーラスワークで終演となりました。
 残念だったのは、私の好きな「逢わずに愛して」「愛の旅路を」「この愛に生きて」「恋唄」「愛のいたずら」がなかったことです。どれかひとつでも聴くことができていれば、完璧に充足されたんですけどね。どうやら、私の好みと世間の好みには乖離があるみたいです。
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