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百      今春のライト級ウォーズ(2023/3/17)
九拾九    雑草殺しの禁じ手(2023/3/9)
九拾八    適当なお題(2023/3/1)
九拾七    「京の冬の旅」堪能(2023/2/20)
九拾六    iPhone SE3 入手(2023/2/13)
九拾五    地域イベント遺憾なり(2023/2/8)
九拾四    Adobe さん非道の極み(2023/2/2)
九拾参    ワクチン未接種の方は気をつけて(2023/1/25)
九拾弐    ハインラインの回答『ルナ・ゲートの彼方』(2023/1/19)
九拾壱    iPhone 6s 限界なのか(2023/1/9)
九拾     井岡選手も限界か(2023/1/2)
八拾九    井上選手の帰趨(2022/12/24)
八拾八    メインPCのWindows10化は諦め(2022/12/11)
八拾七    PDFの浸透具合(2022/12/6)
八拾六    サッカーは知らん(2022/11/28)
八拾五    半導体製造事業の難しさ(2022/11/22)
八拾四    モニタ再調整(2022/11/13)
八拾参    第74回 正倉院展(2022/11/5)
八拾弐    辺野古茫漠、嘉手納無常(2022/10/29)
八拾壱    運転技能の低下か(2022/10/16)




百      今春のライト級ウォーズ(2023/3/17)
 WBC&WBO S.バンタム級王者のスティーブン・フルトン選手(21戦21勝8KO)と前4団体統一バンタム級王者の井上尚弥選手(24戦24勝21KO)との対戦が、5月7日に横浜アリーナで開催されます。現時点で試合開始時刻は未定です。海外での配信はESPN+と報じられていたところ、イギリスでは衛星放送のスカイスポーツが生中継するそうです。

 井上選手がまぎれもなく世界的なコンテンツキラーに出世した証しです。これまでの例だと井上戦は20時開始くらいでしょう。すると、イギリスは真っ昼間なんですね。その時間帯での生中継ですから、もう完全にスーパースターの扱いです。

 ネット上では今春最大の戦いとばかり、フルトン戦の予想などが花ざかりです。しかしながら、ボクシングファンたちが注目しているのは、実は今春のライト級ウォーズなんです。

 4月8日、WBC挑戦者決定戦3位シャクール・スティーブンソン(19戦19勝9KO) vs 5位吉野修一郎(16戦16勝12KO)
 4月22日、WBA王者ジャーボンタ・デービス(28戦28勝26KO) vs 1位ライアン・ガルシア(23戦23勝19KO)
 5月20日、4団体統一王者デビン・ヘイニー(29戦29勝15KO) vs 元3階級王者ワシル・ロマチェンコ(21戦19勝2敗11KO)

 上の3試合すべてがハイレベルでテクニカル、あるいは激闘が予想されます。出場6選手の手前味噌なスキル比較をしてみます。
 パンチ力
  デービス>ガルシア>吉野>ロマチェンコ>ヘイニー=スティーブンソン
 パンチのスピード
  デービス=スティーブンソン>ヘイニー=ロマチェンコ>ガルシア>吉野
 ステップワーク
  ロマチェンコ>ヘイニー=スティーブンソン>デービス>ガルシア>吉野

 試合予想
 ヘイニーvsロマチェンコ戦は判定となるでしょうが、どちらが勝つか見当もつきません。
 ポイントのひとつは、ヘイニー選手の長い距離です。逆にロマチェンコ選手はリーチが短いので差がより大きくなります。加えて、ヘイニー選手は速い出入りで自分の距離を維持しようとするので余計に距離の差が効きます。
 ポイントのもうひとつは、ロマチェンコ選手が右利きの左構えである点です。当然、利き腕の右が強いので、右での刺し合いで距離の差を克服しようとするでしょう。逆に左クロスの絞り込みが甘くなりますが、弱い左ながら強く的確に打てる位置への瞬間移動でカバーするんですね。
 これらの噛み合わせが、試合でどのように発現するか見当もつきません。

 デービスvsガルシア戦は、デービス選手が順当に勝つと思われます。中盤以降、一瞬の隙を突いたデービス選手の強打が炸裂しそうです。ガルシア選手の当て勘は素晴らしいものの、さすがにデービス選手相手では荷が重いでしょう。

 吉野選手は、世界で闘った経験のある伊藤雅雪選手と中谷正義選手を破っていて、日本中量級のホープであります。スティーブンソン選手はメイウェザーの再来ともいわれ、S.フェザー級からライト級に上げてきたものの、強すぎて上位ランカーたちにオファーを断られてしまい、5位の吉野選手に順番が回ってきたものです。誰もが避ける強敵を、吉野選手は逆にチャンスとばかり受けました。ボクシングファンたちは吉野選手の漢気に拍手を送り、敵わぬまでも応援しようとの空気に満ちています。
 多分、ワンサイドで打たれまくるでしょう。吉野選手も力の差を解っていますから、相打ち覚悟でパンチを合わせてゆくんかな。

 ライト級にここまでの強豪が揃ったことは過去にもありません。吉野選手は偶々といえ、そこに名を連ねる仕儀となり胸熱です。万に一つの奇跡が起こるのを期待しています。あるいは敗けるにしろ、見せ場をつくることができたら大興奮間違いなしです。来月が待ちきれません。
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九拾九    雑草殺しの禁じ手(2023/3/9)
 七拾七    今秋のあれこれ(2022/9/18)に次のように書きました。

 今夏の草抜きには苦労しました。しょっちゅう雨が降るものだから、草の活性具合が半端じゃありませんでした。抜くより生える方が早いんだもの。
 もう頭にきました。この秋に徹底的に草退治した後、ある対処を実施するつもりです。褒められたものではありませんが、もう草抜きに汲々するのはご免です。やっちゃいますよ、私は。


 冬場が過ぎ、今週に入ってから暖かい日が続いています。すると、雑草がてき面に元気づいています。昨日は目立つ草を抜き、本日の作業に備えました。上に引用したとおり、昨年から考えていた雑草退治の禁じ手をついに実施しました。

 食塩を5kg購入していて、これを溶いて農薬噴霧器で花崗土整地エリアに散布しました。
 噴霧器容量が6Lなので、塩1.8kgほどを湯に溶かしました。塩の溶解量はあんまり温度に左右されません。湯なら36g/100mLくらいの溶け込みだそうです。余裕を持たせて30g/100mLの計算で1.8kgとなります。

 コンクリート畦畔近くや建物基礎近くは避けました。塩がコンクリートを侵して鉄筋を錆させちゃいけませんからね。また、田圃に水が流れ込む辺りも避けました。塩害で稲の生育に問題が出ると具合が悪いですから。上の量程度であれば、鉄筋や周辺の田圃に問題が生じることもないでしょうが、もしもに備えての予防線です。他家に農地を貸しているだけに気を使いました。

 ネットに草枯らし目的で塩を撒く例が掲載されていますが、文字どおり塩を撒いていますね。それだと、どうしても大量の塩が必要になり、塩害の問題も大きくなるのでしょう。噴霧器を使えばムラなく均一に散布できるので、無駄なく最小量で効果が期待できます。塩の直播きは無駄が多すぎます。

 塩を溶くのが大変です。濃い塩水が必要なので、限界近くまで溶こうとすると時間をかけてじっくりかき回さなければいけません。洗面器に溜めた湯に計量カップで塩を投入し、調理器具の網フライヤーで気長にかき混ぜました。じっくり溶くと、湯が透明になります。それを何度も繰り返してタンクを満タンにするんです。なので、時間がかかりましたよ。

 6Lタンクで3回散布し、5kgの食塩ほぼ使い切りました。これで、対象エリアがカバーできるはずだったのですが、3回目の噴霧開始時に噴霧器が壊れたみたいで空気圧縮ができなくなりました。分解してみたものの、原因不明の故障でした。
 仕方なく、3回目はジョウロで散布しました。ジョウロじゃ駄目なんです。イシクラゲ退治の際にも実感しましたが、ジョウロだと粗い散布となり、均一に撒けません。しかも、無駄が多くてやり残しができました。

