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六百弐拾   オスプレイだめぼ(2013/8/31)
六百拾九   村田諒太選手プロデビュー(2013/8/25)
六百拾八   『超時空要塞マクロス』一挙放映(2013/8/17)
六百拾七   『いずも』礼賛にうんざり(2013/8/11)
六百拾六   『プロメテウス』なんなの、これ(2013/8/4)
六百拾五   金属対決高専編(2013/7/28)
六百拾四   デトロイト市破産(2013/7/21)
六百拾参   中国バブルはや崩壊(2013/7/15)
六百拾弐   尖閣に絡めてやり放題(2013/7/7)
六百拾壱   防衛省は弾道弾の嘘が好き(2013/6/30)
六百拾    石原慎太郎氏の終焉(2013/6/23)
六百九    奇想映画二題(2013/6/8)
六百八    橋本市長の正面突破路線(2013/6/1)
六百七    橋下市長吼える(2013/5/25)
六百六    橋下市長vs米国務省(2013/5/18)
六百五    『時のみぞ知る』アーチャー健在(2013/5/6)
六百四    サッチャー逝去(2013/4/27)
六百参    軽量級最強決戦(2013/4/14)
六百弐    在沖海兵隊の嘘(2013/4/6)
六百壱    パソコン起動せず(2013/4/6)




六百弐拾   オスプレイだめぼ(2013/8/31)
琉球新報によると

米ネバダ州でのオスプレイ事故「墜落」が濃厚に(2013年8月30日)

 【ワシントン29日=島袋良太本紙特派員】米西部ネバダ州で現地時間の26日(日本時間27日)に、米軍普天間飛行場配備機と同型の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗した事故について、事故機が所属する米ミラマー基地は29日、琉球新報社の取材に対し、事故機から乗員が脱出した後に機体が炎上したと明らかにした。炎上を招くほどの強い衝撃が機体に加わっており、事実上の墜落事故だったとみられる。米軍は着陸失敗について「ハードランディング(危険な状態での着陸)だ」と説明している。

 陸自がオスプレイを導入しても、運用に困りそうな雰囲気になってきました。
 オスプレイの長所は、ヘリのように滑走路なしで運用できることでしょう。で、そのヘリに比べて、速度が速いとか航続距離が長いとか謳っています。輸送機としては、むしろ航続距離が短いんですけどね。

 肝心のヘリとしての機能を問うなら、緊急着陸ができないのは致命的でしょう。米軍は治外法権の存在ですから、無理編でも運用しきるでしょう。仮に世論の突き上げが厳しくとも、最終的には日本猿の言うことなんか相手にしないって態度に出ることと思います。
 しかし、自衛隊はそうはいきません。あくまで日本の航空機運用に則った扱いが求められるでしょう。日本の飛行場はいずこも住宅密集地を抜けなきゃならんでしょう。緊急着陸が利かないヘリの運用が認められるものでしょうか。私ゃ、航空法やら運用基準やらを知りませんので確たることは言えませんけど、難しい話じゃないですかね。

 陸自さんにはよ〜く検討していただきたいです。そもそもオスプレイは中途半端な輸送機です。搭載量が少なく、カーゴスペースも狭く、航続距離も短いのに、ずい分と高価な機体です。
 陸自は米軍みたく強襲目的での使用は無理でしょう。強襲するには低空ヘリモードでの高速飛行訓練が必須ですが、陸自が訓練を実施するのは難しいと思います。米軍でさえ、米国内での実施が難しいものだから、日本の空域を利用しているわけですから。で、米軍がやってるから、自衛隊もやれるってもんじゃないでしょう。上で書いたように、米軍は治外法権の存在ですからね。

 離島防衛を唱えれば、なんでも好き勝手放題っていう風潮は勘弁してほしいです。制海権、制空権を抑えた上で、輸送船で運べばいいじゃないですか。あるいは『いずも』や『ひゅうが』を活用して、ヘリ輸送すればいいじゃないですか。なんでオスプレイで以って強襲しなきゃならんのか。ちっとも理解できません。
 あればあったで有用というのは理解できますが、税金がかかる話なのですから、費用対効果をきっちり評価していただきたいです。その際に、「『在日米軍・海兵隊の意義及び役割』に関する沖縄県知事からの再質問に対する回答」みたく、痴呆じみた作文での理由づけは勘弁してくださいな。
 必要なのは、嘘やごまかしでない事実関係の評価検討です。
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六百拾九   村田諒太選手プロデビュー(2013/8/25)
 本日、有明コロシアムで注目の試合が行われました。ロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太氏が東洋太平洋王者の柴田明雄に挑んだ一戦です。
 いくら金メダリストといっても、いきなり東洋王者と戦うなんて無謀です。残念ながら、日本は重量級が手薄であるためこのようなマッチメイクになってしまいます。アメリカであれば、重量級の人材が豊富ですから、ステップを踏んだ養成が可能です。

 村田選手は海外試合について、ボブ・アラム氏と契約しています。本日はアラム氏もリングサイドで観戦していました。ずいぶん喜んでいましたね。今後の海外展開を胸算用しているのではないでしょうか。

 試合結果は村田選手の2RTKO勝ちで、一方的なものでした。完全なミスマッチですね。対戦相手がいないものですから仕方ないですけど。
 柴田選手はまったくパンチがありませんでした。ジャブは押す程度、ストレートも突き出す程度、フックはふんわりと撫でるみたいなパンチ、もう見てて可哀想になりました。勝つべき武器がなにもないのですから。しかも防御がお粗末で、相手のパンチをくぐる動作が身についていません。これじゃ、どうしようもありません。

 さてさて今後の世界戦ロードはいかがなものでしょうか。対戦相手を海外に求めるしかないでしょう。できうるなら、アメリカで試合を行うのが正解でしょう。ボブ・アラム氏ならマッチメイクも可能でしょうし、アメリカで名前を売るのが手っ取り早いものです。

 村田選手が挑む相手としては、WBAゲンナジー・ゴロフキン選手とWBCセルヒオ・マルチネス選手が本命です。この両者が現在のミドル級の代名詞であり、目指すべき王者です。
 現状では、いずれもとても勝てる相手ではありません。しかし、チャレンジしていただきたいです。村田選手自身がゴロフキン選手を常に意識しており、本人の中できっちり目標としていることでしょう。村田選手にも勝ちの可能性はあります。ボディへの攻撃をもっとスピーディーなコンビネーションで撃つことができれば道は開けることでしょう。そのためには、腕を磨くとともに経験を積み重ねばなりません。そこでボブ・アラム氏です。彼が村田選手を高みに導く気があるなら、適切な対戦相手を選んでくれるでしょう。

 もし、村田選手がゴロフキン選手と戦う状況になったら、私ゃ狂喜乱舞です。いつかその日が来ることを楽しみにしています。
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六百拾八   『超時空要塞マクロス』一挙放映(2013/8/17)
 今夏のWOWOWのお楽しみメニューは、あのオリジナル・マクロスの集中放映です。1話から27話までの対ゼントラーデ戦争を一挙放映です。28話から36話までの“その後”は9月に入ってからです。

