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六百六拾   ワールドカップ総括が盛んです(2014/6/29)
六百五拾九  セクハラ野次(2014/6/22)
六百五拾八  集団的自衛権を考える(2014/6/14)
六百五拾七  日本の車社会は地獄への入り口(2014/6/1)
六百五拾六  今夏のWOWOW劇場も極上ラインアップ(2014/5/25)
六百五拾五  集団的自衛権の行使(2014/5/18)
六百五拾四  井岡一翔の落日(2014/5/11)
六百五拾参  マイダナ大健闘(2014/5/4)
六百五拾弐  大阪城ホール決戦は期待外れ(2014/4/27)
六百五拾壱  Windows8は辛い(2014/4/20)
六百五拾   パッキャオ復権(2014/4/13)
六百四拾九  春のボックス祭開始(2014/4/6)
六百四拾八  最近の世相(2014/3/30)
六百四拾七  『限界集落株式会社』(2014/3/23)
六百四拾六  PC用スピーカー(2014/3/15)
六百四拾五  ウクライナ暗雲(2014/3/8)
六百四拾四  ソチ五輪閉幕(2014/3/2)
六百四拾参  Windouw7環境設定完了(2014/2/23)
六百四拾弐  感動の『シュガーマン 奇跡に愛された男』(2014/2/15)
六百四拾壱  東西首長選挙(2014/2/9)




六百六拾   ワールドカップ総括が盛んです(2014/6/29)
 一昨日の日刊ゲンダイに、「騒ぎが目的化…日本サッカーの沈下を招いた未熟サポーター」とのサッカー総括の記事が載っていました。これが香ばしい内容で、突っ込みどころ満載でした。

 ルールも知らないのに、人寄せパンダのジャニーズを目当てにバレーボールを見に来る女子と同じなら、一過性のブームで終わる。

 スポーツライターの工藤健策氏、これまたステレオタイプな文章を書いたものです。ルールを知ってるかどうかなんて、他人に分かる由もないじゃないですか。工藤氏はきっとエスパーなのでしょう。

 日本では、スポーツの見方が表層的だし、未成熟。拍手やブーイングのタイミングすら分からないような人たちが多いのです。

 一体なにを根拠に、“日本では、スポーツの見方が表層的”と言えるのでしょうか。私見では、むしろ逆に日本人の観戦態度は技術面にも目を向ける専門的なものだと思います。

 彼らはスポーツの何たるかを理解する気はないし、本物のサッカーファンになることもない。プレーや采配にも無批判。こうした一部の未熟なサポーターたちが、日本サッカーのレベルをおとしめている可能性は否定できない。

 ここのところは編集の文章ですが、こういうスタンスだと世間に認知させたり、広めたりするのは無理ですね。いかに興味のない人間や素人を巻き込むかが重要なのにね。この記事を読んだ読者は、かなり腹を立てているのではないでしょうか。サッカーにまったく興味のない私でイラっときますもん。


 グループリーグを1勝もできなかったとはいえ、スペインやイングランドでさえ予選敗退なのですから、日本が高望みしちゃ駄目ですよ。日本の競技レベルが世界に及ばない悔しさはよく理解できます。

 昭和50年代半ばから平成にかけてのボクシングシーンは悲惨でした。次々に世界挑戦するものの、全く歯が立たず、レベルの違いを思い知らされるばかりでした。今大会の反省として、なにが足りないとか論じられていますが、個々人の技術向上しかないでしょう。体格、フィジカルの違いを言っても仕方ありません。メッシなんか日本人より小柄ですもん。技術格差としか言いようがありません。

 現代日本のボクシング選手は強くなっています。その技術向上の理由ははっきりしています。世界の頂上で闘うボクサーの技術を見て、真似をするなどの見直しをしているからです。
 ジャブの打ち方の進歩なんか歴然としています。昔の選手はまるでチョップのように、肘を視点に振り出していました。あれではジャブと言えないでしょう。負けて当然です。
 また、相手の右脇腹への左アッパーをよく打つようになりました。右脇腹は顎、テンプルに並ぶ急所です、急所への攻撃をしないようでは勝てるはずもありません。

 内山選手、山中選手、井上選手、八重樫選手などの超一級品が揃った現在の状況は堪えられません。サッカーファンでなく、ボクシングファンで幸せです。もっとも、過去には辛い時期を長く過ごしたのですが。
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六百五拾九  セクハラ野次(2014/6/22)
JCASTニュースから

 「早く結婚した方がいいんじゃないか」「産めないのか」。東京都議会で一般質問に立ったみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)に、議場からこんなヤジが飛び、どの議員によるものなのかと物議を醸している。