 後日、手動式噴霧器と食塩を買い直し、あらたにチャレンジするつもりです。ただ、慌てず、今回の塩播きの結果を確認してからにします。塩播きの有効性、塩量の多寡などをチェックします。なにせ、初めての試みなので見当がつきません。
 上手くいけば、今夏からは草抜きの労苦から解放されるかもしれません。結果が楽しみです。
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九拾八    適当なお題(2023/3/1)
 先週、e-Taxを利用してIDとPW認証での所得税の申告書類登録を済ませました。多分、来週あたりに還付金の通知が届くと思われます。自宅の机に座ったまま片づくので世話ないです。

 e-Taxは昔から活用していて、申告テンプレートに入力すると、自動的に書類ができ上がります。これを印刷して、申告日に受付に提出しました。申告割り当て日には大勢が押しかけるので、時間待ちが長くて往生するところ、提出するだけで済みました。

 マイナンバーカードと対応カードリーダーがあれば、ネットでの受付が可能で申告会場へ出向く必要がありませんでした。ただ、それだけのためにカードリーダーを買うのも馬鹿らしく、そこまでやれていませんでした。
 5年前に所轄税務署が認証IDとパスワードを発行してくれまして、これで以ってネットでの申告データ登録が可能になりました。以後は自宅での入力及びデータ登録で完結するようになり、まったく手間いらずです。

 2週間ほど前に購入したiPhone SE3は快調です。バッテリーの減り具合は、満充電時、中間時、減衰時で差異があるので、トータルで均して-10%/日くらいです。6sが当初で-13%/日だったので、バッテリー容量が増している印象です。iOSが高機能化していながらの低消費は、徹底した省エネ設定のおかげです。新しいアプリも、不要なのはすべて削除しました。私にとっては、ほとんど不要なものばかりなんです。これで、今後数年間は戦えそうです。

 先週のITmedia ビジネスONLINE の記事です。
 「トイレットペーパー騒動」はこの店から始まった 昭和史に名を刻んだスーパーが閉店

 千里ニュータウンのSC閉館の記事で、ここが上の騒動の発端であったとの記事です。昭和は遠くなりにけりです。この騒動について、かつては次のように整理されていたと記憶しています。

 最初は奈良市でトイレットペーパーや洗剤の買いつけ騒ぎが起こり、翌日に大阪府下に波及しました。これが全国ニュースで報じられ、数日後には全国的な大騒動に至ったものです。
 報道番組が倉庫内の潤沢な在庫を映し、こんなにありますから慌てる必要はありませんと訴えても、業者が買い溜めしていると受け取られてしまいました。まさに、デマゴギーというかコミュニケーション・ギャップの典型的なケーススタディでした。この件の内容が、上の記事だと私の記憶と違っているんですね。
 ことの発端について、私の記憶違いなのか、あるいは記事の方が間違っているのでしょうか。

 先週の日本經濟新聞の記事です。
 持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円?

 持ち家と賃貸のどちらが有利、あるいはお得かの考察は、これまで幾度も為されてきました。ただ、この記事も含め、肝心な点が述べられていないんです。
 “持ち家派”にとっては、所有し、自家で長年暮らす満足感こそが重要なポイントでしょう。金額差がどうこうの話じゃありません。なんでか、誰もがその点に触れないんです。変じゃありませんか。
 私自身は持ち家で、金銭の多寡や有利不利で比較考量したことは、まったくありません。同様の選択をした方が多いはずです。一度、この点を述べておきたかったんです。
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九拾七    「京の冬の旅」堪能(2023/2/20)
 京都は春秋シーズンこそ人が溢れますが、夏冬特に冬場は観光客が減るそうです。そこで、京都市や京都市観光協会が15寺院と提携し、未公開の国宝や重要文化財をオフシーズンに公開するようになったそうです。で、これが「京の冬の旅」として長く定着しているそうです。年初に地元旅行代理店の日帰りツアー企画で見つけ、すかさず申し込んだものです。

 東西両本願寺が普段は未公開の書院を見せるというので楽しみでした。東西本願寺は京都観光で何度も門前を走りながら、門と外壁を眺めただけでした。
 下図が西本願寺の御影堂です。寺内に足を踏み入れたのは初めてです。



 最初に観覧した西本願寺書院は午前中の冷え込みが厳しい中、畳ゆえスリッパなしだったので足元が凍えました。写真撮影も禁止だし、照明がなくてうす暗く、判りづらい鑑賞でした。狩野探幽の襖絵もあったらしいのですが、なんも判りませんでした。
 さすがに冷えが厳しくて、観覧後はそそくさとバスに戻りました。

 その後、京都駅脇の京都都ホテルで昼食を摂りました。京都らしい湯豆腐含む和食コースで、美味かったです。

 続いて、東本願寺を訪ねました。正門を潜ると御影堂を遮る御影堂門が聳えています。その向こうに聳える大屋根が御影堂です。



 大寝殿と白書院が観覧の対象です。こちらは写真撮影自由ということで、しっかり撮っておきました。
 大寝殿は名前どおり巨大な大広間で、寒さ対策として畳の下にヒーターがあるそうです。おかげでほんのり暖かくて一息つけました。
 正面に竹内栖鳳の見事な障壁画が飾られていました。さすがです。





 白書院には、狩野派の誰だったかの鶴の掛け軸が飾られていました。また、閑院宮載仁(かんいんのみやことひと)親王が寄贈した扁額「国豊民安」も掲げられていて、庶民にはいかさま縁遠い世界でした。



 名刹の建物や秘蔵物を手間いらずで鑑賞できるので、こういう旅行代理店企画は大歓迎です。客はバスでゆっくりするだけです。寝てるうちに目的地へ届けてくれるし、入館予約やチケット購入、時間調整もすべて担当者がやってくれます。こういうのに慣れると、自分で手配するのが億劫になります。面倒がってはいけないんですけどね。
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九拾六    iPhone SE3 入手(2023/2/13)
 私が契約している通信会社が用意している端末にiPhone SE2があり、これを狙いながらもグズグズしているうちに売り切れました。それが一週間前のことで、昨日のことチェックすると、新たにiPhone SE3がリストアップされていました。

 大柄なiPhoneは具合が悪いので、コンパクトなSEを逃すわけにはいきません。本日のこと機種変換してきました。例の「システムデータ領域問題」が怖いので、余裕を持って128GBにしたかったものの、現品なしということで、64GBモデルを購入しました。

 前モデルを長く使っていたので割引が大きく、利用条件も軽度とあって安かったです。こともなく手続きも進み、データや環境移行の「スタートアップ」も短時間で終わりました。なにせSNS利用環境がないし、使用アプリも極限の少なさなので、担当者も驚きの短時間でした。移行内容を聞かれ、僅かな項目を返すと「じゃあ、20分程度でしょう」だったのが、10分もかからずに終えました。

 以前のACアダプターが使えるとあってほっとしました。急速充電するには、別途アダプタが必要とのことですが、バッテリーを傷めるので欲しくもありません。イヤホンは変換コネクタが必要とのことで、放置します。スマホで音楽を聴くことはありません。ただでさえ劣化した聴力を、さらに損なうのは馬鹿げています。

 午前中にショップを訪ねたとき、客待ちの状態だったので、午後の空きを予約しました。そのとき話したスタッフが使えそうになかったので、改めて出直したのは正解でした。午後に手すきだったスタッフは、なんでもよく知っていて、こちらの疑問にきっちり答えてくれました。午前に話したスタッフときたら、スタートアップの作業も嫌がる風で、なんやこいつとか思いました。

 購入したSE3はiOS16.11で、iOS15を超えていたので安心です。iOS15だと、例のtmpファイルやoldファイルを解放できなくて、またまた苦労するかもと案じていましたから。
 以前の6sに施していた各種設定がそのまま移行していたのには感心しました。こういうところはAppleさんの美点でしょう。私好みのインターフェイス設定が最初から再現されていて、まったく手間いらずです。今後、iOS16のテキストを入手し、調べながら増殖アプリも不要であれば削除するつもりです。そして、リソース最小、電池消費最小の設定を狙う予定です。PCといい、スマホといい、超低燃費でサクサク動作させるのが私の躾なんです。徹底的にやりますよ。

 iOS15のバグが恨めしいです。用済みファイルを放置するバグさえなければ、機種更新する必要はありませんでした。単にバッテリー交換だけで済んでいたんです。SE3であっても、使用感というかサクサク感にさほどの違いが感じられません。簡単な作業しかしない当方にとって、パワーアップとか容量アップとかは関係ないんです。バグ放置のAppleが腹立たしいです。
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九拾五    地域イベント遺憾なり(2023/2/8)
 昨日の時事通信の記事です。
 「横路孝弘氏死去、82歳 衆院議長、北海道知事を歴任
 横路氏といえば、真っ先に北海道知事時代のイベント失敗を想起してしまいます。決して横路氏個人の責に帰すべきことではありませんが、やはり職責ということで語られてしまいます。