 フルHDリマスターとあって、もう堪りませんわ。32年前に夢中になった映像が、時を越えて再現されています。否応もなく当時を思い返し、懐かしくて胸が切なくなります。

 時代を彩ったアニメといえば、70年代は『宇宙戦艦ヤマト』、80年代初頭を飾る『機動戦士ガンダム』、そしてこの『超時空要塞マクロス』です。90年代には『新世紀エヴァンゲリオン』が一世を風靡したそうですね。私ゃ、よく知りませんけど。
 いずれもそれまでにない奇想というか、新鮮なアイデアが光っています。なかでもマクロスは見所がたっぷりでした。
 ・ゼントラーデ軍と監察軍とが、全宇宙を舞台に永く戦争を継続している。
 ・彼らは10数mに及ぶ巨人である。
 ・監察軍の戦闘艦を地球人がリサイクルした。
 ・彼らの先祖は、地球人を始めとしたプロトカルチャーである。
 ・彼らは戦闘に特化して進化しており、男と女が別空間で生きている。
 ・マクロス内に民間人数万人を抱え、市民生活を同時進行で営んでいる。
 ・一少女が芸能界入りしてアイドルとして成長する。
 ・その過程で曲を発表し、これが『マクロス』そのものの劇中歌として機能している。
 ・しかも、その歌が物語の重要なキーポイントの役割を果たす。
 ・アイドルの声を担当したのは、当時無名の新人の飯島真里で、劇中のアイドル名で実際にアルバムを数枚発売した。
 ・劇中で映画も撮った。ちなみにタイトルは『小白龍』で、カンフー映画です。映画の主題歌も発表された。

 下図は封切時のひとコマです。アイドルのラブシーンですね。
(C)タツノコプロ


 私の一番好きなシーンは、天才パイロットマックスとゼントラーデ軍ゴルグ・ボトルザ靡下のエース・パイロットであるミリア(女性)との空中戦です。マックスに敗れたミリアは、マクロスに潜入して再戦を挑みます。それが下図の対戦型ゲームで、今日では珍しくもありません。しかし、32年前に3Dゲームを映像化したのは立派です。大したアイデアマンがいたものです。


 ミリアはここでも負け、最後に白兵戦を挑んでやはり負けます。そして二人は結婚するというお手軽ストーリです。


 この結婚がゼントラーデ軍の危機感を誘い、地球殲滅へと至ります。最終決戦が第27話「愛は流れる」で、圧倒的なハルマゲドンを描いています。下図のとおりボドルザ軍本体400万隻が地球を覆い、地表を焼き尽くしました。右の方の青く巨大な物体がボドル司令基地です。


 ところで、『マクロス』はここで終わっておけばよかったものを、その後も9話を重ねました。そして、これがまあしょうもない後日談となっていて、ファンを悲しませたものです。
 後日談は9月に放映されます。救いは、その際に映画版も放映されるのです。映画はこれまでにも何度かTV放送されたものの、今回はフルHDでっせ。空前絶後、執念の描き込みを高画質で堪能できます。私は今から待ちきれません。
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六百拾七   『いずも』礼賛にうんざ(2013/8/11)
 先週のこと、新型ヘリ空母(DDH22)が進水しました。艦名は『いずも』と命名されました。マスコミ報道には、なんだかはしゃいだ印象が感じられます。私は少々納得がいきません。偏向マスコミには、こういうときこそ張り切っていただきたいです。

 ヘリ空母に注目 (2007/7/29)に書いたDDH16は、『いせ』『ひゅうが』の2艦が就役しています。一昨年から2艦体制となって以来間がなく、慣熟期間中であるのに、なんで拡大版が建造されなきゃならんのでしょうか。DDH16建造の際、2隻以上の整備が予定されていましたから、予定どおりの運びではあるのでしょう。

 しかし、大幅な要目変更が納得できません。DDH16では不十分な点があるということでしょうか。あるいは余計な機能を持たせたということでしょうか。いずれにしても大幅な変更を要したのは、前型の要目が不適切であったということでしょう。その反省もなく、防衛省のペーパーを垂れ流すだけのマスコミにうんざりです。

 『ひゅうが』型は基準排水量:約14,000t、全長:197m、『いずも』型は約19.500t、248mと大幅な船型拡大となっています。中身にしても、対空、対潜兵装が簡略化されています。一方で、積載能力や医療区画、ヘリ運用能力は圧倒的に強化されました。

 ちなみに、このサイズは完全に『翔鶴』級に匹敵しています。排水量から『飛龍』級や『ヨークタウン』級を挙げる方がいますが、まぎれもなく『翔鶴』級です。『翔鶴』に比べ、缶や主機の重量が軽く、また装甲を略しているため必然的に排水量が少なくなります。数量で見るのでなく、そのような実質で比較すべきです。

 さてさて、『いずも』型に求められる要目に変更が加えられるべき外的要因があるのでしょうか。いえいえ、なんにもありゃしません。あるとすれば、海自のマスターベーション的作文の世界の中だけです。
 本来であれば、『いずも』型の要目変更について、前型の不備を厳しく追求すべきです。そして、税金を無駄な建艦に費やしたことに対する責任を問うてしかるべきです。

 ちまちました要目変更は、旧海軍の悪弊です。前大戦時の反省がちっとも生かされていません。用兵側のマスターベーションで艦船をいじってほしくないです。こんな悪しき旧弊、悪しき伝統を断ち切れないのが残念です。
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六百拾六   『プロメテウス』なんなの、これ(2013/8/4)
 リドリー・スコット監督の『プロメテウス』を今頃になって観ました。昨日、WOWOWで夏特集として放映されたものです。

 上映時には、散々TVスポットが流されたのでタイトルくらいは誰でもご存知でしょう。TVスポットでは“人類の起源の謎に迫る”とかのキャッチでした。ところが、全然違っていました。
 レンタルもパスしていたのは正解でした。とにかく、がっかり感が半端でない映画ですから。

 『プロメテウス』の内容は意表を衝かれるものでした。エイリアン・シリーズの原初編としての一本なのでしょう。ただし、リプリー編や対プレデター編に比べたらカスもいいとこです。宇宙船内セットの製作に凝っている点では、シリーズらしさ満点です。ところが、人物造形や組織運営、探索動機あたりが無茶苦茶なのです。

 人類の起源に迫るプロジェクトは一私企業によるもので、数十兆円規模の巨額資金を投入したそうです。普通であれば、参加科学者の選定、教育、調査手法の作成などに時間をかけた緻密な準備が為されることでしょう。
 ところが、科学者たちにはなんの訓練も為されていません。また、調査手法に関するマニュアルもなく、意思統一も為されていません。行き当たりばったりで、各人が適当な動きをします。
 更には科学者たちを束ねる命令系統が存在していません。一応、現場では女性生物学者が仕切っている風でしたが、他者が命令に服していませんでした。また、全体事業の統括者がいるものの、命令が実行されません。そもそも、命令を受けた際の了解の手続きさえなく、無視さえしていました。

 取得サンプルに対する外形調査がおざなりで、いきなり刺激注入実験にかかるというままごとみたいな科学調査。
 気味が悪いという理由で現場を離れて帰ろうとするチキン科学者。あんたはなんのために参加してるの、と突っ込みたくなります。地質分析の絶好の材料が目の前にあるのに、帰ろうとする地質学者なんてありえないでしょう。おまけに、それほどのチキンでありながら、正体不明の生物が威嚇しているのに手を差し伸べるという不自然な振る舞い。その結果、二人が死んじゃいました。もう、訳わかめ。

 プロジェクトの動機が終盤に明かされます。社長の個人的不死願望で以って、こんなプロジェクトが実施されますかね。あからさまな私物化なんだから、役員会で事前に拒否されるでしょうし、強行すれば解任案件でしょう。この会社のガバナンスはどうなっているの。

 事業を統括している女性が、実は会社の任命によるものではありませんでした。社長が「おまえが、どうしてここにいるんだ」って訊ねていましたから。こんな意味不明な人事配置、現実にはありえないでしょう。

