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四百     Adobe CS4のことども(2009/4/25)
参百九拾九  ノートPC検討中(2009/4/19)
参百九拾八  NHKご乱心(2009/4/11)
参百九拾七  現場復帰(2009/4/4)
参百九拾六  日本人でよかった(2009/3/29)
参百九拾五  闇サイト殺人事件(2009/3/20)
参百九拾四  ためになるドイツの情報(2009/3/14)
参百九拾参  小沢党首ピンチ(2009/3/8)
参百九拾弐  訳の分からない若者意識調査(2009/2/28)
参百九拾壱  アル中大臣(2009/2/21)
参百九拾   外国人の受け入れ(2009/2/14)
参百八拾九  20年ぶりの持病復活(2009/2/8】
参百八拾八  またまた、ファッションショー(2009/1/30)
参百八拾七  オバマ新大統領(2009/1/24)
参百八拾六  1戸580万円住宅(2009/1/17)
参百八拾五  微妙な「フォレスト・ガンプ」(2009/1/11)
参百八拾四  美術三昧(2009/1/4)
参百八拾参  年の瀬に思う(2008/12/27)
参百八拾弐  中国がついに空母建造か(2008/12/20)
参百八拾壱  パッキャオ、史上初の快挙(2008/12/13)




四百     Adobe CS4のことども(2009/4/25)
 昨夜、Adobe Creative Suite4(Design Premium)をインストールしました。CSを扱うのは初めてです。インストールも旧いバージョンと違ってセットで行われます。インストール前に初期化作業を行いますが、このときにシステム情報を収集し、Adobeの管理サーバに送信する模様です。で、1ライセンスで2台のPCへのインストールを許可する仕様となっています

 自宅のデスクトップと職場で使うノートにセットアップする予定です。ノートの方は、本日、代金をDELLに振り込んだところです。商品の到着には2週間以上かかるのかなあ。知人は1ヶ月かかったとか言っています。


 Adobe CS4のインストールは、必要なものだけを選択しました。「Photoshop 11」「Illustrator 14」「InDesign 6」「Acrobat 9」のみが必要なので、「Flash」「Dreamweaver」「Fireworks」は外しています。その他のツール類も、外せるものはすべて外しています。でも、「Bridge」とかは無理やり入ってきました。こんなのいらんちゅうのに。

 嬉しいのは、「In Design」の新しいバージョンを入れると、「小塚明朝」と「小塚ゴシック」それぞれ6ウェイトのプロ仕様がインストールされることです。小塚フォントはOpen Typeであり、プロ仕様は異体字が豊富なのです。人名などで重宝することでしょう。


 しばらく現場から離れていたため、ソフトのバージョンの進み具合に驚きました。
 Photoshop 5.5 → 11
 Illustrator 8 or 9 → 14
 In design 2 → 6
 Acrobat 4→ 9
 まあ、ギャップがでかいこと。ひととおり起動して眺めましたが、大した違いはない模様です。機能は充実しているのでしょうが、どうせ使わないでしょう。
 個人的には旧バージョンでこと足りますが、他人に指導するとなると否応もなく慣れておかなければいけません。メーカーの思惑に振り回される図で、なんだか嫌だなあ。

 修正ファイルのアップデートが簡単になりました。勝手にやってくれるので、お手軽です。「In Design」の旧いバージョンのアップデートは大変でした。修正ファイルをひとつひとつ手作業で入れ代える必要があり、しかも該当ファイルの位置がそれぞれ異なっているため、手間のかかる作業でした。

 ちなみにマニュアルは有料です。ヘルプのドキュメントを製本したものが、別途5,250円でした。
 以前のマニュアルは、カラーマネージメントについて、まともな解説がなされていませんでした。今回のマニュアルは、そこそこまともな説明が書かれています。ただし、十分ではありません。カラーマネージメントを知らない方だと、結局どうすればいいか理解できないでしょうね。そもそも、昔はAdobeの人間自体がどこまで理解していたか疑問でしたし。

 嬉しかったのは、動作が意外に軽かったことです。ただ、メモリは大食らい間違いないでしょう。一応、2GB積んでいますから、不足することはないと思いますが。
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参百九拾九  ノートPC検討中(2009/4/19)
 現場復帰に伴い、DTP業務が増えそうです。職場で割り当てられたPCは業務用なので、DTP作業はできません。そこで、8年前に買った個人ノートを持ち込んで作業を行っています。

 PentiumM/700MHz、メモリは192MBのWindows2000ノートです。さすがに遅いこととメモリが少ないとあって、DTP用途には苦しいところです。EPSONの通販モデルで、安価な分、液晶パネルがコストダウンの対象となっています。この点は、どこのメーカーでも同じですね。安価なモデルには、必ず安い理由があります。大抵は液晶パネルが手抜きされています。
 この液晶パネルにも、諧調レンジが狭く、RGBバランスが悪いものが使われています。でも、ハードウェア・キャリブレーションを行っているので、色についてはある程度信頼できます。


 で、新しいノートを物色しているところです。新製品だけでなく、中古や再生品、旧モデルなんかを当っています。しかし、なかなか満足のいく製品がありません。高解像であることは絶対条件ですが、フルHDに合わせたサイズは横長すぎます。EXCELを使う場合でも、列方向の表示は十分以上ですが、行方向が不足します。AV用途とビジネス(DTP)用途とでは、まったく使用法が違っています。ビジネスにしろ、DTPにしろ、重要なのはA4ドキュメントの縦表示です。あんな横長画面では、使い勝手が悪すぎます。
 私としては、4:3くらいのサイズで、高解像度のパネルが欲しいのです。基本的に、これに該当するモデルが存在しません。仕方なく、WXGA(1280*800)の上を行くWXGA+(1440*900)にしました。これなら16:10ですから、4:3に近いし、画面解像度もそれなりです。


 もう一点、外せないポイントは、WindowsXPが選択できることです。大半のモデルは、この点がネックとなります。XPへのダウングレード・モデルは限られている上、高くつくという悩ましさです。でも、仕事で使うのならXPしか選択はありませんね。Vistaだと無駄にメモリは食うし、動作は重いしで、私が購入を考えている安価なモデルでは、Vistaは辛いのです。


 今、ちょこっとDELLのサイトを訪ね、カートに入れました。カスタマイズして、7万円強といったところです。XPへのダウングレードを選択しなければ、6万円を切るくらいです。
 まあ、この価格ならいっか。液晶パネルの回路は、きっと手抜きだろうな。でも、いいんです。私にはEye-Oneという強い味方がいますから。


 新しいノートPCといい、Adobe Creatve Suite4といい、着々とDTP業務の準備を整えています。でもさあ、一応がとこ業務なのに、なんで私がこんな大金を投入しなきゃならんのかねえ。
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参百九拾八  NHKご乱心(2009/4/11)
 4月5日に放映された「NHKスペシャル/シリーズ JAPANデビュー」第1回 アジアの“一等国”が物議を醸しています。

 日本が台湾に対して行った内政化とそれに伴う皇民化政策を批判的な視点で描いたドキュメンタリです。当時の旧制台北第一中学校で学んだ柯徳三氏にスポットを当て、氏のコメントとナレーションで構成されたものでした。