 塩村文夏議員は、かつて日テレ系「恋のから騒ぎ」に出演して注目を集め、放送作家としても活動している。2013年6月に都議選で初当選し、14年6月18日は初めて一般質問に立っていた。


 東京都議の質問中に為された野次が物議を醸しています。議会の品位とかセクハラ問題の件はさておき、当該議員のキャラに興味があります。

 この女性、見覚えがあります。某TV番組に定期レギュラーで出演していた方です。いじられキャラを演じ、注目を浴びました。散々な発言のオンパレードで、顰蹙を買っていました。私も不愉快な女性との印象を持ちました。意図的に高慢キャラを演じていたのでしょうが、それがやれるってことは相当なタマなのでしょう。

 ミスコン優勝の常連で、華麗な男遍歴と流した浮名を自慢していました。分かれる際に高額な慰謝料を貰ったとか、クリスマスのプレゼントはヘリでの夜景散策であったとか、ちょっと異常な自慢話でした。そのあたりの上から目線の男下げは、立派なセクハラでしょう。

 まさか都議会議員になっていたとはね。都民も、ようもまあ票を入れたものです。元を糺せば、選んだ側がその程度ということなのでしょう。東京都といい、大阪府といい、まじめに代表を選べよとか思います。

 かといって、議場でのセクハラ野次は許されませんわな。未だに隠れまわっているオヤジは、最低にお下劣男ですけど。
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六百五拾八  集団的自衛権を考える(2014/6/14)
 サイト開始以来3度目かのサボりとなりました。法事があったりで、書き込む元気がありませんでした。この間の大きな話題といえば、集団的自衛権の行使容認を閣議決定するとかいうやつです。これにはいろいろ考えさせられています。

 9条がそのままで、他国の紛争に軍事介入するなんて、素人にはとうてい理解不能です。これが異様なのは、大元である個別自衛権そのものを等閑にしたまま、枝葉の方をつついているからです。
 日本が侵攻を受けた際の状況に対する法整備が一切為されていないのですよ。本来であれば想定状況に対して、ありとあらゆる法律に特例条文が必要になってきます。さらに規則において細かい条文が書かれ、さらに細かい対応が別表などに記されることでしょう。

 ここに手をつけるには、憲法の定義が明確でないと無理でしょう。条文を読んで、その示すところを忖度しなければならないような憲法では、先に進めないでしょう。

 それと、今回の政府による集団的自衛権の説明は、米軍の補完機能をいかに果たすかのような説明ばかりで、プレゼン手法を間違っているかと思います。また、説明に当たって、不透明な話もあります。

 武器使用認める提言、首相が当日に内容打ち消す
 PKOなどの集団安全保障の場合でも、自衛隊が行う活動には憲法9条の制約がかかるというのが、現在の政府の憲法解釈だ。


 私には、もう何を言っているのかさっぱり理解できません。警察権でさえ武器使用が認められているのに、紛争地でのPKO活動に武器使用を認めない政府解釈というのは、自衛隊を弄ぶ謂いです。こういう恣意的な解釈を失くすためにも、9条改正が必要です。

  集団的自衛権の行使について、これまでの非から是に憲法解釈を変えるとします。そのように、ときどきの都合で法の執行基準が変更されるなんて、日本という国家は人治主義ということになりませんか。中韓の人治主義を嗤えませんよ。そのとき、日本を“信なき国家”と指弾されても仕方ないかと思います。

 そういえば、最高裁が議員定数の違憲状態を指摘しても、国会議員だけでなく国民も気にしない実情ありますね。私ゃ嫌です。日本を変えるため、国民ひとりひとりが声を上げましょう。
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六百五拾七  日本の車社会は地獄への入り口(2014/6/1)
 誰かのツィッターが話題になっていたそうです。最初の書き込みは次のようなのです。

若者は車を手に入れた!
自動車税がついてきた!
重量税がついてきた!
取得税がついてきた!
自賠責がついてきた!
任意保険がついてきた!
駐車場代がついてきた!
ガソリン代がついてきた!
若者は死んでしまった!


 これに対するツイートで、次々に他の問題が指摘されていました。

消費税もついてきます(^^;)

若者は新型スポーツカーを手に入れた!
任意保険意外と安いじゃん
■交通事故
@3等級ダウン→保険料値上げ
A事故有係数(新設)→保険料値上げ
B同型車乗りもみんな事故る→C
C料率クラスアップ→保険料値上げ
D新車割引終了→保険料値上げ
若者は予想外の保険料を払えなくなった!