 最大の謎というか、なんじゃこりゃは、ロボット君の意味不明な行動です。一体何がやりたかったのでしょうか。ロボット君はすべてを知っていました。宇宙人が造った基地も、宇宙人が造った守護ロボットのことも、宇宙人が造った宇宙船のことも、操縦法までもです。それなのに、クルーを殺し、忠誠を誓っている社長まで殺すはめになり、あげくに守護ロボットに壊されたりで、まったく理解できませんでした。
 エイリアン・シリーズ2作目に登場したビショップ風のキャラを出演させたかっただけなのかなあ。で、背景説明もなく、韜晦した台詞を喋らせて勿体ぶっただけで終わっています。

 武器を携行した保安部員が役立たずなのはお約束なのでしょう。こういうのにケチをつけちゃ駄目なのね。

 開腹手術直後の女性科学者を、無理やり徒歩で探査に同行させました。この映画を観た世界中の方が、ありえないだろうと突っ込んだことでしょう。

 とにかくいらつかされました。人物造形が出鱈目で、台詞まわしがサークル活動みたいなノリなので、重要任務を課された緊張感のかけらも伝わってきませんでした。途中で嫌気が差していたのですが、文句を言うには全部見なきゃと我慢しました。そして、こうして書き込んでいます。
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六百拾五   金属対決高専編(2013/7/28)
 私が楽しみにしているTV番組の「ほこ×たて」で最もエキサイティングなテーマは金属対決です。先週のこと、金属vsドリルの高専編が放映されました。

 かなり前から予告されていて、非常に楽しみにしていたものの結果はあっけなかったです。心配していたとおりの展開でした。高専の設備やノウハウだと、ドリル製造は可能でしょう。しかし、金属プレート作製は無理ですよ。まして、セラミック焼成物の製造成型なんて、高専には手の届かない話です。

 ドリル側はダイヤモンド砥粒を提案してきました。もちろん高専に製造は不可能です。結局、企業さんに製造を委託しましたね。これって反則でしょう。だったら金属プレート側も企業に製造を依頼しなきゃ不公平というものです。
 金属側が製造したのはありきたりの金属板でしたから、あっさり穴が空きました。あれじゃあ高専対決でなく、製造を委託された企業対決じゃないですか。

 思うに、金属側の指導教官がセラミックスに気づいていなかったのではないでしょうか。知っていれば、セラミックス以外の選択はなかったはずですから。

 しかし、ダイヤモンド砥粒の威力は凄いものです。ほとんど摩滅もなく、綺麗に貫通させていました。ということは、そのダイヤモンドを潰しきるセラミックス焼成物の硬さに感心するばかりです。

 セラミックスに敗れ続けているOSGや不二越さんもついに再始動始めるみたいです。今夜の予告編において、新しい展開を予感させるナレーションが流れていました。
 ひょっとすると、OSGと不二越が協同するのでしょうか。そんな雰囲気が漂っていました。個人的には、その前に日立工具にもチャレンジしていただきたかったです。今後の展開を見守りたいと思います。
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六百拾四   デトロイト市破産(2013/7/21)
 デトロイト市は連邦破産法9条の適用を申請し、地方自治体の財政破綻としては過去最大だそうです。長期的な債務総額は200億ドル近いとかで、まるで小国の国家破綻を見ているようです。
 1950年には200万人近かった人口が、現在は70万人とか報じられています。自動者産業の王都として隆盛を極めていたのが、まるで地獄絵図を見るかのようです。

 自由主義経済ですから仕方ないとはいえ、少し心が痛みます。デトロイトを痛めつけたのは、まぎれもなく日本でしょう。戦後、日本の輸出攻勢でアメリカの鉄鋼業が壊滅し、造船業も壊滅し、家電業も壊滅し、そして自動車製造業に致命傷を与え続けました。
 80年代には、アメリカ国民のナショナリズムを刺激したものです。日本車の打毀しデモンストレーションには心が痛みました。日米首脳会談にビッグ3のCEOがついてきて、アメリカ車購入を義務づけしようとトップセールを演出したのも記憶に新しいです。結局、日米摩擦と円高への対処から、日本メーカがアメリカに生産拠点を進出させて一段落となりました。これが止めを刺したといっていいでしょう。日本車といいながら、アメリカ人が製造し、アメリカ人が販売しているのですから、文句の言いようがありません。

 で、プラザ合意以来、日本にも似たような状況があります。輸出産業が数多廃業、あるいは生産拠点を海外に求め、空洞化は止まっていません。
 円高・円安の長短について、専門家が長く議論しています。結論としては、“行ってこい”の関係にあるかと思います。しかし、円高は国内の雇用喪失を招きますから、輸入財の割高に文句を言いながらも、円安に甘んじるのが正解でしょう。

 今回、デトロイトの廃墟の映像をを見ながら、つくづく実感しました。日本が生気を保つには、円安とはいいませんが、適正な為替レート維持が必須ではないでしょうか。
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六百拾参   中国バブルはや崩壊(2013/7/15)
 中国が海洋覇権構想を唱え、海軍近代化と拡張に邁進し始めてはや数年、その成果は確実に上がっています。しかし、怯える必要はないかと思います。
 私には、今の中国はかつてソ連が辿った路線をなぞっているやに見えます。かつて、帝政ロシアは3艦隊を整備して国富を傾けました。また、共産ソ連もまた外洋艦隊整備に乗り出したものの、結局破綻して中途半端に終わりました。本格的な艦隊整備というのは、それほど金食い虫なのです。果たして中国に支えられるものでしょうか。

 中国のバブルはもう少し続くと想像していたのが、意外に早く収束しそうですね。内乱騒擾が年間20万件でしたっけ。武警維持の負担の巨額さは、旧ソ連にさえなかったものですし、現在進捗中の軍備近代化もまた、旧ソ連でさえ経験しなかったほど急峻な負担です。こんなのが破綻しないわけがありません。

 世界の工場として、これまで世界中からかき集めた富も、結局国を富ましめることなく、むしろ将来への負債としただけです。高層ビル群、高速鉄道、マンション群、空港施設、いずれも有効なインフラとして成立していません。この点に関しては、日本も偉そうなことを言えません。未だに新幹線を新規整備しようなんて、不届きな案が蠢動していますし、空港を全国に整備しながらも、ちっとも機能していません。
 ただ、中国の場合は規模が巨大なのと無計画さが斜め上過ぎます。

 一方で、大気汚染、河川汚染、海洋汚染、土壌汚染、上水不足、農業用水不足、工業用水不足のいずれも解決の目処さえ立っていません。日本の昭和40年代、台湾の50年代にも同様の公害問題が起きました。環境の浄化には、長い年月と巨額の投資、法整備、公機関による法執行、国民の遵法などのハードルが立ち塞がっています。果たして中国に克服できるものでしょうか。

 このような課題山積の中、軍拡なんぞ続けられるわけがありません。中国海軍近代化の最大の課題とされている空母機動部隊建設は実現するのか。私は無理があると考えています。本格的な空母機動部隊の建設には、空母本体にあわせて、艦載戦闘機、哨戒機、警戒機も整備しなければいけません。また、空母護衛用のイージス艦も必要となります。
 ちょっとハードルが高すぎます。そこまでの機動部隊建設を進めるとなると、どれほど予算を投入しなければならないのか。もしやれば、予算偏重故の内部対立を必ずや惹起しますよ。かつて共産ソ連においても、空母建造の最大の障害は陸軍だったわけですから。
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六百拾弐   尖閣に絡めてやり放題(2013/7/7)
 先週の弾道弾配備に続いて、今度はイージズ艦2隻の追加配備を言い出しましたぜ。想像ですが、防衛省内部では、この時期を逃さずいろいろな要求を通そうろの思惑があるのでしょう。中国の脅威、特に尖閣が象徴ともなっています。加えて北のミサイルがいい味を出しています。防衛省にしてみれば、千載一遇のチャンスなのでしょう。