 この番組を見ていた私は、すぐに偏向編集に気づきました。“日台戦争”ってなんだよ、それ。思わずTVに向かって、突っ込んでしまいました。日本統治に対する武力抵抗はありました。特に高山族は頑強に抵抗したそうです。しかし、NHKともあろうものが、“日台戦争”などと、国際紛争に見せかける言葉をでっちあげてどうするの。この件は、本来であれば、大問題に発展してもおかしくありません。

 そのあとも、日本統治を否定的に紹介する内容が続きました。「人間動物園」ってあんた、印象操作も度が過ぎていますぜ。映像メディアが発達した現在と違い、昔はどこにおいても異境を紹介するために、現地人を招いてのイベントが当たり前に行われていました。そのような興行を今日の人権感覚で非難してどうするの。

 そして極めつけは、柯徳三氏のコメントです。柯氏のコメントの全文を読んでください。NHKが偏った編集を行った様が明白です。NHKは皇民化政策を否定するため、柯氏のコメントを利用していますが、柯氏の発言の趣旨は違っています。日本が敗戦後、台湾を見捨て、国民党に渡したことが裏切りであり、許せないと主張しているわけです。

 NHKは、一体なにを意図してこのような編集をしたのでしょうか。理解に苦しむところです。一般的な通説−日本は台湾統治において善政を為した−を修正したいとの意図からでしょうか。それなら理解できます。日本は台湾統治に当たり、武装蜂起した台湾人を多数殺しています。このことは、日本人として知っておくべきことです。
 あるいは、1947年に生起した光復後の228事件の悲劇の実態を紹介するのも、台湾人の反大陸意識を説明する上で重要です。残念ながら、そのような建設的な構成ではありませんでした。

 番組を見て違和感をお持ちになった方も、上でリンクした柯氏の番組放送後のコメントを読んで納得がいったことでしょう。旧制中学に入学した台湾人は、まぎれもなくエリートたちでしょう。彼らが入学できたということは、むしろ教育において差別がなかった証拠です。
 弁当の件も当たり前の光景で、取り立てて差別だなんだと騒ぐ話ではありません。むしろ私には、懐かしげな昔話の風情に見えましたがねえ。あるいは、教育勅語を諳んじて見せた老人たちの表情の誇らしげなこと。


 彼ら台湾人たちは、日本が台湾を見捨てた点を訴えているわけです。敗戦後のことだけでなく、田中政権による日中国交回復時における、露骨な台湾切捨ても腹立たしかったことでしょう。NHKも台湾と日本の関係に切り込むなら、ぜひともそこまで語って欲しいところです。
 まあ、北京政府が怖くてぜったいに触れないでしょうがね。
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参百九拾七  現場復帰(2009/4/4)
 この4月からやっと現場に復帰できました。2年間の事務仕事は苦痛の限りで、今は現場の空気を胸いっぱい吸っているところです。
 ただ、残念なのは、現場仕事ではあるものの、管理的な役割なので、技術の専門業務に携われないことです。なんとか技術の現場に係わりたくて、兼務でのお手伝いを申し出ているところです。俺って、やっぱ現場仕事が好きなんだなあ、と改めて自覚しています。

 長いこと現場を離れていたことから、あらためて勉強にかかります。つい先ほど、アドビストアでAdobe Creative Suite4(Design Premium)を申し込んだところです。
 私が使っているバージョンは古すぎます。1999年に発売されたバージョンなもので、いいかげん新しくしないと世間から取り残されます。

 業界の業務用バージョンは、安定性第一なので、古いものが通常使われます。しかし、MacがIntelマシンに変更されたことにより、否応もなくバージョンアップが進んでいます。で、仕方なく最新のCS4の購入を決意した次第なのです。幸い、私は教育価格で購入できます。教職員向け価格は、アップグレード価格と同じですから、ほとんど6割引きとなります。
(^_^)v <ラッキー


 今日は、久々にゆっくりできました。この2年間は、土日といえど仕事がびっしりで、心から休息できたことがありません。やっと解放されました。当分は、新しいCSのバージョンが届いたら、お勉強三昧に勤しみたいと考えています。
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参百九拾六  日本人でよかった(2009/3/29)
 やりました。WBC二連覇ですよ。今回は、優勝できるとは想像もしませんでした。雪辱に燃えるアメリカ、実力のプエルトリコとベネズエラ、国際大会で無類の強さを発揮するキューバと韓国。組み合わせの関係もありますが、それでもキューバ、アメリカ、韓国に勝っての優勝ですから文句のつけようがありません。

 心配なのは、次回の大会が開催されるかです。アメリカが決勝まで進めないようでは、アメリカ国民も興味が湧かないんじゃないかな。スポンサーはアメリカと日本の企業だそうで、次回は厳しそうです。

 そのときは、日本企業中心のスポンサー構成で、日本開催を実現していただきたいです。東京ドームは狭いし、上昇気流がうざいので除外し、福岡ドーム、札幌ドーム、甲子園辺りでいかがでしょうか。地方活性化の一助にもなるし、今大会、活躍した日本と韓国への配慮というか、ご褒美ということで。


 テポドン騒動
 もう、どうでもいいじゃないですか。飛翔中のテポドンを迎撃するのは、物理的に不可能だし、発射直後、上昇中のテポドンを撃墜するのは、タイミング的に不可能です。
 そもそも、他国のロケット発射実験を妨害するのって許されるのですかねえ。なんか、国際的な取り決めがあるそうですけど、私は無知なので知りません。

 実験に失敗して、日本列島に落下する場合の対処を政府は命じました。もし、落下してきたとき、迎撃できないようであれば、MDは無用の長物というか、無能のレッテルを貼りましょう。

 一部の識者は、自由落下するものを迎撃する方が困難だとか言い出しました。馬鹿じゃなかろうか。遅い落下物さえ迎撃できないで、なんで弾道弾が迎撃できるのか。自由落下物は無誘導でっせ。落下の軌跡が読めないんだとさ。それを言うなら、弾道弾迎撃はもっと難しいと言えよな。


YAHOO! ニュースから
 愛知県半田市の市立中学校で、1年生の男子生徒11人が、担任で妊娠中の女性教諭を「流産させる会」をつくり、この女性教諭の給食に異物を混ぜるなど悪質な嫌がらせを繰り返していたことが28日、わかった。

 暗い気持ちにさせられる話です。私自身、中学時代に担任教師と生徒たちとの関係が険悪になった経験があります。そのとき、先生の給食にチョークの粉を入れた奴がいました。このニュースを見たとき、37年前のことを思い出しました。
 私たちもろくでなしでしたが、流産を意図するなどは想像の埒外です。陳腐な言ですが、まさに道徳教育不在の賜物です。今の道徳教育は、人間の琴線に訴えかけるタイプの内容ではありません。むしろ、屁理屈をこねくりまわす内容です。
 これは、道徳教育ではなく、ディベート教育です。いいかげん止めてくれんかなあ。
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参百九拾五  闇サイト殺人事件(2009/3/20)
 世間を賑わせた殺人事件の判決が出ました。事件の詳細は知りません。あまりに凄惨な内容であるため、記事を読むのさえ躊躇ってしまいます。

 今回の件では、自首した被告が死刑を免れたことが焦点になっています。私は仕方ないと思います。法の運用はあくまで公正であるべきで、世論に左右されるようでは困ります。遺族が死刑を望むのは当然でしょう。それほど残虐な事件でしたし。