 他にもあるのですが、皆さん問題意識を持っているみたいですね。若者の車離れをテーマにして、皆さんよく考えていらっしゃるみたいです。

 上に書かれているトンデモ税制の問題は、40年前からずっと言われ続けられていることです。いまさらの話で、これが車離れの理由にはならないかと思います。整備新幹線事業、早い話が上越新幹線を通すため、財源として田中角栄時代に重量税がでっち上げられました。重量税は明らかに自動車税との二重課税です。当時の政治家にしてもこれが問題なのは重々認識していて、たしか時限立法であったかと記憶しています。調べるのが面倒なので、違っていたらすみません。

 それがいつのまにか当たり前になり、さらには高率の揮発油税まであるので、道路使用に係る税金は三重にもなります。ここにも暫定税率という誤魔化しが存在しています。一旦引き下げられたものが、すぐに引き上げられました。
 昔から、自動車行政をめぐる租税負担のインチキは広く訴えられてきました。でもね、財務省も政治家も無視を決め込んでいます。この財源が道路整備や新幹線整備に回されますから、美味しいのでしょうね。

 こういう事実を知ったら、そらあ若者も車に係わろうとしないでしょう。田舎はともかく、都会では馬鹿らしいことこのうえないでしょうね。
 一方で、田舎でも免許取得者数が減少している現状があります。人口減というそもそも論を別にしてもです。理由としては、決して若者の低所得で語ることはできないでしょう。昔の若者にしても、安い給料から月賦でシコシコと支払い、車を所有すると他に何もできない状況がありましたから。

 若者にとって、車の魅力は決して色褪せていないかと思います。所得が安いのも昔と同じです。違うのは将来設計でしょう。昔は安いながらも、やがて給料も上がり、余裕が見込めていたわけです。ところが今の若者には、将来設計を描けず、今を生きるしかない人間が相当数いるのでしょう。

 自動車製造、販売がもたらす経済効果は、裾野の広さといい、大量の雇用といい、極めて重要です。少子化社会の到来を余儀なくされていながら、自動車所有へのハードルを下げようとしない政策が残念です。日本の将来を悲観的にさせるポイントのひとつです。
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六百五拾六  今夏のWOWOW劇場も極上ラインアップ(2014/5/25)
 毎年、WOWOWでは夏場に美味しい番組をラインアップしてくれます。8月辺りに楽しみな予定が組まれることと思います。ただ、この6月から7月にかけても、超大作SF映画が揃い踏みです。

 まずは『パシフィック・リム』です。これは東宝特撮映画に対して最大限の敬意を表したもので、怪獣対巨大ロボットの闘いを、着ぐるみからCGに置き換えて描いたものです。
 東宝(円谷)風味満点で最大限のリスペクトが感じられました。東宝が世界のスタンダードにした“不定屈折光線”が全編に満ちていました。また、エンディングの映像 − やや上空から俯瞰した海の図は、東宝特撮の定番ラストです。東宝の場合は、100mプール(今は50m)を利用した眺望ですけど。

 音音楽は不満です。伊福部テイストをほんの僅か再現しているものの、もの足りません。伊福部氏本人の作曲であれば、素晴らしい映像とのマッチング実現することでしょう。重厚なコントラバスで、ゆったり徐々に盛り上げていくあの手法です。で、同じフレーズを何度も繰り返しながら、テンポを徐々に上げ、クライマックスで炸裂させるものです。残念ながら、伊福部氏は亡くなっているのでもはや聴くことはできませんけど。

 不満は、例のアメリカ映画特有のぬるいサイドストーリーやら寸秒を惜しむ緊迫シーンでの愁嘆場です。あるいは、観客を吃驚させる演出がうざいこと。死んだと思われていた怪獣胎児が、いきなり商人をパクリと飲み込むシーンなんか余計でしょう。あげくに食べられた商人が、実は生きていたとか、しらける演出です。

 本作はすでにDVDで見ているものの、WOWOWでのHD映像はまた格別でしょう。 とにかく、東宝特撮ファンには堪えられません。WOWOWでの放映が楽しみです。


 その他、 『アイアンマン3』『ワールド・ウォーZ』の話題作も待っています。この両作は未見なので、WOWOWに加入していてよかったとつくづく思います。

 さらには7月に入って、『マン・オブ・スティール』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』が予定されています。こういった話題作、超大作は、メガヒット劇場として土曜日に放映されます。おかげで土曜の夜が待ち遠しいです。
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六百五拾五  集団的自衛権の行使(2014/5/18)
 先週のこと、政府の有識者会議というか安倍首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、集団的自衛権の行使を容認するよう求める報告書を安倍首相に提出しまた。