 先週の弾道弾の件でも、“相互確証破壊”からの説明は為されていません。相手のどの弾道弾に見合った均衡なのかが重要なポイントなのです。その肝心の点をスルーして、尖閣に絡めればよしとしています。

 オスプレイ配備要求も同列です。もう何度も書きましたが、日本の国防にオスプレイなんて関係ありません。 日本国土は狭いうえ、全国津々浦々まで道路網と鉄道網が整備されています。さらに飛行場と港湾も地方あまねく整備されています。これでオスプレイみたく中途半端な輸送機を導入する価値ってありますかね。今後、新型の輸送機も調達するわけで、そのうえオスプレイとか、一体なにがやりたいのでしょうか。
 そこで、尖閣を暗に示しながらの離島奪還とかの話に持っていっているのでしょう。この件については、その不合理性を何度も指摘しているので略します。

 そして、今回のイージズ艦増備です。もう勘弁していただきたいです。そもそも私は、SM3の実効性を信じていません。はたしてノドンにさえ有効であるか疑問です。
 こういった正面装備より、海保の艦艇を増やす方が喫緊じゃないですかね。海保の職員数も増やすそうでが、こんな高価な艦を買う金があるなら、海保のドラステックな拡大も可能でしょう。その点、アメリカは沿海域戦闘艦フリーダムを就役させました。小型、高速、浅海域での活動が可能な新しいコンセプト艦です。尖閣をいうなら、海保にこのようなコンセプト艦を配備してあげるべきです。


 中国の海洋覇権構想は、はや破綻したと見るべきじゃないでしょうか。意外に早かったとの感想です。この点に関する考察はじっくり行わなければならないので、次回にやります。
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六百拾壱   防衛省は弾道弾の嘘が好き(2013/6/30)
 6月26日(水)の産経ニュースから引用します。

 陸自に短距離弾道弾 沖縄配備で尖閣防衛 防衛大綱盛り込みへ

 防衛省が短距離弾道ミサイルの開発の検討に入ったことが25日、分かった。射程は400〜500キロを想定し、沖縄本島に配備することで中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)など東シナ海の離島侵攻への抑止力強化を目指す。7月にまとめる防衛力整備の基本方針「防衛計画の大綱」改定案中間報告に明記、平成26年度予算案概算要求に調査研究費を計上したい考え。

 実現すれば陸海空3自衛隊が保有する初の弾道ミサイルとなる。運用は陸上自衛隊が行う方向だ。

 16年の防衛大綱改定の際も、防衛省は長射程ミサイルの技術研究開始を検討した。だが、公明党が敵基地攻撃能力保有と専守防衛逸脱の恐れがあるとして反対したため見送った。

 今回は射程を限定することで敵基地攻撃能力に直結しないと明確化。配備場所も沖縄本島と明示し、九州に配備すれば射程内に入る韓国の反発にも配慮する。

 防衛省は16年以降、長射程ミサイルについて陸自の多連装ロケットシステムの能力向上を水面下で検討した。発射台を換え、米軍のミサイルATACMSを発射可能にする案だが、ATACMSの射程は300キロで、沖縄本島から400キロ以上の尖閣には届かない。

 このため弾道ミサイル開発の検討に入ったが、低い高度を水平飛行する巡航ミサイルの長射程化ではなく、放物線を描き高速落下する弾道ミサイルを採用するのは「即応性」に優れているため。弾道ミサイルは射程500キロ以内では飛行時間は5分程度で、巡航ミサイルは低速のため同距離だと数十分かかるという。

 運用方法は、特殊部隊を乗せた中国艦艇が尖閣に接近すれば近隣海域に弾道ミサイルを着弾させ不法上陸を遅らせる。不法占拠された場合でも、増援艦艇の展開を防ぎ、陸自部隊の迅速な奪還作戦を支援する。


 この記事内容、まさか産経記者の妄想じゃないでしょう。そこはやはり防衛省関係者からの説明があったのでしょう。弾道弾を艦艇接近の牽制に使うなんて、ふざけた説明です。防衛省は本当に国民を舐めていますね。もうちっと、気の利いた理由づけをすればいいのに。

 弾道弾を配備する理由は、“相互確証破壊”しかないでしょう。軍事大国ならいざ知らず、日本のような軍事未分化国家が弾道弾を導入するには、厳しく配備理由が問われます。防衛省はその重要な点を“尖閣”で誤魔化そうとしています。
 日本に弾道弾を配備する理由といえば、韓国が弾道弾の射程延伸を決定したことしか思い当りません。国際ニュースをウォッチしていれば、誰でもそう思うでしょう。でありながら、防衛省は正しい説明を避け、わざとらしく尖閣問題にすり替えようとしているのです。

 大体やねえ、自国領土や自国領海に弾道弾を打ち込むなんて正気じゃありません。こんな理由づけを指示された防衛省の担当者も頭を抱えたことでしょう。その点には同情します。でもねえ、責任は免れません。担当者も自身を守るためには、こんな馬鹿げた指示には反論すべきですよ。そういった自浄作用がはたらかない組織ってのが防衛省の防衛省たる所以なのでしょう。

 洋上の艦船に弾道弾を命中させるのは不可能事です。まず、正確な位置を特定できません。遊弋していれば位置が変わりますしね。そのうえ、弾道弾の命中精度はピンポイントを期待できません。
 相互確証破壊から外れている点といい、洋上の艦艇を狙う点といい、防衛省の説明は国民を馬鹿にしています。
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六百拾    石原慎太郎氏の終焉(2013/6/23)
 維新の会代表の石原慎太郎氏が同代表の橋下氏と揉めています。先日来の橋下氏の慰安婦発言やオスプレイ訓練の八尾空港受け入れ発言をめぐり、都議選への悪影響を批判したものです。

 前回の衆議院選挙に際して、維新の会と太陽の党が合併しました。しかし、元々考え方に差異があったことから、不協和音の芽は最初からありました。今回の石原氏による橋下批判は、石原氏の息の根を止めそうな気がします。
 石原氏の言っていることは中途半端です。対して、橋下氏は選挙結果によっては代表を辞めると明言しました。この発言を受け、松井幹事長(府知事)は、選挙の責任を取るのは幹事長であるべきだ、と発言しました。維新の会の大阪関係者の発言は筋が通っています。こういう相手に対して、石原氏は迂闊でしたね。都議選の責任を問うとなれば、前東京都知事たる石原氏こそ無傷ではすまないでしょう。橋下氏は常に逃げず、正面から受けて立つスタンスです。石原氏は甘く見ていましたね。

 YOMIURI ONKINEによると。

 東京都議選の投開票(23日)を前に、日本維新の会が苦境に立たされている。

 橋下共同代表のいわゆる従軍慰安婦問題に関する発言を巡り、蜜月だった石原共同代表が苦言を呈し、19日には橋下氏が都議選の結果次第で辞任もあり得ると述べるなど、不協和音が表面化している。