 この鬼畜どもが同じ人間であることさえ不愉快です。命乞いする女性の頭部をハンマーで殴るメンタリティとは一体何なのか。生命の尊厳というものは、人をして畏怖を抱かせるものです。彼らはそのような感情が欠落したまま大人になった子供でしょう。子供というものは、酷いものです。私にしても、ガキのころは小動物を遊びで殺していました。蛇や蛙、魚なんか平気で殺しました。犬や猫もずいぶん苛めたなあ。でも、成長するに従って、小動物の生命を断つことに嫌悪感を抱くようになりました。遊びの舞台や内容が変化したこともあるでしょう。舞台が野山や河川から、クラブ活動や繁華街に変わり、興味も他のことに移っていきました。


 決定的には、読書がもたらす影響が大きかったかと思います。青年期の特徴である思索の時期が、その後の人格形成に多大な影響を付与するものではないでしょうか。人の生き様や志について思いを致すことが、同時に生命がかけがえのないものであることを気づかせます。

 今回の加害者たちからは、生命への畏怖どころか、自省心さえ感じられません。彼らに生きる価値を認める必要はありません。動物の世界では、群れのルールに従わない者は排除されます。人間だって同じ動物です。ただ、排除といっても、どこにも追い立てる場所がありません。さしずめ刑務所がその役割を果たしているのでしょうね。


 今後とも、彼らのような人間たちが増え続けていくことでしょう。もはや、地域にも、学校にも、家庭さえにも、人を導く力が失われているのではないか。15歳未満の子供であっても、養育を放棄している親が増えています。「子供のことは、私には関係ない」と堂々と公言する母親の存在が信じられません。そんな親に育てられたら、子供がまともに育つはずもないし。
 『週刊漫画 ゴラク』の巻末コラム、石原伸司(元暴力団組長)の「若者よ俺の胸で泣け」は、極めて興味深い内容です。私は毎週楽しみにしています。
 このコラムにおいて、深夜に繁華街を徘徊する中学生から高校生あたりの若者たちの生態を報告しています。若者たちの相談内容というのが、あまりに危ういものなのです。
 あってなきがごとき家庭、生活費さえまともに出さずに放任している親など、信じられない現代の状況なのです。興味のある方は、ぜひご一読ください。あるいは、漫画を読みたくない方のために、石原氏のサイト「出会いは人生の宝」を紹介しておきます。
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参百九拾四  ためになるドイツの情報(2009/3/14)
 私は若い頃、比較文化論の類が好きでした。で、ドイツ関係についても、いろいろ読みました。ためになったのは、旦那の仕事の都合でドイツに滞在した奥様方の備忘録です。自分が体験したあれやこれやを紹介していて、ずいぶん楽しませていただきました。
 逆に、ためにならなかったのは、大学教授などの識者の文化論です。つまんない無理付けの比較をやってました。あるいは、牽強付会というべきか。一部を採り上げて、ドイツ全体を語ろうとするものです。

 最近のこと、タイトルに掲げた、ためになる ドイツの最新情報 を見つけました。これは、Pfadfinder24 とかいう留学斡旋の旅行代理店のサイトです。業務案内とは別に、ドイツ情報を提供してくれています。多分、これは社長の西進氏が書いているものと思われます。

 で、本当にためになります。TVなどで、環境とか、労働問題とか、過去の清算とかに関するドイツの取り組みを喧伝する番組は多いものです。私はそういうものを見ると、ついつい眉に唾してしまいます。ああいった番組では、日本の取り組みに対しては、懐疑的な紹介をするくせに、ドイツの取り組みを紹介する場合は、広報的な能書きの垂れ流しです。
 例えば、この「ドイツの最新情報」に書かれていますが、ドイツの電力政策はでたらめです。こんな無茶なやり方でありながら、ドイツでは環境負荷の低減のために先進的取り組みをやっていますとかの嘘を垂れ流します。

 ドイツでは、未だに石炭発電をやっていますし、脱原子力といいながら、フランスから原子力発電の電気を買っています。これほど後進的で、原子力依存の電力政策なのに、太陽光発電に取り組んでいるというその点だけで以って、ドイツの電力政策は先進的とか平気で言っています。

 政治のデタラメさは日本の比でないし、労働政策は手厚い面があるものの、その表裏関係で非人道的施策が堂々と罷り通っています。他にも、鉄道会社のデタラメさ、銀行のデタラメさなどを読むと、日本が極めて真っ当に見えてきます。


 今回紹介したサイトをご一読ください。こういう情報が頭にあれば、マスコミの虚言に騙されないですみます。
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参百九拾参  小沢党首ピンチ(2009/3/8)
 小沢さんの第一秘書が西松建設からの政治献金で、政治資金規正法違反で逮捕されました。この件で、小沢さんを始め民主党幹部は完全に対応を誤ってしまいました。

 「国策捜査である」との批判は、自分から言うべきことじゃあないでしょう。それも、一晩雲隠れしておいて、なんの釈明もなしに、これですもん。小沢さんの性格はみんな知っているから、やはりそうきたか、程度ですけど。と同時に、小沢さんが東北地方の公共工事に隠然たる力を持っているのもまた周知です。

 しかし、週刊誌などの噂では、西松建設と小沢さんの関係で根深い問題点は、別のところにあるとか。こういう噂には、多分に真実が含まれています。ただし、表に出る話ではないし、これで裁かれるなんてこともありません。奥歯にものが挟まったようなことを書いていますが、つまるところ、北朝鮮がらみのようです。いえ、本当のところは知りません。でも、さもありなんです。

 少し前に、民主党の会合で次の発言がありました。
 「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」
 この発言には、キナ臭さがプンプンしています。故金丸信(自民党副総裁)が、故金日成と行った極秘会談の内容は不明です。その約束ごとが、未だに北朝鮮との交渉時に持ち出されるそうです。で、1兆円ともいわれる北朝鮮への賠償金(黙契)利権に西松建設がからんでいたとかいう噂のことです。

 本当のところは分かりませんが、ここのところの流れを見ていると、表には出ないにしろ、北朝鮮がらみの動きに思えて仕方ありません。
 私は、金丸訪朝は売国行為であったと考えています。さすがに、故田中角栄氏による日中国交回復ほどひどくはないにしろです。小泉元総理によって、拉致被害を正式に認めさせたことにより、それまでの経緯は一切潰れましたけど。

 上に書いた、拉致被害者を金で解決しようという発言は、北朝鮮利権が未だに蠢いていることを匂わせます。今回の逮捕劇は、そのような利権潰しが背景にあるのでないかと、素人は想像してしまうのです。
 いずれにしても、小沢さんは男を下げました。近く、党首を辞任するんじゃないかな。本人は辞任しないと嘯いていますが、もはや収まりがつかないでしょうね。
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参百九拾弐  訳の分からない若者意識調査(2009/2/28)
 パソナグループが自立人(フリーター)協会というものを運営していて、若者の結婚観のアンケート調査をまとめています。
 この調査結果の総括がでたらめなので笑っちゃいました。