 80年代から地方イベントが盛況となり、都道府県主催イベントが競われました。中には意義のしっかりしたケースもありましたが、大半がイベントのためのイベントで、最初から失敗が保証されていたようなものでした。

 その失敗の代表例が“食”をテーマにしたものです。
 北海道「食の祭典1988」
 石川県「食と緑の博覧会いしかわ'88」
 岐阜県「飛騨高山食と緑の祭典」
 栃木県「食と緑の博覧会−とちぎ'88」
 島根県「第21回全国菓子大博覧会」
 新潟県「'89新潟食と緑の博覧会」
 岡山県「おかやま食と緑の博覧会」
 宮崎県「食と緑の博覧会 みやざき'90」
 千葉県「食と緑の博覧会 ちば'90」

 食の特産品をテーマに市町村、団体組合、特産品街、都道府県の所管部署あたりが取り組むのはよくある話だし、地域振興として結構なことです。しかし、いかに農水省が推進してたといえ、都道府県が挙げて取り組むべきものか疑問です。
 上のイベントは、いずれも既存施設を利用していたので大した傷にならなかったものの、北海道だけは大規模に展開したので赤字が大きくなり、道議会が知事に問責決議したんですね。知事にしてみれば、貰い事故みたいな気分だったでしょうけど。

 そもそも東京のイベント会社の企画なのがふざけています。目標入場者数400万人で実入場者数が170万人、うち有料入場者数が90万人でした。当時のニュース映像で哀れな光景を見ました。広い敷地に多数出店し、客が僅かに点在するだけという、見るからに寂寥を誘うものでした。
 「食の祭典1988」開催当時に、いろいろな問題点を指摘したレポートを読んだ憶えがあります。借り物の企画を泥縄で実施したため、すでに開催中でありながら、頻出する問題に追われるという気の毒なイベントでした。

 上のイベント中でも、島根県のは主催が菓子の全国組合ですね。島根県はもともと菓子振興が盛んだそうで、テーマが合致したものでしょう。こういう地域ニーズに沿ったイベントこそが、本来求めるべきスタイルかと思います。
 地域振興目的のイベントがいかにあるべきか、私も過去に何度か触れたところです。仕事柄もあったし、個人的に学生時代から興味を持ってウォッチングしてきました。

 イベント主導の振興策というのは、感心するケースが少ないものです。成功例はあんまし多くもありません。そんな中、絶対的な成功例が「B-1グランプリ」です。“B級グルメ”というワードについては、否定的な向きもありますが、もはや全国レベルで定着しているでしょう。“B級グルメ”をA級より劣ったイメージと難ずるのはピント外れです。
 食テーマのイベントとして別格です。食事を提供する趣旨でなく、“ご当地”を紹介し、足を運ばせるものです。まさに、街おこしコンセプトに沿った、手堅いイベントかと思います。
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九拾四    Adobe さん非道の極み(2023/2/2)
 昨日のこと、ITmediaで恐ろしい事実を知りました。
 「Adobe CS6」延命、ログインサポート終了を再延期 「日程については追って連絡

 私はCS4(Design Premium)を2009年に購入し、2012年あたりからメインで使って今に至っています。CS4を常用するまでは、定評のある旧バージョンで済ませていました。本格移行後に旧バーションは、もはや用済みということで処分しました。で、上の記事を読んで、捨てたことを激しく後悔しているところです。

 定評のある旧バージョンというのが、DTPの神器ともいうべきPhotoshop5.5J、Illustrator8.01J、In design2.01J、Distiller4.05Jです。細かいサブバーションはうろ覚えとあって適当です。これらは安定性といい、過不足ない機能といい、文句なしの優れものです。今でも、これで十分と言い切ることができます。
 NT4.0時代に導入し、Windows98、2000、XP、Vista、7 とプラットホームの変遷にも問題なく対応できました。10数年間に渡って公私ともにクリエイティブ作業を支えてくれ、十分以上に元が取れました。

 CS4の話に戻すと、パッケージ版とあって永久に使えるものと勝手に思い込んでいました。サーバ認証でアクティベーションする仕組みで、その際に旧バージョンを切り捨てるんですね。まさに青天の霹靂でした。期限切れのバージョンだと、PCを更新した際に、新PCにインストールできなくなるんですね。腹立つわ。
 CS4の期限切れが2020年1月だったそうです。それ以前のCSバージョンが認証停止する時点で話題になったそうですが、なに分現場を離れて久しく、そのあたりの事情を知りませんでした。

 調べると、新PCにインストールできたケースも報告されていて、事実関係がもうひとつはっきりしません。現行デスクトップが壊れて更新したとき、インストールしてもアクティベーションが拒否されるものか、そのときにならないと判りません。

 いずれにしても、Adobe さんも阿漕なことをやるものです。新しいバージョンへの更新を強いるだけなら我慢できますが、現行サブスク方式への強制だけは許せません。舐めとんかい。

 私としては、現行マシンを長らえて大事に使うしか対処法がありません。上に書いたように、旧バージョンが残っていれば、そちらを利用して凌げたのですけどね。捨てた自分が恨めしいです。ネットで旧バージョンを買う手立てもあるにはあります。ただ、検索すると、まあ結構な値付けです。Photoshop5.5J が2〜3万円ですと。23年ほど前のアプリだというのにね。ただ、それだけの値打ちがあるのも事実なんです。
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九拾参    ワクチン未接種の方は気をつけて(2023/1/25)
 感染流行から4年目に突入とあって新型コロナと呼ぶのは抵抗がありますが、そのコロナもワクチン接種が行き渡ったことで沈静化とみてよいかと思います。次々と新株が生まれるのは仕方ありません。世界中で猖獗しているウィルスなら、そりゃあいろんなタイプが登場するでしょう。

 ワクチン接種と過去において似たウィルスに罹患した経験から相当耐性ができているんじゃないでしょうか。その当たりの見解については、未だ専門家でも確と証することができていません。

 陰謀論とかで、ワクチン接種を忌避する向きもあるそうです。私の周りにそのような困ったチャンはいないので、実態は知りません。しかしながら、未接種の人間は確実にいるそうです。先週のこと、病院の対応で知ることとなりました。

 先週金曜日、90歳になる婆さんが左大腿骨頸部骨折で大わらわとなりました。左太ももから腰が痛くて身動きができない状態でした。なにぶんボケてますから、そこに至った状況も分かりませんでした。
 近在の医者に電話して診察の可否を尋ねました。骨折の可能性があるので、大きな病院に当たってくれの返答が多い中、Web で調べた形成外科が設備やスキルもそうで、診察してくれることになりました。そこは大昔から営業している開業医で、ヤブの誉れが高く、大昔に親戚の爺さんが間違った診断と治療で歩けなくなったという曰くつきでした。もっとも、そのヤブ医者は引退して娘が継いでいました。

 さすが代替わりしていて、最新の知識と技術、設備機器で武装していて、リハビリ施設やスタッフまで備えていました。後を継いでいたのは、30代後半から40代と思しき女医さんでした。マスクをしていたので判然とはしませんけど。
 取りあえずレントゲンを撮り、あっさり骨折と判じられ、すぐに手術が必要ということで病院を当たってくれました。希望病院を上げたところ、次々に断られました。農業病院は満室で駄目、労災病院はコロナ対応で駄目となり、近在の大手病院に当たったところ、ワクチン接種歴を質されて受け入れOKとなりました。
 紹介状を書いてくれ、話を通してくれたので、そのまま直行しました。面倒であろう受入れ先探しを、にこやかに対応してくれて感謝しかありません。

 救急受付の手順で検査を受け、その場で月曜の手術が決まり、入院手続きと手術同意書にたくさん署名しました。最近は入院生活に向けてのレンタルがあり、必要な物品を任せられるので手間いらずです。お茶か水を別途用意するだけです。面会も厳しいですね。週一10分間だけ、しかも要予約という徹底ぶりです。病院側が警戒するのも尤もです。下手すりゃ医療崩壊に追い込まれますからね。

 一昨日に手術も成功し、術後のレクでボルトとプレートが収まったレントゲン写真を確認しました。外科手術をしてくれたのも若い女医さんでした。マスクではっきりしませんが、30代の雰囲気で手慣れたスキルを感じさせてくれました。女性の社会進出をまざまざと認識したところです。