 「辞任発言」は「捨て身の脅し」との見方が専らだが、参院選への影響も懸念されている。

 「(橋下氏の発言で)みんな迷惑している。苦労している仲間に悪かったと声をかけるのが、リーダーの振る舞いだ」

 石原氏は19日、東京都内で記者団に、橋下氏への不快感を示した。18日には大阪の橋下氏に電話し、都議選候補らに向けてテレビで謝罪するよう求めたが、橋下氏は「ツイッターでやる」と拒んだという。

 これまで「橋下氏を首相にする」と繰り返してきた石原氏は当初、「基本的に間違ったことは言っていない」と擁護した。しかし、地元の都議選での苦戦が伝えられ、「イライラが頂点に達した」(党幹部)と見られている。今月上旬、橋下氏が沖縄に配備された米軍の新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を八尾空港(大阪府)で受け入れると表明したことも、「思いつきで言われても……。こっちも当惑したし、辟易へきえきした」と切り捨てた。

 維新の会の苦境は、参院選準備にも表れている。選挙協力の解消を突き付けてきたみんなの党との対決姿勢を強めたものの、同党が候補を立てる愛知、埼玉両選挙区(いずれも改選定数3)で対抗馬を擁立できそうもなく、「不戦敗」となる見通しだからだ。

(2013年6月20日09時58分 読売新聞)


 いろいろ、拙そうそうですね。橋本氏の「あくまで説明していく」は、ものごとを正面から受け止める態度です。今の政治家たちが避けている姿勢です。国民は、橋本氏のこのような態度を評価しているのではないかと思います。少なくとも、私は応援します。

 それと、石原氏の「あの戦争は侵略戦争ではない」は、なにぶん無理があります。この発言こそが、党是としては致命的な問題でしょう。
 両氏ともに、国民に対して逃げずに説明する政治家ではありますが、橋下氏がより筋が通っています。今回の揉め事について、石原氏は自身の価値を石榑にまで落してしまいそうです。国民の目には、橋下氏の前に立ちふさがる老人と映じるのではないでしょうか。
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六百九    奇想映画二題(2013/6/8)
最近のこと、WOWOWで奇想ともいうべき面白映画を2点観覧しました。『アイアン・スカイ(1,012年フィンランド/ドイツ/オーストラリア)』と『ミッドナイト・イン・パリ(2,011年スペイン/アメリカ)』の2作です。

『アイアン・スカイ』

 『アイアン・スカイ』は、 まったく意表をつかれる内容でした。未見の方は、読まないでください。ネタバレですから。
 この作品、月面に逃れたナチスが地球征服を企むとかのお馬鹿SFとして紹介されています。しかし、実際はナチスがどうとかは付け足しです。あくまでアメリカ、いつものアメリカを徹底的におちょくっています。多分、『アバター』に触発されたものと考えられます。大統領はどう見てもサラ・ペイリンだし、アメリカの自分勝手な我ままぶりをカリカチュアライズしています。フィンランドが主たる制作者で、まあアメリカに対する遠慮もなにもあったものではありません。
 「核をぶち込め」
 「月には女、子供もいます」
 「アメリカは、テロリストとは交渉しない」
 笑っちゃうでしょ。

 ナチの円盤攻撃機、母艦に対抗し、アメリカは核装備の戦闘宇宙船を繰り出します。騎兵隊よろしくナチを攻撃するも、反撃にあったところ、各国所有の戦闘宇宙船が参加してきます。
 「なんで、宇宙条約を守らないのよ。武装までして」
 「アメリカも破っているじゃないか」
 「アメリカはいいのよ」
 おまいが言うな、ですね。

 大統領補佐官だかが選挙対策を練る中、『ヒトラー最後の12日間』のヒトラーの演技そのまんまなぞったりします。例の“総統はお怒りです”の名シーンです。

 それから、ナチスの決戦兵器が地中から浮上するシーンは、ヤマトへのオマージュと見えました。

 ラスト、アメリカが月に眠る新エネルギー“ヘリウム3”の採掘を密かに実施していたことが明るみになります。各国代表は怒り狂い、対策会議会場が修羅場になります。
 「なんとしても権益を守れ」の命令により、対ナチで共闘していた各国宇宙船が同士打ちを始めます。戦闘シーン中、日の丸宇宙船は体当たりしていました。
 で、地球上でも核の報復合戦が行われ、月にのみナチの一部が生き残るという皮肉なラストです。なんか、アメリカをナチ以上の諸悪の根源に描いていて、制作者たち、悪意に塗れています。私ゃ、大笑いしました。 とにかく、飽きることのないサービス精神横溢です。

『ミッドナイト・イン・パリ』

 『ミッドナイト・イン・パリ』は、一転してノスタルジックなSFです。それも変り種のタイムトラベルものです。
 パリを訪れた婚約中のアメリカ人作家が、過去のタクシーに誘われて1,920年代に夜ごとタイムスリップする物語です。
 タクシーはプジョーです。乗り合わせた過去の人士といのがフィッツジェラルド夫妻で、ジャン・コクトー主催のパーティでした。そこでは、コール・ポーターがジャズピアノを演奏していました。いえ、一度観ただけなのでうろ覚えです。さらに店を替え、T.S.エリオットヘミングウェイと出会いました。また、ガートルード・スタイン女史を紹介されて、自作小説の批評を約束します。
 彼らと出会ったことによって、自身の小説そのもの、あるいは創作態度そのものも見つめ直し、主人公は成長してゆきます。さらに、ピカソダリとも出会い、そのピカソの愛人である美女と恋に落ちます。ダリとの出会いの場にはマン・レイもいましたね。

 過去の人士との出会いのシーンは、ある程度歴史を知っていると楽しくなってきます。第一次世界大戦後のパリというのは、戦勝国であることから新しい装飾芸術とコマーシャリズムに沸いた時期です。所謂、アール・デコです。
 アメリカもまたアール・デコの本場であり、米欧の文化が刺激しあって発展したものです。ちょうど、禁酒法によってアメリカの芸術家たちがパリに逃避したことと重なって、パリは重層的な文化の坩堝となったのです。このあたりの状況とか、文化融合の成果とかは、美術史においても未だ研究中の題材です。

 ある夜、美女と語らっていると、辻馬車が目の前で止まります。乗客に誘われるまま乗り込むと、世紀末の世界に迷い込みました。世紀末となると、訪ねるのはムーラン・ルージュしかありませんね。カンカン・ダンスの熱気にむせ返る店内には、当然のことロートレックがいましたよ。ロートレックとの出会いから、ドガゴーギャンを紹介されもしました。
 ドガたちは今の時代はつまらない、ルネッサンスこそが最高であり、過去に行きたいとの願望を口にしました。この台詞から、本作が訴えようとしているアイロニーが浮き彫りになります。人間は常に現在を基本にして、ある時代を理想化するものだと。

 主人公は、現代において悔いのない人生を歩むことを決意します。ヘミングウェイのアドバイスを参考に婚約を解消し、パリで出会ったクラシック趣味の娘とともにパリでやり直すことを匂わせて終劇となります。

 SFチックな時代転換が目まぐるしく、文学史や美術史を下敷きにして、主人公の驚きと成長が大胆に語られる物語です。満足度は非常に高いです。『アイアン・スカイ』ともども観て損はありません。
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六百八    橋本市長の正面突破路線(2013/6/1)
 先日の月曜日に橋本市長が外国特派員らと会見しました。橋下氏の説明は淡々としたものです。いつもの国内メディアと違って、若干の緊張が感じられましたけど。