 アンケート結果を整理すると、次のようなものです。

●男性に望む年収
 300万円未満0.9% 300万円台9.8% 400万円台16.1%
 500万円以上1000万円未満43.7% 1000万円以上9.8%

●調査対象
 20歳未満19.7% 20〜24歳33.3% 25〜29歳26.2% 30〜34歳20.8%

 この数字から、男女共に相手の年収にこだわらない人が多いことに注目される。としています。で、次の参考データを見てください。

●サラリーマンの平均給与
 20〜24歳男性270万円 25〜29歳男性379万円 30〜34歳男性461万円

 平均給与額をはるかに上回る年収を希望しているにもかかわらず、相手の年収にこだわらないなどという結論になるのかねえ。

 また、人生で「優先したいもの」の設問に対する回答から、「モノの豊かさ」を上げる人は男女ともに少なく、「心の豊かさ」を大切にする若者の価値観が伺える。と結論付けています。
 上の総括と矛盾していないか。高い年収額を望んでいるのに、なんでモノより心になるのか。逆説として、金銭的な貧しさは、えてして心の貧困に繋がる、だから高い年収を希望して心の豊かさを確保しようという辛らつな分析なのか。それなら理解できます。皮肉たっぷりですけど。別の設問では、女性の生活防衛意識の高さが表れたとしていますし。

 第1回 若者の「後期高齢者医療制度」に関する意識調査 も意味不明です。

 ●後期高齢者医療制度を“詳しく知らない”、82.9%

 他の設問では、老人に対する肯定的な数字が出ています。そこで、次のような総括になっています。

 しかし、若者達の多くが制度の詳しい内容について「知らない」現状において、限られた世論を根拠に「制度を廃止してしまおう」とする一部の今ある動きについては、高齢者の支援に対して前向きな姿勢を示している若者達への配慮が足りているとは、必ずしもいえないのかもしれません。

 82.9%が知らない制度を、前向きな姿勢を示しているなどと結論づけていいものでしょうか。アンケートの分析をした方々は、あんまりまともとは思えません。
 若者の状況について、参考にしようとサイトを覗いてみましたが、これでは信頼性が置けません。時間の無駄でした。


 香川県の県立病院で不妊治療の受精卵取り違え事件がありました。産経ニュースによると、「女性は受精卵の発育が困難な体質で、妊娠後、受精卵の成育状況が非常に順調なことに疑問を持った担当医が昨年10月末、移植ミスの可能性があることを病院に報告。」となっていますが、これは疑問です。

 発育が順調だからと疑問を持つものでしょうか。推測ですが、この医者は最初からシャーレの取り違えに気づいていたのではないか。とすれば、これは完全な医療ミスです。きっと、医者は最初から報告すべきかどうか迷い続けていたのではないかなあ。悪意に満ちた想像ですが、妊娠しなければミスは隠せる、だから黙っておこう。で、妊娠が明らかになると、逃げ道がなくなって申し出たというシナリオではないか。

 人間誰しもミスは起こします。大切なのは、その際の対応です。この医者の対応は最低です。このうえ、職にしがみつくようだと軽蔑します。今は、事故の調査や対応が重要ですから職に留まっていてもいいでしょう。しかし、いずれけじめをつけていただきたいところです。
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参百九拾壱  アル中大臣(2009/2/21)
 中川前財務大臣が醜態を晒しました。あんなのはあり得ない情景です。自覚不足はもちろんですが、一方でアル中なら仕方ないかとも思います。アル中患者が国会議員になり、大臣まで努めるという信じられない話でした。

 漏れ聞く話では、朝からへべれけで仕事にならないと官僚が嘆いていたとか。確かに大臣は激務であり、特に現今の雇用失業対策として補正予算に取り組んでいる中、完全に大臣失格です。
 海外にまで恥を晒したのは悲しい出来事ですが、これがきっかけでアル中大臣を排除できたのは重畳というものです。

 アル中といえば、ロシアのエリツィン元大統領がそうでした。多分、他にもいるかと思われますが、仕事でへまをやらかしたらお終いです。酒好きは別にいいでしょう。私の周囲にもいます。毎日酒を欠かさず、休日は朝から飲んでいます。
 そんな方々でも、平日は当然控えています。ところが中川氏は、仕事中に飲んでいたそうで、これはもう完全に病気レベルですね。今後は、政治活動云々以前にアル中治療が先決です。


 実は私、ここ1年間酒を飲んでいません。車を利用しているため、外では飲めないのです。昔から自宅では飲みませんし、今ではアルコールなしでもまったく苦になりません。ですからアル中の気持ちが理解できないのです。
 漫画家の吾妻ひでお氏の「失踪日記」を読むと、アルコール依存症もひどくなると、悲惨というか人間やめますかレベルにまで至るのが理解できます。ちなみにこの作品は大傑作です。吾妻ファンでなくても夢中にさせられたり、考え込ませられる作品です。

 そんなにまでして酒が飲みたいものなのか。まあ、私にしても、煙草が手放せませんから、人のことを言えませんけど。
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参百九拾   外国人の受け入れ(2009/2/14)
 カルデロン一家の強制退去処分が確定しました。こんなことは、特にコメントの必要もない当たり前のことです。なのに、これを報道するメディアの論調の浅ましいこと。いえ、意見としては構わないでしょう。はっきり言えばいいのです。
 「不法入国しても、子供さえ作れば日本滞在を認めるべきだ」とね。そこまで言うなら筋が通っています。

 長女の差別発言に、なぜマスコミは突っ込まないのか。
 友人と日本でダンススクールを開くという夢も「フィリピンに帰ったら、叶えられない」だってさ。このフィリピンを見下す傲慢さ。多分、支援者が同情を引く目的で知恵をつけたのでしょうが、完全に反感を買っています。
 「私にとって日本は母国。将来のためにも勉強を続けるためにも家族3人で残りたい」とも言っていますが、これも裏目ですね。
 家族3人一緒に暮らすのが一番だと思います。当然フィリピンに帰り、就学ビザで日本に留学すればいいのです。中学・高校の授業料は安いし、宿泊先は心配ありません。支援者がたくさんいるそうですから、彼らが泊めてあげればいいのです。
 私の感覚では、支援というのはそういうものだと思うのですが、どうも彼らの感覚は違っているようです。行政とかの他者に対して、注文する役回りだけを欲しているように見受けられるのです。


 先週、TVで介護職員の受け入れレポートをやっていました。なんとまあ、酷なシステムだことか。日本人でさえ合格率の低い介護福祉士資格を3年以内に取得せよというものです。介護福祉士の資格は、厚生労働省認定校であれば、卒業することによって取得できます。ただし、短大とか専門学校とかの2年制校であるため、入学金や授業料が高額で、フィリピンやインドネシアの方々が就学するのは無理でしょう。いきおい、受験の道を選ばざるを得ません。日本語さえまともに喋れない外国人に3年以内に合格せよというのは、事実上外国人の参入を拒否しているも同然です。

 以前聞いた話では、今後不足するであろう介護職員を外国から受け入れる。そのための資格要件として、外国の介護資格と日本の介護福祉士資格とをベースに調整するとかいうものでした。また、将来的には訪問介護員養成研修課程(ヘルパー)を介護福祉士に一本化する。そのための前段階として、1級から3級まであるヘルパー資格を「基礎研修過程」に一本化する計画のはずです。

 TVレポートの実態を見ると、海外からの労働者受け入れを真剣に望んでいないのだなあと思わされました。資格を持っていないことを理由に、3年間だけ安くこき使おうとの意図が透けています。
 外国では、介護資格が確立していない模様です。それなら、介護福祉士なんぞを持ち出さず、ヘルパー2級で十分じゃないですか。ヘルパー2級なら2ヶ月弱で取得できます。これなら海外の方が受講するのも可能でしょう。人手が欲しい施設が就学資金を負担し、自身の施設へ就職させればいいのです。手取り12万円程度の介護職であっても、東南アジアの方々であれば、喜んでやってくるでしょう。