 世上には、周辺事態の緊迫状況を重視し、歓迎する向きとあくまで憲法改正に拠るべしとする議論が盛んです。左巻き方面の言説は取りあえず置きましょう。
 私は憲法改正派で、解釈変更路線を忌避するものです。 集団的自衛権の行使についての憲法解釈を、これまでの「認められない」から「是認される」に変えるとします。その場合、日本という国家はときの政府によって左右される人治主義ということになりませんか。ネトウヨたちが中韓の人治主義をあげつらいますけど、これからは嗤えませんよ。だけでなく、日本を“信なき国家”とレッテル張りされても仕方ないかと思います。

 私は嫌です。あくまで9条改正に拠るべきで、さらに憲法改正に伴う国内法整備を正面から行うべきと考えます。また、同時にガラガラポンでの安保再構築を目指していただきたいです。

 安倍首相は自らTVカメラを前に訴えました。その際、武器使用認める提言があったものを打ち消しました。理由は、PKOなどの集団安全保障の場合でも、自衛隊が行う活動には憲法9条の制約がかかるというのが、現行の憲法解釈であるからだそうです。

 私には、もう何を言っているのかさっぱり理解できません。警察権でさえ武器使用が認められているのに、紛争地でのPKO活動に武器使用を認めない政府解釈というのは、自衛隊を弄ぶ謂いです。こういう恣意的な解釈を許さないためにも、9条改正が必要と考えます。


 今年2月の大雪で、神奈川県の厚木基地に隣接する格納庫の屋根が雪の重みで潰れ、格納庫の中に駐機されていたアメリカ海軍の哨戒機3機が大破しました。アメリカ海軍は今後、被害の補償を日本側に求めることを検討するそうです。

 日本側には是非とも補償してください。防衛大臣か官房長官が正式声明の形で広報周知し、日米双方の官民にきっちり伝わるよう工夫してくださいな。
 常々“管理責任”を蔑ろにしているのはアメリカ側です。近い将来、普天間の返還が実現するでしょう。その際、かつての田畑や雑種地への復帰義務はアメリカ側にあります。特に無毒化作業には相当な経費がかかるかと思います。今回の件を米側に強く印象づけ、きっちり落とし前をつけさせましょう。

 しかし、たちの悪い外務省と自民党国防族が控えていますから、裏で亡国的動きをするでしょうね。きっと米側にいい顔をしようと、原状回復義務をうやむやにすることと思います。
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六百五拾四  井岡一翔の落日(2014/5/11)
 春のボックス祭りがもう一試合残っていました。先週の水曜日、大阪でのIBFフライ級タイトルマッチです。王者 アムナット・ルエンロエン(タイ)vs井岡一翔(井岡)です。
 井岡選手はミニマム級、ライトフライ級に続く3階級制覇を狙っての挑戦でした。ちなみに井岡選手は、WBAのライトフライ級については姑息な手段で王者になっています。王者のローマン・ゴンザレス選手に勝ったのでなく、ゴンザレス選手をスーパー王者に格上げした上、ランキング選手との王座決定戦で戴冠したものです。

 その後、ゴンザレス選手との統一戦を指示されたものを、ゴンザレス陣営に金を払って対戦を回避したものです。ぶざまな話です。この件で井岡選手のチャンピォンシップは地に堕ちました。ボクシングファンはげんなりしています。

 先日、防衛に成功した八重樫選手は次戦でのゴンザレス戦を確約しています。多分負けるでしょうが、ファンの声援はゴンザレス戦支持が圧倒的です。勝つところを見るのが目的でなく、ファンはハイレベルな熱戦を見たいのです。八重樫vsゴンザレス戦は、綱渡りのようなセンシティブな試合となることでしょう。まともに打ち合っては八重樫選手に勝ち目はありません。速い出入りでポイントを稼ぎ、距離を詰めての連打を狙うゴンザレス選手のパンチをいかに外し、回り込むかが見せ場となるでしょう。


 で、井岡選手ですね。ボタンのかけ違いはフライ級での試運転を省略したことでしょう。まずは上位ランキング・ボクサーと試合をするべきでした。上の階級のパンチを経験し、また同時に自身のパンチの効き具合を経験しておくべきでした。その経験をトレーニングに活かし、時間をかけて準備をするべきでした。王者のアムナット選手は身長、リーチともに挑戦者を上回っており、基本的に不利な形での試合を余儀なくされました。

 前戦で魅せたボディワーク戦法は採らず、ガードを固めて距離を詰める戦法でした。これは仕方ないかと思います。フライ級で闘う準備をやっていないのですから、パンチを貰うことを忌避せざるを得なかったのでしょう。その結果、手数のない勝ちようのない試合内容でした。