 しかし、ワクチン未接種だったら、一体どうなっていたでしょうか。ひょっとして、受け入れ病院が決まらずに途方に暮れたかもしれません。皆さんも、もしものときに備えて陰謀論などに染まらないようにしましょう。
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九拾弐    ハインラインの回答『ルナ・ゲートの彼方』(2023/1/19)
 ロバート・ハインラインの『ルナ・ゲートの彼方(創元SF文庫)』を読みました。1989年初版で12刷目のベターセラーです。元々は、1955年に出版された子供向けジュブナイルだそうです。漂流サバイバル系統なので、まさに少年少女向けです。しか〜し、さすがハインラインです。バッドエンドでないにしろ、ハッピーエンドでめでたしめでたしじゃありません。子供にはキツイ結末で、むしろ大人向けじゃねとか思いました。

 私は、いえ私に限らず誰であっても漂流サバイバル物語には夢中になるでしょう。『十五少年漂流記』『ロビンソン・クルーソー』は世界で愛されていますね。
 本邦の大石英司氏による『ぼくらはみんな、ここにいる』は、次元スリップとサバイバルを組み合わせています。傑作の誉れ高い『蠅の王』は、内容がきつそうなので未だ読んでいません。
 アニメだと『冒険ガボテン島』が記憶に残っています。漫画だと、『サバイバル』と『漂流教室』が双璧でしょうか。
 『サバイバル』は、主人公のサトル少年が相棒をいろいろ変えながら、離れ離れになった家族を探し求める大河ドラマです。バディものといってよいかと。サバイバルの相棒が多様で、物語に深みと幅を持たせています。密かに恋心を寄せた女性、傍若無人な屑男、白い子犬、調査に訪れたアメリカの特殊部隊員、鄙びた田舎のコミュニティなど舞台を変えながら進展してゆきます。

 『漂流教室』は、今やカルト的ポジションにあるでしょう。小学生たちではとても太刀打ちできないような苦難に、正面から向き合って闘うんですね。

 また、西村寿行の『地獄』もまた、異色ながらサバイバル小説です。西村氏と各出版社の担当者たちが地獄に落ち、地獄でサバイバル―いえ、絶望的な状況のなか地獄に闘いを挑むという傑作カルトです。賽の河原で石積み陣地を拵えたり、樹上だったか崖上だったかに住まいを設えたりしながら地歩を築くとともに、最後には逆に撃って出ます。読んでない方は人生を損してますよ。

 そして、ハインラインの『ルナ・ゲートの彼方』です。人類がワープ技術をものして宇宙開拓に勤しむ時代、宇宙開拓の夢を持つ高校生の主人公が、サバイバルテストに挑んで予期せぬ事態の中、長い闘いを強いられる話です。
 48時間〜10日間のテストの筈が、ワープゲートの故障によって、学生たちは不明の星に取り残されます。所持品は各人の考えに任されていて、送り出された先の状況が一切不明の中、テスト生たちは手探りで帰還に備えます。
 期間を大きく越えたため、なんらかの事故が起こったと見做し、テスト生たちは長期滞在サバイバルに転換します。主人公はテスト生を探したりで集団生活への移行を図ります。テスト生には大学生もいて、彼ら主導でコミュニティを組織化していきます。

 いろんな経緯があって、主人公はコミュニティの指導者となり、什器製作、給排水装置、調理向上などを進めて確固とした生活の場をつくり上げます。やがて、カップルが生まれて結婚、出産も行われました。
 安穏な生活が保証されたとき、皮肉にも時空ゲートの故障が直ります。地球への帰還が叶い、主人公だけがその地に残る選択をします。
 そこから少しの展開があって主人公も地球に帰り、ラストは主人公が異星開拓団のリーダーとなって出発するシーンで終わっています。

 ラストシーンで救われるといえ、その前段でテスト生たちが、自分たちだけの力でつくり上げたコミュニティをあっさり捨て、主人公だけが取り残されるシーンは哀しすぎます。日本のジュブナイルなら決してこのような筋書きにはしないでしょう。地球への帰還が叶い、思い出多きコミュニティに後ろ髪を引かれながら去る話に仕上げるでしょう。あるいは逆に、今ここで自分たちがつくり上げている世界こそが、本来自分たちが星間開拓でやろうとしていたことである。地球に帰らずに、この地を更に発展させる決意も新たにするとかね。
 ところが、本作では自己犠牲と類稀なるリーダーシップを発揮した主人公が置いてきぼりになるという残酷な話を描いています。ハインラインって本当に一筋縄ではいきません。アメリカの少年少女たちって、その若さで組織論に考えを巡らせたり、規則や義務に思考を落とし込むのでしょうね。日本人じゃとても勝てないわけです。
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九拾壱    iPhone 6s 限界なのか(2023/1/9)
 昨年12月下旬よりiPhone のバッテリーが不調です。精確な容量を取得できませんし、急な容量変化を示したりします。また、再起動すると残量が増えたりもします。かと思えば、残量がかなりあるのにいきなり電池切れすることもありました。

 こういうのは、典型的なバッテリー劣化の症状だそうです。使用頻度が少ないとあって、ほぼ5年近く保ってはいます。使用可能容量が88%ですから、捨てるほどではないのでしょう。しかし、不便な状況ではあります。
 そこで、バッテリーを交換するか、いっそ機種交換するか迷っています。SE2 が5万円強で買えるとあって迷うんです。ストレージの空き容量がなく、マイナーアップデートもできません。アプリを一時的に大量削除して空きを増やしてみたものの、アップデートには足りませんでした。

 例のシステムデータ領域が圧迫して糞づまり状態なんですね。バッテリーを交換しても、その状態は変わりませんから機種交換に傾いています。

 電話とショートメールを使ったり、外出時のネット利用くらいなので、現行で困ることはありません。しかしながら、コロナが収まって海外旅行するとなったら機種交換必須です。

 事前に旅行先の地図データ(Google Maps)をダウンロードしておかなければいけません。ニューヨークでも、フィラデルフィアでも、またバルセロナでも地図データのお世話になりました。街中で迷った際にWeb に繋がる保証はありません。地図データを保持していれば心強いものです。っていうか、現地語を話せない人間にとっては命綱です。

 ニューヨークのミッドタウンで夜中に場所が分からなくなったときも慌てませんでした。道路脇のストリート表示も夜だと見づらいとあって重宝しました。
 バルセロナで夜中に右も左も分からない中、タクシーでホテルに帰る際、地図とホテル位置を運ちゃんに見せて送ってもらいました。タクシーに同行した方も、用意がいいと感心するとともに感謝されました。
 フィラデルフィアで地図を活用した際、同行の方が「えっ、なんで地図が表示されてるの。Web に接続できないのに」と不思議がり、「いえ、あらかじめ地図データをダウンロードしてるんですよ」と説明すると、俺もやっとくんだったと悔しがってました。

 その地図データですが、ダウンロードすると大変な容量となります。現行のシステムデータに圧迫された状態では利用できません。などと考えていると、機種交換しなければと気持ちが競ってきます。

 年初のあれやこれやが片づいて落ち着いたら、某店を訪ねて相談します。で、きっとSE2 購入の運びとなるでしょう。
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九拾     井岡選手も限界か(2023/1/2)
 一昨日の大晦日、夕刻17時過ぎから、WBO S.フライ級王者井岡一翔 vs WBA王者ジョシュア・フランコの統一戦が開催され、ドロー判定となりました。
 僅差試合とあって両者ドロー防衛なのは納得なのですが、スコアカードがすっきりしません。早い時間だったので、用を片づけながら適当に観戦しました。なので確としたことは言えませんが、前半は井岡選手がリードしていて、後半にフランコ選手が取り返したと見えたのに、ジャッジたちは逆の見方をしたんですね。
 フランコ‐井岡
 114-114 ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ)
 114-114 ファ・リン・マーシュ(ニュージーランド)
 115-113 スタンリー・クリストドーロー(南ア)
 まるで帳尻合わせを疑わせる内容です。トーレス氏には一応がとこ精査の跡が窺われます。しかし、マーシュ氏とクリストドーロー氏は、前半をフランコ選手優勢、後半を井岡選手優勢と判定しています。特にフランコ選手の勝ちとしたクリストドーロー氏は、7Rまでフランコ選手にすべて与え、後の5Rすべてを井岡選手に与えていて、試合内容と噛み合わない印象です。