 会見後の海外記者の感想が印象的でした。一様に、橋下発言の肝心の提示問題には触れず、現代の人権基準に照らした表面的な批判に終始していました。
 橋本氏の提示した戦場レイプの問題、兵士向け売春の世界的普遍性、米軍のセクハラ問題、在沖米軍の性犯罪には誰も触れませんでした。
 だから橋本氏の発言が無駄であったとか、余計な発言だったとかは思いません。むしろ逆の意見です。あれほど正面から意見を発してさえ忌避されるのですから、曖昧な修辞で誤魔化していると、この先どのような汚名にまみれるか想像すべきです。宮澤談話だとかの、過去におけるその場しのぎの対応が積もり積もって今日の状況を招いてきたわけです。今の我々が日和ったら、その汚名は孫子が引き受けなければならなくなります。

 橋本発言を奇禍とし、彼の犠牲を無駄にすべきではありません。ところが、国会議員たちは完全に腰が引けています。あげく、木曜日に大阪市議会が市長に対する門責決議とかで騒がせてくれました。
 で、その顛末には笑わせていただきました。
 自民議員「問責は軽いもの」
 橋下市長「問責は重いもの」
 市長の責任を問う側が、自ら「そんな重いもんじゃないのよ」と恨めしそうに文句を言うのを見て、なんじゃこりゃとか思いました。

 私は橋下氏の正面突破路線を応援します。外交においても、為にすることを狙うような相手には、橋下氏のように正面から受け、正面から反論することが大切です。そのような相手に、その場しのぎの遺憾路線は二度とやっていただきたくないです。

 つづいて国連が舐めたことをやらかしてくれました。朝日新聞デジタルから引用します。

 拷問禁止委員会は31日、旧日本軍の慰安婦問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とする勧告をまとめた。橋下徹大阪市長らの最近の発言を念頭に置いたものとみられる。日本政府に対し、こうした発言に明確に反論するよう求めている。

 勧告は、慰安婦問題について「国会議員を含む政治家や地方政府高官によって、事実を否定する発言が続いている」と批判。日本政府がただちにとるべき対応として「当局者や公的人物による事実の否定や、それによって被害者を再び傷つける行為に反論すること」をあげた。

 名指しはしていないが、審査では、慰安婦問題を取り上げた委員4人のうち3人が「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」「強制連行を示す証拠はない」などとした橋下氏の発言に触れ、日本政府の見解をただしていた。

 勧告対象は、代用監獄問題など多項目にわたった。慰安婦問題では、元慰安婦に対する公的な補償や救済措置がなく、関係者の訴追が行われていないことに懸念も表明。さらに、日本政府に対し、全ての歴史の教科書に慰安婦問題を含めるよう求めた。

 審査で日本政府代表は、93年の河野談話や償い金を支給したアジア女性基金の取り組みを説明したが、橋下氏の発言には一切触れなかった。


 面白いことを言ってくれますね。さすが国連、なにせ連合軍です。日本なんて枢軸国ですから敵国となっています。丁重な扱いをしてくれるものです。敗戦国ともなれば、一方的に指弾してくれます。
 こういうときに黙っていちゃ駄目でしょう。前々回にも触れましたが、米軍は平時はもちろんですが、戦時には凄まじいまでのレイプをやらかしています。ヨーロッパ戦線における米軍の“強姦行進”は見過ごすわけにはいきません。また、捕虜虐待も戦時犯罪として裁かれる罪状であり、この点でも旧ソ連とアメリカは大罪を犯しています。旧ソ連については、世界周知のことです。しかし、米軍の犯罪についてはあまり知られていません。

 数十万人に及ぶドイツ捕虜が米軍管轄化で殺されています。死因は凍死と餓死です。かつて中支方面軍司令官の松井大将は、まさにこの訴因で絞首刑となりました。であるなら、アイゼンハワーもまた同罪で絞首刑が妥当でしょう。
 アメリカは自国の不始末について、徹底的に覆い隠してきました。この件に関して、どのような組織が動いていたのか闇の中です。少なくとも私は知りません。ヨーロッパにおける重罪行為の掘り起こしは長く避けられてきました。現に取材や出版について、妨害があったことは事実です。かつて私が読んだドイツ捕虜の取扱いに迫ったレポートは、アメリカ国内での出版ができず、結局カナダで出版されました。

 話は橋下氏に返ります。彼のように正面から受けて立ち、正面から反論し、他国の不始末も告発し、日本批判に公平さと公正を要求することが大切です。しかしながら、発言力のある人間中、今のところ橋下氏しかものをいう人間がいないのです。私は微力ながら応援します。
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六百七    橋下市長吼える(2013/5/25)
 橋下市長の発言が相変わらず物議を醸しています。韓国の自称戦地売春婦の方が橋下市長に面会を求め、アポイントが取れていたのに、意味不明の理由でドタキャンしたりの香ばしいイベントもありました。

 橋下市長には気張っていただきたいです。これまでの政治家たちが避けてきたセンシティブな問題にも正面から向き合ってくれています。臭いものに蓋をして口を噤むのは、もうたくさんです。蓋を開いたところで、日本が困ることなどありません。
 日韓、日中関係については、それぞれ『日韓基本条約』と『日中平和条約』で片をつけているし、戦争犯罪についてはBC級戦犯として裁きを受けています。また、戦地向けの売春宿を斡旋したのも公知の事実としています。

 蓋が開いて困るのはアメリカや中国やロシアでしょう。アメリカの場合、戦場でのレイプのみならず、平時においてさえレイプ事件を多発してきました。それ以外にも、戦争犯罪なんかてんこ盛りですから。強烈なところでは、アイゼンハワーは人道への罪で絞首刑が妥当でしょう。ヨーロッパ軍司令官の責任として、捕虜虐待死の規模は南京どころの話ではありません。松井大将が絞首刑でした、資格十分でしょう。また、ルメイ将軍も都市への無差別爆撃でバリバリの絞首刑ですね。

 これまでの政治家や外務省の姿勢というのは、リベラル市民団体やマスコミ、中韓からの圧力に対して、正面からの反論を避け、いかに誤魔化すかでした。その結果、ひたすら後退を続け、汚名の染みを拡大し続けてきました。歴史の汚名を晴らすには、勇気が必要です。また、強靭な精神力と信念、そしてなにより明晰な頭脳も必要です。
 橋下氏は、稚拙ながら正面から受けて立っています。勘違いや間違いもあるし、無神経な言葉遣いもあります。しかし、今の日本でこの任に当れるのは橋下氏くらいしか思い当たりません。歴史や国際関係には明らかに疎いですが、頭のいい方ですから勉強するでしょう。
 そしてなにより橋下氏が貴重な人材であるのは、マスコミと闘う手法に長けている点です。彼が潰れたら、今後代わる人材は出てこないやに思われます。

 橋下氏が歴史に疎いのは、実は長所となっている面もあります。下手に日米関係を知る者というのは、日米同盟の重要性が先に立ち、従属関係に疑問を抱かない傾向があります。
 日米同盟って、つまるところアメリカの世界戦略のうち、極東から中東までのエリアをカバーするための兵站、バックアップ、基地機能を利用するため、日本の土地と空域管制を我が物として扱う一方的な隷従同盟でしょう。しかも、そのための金も日本側の負担でというありえない二国間関係です。

 日本が本当に独立国家として成立するには、日米安保を破棄しない限り無理なんじゃないですかね。本来なら、現状の問題点を修正することによって、より建設的、より適正な関係を構築すべきです。しかし、白紙にしない限り、長年月の洗脳に染まった日本人には無理ではないですか。