 しかも王者はカウンターが上手かったです。井岡選手のジャブに右クロスを被せたり、手を出そうとしたところにアッパーを合わせたりで、技術面でも上回っていました。加えて高い上背を生かしてクリンチも巧みでした。元々タイ式経験者なのですから、クリンチのテクニックは大人と子供です。

 フルラウンドに亘って一方的な内容で、大差の判定負けでした。ジャッジひとりは井岡選手の勝ちとしまして、世間の軽侮を受けたかと思います。最初の井岡コールを聞いときは、まさか亀田式の判定かと哀しくなりました。こういうのは、もうやめましょうね。
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六百五拾参  マイダナ大健闘(2014/5/4)
 春のボックス祭りの締めくくりは、WBC王者 フロイド・メイウェザー(米国)vsWBA王者 マルコス・マイダナ(アルゼンチン)の統一戦です。本日、WOWOWで実況生中継が行われ、大興奮させられました。

 勝敗の興味ではありません。メイウェザーが勝つのは九分どおり間違いありません。マイダナがいかに豪打で迫るかがポイントです。試合は予想どおり、マイダナの乱れ撃ちでエキサイティングな展開でした。
 メイウェザーの防御は極めつけです。ステップワーク、ボディワーク、ブロッキングを駆使し、それもその時点で最も効果の高い方法を選択します。今までメイウェザーに強打を当てたのは、シェーン・モズリーとザブ・ジュダーの二人だけです。それも12ラウンドの中で一発だけです。

 前のサウル・アルバレス戦では、さすがのメイウェザーもかなりパンチを食うだろうとか言われていたのが、結局一発も当たりませんでした。それだけにマイダナへの期待が高かったのです。
 マイダナは前の試合で、エイドリアン・ブローナーからタイトルを奪いました。ブローナーはメイウェザーに似たスピードスターで、なかなかクリーンヒットを許さない防御の良いボクサーです。そのブローナーから2度のダウンを奪っているのです。大振りのパンチは大きく外から回ってきます。しかも速いので捉え辛いのです。

 ブローナーに当てたパンチは、スウェーで外そうとしたところに大回りで届いたのです。果たしてメイウェザーにも当たるのか、世界中のボクシングファンが注目しました。で、マイダナは能く健闘しました。下図のとおり、急所にクリーンヒットとはならなかったものの、メイウェザーがクリンチで逃げなければならない場面をたくさんつくりました。
(C) WOWOW


 上からたたき落とすようなフックです。普通に横から回すフックだと、ダッキングやスウェーで外されてしまいます。上からだと取りあえず当たります。



 上からの攻撃と下からのボディ攻撃を組み合わせたのも良い工夫です。強烈なボディアッパーです。ただし、メイウェザーのボディは強靭きわまりないです。

 よく健闘しました。負けたのは仕方ないですが、最後まで目が離せない激闘を演出してくれました。これまでのメイウェザー戦を振り返ると、最も白熱したのはオスカー・デラ・ホーヤ戦でしょう。そして、カスティージョ戦とともにこれに次ぐ白熱ぶりでした。ザブ・ジュダーも試合前半だけなら、健闘どころか優勢でさえあったのですが。

 やはりパッキャオしかいません。メイウェザーを倒す、あるいは勝つ可能性があるのは。しかし、メイウェザーはやらんでしょうね。S.フェザー級時代のカサマヨル、S.ライト級時代のズー、そしてパッキャオと、必ずしも勝ちの見えない相手とは試合をしないボクサーです。もう、あんまり期待しないようにしましょう。
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六百五拾弐  大阪城ホール決戦は期待外れ(2014/4/27)
 先週の水曜日に大阪城ホールで開催された二大タイトルマッチは期待はずれでした。WBCバンタム級世界戦 王者 山中慎介(帝拳)vs3位 シュテファーヌ・ジャモエ(ベルギー)とIBFS.バンタム級世界戦 王者 キコ・マルチネス(スペイン)vs13位 長谷川穂積(真正)です。

 山中選手の強さは文句なしだし、ハードパンチの見せ場もありました。しかしながら、チャンピォンシップとしての正統性を貶める試合ぶりで、見ていて汚らわしさばかりが伝わってきました。
 腕を伸ばして相手を抑え込むのを、執拗にやってました。レフェリーは試合を邪魔しないよう、横からのジェスチャーで何度も注意していました。下図がその抑え込みですです。
(C)日本TV


 6Rに減点を与えましたが、遅すぎます。早いラウンドで明確な注意を与え、もっと早い時点で減点すべきでした。挑戦者は早くから抗議していましたが、山中選手は委細構わず抑え込んでいました。念のために書きますが、抑え込みは反則です。ウラジミール・クリチコもこれをやり、レフェリーは注意さえしません。こういう不公平さというのは、ボクシング競技の正統性を失う行為です。常々山中選手はチャンピォンシップを口にしていますから、遠慮なく指摘させていただきます。