 カルデロン一家の恥知らずな主張には胸糞が悪くなりますが、介護職を目指して日本に来ている方々には、法改正してでも対応して欲しいです。

 似たような話で海外研修制度があります。現行の制度は、3年間の就労を認めています。最初の1年間は技術研修期間で、研修修了後技能検定基礎2級の合格が必要となります。合格すれば、技能実習生として2年間の就労が認められる制度です。
 この制度もいろいろ問題があり、21年度に改正案が提出される予定です。研修生の失踪とか、不良ブローカの存在、受け入れ企業の研修実施不足、雇用条件の違反多発などです。これらへの対処として、3年間すべてを技能実習(就労)期間とし、労働関係法規を適用させる予定です。また、3年間の技能実習の評価として、技能検定3級合格が課されます。

 ちなみに3級に合格するには、日本人技能者と同じ土俵でのスキルが問われます。現行の外国人向け基礎2級は、簡便な内容で極めて基礎的なものです。問題文には、すべてルビが振られています。法改正後は、本格的な日本語研修も行わなければなりません。


 介護関係職員の外国人受け入れについて、現行制度では行き詰まりが目に見えています。
 介護業界の人材不足を解決するには、受益者の負担を大幅に引き上げるか、補助金を増額するかです。もし、負担の増額ができないなら、今までどおり人件費を低くするしかありません。であるなら、外国人の受け入れがうまくいくような制度に改正しなければ解決しません。今のやり方はあんまりです。
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参百八拾九  20年ぶりの持病復活(2009/2/8)
 今日は大切なイベントが開催されました。私どもが後援しているイベントとあって、今朝早くから参加していました。

 実は、今朝方まで参加を諦めていました。昨日から腰が痛み始めまして、夜には耐え難いまでになったのです。

 昨日は、自宅で別のイベント用ポスターを制作していました。B2サイズのポスターで、大きな画像を生配置して作業しましたが、さすが新しいPCはサクサクです。メモリも2GBなので、すべてオンメモリで作業できるためでしょう。
 それはいいのですが、一日中椅子に座っていたため、腰痛がぶり返したかなと思っていました。15年前まで、私はひどい腰痛持ちでした。それも、職務異動に伴って、一日中立ち仕事に変わったところ、見事に直りました。やはり、椅子に座るのが、腰痛の一番の要因ですね。

 それもあって、腰痛かと思ったのですが、布団に入っても痛みが治まりません。腰痛であれば、横になれば、楽になるものです。で、思い至りました。

 私は20年前まで、腎臓結石とお友達だったのです。それ以前の7年間、腎臓結石に悩まされ続けました。あの激痛にも馴染むくらい、長い付き合いだったのです。
 それが20年前、石が尿管に詰まってしまい、手術を余儀なくされました。取り出した石を見た医者は、「これはシュウ酸カルシウムだ。つまり、あなたの体質はアルカリに偏しているんだ。アルカリ、酸性、いずれにしろ、PHが過ぎるとシュウ酸カルシウムか硝酸カルシウムが沈殿して石になるんだ」との解説でした。「まあ、あなたはアルカリだから、さほど問題にすることはない。ただ、石ができるのが嫌なら、もっと肉を食って酸性に近づけなさい」とのアドバイスを頂き、指示どおり肉を食べ始めました。それまでの私は、典型的なベジタリアンでした。いえ、肉に縁がなかったというのが本当のところです。

 肉を食べるようになるや、てきめん、石ができなくなりました。それから20年、もはや腎臓結石のことなど、綺麗さっぱり忘れていました。
 昨夜、激痛に苛まれながら、腎臓結石の痛みがこうであったのを鮮やかに思い出しました。まあ、原因が分かれば怖くありません。腎臓結石の痛みというのは、石が降りるとき、尿管を傷つけるための痛みです。つまり、痛いということは、石が降りている証拠であり、むしろ喜ぶべきことなのです。

 結石の痛みを一番最初に体験したときは、てっきり急性盲腸炎と勘違いしました。もう、あまりの痛さに七転八倒の苦しみを味わいました。それも理由が分かれば耐えられるようになりまして、7年間の付き合いを続けたわけです。


 昨夜は、痛みにほとんど眠ることができませんでした。うつらとしても、すぐに正気に引き戻されました。明け方には眠ったようで、目覚めると痛みは綺麗に消えていました。おかげで本日の用務もつつがなく終えることができた次第です。

 さあて、もう結石はごめんです。しっかり焼肉に通わなければ。問題は、財布だなあ。
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参百八拾八  またまた、ファッションショー(2009/1/24)
 今日のこと、某専門学校が開催するファッションショーの招待を受けたことから、行ってまいりました。この学校には、技能五輪全国大会洋裁職種への選手派遣で協力をいただいたり、先生には、障害者技能競技大会(アビリンピック)地方大会で洋裁種目の審査員を努めていただいたり、職業訓練指導員試験の洋裁科目の試験問題作成委員を委嘱したりで、お世話になりっぱなしなのです。

 今日は3回のショーを行うそうで、私が観覧したのは1回目のショーでした。来賓(市のお偉いさん)の都合がつかなくて、2回目に臨席するということで、来賓席は空席でした。そのために、私までが来賓席に案内されました。しかも、中央席でっせ。幸い、知合いの和裁学校の校長親子が隣に来たので助かりました。開演前、地元選出国会議員が隣に座ったのにはびびりました。誰も話しかけないので、仕方なく私が政治向きの世間話をしました。もう嫌、冷や汗ものでした。


 ショーは面白かったです。一般公募部門は、現役高校生たちの作品のお披露目でした。今回はウェディング・ドレスにチャレンジした方が多く、製作はさぞかし大変だったろうと思います。多分、半年くらいかかったのではないでしょうか。モデルは、製作者ご本人です。ヤンキーぽい方もいましたが、見かけで判断してはいけません。きっとまじめなお嬢さんでしょう。

 専門学校の生徒さんたちの作品はさすがです。2年制なので、卒業生(2年生)ともなれば、技能レベルも向上しています。でなけりゃ、とても技能五輪全国大会で闘えるものではありませんから。
 卒業生のうちの3名は、私も存じ上げていました。昨年秋に開催された技能五輪千葉大会に出場し、私もお世話した方々です。
 ちなみに下図が千葉大会の洋裁職種競技風景です。



 受付、司会進行、モデル、音楽、照明等すべて生徒さんたちが手がけています。昨年のショーのときにも感じたのですが、今の若者も捨てたものじゃないです。ただ、彼女らが真摯に技能向上に取り組んできた成果が就職に生かされるかどうか、保証のない点がお気の毒です。
 ただでさえ、アパレル不況が恒常的になっている中、最近の状況は致命的でさえあります。願わくば、苦労の報われる社会であって欲しいと願って止みません。