 手数と攻勢がフランコ選手、クリーンヒットの多さが井岡選手で、これはスタッツにおいても数字が証しています。
  手数 フランコ:1412 井岡:797
  着弾 フランコ:214 井岡:202
  命中率 フランコ:14% 井岡:27%
  着弾内訳 ジャブ:47-41 パワーパンチ:167-161
 手数はフランコ選手が2倍、着弾数はほぼ互角で僅かにフランコ選手が上回ったというものです。

 序盤の井岡選手はステップワークが有効で、クリーンヒットを許していません。しかし、中盤あたりから動きが鈍ってロープに詰まって連打を浴びました。その際にガードしていたものの徐々にブロッキングがザル気味となり、顔面を相当にシバかれていました。ラウンド途中の休憩時のアップで顔面の傷がどんどん増えるのが見て取れました。ガードしながらも顔面が振られたり跳ね上げられていました。
 そのような展開からすると、後半をこそフランコ選手に与えるのが適切と思うのですけど。

 WBC王者のエストラーダ選手を招いていたのは、勝利した後に、次なる統一戦を算段していたのでしょう。ドローとなったので、路線変更になるかもしれません。フランコ選手との再戦も俎上に上がるでしょうし、中谷潤人選手との指名挑戦試合をWBOから迫られてもいます。

 井岡選手も限界が見えた観で、中谷選手とやれば負けそうな気がします。井岡選手は体重を乗せて打ち抜こうとしません。中谷選手は対照的にしっかり打ち抜くんですね。それも長身を利して打ち下ろす感覚です。すると、自然に体重も乗りますしね。
 まして、エストラーダ選手やローマン・ゴンザレス選手相手では、いかにも荷が重いです。そのような限界を、なにより井岡選手が一番理解しているでしょう。ボクシング終活をいかに迎えるか、ご本人もいろいろ考えているものと想像します。
 村田選手がボクシング卒業に当たり、かなり露骨なビッグマネー獲得路線をやったのが記憶に新しいです。2年余も試合をせず、タイトル剥奪をどうやってか避け、ゴロフキン戦でビッグマネーを掴みました。井岡選手も参考にしているんじゃないでしょうか。
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八拾九    井上選手の帰趨(2022/12/24)
 iPhone の電池消費が早くなりました。使用全般はもちろん、特に満充電後と20%を切ってからの減り具合が半端ありません。100%からあっさり80%に減ったり、20%から一気に数%まで減るしで安心できません。精確な容量を取得できなくなったものと考えられます。不安定というか、制御がいい加減なイメージです。もちろん、バッテリーがヘタって有効容量が減ったのも間違いありません。表示によると当初より88%の模様です。

 それと、WiFi とBluetooth が知らぬ間にオンになっていました。これに気づいて設定を変更しました。iOS11 から仕様が変わったそうで、ひとつ深い設定階層で明示的にオフにしなければいけません。デフォルトだとオフにしても、それは現接続をオフにするだけです。常時WiFi をチェックし、接続先があると自動的に繋いじゃうんですね。そりゃあ電池消耗がやけに進む筈です。
 しかし、完全にオフにしても消費が激しいとあって、もはや寿命としか考えられません。取りあえず我慢して使い、駄目だったらバッテリー交換か中古リビルト品を買います。


 先週13日、WBOバンタム級王者のポール・バトラー選手と対戦し、4団体統一を成し遂げました。 dTVが無料視聴を提供してくれたので、しっかり鑑賞できました。

 相手のバトラー選手はガードを固め、下る、回り込むを繰り返すばかりでした。ガードが一級品だったので、さすがにどうしようもなかったです。井上選手はノーガード、顔面突出しなどで打ち合いを誘うものの、バトラー選手は受けないんですね。10Rまでフルマークで進み、11Rに強引ともいえる連打でKOしました。

 試合後のインタビューには不満があります。ここは、4団体統一に挑んだ先人たちの偉業を称え、そこに並ぶ栄誉を喜ぶとかの趣旨で語ってほしかったです。また、バトラー選手のディフェンスの固さを褒めるべきで、相手の守勢がどうこう言うのは余計でした。

 史上9人目、バンタム級及びアジア人として初の4団体統一王者となり、メディアを騒がせました。ただ、4団体制覇がさほどの快挙かというと疑義があります。

 かつてはWBA、WBCの2団体、その前はメジャー1団体だったので、今は有難味が薄まっています。ファイティング原田氏は1団体時代に複数階級制覇していますから、もっと凄いといえます。輪島功一氏も2団体時代にJr.ミドル級の統一王者でしたし、渡辺二郎氏もS.フライ級で実質統一王者となりました。
 現在の2団体間での統一戦というのは、昔だったら1位選手との指名試合でしかありません。大げさなんです。

 ボクシングファンたちは、名目より対戦相手の質を重視します。井上選手はすでにバンタム級でやれることはない、早くS.バンタム級で強い相手と対戦すべしと願ってました。これからとなると、S.バンタム級は出涸らし状態なんです。スティーブン・フルトン選手はフェザー級に上がるでしょうし、エマヌエル・ナバレッテ選手は2年前にフェザー級に上げています。強豪と看做されるタレントがいないんです。
 ネリ選手やフェザー級に上げたフィゲロア選手では役不足です。現在2冠のムロジョン・アフマダリエフ選手であっても、とてもとても井上選手の脅威には見えません。

フィジカル:井上≧アフマダリエフ
 アフマダリエフ選手は体幹が強そうです。ただ、井上選手も厚みと剛性が半端ないし、階級アップ後はさらに強固となるでしょう。
パンチのスピード:井上>>アフマダリエフ
 問題にならないです。
連打の回転:井上>>アフマダリエフ
 井上選手は回転が速いだけでなく、強打を打てます。
パンチ力:井上>>アフマダリエフ
 問題にならないです。
ステップワーク:井上≧アフマダリエフ
 井上選手のフットワークは強打を打つこと前提なので、質が違います。
ボディワーク:井上<<アフマダリエフ
 これだけはアフマダリエフ選手が優れています。井上選手に限らず、日本人選手は潜(くぐ)るボクシングが駄目です。
スタミナ:井上≧アフマダリエフ
 タフと思われるアフマダリエフ選手も井上選手の強打に晒されたら、激しく消耗しそうです。

 なので、期待の大きいアフマダリエフ戦も高度な激闘までいかないんじゃないかと想像しています。取りあえずは、S.バンタム級での最難関と目されていますけどね。
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八拾八    メインPCのWindows10化は諦め(2022/12/11)
 つい先日、Google Chrome がWindows7サポートを終了し、これ以上のアップデートは行わないとアナウンスされました。そこで、思い切ってメインデスクトップのWindows7をWindows10へとアップデートを試みました。すでにノートPCがアップデート済みで、ほとんどのアプリ動作にも問題なしです。

 デスクトップをWindows7のまま据え置いていたのは、ひとえにキャプチャカードの動作を危惧したためです。PCIバス接続で、Windows Vistaまでしかサポートしていません。幸い、Vistaと7にさしたる違いがないので問題なしと予測できました。Windows Vistaは、本来WindowsNT6.0であり、Windows7はNT6.5とでも称すべきOSですから。
 困るのはWindows10へのアップデートです。Windows10はNT8.0でしょうから、かなり隔たっています。はたしてPCIバス使用のカードとアプリが対応できるか難しいところです。

 取りあえず試してみました。動作不可であれば、“回復”で元に戻せますから。
 すでにMicrosoftのサイトにWindows10アップデートファイルはありません。ノートPCアップデート用にと購入していたWindows10Pro フラッシュメモリを使って昨夜のこと試しました。なにごともなくアップデートでき、真っ先にキャプチャしたMPファイルを「mAgicTV」で再生しました。するとですね、数秒間しか再生できないんです。原因不明ながら諦めるしかありません。そもそも、メーカーはWindows Vista までしか動作保証していませんから、文句の言いようもありません。MPファイルではありますが、著作権の関係から「mAgicTV」でしか再生できず、キャプチャカード搭載PCでしか動作しないんです。