 また、ダウンを奪った際のマナーもよくないですね。ニュートラルコーナーに控えなくてはいけないものを、ウロウロと近づいてきて、やはりレフェリーに注意されていました。ああいうのを見ると、見てるこっちが恥ずかしくなります。もっとフェアに闘えよと。


 長谷川選手にはお疲れさまでした。幾度もの熱戦で観るものを熱くさせてくれました。今回の敗戦もまた、彼の欠点が露呈したもので、負けは致し方ありません。
 減量からのコンディション不調も伝えられていました。それは言うべきではないでしょうね。そういうことを言うと、高い金を払った観客に失礼ですから。商売に例えると、販売レベルに達していない品質の商品を売りつけるのと同じですから。

 とにかくブロッキングがよくないです。相手のパンチを止めるのでなく、単に顔面前にグローブを置いているだけでした。相手のパンチに合わせるガードというものは、普段からたゆまず練習していないと身につくものではないでしょう。ゴンザレス戦での敗戦が生かされていませんでした。
 また、ロープ際での撃ち合の際、ガードできていませんでした。あれも、普段から練習していないからでしょう。ホプキンスなんか、左フックを撃つ際には必ず右ガードがあり、右クロスを撃つ際には必ず左ガードがあります。

 バンタム時代には、身長とリーチで圧倒的に優位でした。ガードなしでも間に合っていたわけですが、上の階級で通用するはずもなく、当然の結果というべきでしょう。
 ウィラポンを鮮やかなカウンターで沈めた長谷川選手は、まぎれもなく超一流選手でした。あれから8年が経ち、時代の終わりをまざまざと見せつけられました。残念ではありますが、仕方ないことでもありましょう。
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六百五拾壱  Windows8は辛い(2014/4/20)
 今月の9日でWindowsXPのサポートが切れました。日本全国でサポート切れへの対策に追われて、狂想曲ともいれる騒ぎになりました。先月のPC販売は、消費税アップを控えての買い急ぎと相まって、品切れさえ起っていました。あるいは、品薄を背景にしての高値販売が続きました。

 それでも、買い替えを完了したケースは幸せです。日本全国の自治体や企業では、XPのままで当面をしのぐケースも多々あろうかと思います。当方の組織でも、昨年度中での買い替え予定PCについては、当然のこと対応を済ませました。
 正規職員全員に配布しているPCは、今年の秋までに入れ替える予定です。所属施設が独自に調達しているPCについては3月までに対応を終えました。メモリ増設などで対応できそうな機種は、Windows7か8に入れ替えました。古い機種で新OSに耐えられないものは廃棄し、新しいPCに更新しました。

 組織の情報管理部門の方針としては、「できるだけWindows8にすべし」、「Windows7は一応よしとする」というものです。で、指示どおり更新機器はすべてWindows8にしました。ただ、旧機種をアップグレードするケースでは、Windows7で誤魔化しています。

 とにかくWindows8が嫌で嫌で堪らないのです。新年度に入って配布された嘱託職員用PCもWindows8だったのです。いまや、かなりの数のPCがWindows8にリプレースされています。これが鬱陶しいのなんのって、使っていてイライラさせられます。
 先々週に更新ファイルがアップされたWindows8.1update を適用して、やっと従来の使い勝手に近づけました。いえ、まだまだですけど。従来のスタートメニューからすべてにアクセスできるのがベスト仕様です。スタートメニューのオプションで、「コントロールパネルを展開する」にチェックを入れておけば、これ一本で対応できましたもん。
 そうやってオペレーションの一元化が実現できていたものを、なんでわざわざ散在させなきゃならんのか。これはタッチパネル向けだからという説明で納得できるものではありません。

 あの初期画面のタイルはなんだってえの。タッチパネル向けのインターフェースなのでしょうが、Windows Ver1 じゃああるまいし。それに加えてOffice2013の仕様変更がまた辛い仕様です。自分のPCもOffice2013にしていますが、あのMSのサーバにサインインするのがまた辛い仕様です。

 MSのアナウンスによると、次の大型更新でさらに従来仕様に近づけるとのことです。どこまでのことかは不明ですが、一応期待しておきます。
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六百五拾   パッキャオ復権(2014/4/13)
 本日、ラスベガスにおいて、WBO世界ウェルター級タイトルマッチが行われ、ティモシー・ブラッドリー(米国)にマニー・パッキャオ(フィリピン)が挑みました。一昨年は逆で、ブラッドリーが挑戦者て、微妙な判定でパッキャオは敗れたのです。
 今回の再戦はパッキャオにとってリベンジマッチでした。前回は、どうみてもパッキャオの勝ちだろうという内容だったのに、判定で奪われたのです。