 最後に、ショーのエンディングのシーンを掲載しておきます。

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参百八拾七  オバマ新大統領(2009/1/24)
 オバマ大統領就任式は壮大でした。コンサートなんかは余計かとも思いますが、200万人の群集は壮観でした。この日のワシントンDCの人口を250万人とする説もあります。
 これだけの人間が集中すると、トイレをどうするのかなどと下世話なことを考えてしまいます。ワシントンDCの昼間人口は100万人とのことで、これに150万人を加えたことになります。これだけの人間が氷点下8℃のなか、6時間も立ちづめだったのですから、ただではすまなかったはずです。

 演説内容は平坦で、取り立てて感動的というものでもないでしょう。ただ、イスラム社会を悪に見立てているのは不愉快です。「敵は憎悪と暴力のネットワークを持っている」などと言っていますが、事実は逆でしょう。アメリカこそが最大の暴力装置を持っているのですから。

 私もオバマ大統領に期待していますが、イラクやアフガンの混乱を収束できるか疑問です。アメリカが惹き起こした「湾岸戦争」から「イラク戦争」、「レバノン紛争」にまで至る混乱による経済損失は、1,000兆円を超えていると試算されています。この凄まじいまでの悲劇の責任はアメリカにあります。まあ、オバマ大統領に解決できる話でもないと思いますが、演説では責任の所在がごまかされています。


 ガザ地区に対するイスラエルの攻撃は無残なものでした。白燐弾による攻撃が非難の対象になっています。非人道的兵器との理由からです。でも、疑問ですね。もしあれが徹甲弾であれば、非人道的兵器でないからよかったとでもいうのでしょうか。
 徹甲弾なら、対市街地用として最適です。建物を深く貫通して爆発するので、根こそぎにできます。その方が被害は甚大だったでしょう。白燐弾のように、深い火傷を負ってまで生き延びるのは、死ぬより非人道的という判断なのでしょう。難しいところですが、私には納得がいきません。

 マスコミも白燐弾を非難するより、イスラエルそのものを非難すればいいのにね。パレスチナの民は自分たちの領土を奪われ、ガザ地区に押し込められています。侵略者たるイスラエルは大きな顔で居座っています。この状況を肯定しているのが、国連の大勢なのです。国連なんか信用しても報われませんわな。
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参百八拾六  1戸580万円住宅(2009/1/17)
 雇止めやら、派遣社員や有期契約労働者の契約期間満了前の解雇が多発しています。

 「朝まで生TV 元旦スペシャル」は雇用問題がテーマでした。そのとき、連合の非正規労働センター長とかいう方が出演していまして、厳しい質問を受け、回答に困っていました。

 田原氏による、まさに急所を抉る質問でした。企業業績が悪化したとき、人員整理を避けるためには、賃金を下げて従業員数を確保すればよいのではないか。その点に関しての連合の見解を質したものです。当然のこと、賃金ダウンは絶対に公言できませんから、ムニャムニャでしたね。

 それはともかく、今後は賃金の下降が避けられないでしょう。すでに兆候はあからさまです。高級品が売れなくなって、倒産話も目白押しです。世界的な高級ブランドで成功したウェッジウッドも破産しましたし。
 車メーカーも燃費が良く、廉価なコンパクトカー開発に舵を切っています。で、住宅についても Yahooニュースにタイトルの商品がありました。今は、リンク切れで見ることができませんの簡単に説明します。


 十年位前から、住宅メーカーは安価な商品を提示していましたが、安かろう悪かろうということで、人気は出ませんでした。今回の商品は、アーネストワンとかいうメーカーだそうです。
 580万円の型は、33万円/坪、780万円は30万円/坪です。間取りやデザイン限定の規格住宅なので、部品や部材を大量生産・発注できるため、ローコストが実現したとしています。確かに良く考えられた企画だと思います。

 安さを実現するための工夫として、総二階、切妻、広いかわりに少ない部屋数と実に合理的な設計です。このコンセプトには大賛成です。定型デザインなので、現場施工や組立も習熟しやすく、施工上の信頼性も高いでしょう。
 ちなみに、間取りや備品の構成は次のとおりです。
  • 延床面積:57.30m2(17.33坪) 1F床面積:30.98m2(9.37坪) 2F床面積:26.32m2(7.96坪)
  • 玄関を抜けると12.1畳のリビング・ダイニング、キッチンは対面式
  • 2階は12畳の洋室
  • 要望に応じて、2階の吹き抜け部分をなくして、2部屋にすることも可能(別途50万円)
  • トイレは階段下の空間に設置
  • 洗面脱衣室も1坪分とらず、0.75坪分
  • キッチン、ユニットバスは備え付け
 良く考えられています。広い部屋は開放的で、チープさは微塵もありません。重ねて言いますが、これで580万円でっせ。建築家も、こういう家をこそ考案して欲しいものです。まさにタイムリーな商品です。企画に携わった方々は、現今の不況を神風と捉えていることでしょう。

 このメーカーの宣伝をしたいわけではありませんが、サイトで紹介されている施工工程情報を拝見すると、耐久性は良さそうです。基礎にパッキンを用いたり、接合金具を多用したり、グラスウールは全面に使用されている模様です。外壁はサイディングですから、対候性や経年劣化も心配ないでしょう。

 この値段なら、10年ローンで楽々支払いを了えることも可能でしょう。マンションとまでいかずとも、田舎のこましな集合住宅の借家でも、月額5万円は必要ですからね。家賃を支払いにまわせば、10年で片がつく計算になります(ボーナス払いを含め)。


 かつて、私の一番好きな建築家フランク・ロイド・ライトも、晩年、大衆向け低価格住宅の設計に取り組みました。ちょっと斬新過ぎるデザインであったためと、部材に凝ったために思ったほど安くならず、失敗作となりました。でも、世界的名声を博した大建築家が、低所得者層向け住宅建築に取り組んだのは立派だと思います。

 で、私の従兄弟で建築設計を個人でやっている者がいまして、先週会ったとき、低価格住宅の設計に取り組んでいると聞いて嬉しくなったのです。それは時宜を得た方向だ、積極的に提案するべきだと強くプッシュしました。ついでに営業サイトを紹介しておきます。何かご用命があれば、利用してやってください。本人には内緒で書いています。
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参百八拾五  微妙な「フォレスト・ガンプ」(2009/1/11)
 一昨日、WOWOWで「フォレスト・ガンプ 一期一会」が放映されました。この映画を観るのは数度目です。ただ、ハイビジョン映像での観劇は初めてです。今までは、地上波とVTRでの観劇でした。ハイビジョンで観るこの作品の映像は、極めて高精細です。映画によっては、カメラの質やフィルムの質、あるいはカメラマンの腕や照明・光源の設定によって、ノイジーな画質や低解像度の画質のものが結構あります。また、フィルムからのコンバートの際のパラメータの設定によっても画質劣化が起こります。

 で、「フォレスト・ガンプ」の画質は最高レベルでした。ハイビジョン映像の天地サイズは1,080です。ただし、1,080は最大エリアであり、横長の画面を収めるために2/3程度の天地エリアしか利用できていません。仮に2/3とすると、720です。それでも精細感は地上波の比ではありません。
 めったに見られないような精細感と高階調に、何度もハッとさせられました。


※ クリックすると、キャプチャした画像(横:720)が開きます。元は1,920です。

 この作品の画質に感動したのはいいとして、内容にはがっかりした部分があります。以前観たときは、さほど違和感を感じなかったのですが、今回はもう耐えられませんでした。

 誰かが“わらしべ長者”に譬えていましたが、まったくそのとおりで、なんとも安手のファンタジーです。今まではストーリーの斬新さに目を奪われるばかりでしたが、3回目ともなれば冷静、分析的に眺めてしまいます。