 駄目と分かるや、すぐに“回復”でWindows7に戻しました。下手に足掻くと問題を大きくしてしまうんです。ノートPC アップデートの際に貴重な経験というか、痛い目に遭いました。
 Windows10へのアップデート後に上手く動作しないアプリがあった場合、そこから更にWindowsアップデートで更新ファイルを適用すると上手くいくことがあります。私の場合、起動しなかったOffice が更新によって正常動作しました。
 しかし、これは諸刃の剣で、更新を重ねると元のWindows7に回復できなくなります。別件で元に戻す必要があったものの、回復がアクティブにならず困りました。更新ファイルをアンインストールし、アップデート時点に戻ろうと試みたものの、すでに不可能状態でした。最早グチャグチャになり、新規インストールするしか手が残されなかったんです。
 詳細は、九百拾壱   Windows10 アップデート失敗(2019/6/22)に記しています。

 久々の失敗体験でした。その経験あればこそ、今回はなにも手を加えず、すぐにWindows7に戻しました。当然ながら、すんなり元どおりになり、こうして書き込んでいるわけです。

 メインPCはWindows7のままいきます。でないと、録り溜めた動画ライブラリーを観ることができなくなります。Google Chrome がアップデートされないなら、それはそれで構いません。さすがに、Norton が使えなくなったら考えますけどね。
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八拾七    PDFの浸透具合(2022/12/6)
 先月末の「TWCH+」内「企業IT」に興味深い記事がありました。「ビジネスパーソンの6割以上が「PDFは書き換えられない」と誤解 - アドビの調査」です。

 今やPDFはビジネス現場になくてはならないテクノロジーとして重宝されていて、Adobe さんによる有意義な調査です。

 最後の設問も興味深いです。
 PDF化した後でも設定次第では第三者が後から加工・修正できること、および個人情報の漏洩に繋がる危険性についての認識では、全体の64.3%が「知らなかった」と回答した。 同社は、適切な設定をしないことによるセキュリティ・リスクが浮き彫りになったと見ている。

 閲覧はともかく、ビジネス現場で実際にPDF変換を業務で求められているのは一部の人間でしょう。なので、35.7%が理解していたのなら、まずは十分かと思います。

 ちなみに私は前世紀からPDFを活用していた口です。1996年頃だったか、PDFをアプリケーション一般からドキュメントに描き出せるということで、その重要性に気づきました。PostScriptの描画技術で以って、そのままドキュメントファイルをつくり出すものです。Windowsであれば、GDIとWMF(EMF)に相当するものです。ただ、MSは、WMF(EMF)をそのままドキュメントとして活用する方向にはいきませんでした。

 Windows版PostScriptドライバには、「TrueTypeのアウトライン送信」機能があったので、これを利用すれば、あらゆるアプリケーションから体裁を維持したPDFを描き出すことができ、そのPDFをプリントすれば商業印刷まで対応できるようになりました。

 PDFはラスターとベクター両方を包括しているので、ドキュメントに配置したEPS画像をも元画像を呼び出して構成することができました。これによって、Illustratorで作成したファイルをPostScriptプリンタなしに、普通のプリンタで印刷できるようになったのです。
 Windows DTPに取り組んでいた全国の有志たちは狂喜しましたよ。私もその一員で、高額なPostScript機器がない苦しい環境でWindows DTPを指導していたので助かりました。

 加えて1999年頃、Windows版PostScriptドライバに「Type42送信」が搭載され、和文フォントを埋め込めるようになりました。
 その少し前、Windows98に「ICM2.0」がサポートされ、WindowsでもCMSが可能となりました。「ICM2.0」は、NT系ではWindows2000から実装されました。
 もう一点、ほぼ同時期に大日本スクリーンからTrueTypeフォントのヒラギノがリリースされ、Windowsでも商業印刷レベルの本文に耐えられるフォントが手に入りました。これで、WindowsプラットフォームでDTPを妨げる障害がなくなりました。

 ちなみに、上のドライバで「Type42送信」部分が「アウトライン送信」と表記されていて、これって間違いじゃねとAdobeサポートに問い合わせたところ、技術スタッフから電話があり、「仰るとおり、Type42送信です」との回答でした。「じゃあなんでアウトライン送信と表記されてるの」と訊ねると無言で電話を切られました。

 PDFのセキュリティレベルにはいろいろあり、暗号化、閲覧の際のパスワード要求、そして印刷と編集の制限設定などがあります。

 その昔、当方の職場が組織のセキュリテイ管理部門から指導を受けたことがあります。腹立たしかったので、監査にやってきた担当者に嫌味な報告書を提出しました。
 「当方ではPDFでの公開ファイルを改変できないよう、必ず編集不可に設定しています」と。そのセキュリティ部署の公開ファイルが編集可なのを皮肉ったんです。担当者には、その指摘に気づかない風を装ってスルーされました。どっちが指導を受けるべきなんだよと腹立たしかったです。
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八拾六    サッカーは知らん(2022/11/28)
 先週のこと、サッカーWCの予選E組日本が優勝候補の一角とされるドイツに2-1で勝ちました。誰も予想していなかった快挙に日本中が興奮しました。その余韻冷めやらぬ中、昨日のことコスタリカに1-0で敗れました。サッカーのことは、まったく解らないので愚かな敗戦としか映りません。

 勝つにせよ負けるにせよ、日本中を湧き立たせるのですから大したものです。その心は、実のところ羨ましいんです。すべてのスポーツの中で、サッカーが圧倒的な競技人口を誇っているし、歴史の積み重ねはでかいしで、他のスポーツでは太刀打ちできません。

 私としては、ボクシングにもう少しスポットライトが当たればいいのにと悔しくもあります。ボクシングも世界中に競技者がいて、プロ選手も世界中に散らばっています。
 ベースボール、バスケットボール、テニス、ゴルフ、アイスホッケー、アメリカンフットボールなど、賞金とギャラが巨額なスポーツもあるにはあるものの、それらが盛んなのは一部の国であったり、競技者も偏っています。また、道具や設備インフラが要求されるなど、誰もが係るわけにはいきません。
 その点、サッカーは広場とボールさえあればいいし、ボクシングはグローブさえあれば練習できます。まさに貧者のスポーツであり、貧しい国の貧しい子供たちの大勢が表舞台に立っています。

 そのボクシングです。コロナ下で沈滞していたのが、今や平常運転に戻り、刺激的なカードが目白押しです。以下、敬称を略します。

 ヘビー級では、タイソン・フューリー(無敗)vs オレクサンダー・ウシク(無敗)、アンソニー・ジョシュア vs デオンティ・ワイルダーという好カードが検討されています。ビッグマッチだけに利害調整が難しくて簡単でないにしろ、前進しているものと期待しています。

 ライトヘビー級の最終決戦である、アルツール・ペテルビエフ(無敗全KO)vs ドミトリー・ビボル(無敗)も来年には実現しそうです。

 ウェルター級の最終決戦であるテレンス・クロフォード(無敗)vs エロール・スペンス(無敗)が沙汰止みになって残念です。今秋での対戦はご破算になりましたが、来年にはなんとか観たいものです。
 なお、エロール・スペンスに対し、WBC1位キース・サーマンの指名挑戦が課されていて、これも楽しみです。

 今はライト級が激戦区です。強豪が次々に集まってタイトルも変転し、デヴィン・ヘイニー(無敗)が統一王者に収まったところです。次期挑戦者として、今秋に復帰したワシル・ロマチェンコが有力です。それに次ぐ挑戦者も多士済々です。S.フェザー級無敗の強豪シャクール・スティーブンソンがライト級に上がってきました。現在無冠のジャーボンタ・デービス(無敗)とライアン・ガルシア(無敗)の両強豪もビッグマネー狙いで絡んでくるでしょう。また、人間機関車みたいなブルファイトのイサック・クルスも頼もしく、今はライト級が一番刺激的です。

 井上はビッグマッチ枯れになりそうです。来年にはS.バンタム級に上げるにしろ、そこには強豪がいないんです。S.バンタム級最強のスティーブン・フルトンがフェザー級に上がるので肩透かしとなり、ちょっと残念です。それと、高額ファイトマネーを要求するため、好カードが組み辛くなっています。昨年のタイ人相手のカードもギャラがネックになり、ショボイ相手しか用意できなかったとか言われています。

 日本人選手の活躍が楽しみなのはS.フライ級です。フライ級王者の中谷潤人が階級を上げ、11月1日にWBO S.フライ級3位・IBF4位のフランシスコ・ロドリゲスに大差判定勝ちしました。その勝利を受けてWBOは、12月に王座統一戦として行われるWBO王者井岡一翔対WBA王者ジョシュア・フランコの勝者に対し、中谷との指名試合を課しました。井岡が受けるか現時点では不明ですが、文句なしの大一番であります。