 アメリカは見事なまでに日本人の意識のクリーニングを実施してくれました。敵ながら天晴れなくらいです。戦後、GHQが実施した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」については、江藤淳氏の『閉された言語空間』を読んだくらいですが、その徹底ぶりには感心します。
 今さら、このプログラムの解除は不可能でしょう。であるなら、すぱっと日米安保を破棄し、一から日本の独立プロセスを再試行すべきだと考えます。そうでなきゃ、本当の日本国家独立の達成は無理ではないかと思います。
 橋下氏を見ていると、そのような腐った日米従属関係の盲信に染まっていないやに思われます。
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六百六    橋下市長vs米国務省(2013/5/18)
 橋下市長の従軍慰安婦に関する発言が燎原の火のように広がりました。元々の発言は次のものです。

 なぜ日本の慰安婦問題だけが世界的に取り上げられるのか。日本は「レイプ国家」だと、国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。その点についてはやっぱり、違うところは違うと言わないといけない。

 意に反して慰安婦になってしまった方は、戦争の悲劇の結果でもある。戦争の責任は日本国にもある。心情をしっかりと理解して、優しく配慮していくことが必要だ。

 また、沖縄での米軍兵士の不祥事に関しては

 風俗業っていうものは必要だと思う。だから沖縄の海兵隊・普天間に行ったとき、司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と言った。

 橋下発言は、米軍関係者を含め、いらんことを言ってくれたもんだ、で一致していることと思います。現代の軍隊においては、人権への配慮から性処理を正当化する国はないでしょう。アフリカとかでの内戦はいざ知らず、先進国軍隊はいずこも“武士は喰わねど高楊枝”路線を採らざるを得ません。ナチス・ドイツ式の“アーリア人の優秀性と純潔”を刷り込むのも一法でしょうが、これは排外ナショナリズムの問題が大きすぎますから。

 つい最近報じられた米軍内のセクハラや暴行などの性犯罪がただごとでない問題になっています。2,012年度だけで、被害者、加害者、直属上司等の事件関係者は約6万5千人にのぼる凄まじさです。
 個人の人権、セクハラ、パワハラ、コンプライアンス、CSRとかが声高に叫ばれる中、しかも訴訟大国のアメリカで、特に懲罰的賠償は天文学的高額になる中、上の実態が放置されているのは、軍隊という特殊な世界ならではでしょう。

 橋下氏の発言は、本来沖縄側が米軍に申し入れすべき事柄かと思います。なにぶん下の話なので、誰もタッチしたくないでしょうが。
 それと、橋下氏の発言で Good job と思ったのは、「合法的に風俗で働く女性たちに対する職業差別を行ってはいけない」です。

  橋下発言に対して、超党派の女性国会議員たちが抗議しました。
 「女性を男性の性処理の道具と見るのはけしからん」
 しかし、風俗がけしからんというのなら、国会議員の地位にあるんだから、風俗禁止法案制定作業にかかればいいのです。その一番肝心のことはやらず、口当たりのいい批判だけする品性こそ“けしからん”話です。福島氏とか辻元氏とか、あとみどりの党の何某とか、いつもの口だけ連中です。

 彼女たちの主張は、橋下氏がいみじくも言った“職業差別”に他なりません。現場の取材記者には、その点を是非とも突っ込んでいただきたかったです。


 米国務省の報道官が会見で橋下氏発言を非難しました。これはまずかったですね。地方の一市長、あるいは野党党首の発言に大上段で反応するなんて。まして、政府見解でもないのに。

 この件は、アメリカにとって深刻な背景を伴っています。橋下氏がさっそく噛みつきましたね。「国務省が本当にそう思うんなら、沖縄が置かれている状況に真摯に向き合え(こんな趣旨)」
 誰だって、そう思うでしょう。米軍兵士の女性に対する暴行沙汰は、過去のことでなく、歴史の彼方の話でもありません。現在進行形で、今なお繰り返されている問題なのですから。

 従軍慰安婦という制度は、必要悪というより、むしろ兵士管理上の好ましいあり方です。それをことさら貶めたところで、論を突き詰めていくと、兵士の暴虐という事実に突き当たらざるをえません。
 歴史を言うなら、大陸反攻を成した米軍は、ドイツ進軍中、英軍や加軍や仏軍をはるかに超えるレイプ事件を起こしています。軍法会議で裁かれた膨大な兵士は、よくよくのケースで、実際の発生件数は報告件数をはるかに上回るものでした。事実上、仕方ないものと黙認されていたのです。

 従軍慰安婦は、そのような悲劇を生まないためのシステムです。国務省はこれを非難するなら、システムを持たなかった米軍の所業をどう断罪するのか、是非とも訊きたいものです。国務省に対して、このように迫る政治家がいないのが残念です。
 しかしどうなんでしょう。次に沖縄で米軍兵士による暴行事件が起こったら、もうただではすみませんよ。従来の軍司令官による謝罪ではすまなくなるでしょう。国務省が「嘆かわしく、明らかに深刻な人権侵害で、重大な問題」と散々日本を非難した以上、自身のこととして厳しく対処が問われるでしょう。

 橋下氏には、自分の名誉を守るためにも、現在進行形の沖縄の件に併せて、米軍の歴史を質していただきたいです。
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六百五    『時のみぞ知る』アーチャー健在(2013/5/6)
 連休最終日、定例の用水浚えを終えて身体はガタガタです。そもそも連休当初に春市の頭組が当たり、神社の清掃や飾りつけやらで大変でした。氏子やら用水組合やらの義理仕事と春の連休は切り離せません。その一方で、この連休はよい休養になりました。

 フロイド・メイウェザーのいつもどりの試合は、期待していなかったとはいえがっかりでした。ただ、今夜は待望の内山選手のS.フェザー級タイトルマッチが控えています。きっと興奮させてくれるでしょう。

 また、京都国立博物館名品展が当地で開催され、よい目の保養をさせていただきました。国宝や重文の逸品揃いで、田舎ではめったに見られません。当地において、これほどの名品展は今後50年間は開催されないでしょう。
 中でもお目当ては、雪舟の『天橋立図』です。まったく見事な構図と確かな技法で、国宝に相応しい逸品でした。ただ、作品保護の観点から、照明があまりに暗くて細部が見えないのです。油絵なんかと違って、墨絵や浮世絵はデリケートなのです。物足りないけど仕方ありません。
 参観者は少な目でした。実は連休とあって、人込みでまともに鑑賞できないかと覚悟していたのが、嬉しい誤算でした。しかし、喜んでいいものでしょうか。当地の人間の芸術に対する無関心さが残念でもあります。

 で、連休最大の収穫は、ジェフリー・アーチャーの新作『時のみぞ知る クリフトン年代記 第1部』の刊行です。久しぶりのサーガ(一代記)です。ここのところコンゲームと短編集ばかりで、サーガはおみ限りでした。平成15年に刊行された『運命の息子』以来でしょう。途中、『誇りと復讐』(平成21年)があったものの、これはサーガというにはやや中途半端でした。

 アーチャー自身が本作を『ケインとアベル』出版30周年記念と位置づけているそうです。それもあって、1,920年から2,020年までの100年間を横断する大河ドラマを構想しているそうです。
 すでにイギリスでは第3部まで刊行されているそうで、翻訳が待ちきれません。訳者は戸田裕之氏で、亡くなった永井淳氏の後をよく務めています。他にもケン・フォレットの『巨人たちの落日』も戸田氏翻訳で、地に足の着いた確かな翻訳には信頼が置けます。