 ブラッドリーはブラッドリーで、よい試合をしたのに、評価されずに辛い立場に追い込まれていました。両者ともに意地とプライドをかけた再戦だったのです。

 先ほど結果が出ました。パッキャオが3-0の判定でタイトルを奪還しました。勝ったとはいえ、苦しい試合でした。これまでパッキャオの試合には、大きな注目が集まり、対戦相手もビッグネームばかりでした。相手はいずれも対パッキャオのための工夫を凝らし、あらゆるプランで対応してきました。
 当然、パッキャオのボクシングは研究され尽くされています。ブラッドリーはそれらの成果を見事に発揮していました。ひとつはパッキャオの左クロスに対する防御です。右ダックで躱すのがベストでしょう。これは功を制し、パッキャオの飛び込みざまの右クロスはほとんど空を切りました。右ダックで躱した後、相手を見もせずワイルドな右フックを打ち返していました。あるいは、マルケスがやったようなカウンターを狙って、パッキャオの左に合わせていました。

 それもあって、パッキャオは慎重な闘いぶりで、これまでのような強打の打撃戦は忌避していました。パッキャオにとって幸いだったのは、ブラッドリーが足を痛めたことです。中盤からのブラッドリーは、突っ込むことができず、また踏ん張ったパンチを打てませんでした。
 このアクシデントがなかったら、今回の試合も帰趨は分からなかったことでしょう。パッキャオの欠点は、ショートで強いパンチをぶつけることができな点です。距離があって初めてパッキャオの利点が生きてきます。ショートを制することができないようだと、メイウェザーに勝つのは無理そうですね。

 そのメイウェザーは来月にマルコス・マイダナと対戦します。メイウェザー有利ではありましょうが、マイダナ戦にはなにが起こるか分からない怖さがあります。
 普通の選手だと、メイウェザーのスピードとフェイントを混ぜた速いパンチに縮こまる傾向があります。多分、マイダナは委細構わず強打を打つでしょう。右ダックで躱すメイウェザーに対し、かまわず右クロスを打ち下ろす展開が予想されます。
 これを嫌うメイウェザーは、ステップやスウェーを多用するでしょう。その結果、思わぬパンチがヒットする可能性が生じます。

 とはいえ、最終的にはメイウェザーが勝つでしょうけど。パッキャオvsメイウェザーの世紀の一戦、いいかげんに実現していただきたいです。両者ともに30代後半となり、ボクサーとして最高のパフォーマンスを発揮するには、すでに峠を越しています。猶予はないのですけどね。
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六百四拾九  春のボックス祭開始(2014/4/6)
 今夜から春のボクシング祭が開始されました。
 今夜はWBC世界フライ級王者 八重樫東(大橋)vs8位 オディロン・サレタ(メキシコ)、そして6戦目での世界戦挑戦のWBC世界Lフライ級王者 アドリアン・エルナンデス(メキシコ)vs4位 井上尚弥(大橋)の2戦が行われました。

 八重樫選手は余裕のKO勝利でした。見事なショートのカウンターでした。八重樫選手はスピードがあり、抜群のフットワークとハンドスピードが魅力です。また、ボディワークがいいですね。撃ち込んで至近距離になり、相手がパンチを打った瞬間に身体を沈めたりのディフェンスをルーチンワークで行います。

 パンチ力はないものの、撃たせずに撃打つを確実に実践できています。見た目がひ弱そうなだけに、観戦する方としては、ハラハラしながら判官贔屓にさせられます。


 もう一戦は、怪物の異名をとる井上選手です。なんかもうね、どちらが王者か分かりませんでしたね。圧倒的な実力差がありました。
 8kgの減量を強いられた上でのあのボクシングは文句なしです。近々上の階級へ移らないと、身体が保たないでしょう。その際にも、あのパンチ力があれば通用するでしょう。いずれ井岡選手との対戦も取り沙汰されることと思います。

 4月23日には、大阪城ホールでWBCバンタム王者 山中慎介(帝拳)vs3位 シュテファーヌ・ジャモエ(ベルギー)、IBFS.バンタム級王者 キコ・マルティネス(スペイン)vs長谷川穂積(真正)ダブル世界戦が開催されます。
 山中選手は危なげなく防衛することでしょう。問題は長谷川選手です。フェザー級ではまったく通用しないとあって、階級を落としての挑戦です。さてさて、どうなんでしょうか。相手選手を知らないので、私には何とも言えません。再起を願っていますけど、ブロッキングに磨きをかけていなければ危ういところです。