 ライトフライ級WBC王者の寺地拳四郎が、中谷と同日にWBA王者の京口紘人を破って統一王者になりました。さらにIBF王座統一戦も望んでいます。やれば、まず勝つでしょう。
 井岡、中谷、寺地、いずれもが世界で強さを認められています。井上だけじゃないんです。

 今年のボクシングシーンも中々のものでしたが、来年は圧倒的に面白くなりそうです。ボクシングファンとしては、サッカーなにそれで、来年は大きく盛り上がること請け合いです。ただし、世間の耳目を集めるのは無理でしょうが。
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八拾五    半導体製造事業の難しさ(2022/11/22)
 先週木曜日のYAHOO! ニュースから
 TSMCが熊本進出 経済効果「4.3兆円」動き出す建設、雇用【WBS】

 先々週のNHK NEWS WEBから
 トヨタ・ソニーなど国内8社出資 先端半導体の国産化へ新会社

 昨年くらいから経済安全保障の一環として、台湾国内に集中している半導体製造能力を有事に備えて分散する必要性をアメリカが認識し、日本を拠点とすることが検討されたそうです。TSMCが熊本に工場を建設するのもその一貫なのでしょう。

 昨年発表されたサムソンによる米国工場建設も、同様の分散化と考えられます。文政権下でレッドチームへの傾斜が顕著だったため、アメリカの意に沿うようサムソンが配慮したとか噂されました。いえ、事実のほどは判りませんけど。
 また、トヨタやNTTら8社出資の新会社設立も半導体不足解消、需要への対応目的だけでなく、底流には経済安全保障の枠組みがあるのでしょう。
 参加企業は、トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、半導体大手のキオクシア、三菱UFJ銀行と錚々たるメンバーです。

 安全保障上の懸念が背景にあるので、必ずしも新事業で儲けようとかはないのかもしれません。半導体不足という危急に対応する目的なら、そこそこの仕様実現で良しとするのかもしれません。記事中、最先端プロセスへの道筋をつけることを目指すとか書かれていますが、そんな甘い話はないでしょう。

 半導体の国内生産でペイできるのは、135円/ドルが最低ラインとか聞いた覚えがあります。あくまで最低ラインです。儲けの大きい最先端チップともなれば、巨大な設備投資と開発投資が継続して求められるので、大きなシェアと利益の確保が必須です。すると135円/ドル当たりではまったく及びません。

 エルピーダが超円高で致命傷を受けた苦い体験があります。仮に、あの超円高がなくても苦しい闘いを強いられたことでしょう。半導体製造の歴史を眺めると、90年代後半からは、もうまったく勝負しようもない状況だったかと思います。

 上の記事のTSMC、共同出資新会社ともに、日本国内で本格的に半導体製造事業を軌道に乗せるには、円高を是正することが重要なポイントなので、昨今の円安をアメリカは是認しているのでしょう。ただ、それでも日本国内の半導体製造が第一線と距離を詰めるなんてことはあり得ないでしょう。二流技術レベルの範囲で、薄い儲けと安い賃金で細々とやっていく程度の絵しか浮かびません。半導体事業の盛衰を長く見てきた者にすれば、悲観的にならざるを得ません。
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八拾四    モニタ再調整(2022/11/13)
 店頭から蛍光灯が一掃され、LED照明しか入手できないので、五拾七    LEDと演色性(2022/5/4)に書いたとおり、自室もLED環境に転換しました。
 上にも書いたとおり、青に問題アリだったのが、継時変化なのでしょうか、青みが強くなりました。LED球が馴染によって性状変化したと考えられます。また、下に書いているように、モニタの性能劣化も考えられます。

 青みが気になって仕方なく、先週のことi1でハードウェアキャリブレーションを行いました。モニタを適正なカラーバランスに調整するには、前提としてコントラストや輝度を適正範囲に収めなければいけません。前回キャリブレーション時にも輝度を高める必要がありましたが、今回はさらに大幅に高めなければいけませんでした。想い返すと、15年前に購入して以降、キャリブレーショのたび輝度を少しずつ上げてきました。今年に入ってからというもの、大幅に高める必要があったのです。

 きっと寿命が近づいているのでしょう。15年モノとあっては仕方ありません。しかし、これに代わるモニタがありません。今は安く手に入りますが、その安さが問題なんです。どうみてもコストダウンの塊りで、本質的な品質面が低下しているとしか思えません。カタログ上では、あれやこれやの新技術を謳って、いかにもよさげながら、いざ使ってみれば失望するしかないでしょう。

 で、キャリブレーションの結果は、予想どおり青の補正がいかにも大きいんです。LED照明の欠点もありましょうが、モニタの劣化が及ぼした影響も考えられます。取りあえずは補正によって十全な表示が得られましたので、当面はこれでいきます。

 しかし、現行モニタも臨終が近いとあって、その後継が悩ましいんです。実は、上手い手がないんです。希望として、ケーブルTV接続用にD端子が欲しいんです。HDMI端子でいいものの、D端子との相性のよさが際立っているんです。ところが、もはやD端子付きモニタなんて手に入りません。10年前でさえ、ほとんど市場から消えていたはずです。それもあって、モニタ交換に気が乗らないんです。

 さいわい退職した身にあっては、精確な色の取り扱いが求められることもありません。カラーバランスを気にしなければ済む話です。細かいことを気にせず、当分はスチャラカ路線でいきます。
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八拾参    第74回 正倉院展(2022/11/5)
 今週半ばに日帰りツアーで「第74回 正倉院展」を観覧しました。



 奈良国立博物館の西新館(右側)には微かに憶えがありましたが、東新館(左側)は初体験でした。25年ほど前に建てられた平成建築だそうです。

 「正倉院展」は戦後すぐに公開され始め、今年で74回目です。所蔵宝物9,000件のうち、毎年60件を公開しているそうです。今年まででほぼ半分をこなした模様で、人間が長生きしても全部を見ることができません。無情なこと。

 千数百年前の文物を厳密に保存しているおかげで、時空を超えて対面することができるんですね。古文書の中には、当時の事業に係る予算書がありました。今でいう決裁文書です。未だ鮮やかな墨書で、当時の官僚たちの息吹が聞こえてきましたよ。

 宝物の大部は1,300年前の文物です。当時にあっては、貴重、珍重ゆえ献納の対象だったのでしょう。それらは、今の我々からすれば粗末な代物なんです。そこからも、時代の隔たりを感じさせられます。

 本展覧会の不満は、照明の暗さです。物品保護の点から仕方ないながら、細かい文様や細工が見えないんです。そういったケースでは、拡大写真を並置して細部を確認できるよう配慮されていました。とはいえ、会場に足を運び、わざわざ現物を鑑賞する意味がないので残念でした。


 その後、薬師寺を見学しました。薬師寺は初訪問で、興味深く観覧させていただきました。
 下図は国宝の「南門」を潜って正面に聳える金堂です。



 他にも、国宝の「東塔」「東院堂」、重要文化財の「若宮社」など、さすが薬師寺は半端ありません。
 仏像も、国宝が「薬師三尊像」「聖観世音菩薩立像」で、重要文化財は数知れずです。
 薬師寺は田舎にあり、鄙びた空気に包まれています。周辺に高いビルが見えるとシラケるところですが、余計なものが視野に入らないんです。おそらく、条例に建物規制があるのでしょう。また、都会の喧騒から隔絶していて、空気も澄んでいます。上の写真からも、田舎の静謐さが伝わるでしょう。

 秋の行楽シーズンとあって、博物館は激混みでした。それが、薬師寺を訪ねたのが夕刻閉館間際だったので、すでに客足も途絶えていました。駐車場に観光バスは当方だけで、マイカーが数台だけという有難い状況でした。

 満足感の高い鑑賞旅行ながら、不愉快な参加者が一名いてウザかったです。33名の参加者、それも高齢者が多いとあって添乗員さんも困っていました。それを、上から目線で叱る高齢男性がいたんですよ。きっと、現役時代に部下を一方的に罵倒してたんじゃないかな。お願いするスタイルでもの言えばいいのに、見苦しくも勘違いしてるんですね。ああいう老人にはなりたくないです。
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八拾弐    辺野古茫漠、嘉手納無常(2022/10/29) 
 一昨日の時事通信の記事です。
 嘉手納の米空軍飛行隊「巡回駐留」へ 対中国にらみ懸念の声 英紙報道
 米空軍が嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に常駐するF15戦闘機の飛行隊を「巡回駐留」方式の部隊に置き換える方針だと報じた。
 アラスカ州からステルス戦闘機F22を6カ月の期間で同基地に送り込む予定だという。