 ちなみに『巨人たちの落日』も第1次世界大戦前夜からの100年間を横断する大河小説で、次刊が近いはずです。アーチャー、フォレットの両雄が、奇しくも同時期に20世紀を横断するサーガに取り組んでいるのです。いずれ劣らぬ傑作で、読み手側としては幸せ一杯です。
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六百四    サッチャー逝去(2013/4/27)
 今月8日、サッチャー元首相が脳卒中のため87歳で逝去しました。すでに旧聞となりましたが、サッチャー・ファンの私としては触れずにおれません。

 サッチャー氏は間違いなく時代を切り開いた偉人であったでしょう。サッチャー以前の英国は哀れな没落状況でしたから、毀誉褒貶はあるにしろ、氏の成し遂げた功績は否定しようもないかと思います。

 当時のサッチャー首相がレーガン大統領に対し、ゴルバチョフ氏を称揚し、デタント路線を慫慂したことにより、冷戦が終結しました。この件でゴルバチョフ氏はノーベル平和賞を受賞しましたが、同時にサッチャー氏もまた受賞に相応しかったかと思います。彼女が両氏の中を取り持たなかったら、形は違えど冷戦は今も続いていたかもしれません。

 また、フォークランド紛争における氏の毅然とした態度も印象的でした。30年ほど前、BBCだったかがフォークランド紛争のドキュメンタリを制作し、日本でも日テレが放映してくれました。
 アルゼンチンの政治状況から始まり、上陸、開戦決定、艦隊出航、米軍による情報提供、−略− 敗戦によるガルチェリ糾弾までの経過を、映像つきで実に丹念に描いていました。出航後の艦隊風景が興味深かったです。英国海軍もなにぶんの平和ボケで、泥縄式の対応を行っていました。第二次大戦の戦訓も失われていました。シェフィールドの悲劇も平和ボケのせいでしょう。戦闘海域に入る前に塗装を剥がしておけば、火災による放棄は避けられたでしょう。

 私はサッチャー・ファンですが、もちろん批判すべき面もあったと思います。行き過ぎた“小さな政府”政策のおかげで、今の英国に“公共職業訓練行政”は存在するものの、“公共職業訓練”そのものは存在しません。これは、あってはならないことだと思います。
 公共職業訓練行政を司る厚生労働省にとって、英国の失敗は貴重な前例となっているのでしょう。担当者は嬉々として語っていました。
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六百参    軽量級最強決戦(2013/4/14)
 本日、ニューヨークにおいて、WBAとWBOのS.バンタム級統一戦が行われました。ノニト・ドネアvsギジェルモ・リゴンドーです。4階級制覇のドネアとアマチュア最強と呼ばれる無敗リゴンドーとの対戦とあって、近年の軽量級最上のカードと言われました。

 先ほど試合が終わりました。緊迫感溢れる好試合でした。結果は残念なことに、ドネアの判定負けでした。
 リゴンドーの見事なカウウンター戦法がドネアの積極性を抑え込みました。理由ははっきりしています。サウスポーのリゴンドーに対して左回りで対応しようとしました。これはないですよ。おかげでドネアは予想どとおりの苦戦展開でした。

 リゴンドーにしてみれば、普通に構えているだけで、相手が左クロスを打ち込みやすい位置に移動してくれるのですから有り難かったでしょう。また、右フックを打つポイントにも動いてくれる按配です。

 ドネアは左回りに動くことで、パンチを当てる距離を詰めることを狙ったのでしょうが、リゴンドーは向き合う角度を微調整するだけでベストポジションを得ることができました。また、防御に徹する場合には、左にダッキングすれば、ドネアの左フックも右クロスも無効化できました。

 やがてドネアは打ち込めなくなって、散発的にヒットするリゴンドーの左クロスによってポイントを失ってゆきました。リゴンドーのポイント有利の流れの中、10Rに起死回生の攻勢でダウンを奪いました。帰趨が分からなくなったものの、最終回の明確な失点によってリゴンドーの勝利は確定しました。

 ドネアの左回りが返す返すも残念です。中盤以降、アウトボクシングを徹底し始めたリゴンドーに対して、右回りで遮ろうとした場面がありました。その際には、リゴンドーも攻撃を仕掛けることができなくなりました。やはりドネアは右回りでリゴンドーを抑えるべきでした。

 きっと再戦はあるでしょう。その際には、トレーナーとともに回りこみ方向を検討していただきたいです。パンチの切れそのものは、やはりドネアに一日の長がありましたから、高確率で勝つことは可能でしょう。バーナード・ホプキンスvsアントニオ・ターバーの試合なんかよいお手本になるかと思います。
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六百弐    在沖海兵隊の嘘(2013/4/6)
共同通信によると

在韓米軍、北の核施設制圧チームを新設
 米国が昨年末、朝鮮半島の有事の際に北朝鮮の核施設に入り込んで制圧するための専門組織を在韓米軍内に新設したと報じた。米韓両国の政府高官の話として伝えた。
 米韓両軍は3月中旬に実施した合同軍事演習「キー・リゾルブ」で、この組織を活用した模擬訓練を初めて実施したという。

在韓米軍、部隊を再配置 大量破壊兵器対応で
 2004年に韓国から米本土に撤収した、核や生物・化学兵器といった大量破壊兵器に対応する米陸軍第23化学大隊が約8年ぶりに韓国に再配置され、4日、ソウル近郊の議政府の米軍基地で隊旗の掲揚式が行われる。韓国から撤収した部隊の再配置は異例。


 以前、海兵隊太平洋軍司令官だったかが、在沖海兵隊の必要性を問われたとき、「北崩壊時の核の確保」を挙げていました。以前も書きましたが、誰が考えても在韓米軍の役割だろうとか思うでしょう。で、最近の在韓米軍の編成を見ると、やはり大嘘でしたね。

 私も生きているうちに、北崩壊を見てみたいです。その際、海兵隊が核制圧の役割を果たすのか、あるいは無関係なのか。鳩山首相時代、在沖海兵隊の抑止力とかが盛んに語られました。海兵隊太平洋軍司令官が苦しい説明に終始したのも、合理的な理由づけができなかったからでしょう。
 あ〜、あほらしい。
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六百壱    パソコン起動せず(2013/4/6)
 自宅PCが起動しなくなり、この頁もアップできませんでした。BIOS起動時にHDDが認識できておらず、しかも2台ともに見えないことから、マザーボード故障かと思いました。げんなりしていたところ、知人がHDDへの電源ケーブル不調かもしれないと言ったので、ケースを開腹しました。

 ショップもののケースなので、余ったケーブルがあるかと期待しましたが、余分はありませんでした。HDDとDVDへそれぞれ繋がれているケーブルを差し替えました。で、HDDは認識され、無事に起動できました。

 現行PCはマザーボードを一度交換しています。発熱が原因の故障と考えられました。そこで、排熱ファンも強化したところです。しかし、電源ケーブルが不調になったということは、やはり排熱の問題を抱えているのかもしれません。
 今後いつ故障するか知れたものではありません。念のため、PCの購入を考慮しています。現行PCは6年余の使用期間です。Windows Vistaは購入時より、SP2を適用した現在の方が快調で動作も軽快なくらいです。買い替えの必要はないものの、もしものときに備えておくのが吉でしょう。

 次に買うときのポイントは、以下の仕様です。
 ・CドライブにSSD
 ・OSはWindows 7の64ビット版
 ・メモリは16GB以上
 将来のことを考えると、Windows 7の64ビット版にせざるを得ません。しかし、その際には、スキャナ、デジカメ、ビジデオ・キャプチャは使えなくなります。まあ仕方ないです。スキャナなんか15年前に買ったものだし、デジカメも12年物です。どちらも未だに性能は十分だけに惜しいところです。

 今後、ぼちぼちと検討を進めます。
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