 “わらしべ長者”スタイルそのものに問題はないと思います。サクセス・ストーリーはありでしょうから。いけないのは、アメリカ現代史のモニュメントを持ち込みすぎていることでしょう。プレスリーとの接触、J.F.ケネディ、ニクソン、ジョン・レノンらとの会見、あげくにウォーターゲイト・ビル盗聴活動の通報をガンプにやらせています。他にも、ハリケーン「カルメン」を事業成功のネタにしたり、アップルへの投資を成功させたり、“SHIT HAPPENS”のキャッチ・コピー、“スマイリー・フェイス”等々がガンプからインスパイアされたというのは、物語をひたすら嘘くさくさせています。これがなければ、きっと物語は奥深さを備え、違和感をもたらさなかったのではないか。少し残念です。


 アメリカ現代史の出来事をフィクションのストーリーに重ねる手法が嫌いというわけではありません。むしろ好きなくちです。ジェームス・エルロイの「アメリカン・タブロイド」「アメリカン・デス・トリップ」は、まさにアメリカ現代史をなぞった大傑作です。ただし、「フォレスト・ガンプ」のちゃらいエピソードと違って、おぞましさと汚辱にまみれています。それがまた、リアルな現代史として描出される理由でもあるのでしょう。
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参百八拾四  美術三昧(2009/1/4)
 この正月休みの間、衛星放送で有意義な番組が目白押しでした。

 2日には、NHKで6時間30分の大作、「夢の美術館 江戸の名画100選」が放映されました。後になって録画しなかったことを悔いています。いやあ、素晴らしい構成でした。

 長丁場に係わらず、まったく飽きませんでした。100位から1位までじっくり堪能させていただきました。

 ちなみに3位は、尾形光琳の「紅梅白梅図屏風」でした。個人的には、これこそ1位じゃないかと思うのですがねえ。




 で、2位は、曾我蕭白の「群仙図屏風」でした。もちろん、この作品は文句なしに素晴らしいのですが、位置づけとして、光琳より上位に持ってくるのは、違和感があります。西洋画に例えると、ボッシュに比すべき画家ではないかな。いえ、ボッシュは好きだし、高く評価します。しかし、ボッシュをレンブラントより上に位置づけるのは、さすがに不適切ではないか。それと同様の違和感を持ってしまうのです。




 番組を見ながら、1位の見当がつきませんでした。宗達の「風神雷神図」、北斎の「富岳36景」、応挙の「雪松図屏風」も登場済みでしたから。
 堂々の1位は、与謝蕪村の「夜色楼台図」でした。墨だけで、夜景を表現した金字塔ともいうべき傑作です。このあたりの作品群は、見る者に圧倒的な感動を与えてくれます。順位なんか関係ありませんね。ただ、光琳の作品からは、より高度な感性が放射されてくるのです。私の好みでしょうけど。




 ところで、丸山応挙の作品に「氷図屏風」という、墨線だけで氷を表現した作品があります。番組中、大英博物館所蔵と紹介されたとき、オーブリー・ビアズリーは「氷図屏風」を見たことがあるのではないかと妄想を膨らませてしまいました。
 ビアズリーは、世紀末のイギリスにおいて、オスカー・ワイルド作「サロメ」の挿絵を担当しました。その絵はあまりに斬新で日本的なのです。墨絵をペンで置き換えたかのような空間表現は、多分、欧米においては初の試みでなかったかと思われます。
 で、下図の「氷図屏風」が大英博物館所蔵と聞いて、ビアズリーは応挙に触発されたのではないかと推測したのです。ビアズリーはアール・ヌーボーの作家ですが、日本的空間処理をものした最初の欧米人でしょう。しかも高度に洗練され、省略の美を極めています。ひょっとしたら、そのルーツは応挙にあるのではないかなあ。




 3日には、私が楽しみにしている番組「かくて名画は生まれた」で、モネの「印象 日の出」が採り上げられました。 ついにというか、ずっと待ちかねていたのです。



 「印象、日の出」は、芸術が表現という新たな地平に立った記念すべき作品です。正月にこの作品を持ってきたのは、意図してのことでしょう。

 近代デザインを創始したのはウィリアム・モリスですが、これを推進した要素として、印象派の絵画の影響も考えられます。「印象、日の出」がきっかけとなり、印象派が生まれました。これ以後、絵画は純粋な表現としての方向に舵を切り、印象派の影響は絵画にとどまらず、彫刻界をも変質させていきました。つまり、美術は純粋芸術としての枠を儲け、応用芸術たるプロダクトや工芸、建築などと一線を画すようになりました。その結果、応用芸術の分野でも新たな変革が迫られたわけです。

 近代デザイン発生を語るとき、モネ抜きでは説明できないのです。残念ながら、番組では印象派が美術史に果たした役割には触れませんでした。次回は「日傘を持った女」なので、そこで触れられるのかも知れませんけど。

 ところで、下図はモネの若き日の風景画「ルエルの眺め」です。番組中でも紹介されていましたが、これ、あまりに見事です。17歳のときに描いたそうですが、17歳といえば、高校2年生でっせ。まさに天才ですね。
 文化庁に登録されているとかで、いずれ当地の美術館でも出会えることと期待しています。


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参百八拾参  年の瀬に思う(2008/12/27)
 アメリカの住宅バブルというか金融破綻に端を発した経済恐慌は、出口の見えない状況を窺わせています。“100年に一度”のフレーズはさすがに大げさだと思いますけど。

 1929年のウォール街大暴落に始まる大恐慌には遠く及ばないでしょう。あのときは、っても私は生まれていませんけど、アメリカの農民たちは食えなくなって、都会になだれ込んできたそうです。その波及は日本にも及び、当時の写真を見ると、土管で生活する浮浪者が溢れています。農家の娘たちがたくさん身売りされたのも、この時期の話でしたね。

 昭和初年の大恐慌に比べたら、今はまだましです。“100年に一度”のフレーズは不愉快です。今の日本の経済規模は、当時の脆弱な規模とは桁違いといっていいものです。おかげで、経済対策にしろ、雇用対策にしろ、いろいろな手を打つ余裕があります。

 もう一点、昭和の日本は重軍事国家であったのが致命的でした。貧しい農業国家が、世界第3位の海軍を整備し、陸軍も国内だけでなく、朝鮮軍、関東軍と海外にも展開していたのですから、まさに無謀の極みです。その軍隊にしても、今と違って極端な階級社会であったため、大将と初年兵との賃金格差は、千倍の凄まじさでした。現在の自衛隊であれば、7倍程度でしょう。そのため、尉官クラスの生活が厳しくて、その不満が二二六事件に繋がったというのが、歴史の真実ではないでしょうか。

 現在の日本には、雇用保険制度もあるし、生活保護制度もあり、再就職支援の制度も充実しています。とはいえ、不況が長引けば、やはり食っていけないという現実が待っています。そのため、政府は緊急雇用対策として、久々というか、前代未聞の政策を打出しています。
 雇い止めやら内定取り消しやら、離職者の再就職支援やらについては、私自身の担当業務であり、先日から対応に追われています。おかげで多忙なところに加え、もうどうしようもないドタバタとなっています。まあ、愚痴を言うのでなく、お気の毒な方々の一助となればと頑張っています。