 上の記事には書かれていませんが、米空軍は嘉手納に配備されているF15を1年後に退役させる方針だそうです。配備中のF15は、2飛行隊の48機と予備6機の合計54機で、すでに削減されてのこの数字です。

 ここで、誰であっても怒りが湧くでしょう。一体なんのための辺野古基地建設なのかと。私も過去に辺野古移転がいかに不合理であるか書き連ねてきました。13年前に書いた 四百弐拾八  日米関係再構築に期待(2009/10/24)と 四百参拾壱  嘉手納統合は日米関係の新時代(2009/11/14) が嚆矢で、以後は折に触れ問題点を記してきました。

 今回の米軍の決定を受け、嘉手納統合こそが唯一の解であったと証明されました。自分の主張が正しかったと証されても嬉しくありません。ここまで普天間移設を遅らせ、辺野古という底なし沼に天井知らずの税金を突っ込み、本命とすべきであった嘉手納はガラガラなんです。
 もう、腹が立つのを通り越して、乾いた笑いしか出ません。なにせ、軍事知識など不要で、普通の合理的思考を重ねれば、嘉手納統合しか正解はなかったのですから。ネトウヨ始め、軍事通の方々の主張がいかにピント外れであったか、莫大な税金の無駄遣いと沖縄の混乱を代償にして、やっと理解され始めたところでしょうか。

 アメリカ議会の重鎮たちで、外交軍事のスペシャリストたちさえ嘉手納統合こそが解であると声を上げてくれました。であるのに、日本側の利権を貪る勢力が真っ当な意見を潰したのです。その詳細については、過去に繰り返し記しています。

 四百四拾壱  名護市長選の行方(2010/1/24)
 四百五拾弐  首相の腹案は屑(2010/4/4)
 四百六拾弐  鳩山退陣(2010/6/12)
 五百九    在日米軍と原発の共通点(2011/5/7)
 五百拾    嘉手納統合への端緒(2011/5/13)
 五百拾六   “普天間問題”絶望的な日本の対応(2011/6/19)
 五百四拾参  議会の圧力による米軍再編(2012/1/8)
 五百四拾五  しつこく嘉手納統合を(2012/1/22)
 五百四拾七  新しい日米合意(2012/2/4)
 五百四拾八  最近の世相(2012/2/18)
 五百五拾八  在日米軍再編見直しの中間報告(2012/4/28)
 五百九拾弐  辺野古茫洋(2013/1/13)
 五百九拾九  辺野古移設のまやかし(2013/3/10)
 六百     ろくでもない話と嬉しい話(2013/3/24)
 六百弐    在沖海兵隊の嘘(2013/4/6)
 六百参拾六  辺野古承認(2014/1/1)
 六百六拾四  海兵隊の一体的運用の嘘(2014/7/27)
 六百七拾六  普天間閉鎖の嘘(2014/10/19)
 七百四拾四  最近の世相(2016/2/28)
 四拾参    辺野古亡国(2022/1/25)

 よくも書いたものです。この件については、本当にフラストレーションが溜まりました。鬱憤晴らしも兼ね、問いかけずにはいられませんでした。我ながら、しつこさに感心してもいます。

 嘉手納という恵まれた空港があり、空軍は半ば撤退しようとしているのです。でありながら、滑走路が短くて手狭な辺野古基地を建設するのは、昭和の大和再びです。そんな暴挙を正当化できるはずもないのにね。しかも、上の♯43に書いたように辺野古は地盤が弱く、完成させる目途も立たないし、取りあえず完成させても沈下を続けるのが確定的なのです。

 あまりに馬鹿げているんです。「辺野古移転が普天間問題の唯一の解である」とした政府見解があからさまな嘘でしたからね。詳細は上の中で嫌というほど書いています。
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八拾壱    運転技能の低下か(2022/10/16)
 iPhone の電池消耗度がさらに向上しました。OS アップデート前に均して-13%/日が、アップデート後に日を措いて-18%/日、省エネ設定の徹底、アプリ多数削除で、-15%/日に持ち直しました。この状態で最適化が進んだのでしょうか、先週に入ってから当初の-13%/日レベルに回帰しています。
 やはりアプリを多数削除したことによって、稼働プロセスが減ったものと考えられます。iPhone 6s を最新の15.6.1 までアップデートしながら、10.3.x と同等の電池消耗で動かしているなんて、まず誰も信じてくれんでしょう。一種のオタクというか変態ですものね。

 先週13日、静岡県で観光バスが横転し、ツアー参加者の女性1人が死亡、35人が重軽傷を負いました。事故原因というのが、ブレーキが利かなくなったためで、数年前に軽井沢で転落したスキーバスと同じ状況、同じ理由によるものでした。

 ギア破損を避けるため、シフトダウン時に回転合わせが求められます。大型バスでは回転数に大きな齟齬があると、ミッション保護のためにギアが入らなくなります。素早いダブルクラッチを踏むのが理想ながら、そこまでいかなくても回転合わせができていればよいのでしょう。あるいは排気ブレーキも有効に使用すべきです。

 しかしながら、若い方だとATに乗り慣れていて、回転合わせが苦手と想像します。軽井沢の転落事故は、年配の方ながら不慣れなバスだったそうで、エンジンやミッションの癖と特性に慣れていなかったのでしょうか。あのドライバーはブレーキが利かない状況下、重畳するヘアピンカーブをこれ以上はないコース取りでコントロールしていました。ですから、むしろ運転が上手いと見えました。

 私はボケ防止のため未だMTに乗っていて、むしろ回転合わせを楽しんでいます。シフトダウン時に回転数をピンポイントで合わせて繋げるのを無意識のうちにやっています。
 AT車に乗る際も、積極的にシフトを操作しています。下り坂では、ブレーキもアクセルも踏まず、N⇔D⇔2 を行き来して定速を維持しながら省エネ運転を心がけています。なので、フェードなんて無縁です。

 若い方でも大型二種を取得するなら、それなりに指導を受けているはずです。多分、車種それぞれの特性や癖に慣れるための練習を行っていないのでしょう。これは会社側の問題ですね。自社ドライバーを手間暇かけて育成しようとか、スキルアップさせる気がないのでしょう。ドラーバーだけを責めるのでなく、社長や幹部の責任を問うべきです。


 同じく先週のニュースです。YAHOO! ニュースから引用します。
 450万円「シビックタイプR」納車直前に全損事故! 保険会社は「約180万円」提示なぜ? 問われる保険対応の今後とは
 この事故動画の冒頭部分がそれです。
 動画を見ると、このシビック運転者も駄目運転です。右から進入する車にまったく対応していません。信号違反といえ、交差点に進入してくる眼の前の車を無視できるはずもありません。進入を認めたら、瞬時に急制動ですよ。同時にクラクションで警告すべきです。動画からは、急制動を掛けるタイミングが遅いというか、進入車を把握しながら、そのまま普通に走っています。また、フルブレーキングというには甘いブレーキングです。急減速もノーズダイブの様子もありません。
 こんな運転をしていたら、路地裏などで飛出しに対処できませんよ。まして、納車前の車を預かっている自覚さえ怪しいです。

 事故で大破したシビックタイプRは平成19年式の中古車ですが、現在は価格が高騰しており車体価格だけで約400万円しますが、なぜ保険会社は180万円という提示をしたのでしょうか。

 ディーラーさんは保険会社の査定に納得がいかず、訴訟するそうです。これは是非にも裁判で争っていただきたいです。昔から保険補償の問題点でしたから。古い車は償却残存価格が安く、修理費にまったく届かないケースがあります。まして、相場実態が高額な車種だと、釣り合わなさに納得がいかないでしょう。

 私のソアラがまさにそれです。仮に、こちらの過失が皆無でも、保険補償が雀の涙とあって修理もできません。メンテをお願いしている整備工場さんには煩く言われてます。「車輛保険を掛けないと、いざというとき、こちらが悪くなくても修理費が賄えませんよ」と。そういうケースで、保険補償を超える負担分を加害者に求めても、加害者側が応じなくて揉めることが多いんですね。

 解ってはいますが、車輛保険の掛け金が高いので、昔からずっとパスしています。なので、事故らないよう心がけるばかりです。
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