 今年を振り返ると、いろいろなことがありました。お隣の韓国では、女子高校生の牛肉輸入批判がきっかけで、国民的運動にまで広がり、就任したての李大統領を困らせました。で、現在の状況はといえば、まったくの無風状態だそうです。アメリカ牛肉の最大輸入国は韓国だそうで、あのキャンドル・デモ騒動は一体なんだったの、ってなもんです。

 さらに面白いのは、盧武鉉前大統領が在任中に自ら締結した米国との自由貿易協定に批判的で、早期批准に反対などと言い出しているそうです。私には、あの国の人たちのメンタリティが理解できましぇん。


 政治関係の最大ニュースといえば、オバマ大統領の誕生でしょう。民主党代表選出で、オバマ氏、ヒラリー氏いずれが選ばれても、アメリカ初の冠がつきますから。
 黒人大統領誕生は、関係のない私であっても嬉しいものです。欲をいえば、パウエル元国務長官の方がより適任だとは思いますが。

 民主党のオバマ大統領とヒラリー国務長官のコンビによって、日米関係がどうなるかがポイントです。共和党政権に比べて、変化があるとの懸念があります。確かに変化はあるでしょうが、心配するほどのことはないでしょう。アメリカの世界戦略というか、アジア戦略に関しては、日本はひたすら貢献している立場です。
 若干の変化といえば、アメリカ側は日米同盟に関して、普通の同盟関係に修正すべきとの見解を持っています。しかし、懸念には及びません。本来、普通の関係に方向修正すべきというのは、日本側こそが望むべきであるからです。
 アメリカの希望は、日本が防衛に専守するスタンスを変えるべきとのものです。この件に関しては、憲法次第でしょう。一方の日本側にしてみれば、基地使用料とか兵士の居住施設とかについて、使用料の原則に則って、きっちりアメリカ側に負担を求めていきましょう。

 日米関係の比重も相対的に小さくなっています。この点は、むしろ日本側により顕著じゃないかな。貿易量も小さくなっていますし、今後、ひょっとすると兵器体系にさえ変化があるかもしれません。
 次期FX選定が迷走しています。F-22のライセンスをアメリカが拒否しています。この件がもたらす影響が読めません。まさか、ユーロ・ファイター(これはポンコツ)が採用されることはないでしょうが、日本の国防上の大きな課題となるでしょう。この件は、注視すべきポイントです。

 来年も多難でしょうが、なんとか日本がより良い方向に進むよう、皆さん一緒に見守りましょう。
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参百八拾弐  中国がついに空母建造か(2008/12/20)
 最近、方々で中国の空母建造が取り上げられています。それらの記事で気になるのは、得てして憂国的な論調で語られている点です。曰く、台湾侵攻が現実化するだの、太平洋のシーパワーが東西で二分されるだのの狼少年的論調です。こういうのは無視して、マターリと楽観すればよいと思います。


 中国はまぎれもなく大陸国家です。かつて、大陸国家で外洋艦隊運用をなし得た例はありません。帝政ロシアは国富を傾けてまでして、百数十万人の陸軍に加えて、黒海艦隊、バルト海艦隊、極東艦隊の3艦隊を編成しました。で、この艦隊群が有効に機能したかどうかは歴史の記すところです。
 冷戦時代のソ連もまた、巨大陸軍に加えて外洋艦隊整備に乗り出しました。アメリカへの対抗から、ヘリ空母のキエフ級を建造し、さらに本格空母のクズネツォフを保有していますが、クズネツォフは就役以来、航空団の運用が可能になるまで17年間を要しています。

 2番艦のワリヤーグは中国に売却され、中国はこれを元に空母を設計したと考えられています。さてさて、中国に空母機動部隊の運用が可能かどうか大いに疑問です。もちろん、そこに至るに長年月が掛かるのは当然でしょう。問題は、そこまでの財政的支援ができるかどうかです。
 例えば、日本が大型空母艦隊1個を持てば、それだけで現在の海上自衛隊すべての予算を食うとさえいわれています。将来の中国には無理な注文でしょう。


 もし、中国が本格空母を所有し、機動部隊運用を始めれば、必ずや自滅の途を辿ることでしょう。人民解放軍の幹部にしても、予算食いの空母を非難するんじゃないかな。かつてのソ連においても、空母建造の最大の障害は、陸軍側の横槍だったわけですから。
 まして、日本がこんなものにつきあって、空母戦力を整備しなければならないなどの妄言は慎みましょう。
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参百八拾壱  パッキャオ、史上初の快挙(2008/12/13)
 先週の日曜、WBC世界ライト級王者のマニー・パッキャオがオスカー・デラホーヤを8RTKOで破りました。パッキャオはフィリピンのボクサーで、今や同国の英雄です。

 パッキャオはWBCフライ級王座獲得を皮切りに、IBF世界J.フェザー(S.バンタム)級王座、WBC世界S.フェザー級王座、WBC世界ライト級王座と4階級制覇を成し遂げています。ちなみに、4階級制覇を成し遂げたのは、パッキャオ以前にも、ロベルト・デュラン、パーネル・ウィティカー、レオ・ガメス、ロイ・ジョーンズがいます。さらに上を行く5階級制覇が、レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、フロイド・メイウェザーです。そして前人未到の6階級制覇がオスカー・デラホーヤです。

 ただ、レナードの5階級制覇はインチキで、なんであんなのが公式記録になったのかは謎です。ドン・ラロンデの持つWBC世界L.ヘビー級王座への挑戦試合が、なぜかS.ミドル級王座決定戦を兼ねていたのです。違う階級の王座を兼ねるなんて、本来ありえない話です。

 パッキャオは4階級王者といいながら、フライ級からライト級まで制覇したのですから、クラスの幅は7階級にまで及んでいます。しかも、フェザー級時代に、あのマルコ・アントニオ・バレラに勝っているだけに、実質5階級制覇を達成したと誰もが認めています。当時のバレラは、メジャータイトル無冠ながら、クラス最強であったのは間違いありません。


 で、今回のデラホーヤ戦です。デラホーヤは半引退状態ながら、昨年までS.ウェルター級王者でした。フロイド・メイウェザーの挑戦を受け、僅差の判定で敗れたことから、実力は超一流でしょう。

 この試合は誰もがミスマッチと感じていました。ウエート差といい、体格差といい、差が大きすぎました。私もデラホーヤの勝ちは動かないと確信していました。ところが試合が始まるや、2Rあたりで雲行きがおかしくなってきました。

 多分、デラホーヤはサウスポー対策をやっていなかったのでしょう。パッキャオはサウスポーなので、デラホーヤからの右ストレートが遠くなります。右ストレートがまったく届かないため、ジャブからのワンツーが意味をなしていませんでした。一方のパッキャオは、面白いように左ストレートを当てていました。デラホーヤはカウンターを取ろうとするも、パッキャオの出入りが速いうえ、巧みに姿勢を変えるため、空振りするばかりでした。
 パッキャオのパンチの打ち方は素晴らしいものでした。当てる瞬間に手首を捻りこんでいました。スロー再生を見ると、パッキャオの強打の秘密が分かりました。

 今後とも、フライ級出身のボクサーがウェルター級まで制覇することはありえないでしょう。不可能を可能にした男、それがアジア出身なのですから、我々も嬉しい限りです。
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