 4月下旬の話はさておいて、まずは来週日曜日に開催されるWBOウェルター級王者 ティモシー・ブラッドリー(米国)vs1位 マニー・パッキャオ(フィリピン)戦が問題です。
 前戦はパッキャオ有利な内容でしたが、ジャッジはブラッドリー勝利としました。その後、マルケスにも負けたパッキャオとしては、ここで負けるわけにはいけません。パッキャオ勝利を願って生中継を心待ちにしています。
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六百四拾八  最近の世相(2014/3/30)
 消費増税

 明後日からの変更ですね。私にはほとんど関係ない話です。なにせ、ろくな買い物をしませんから。食品なんかでも、値札はろくに確認もしていませんから。

 増税後の腰折れを主張する方もいますけど、増税前の特需と合わせて行って来いでしょう。むしろ嫌なのは、消費増税分の使途です。表向きは福祉負担への対応ということになています。でもね、増税が衆議院で可決した直後に新幹線の新規整備をぶち上げてくれました。もうね、将来負担のことなんか考えていません。今さえよければ路線まっしぐらです。


 フィギュア世界大会

 男女揃い踏みでの金メダルは初めてでしょう。羽生選手といい、浅田選手といい、勝ち方を知っているアスリートです。金メダルを取るには、今何をしなければいけないかを理解していますね。羽生選手は若く、さらなる成長を見ることができそうです。

 浅田選手はソチでのフリー、今回のショートと歴史に残る演技ができて、思い残すことはないでしょう。もはや、やり残したことはないでしょうし、今後の成長も望めないでしょうし、潮時ではないでしょうか。
 女子ジュニアにも有望な選手が揃っています。いずれ世界で闘えそうな選手も数名います。むしろ、浅田選手や鈴木選手が引退すれば、出番が増えることによって成長が加速されるのではないでしょうか。


 みんなの党無残

 政治家が融通された金を不適切な取り扱で問題化するのは、たまにありますね。渡辺氏の場合、金の取り扱いを自身が管理していましたから、秘書が勝手にやったとも言えません。
 これまでにもいろんな政治家が見苦しい言い訳をしてくれましたが、渡辺氏の場合は言い訳にもなってません。もう、お終いなんじゃないですか。


 春のボクシング世界戦

 ボクシング世界戦が集中するのは、年末と4月初旬です。今春は、山中選手、長谷川選手、八重樫選手、井上選手が予定されています。
 亀田兄弟が国内で試合ができない状況なので、平和に試合を楽しめます。本来、こうであるべきなのです。予定の4試合はすべて楽しみです。特に八重樫選手は、勝てば次戦にローマン・ゴンザレス選手との対戦が予定されています。とても勝てるとは思いませんけど、見たい一戦です。
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六百四拾七  『限界集落株式会社』(2014/3/23)
 先週のこと、黒野伸一氏の『限界集落株式会社』を読みました。私は限界集落に興味を持っています。今や日本全国の山間部集落が消滅に向かっている状況です。そのような限界集落にこそ、日本の古き良き生活様式が残っていて、集落消滅とともに生活様式もまた消滅しようとしています。

 10数年前、『三丁目の夕日』の影響なのか、昭和をノスタルジックに回想する類の書籍が多々出版されました。私もこの種の情報や図版が好きでいろいろ購入しました。
 『失われた日本の風景』『昭和のくらし博物館』『キャラメルの値段』『紙芝居集成』『少女の友(復刻版)』などなど、その他にも大正、昭和の絵物語とかを所有しています。これらに興味があるのは、半分は仕事のためです。百九拾八 高畠華宵と中原淳一(2005/7/10)なんかは、その典型です。

 時々見返し、特にノスタルジックな思いに引き戻されるのは、『失われた日本の風景』です。これには故郷回想の副題が付され、全国の昭和30年代当たりの生活を写したスナップ集となっています。
 いずれも忘れ難い時代の様相を残していて懐かしいのです。そして、限界集落みたく鄙びた地域には、当時の雰囲気が未だ残っていることと思います。

 で、『限界集落株式会社』です。銀行の融資を担当し、その後IT企業に勤務していたものの、起業のために会社を辞めた主人公が、故郷を訪れたシーンから物語は始まります。
 場所は特定していませんが、中部地方の山間部と思われます。すでに公共交通機関は廃止となり、郵便局も撤退した整理統合地区です。そんな中、逞しい老人たち、就農事業に応募してきた都会の若者、農業への従事を将来の夢とする村の子供たち、そんな彼らに触発され、農業による故郷再構築を目指します。

 農家育ちの身としては、そんな上手い話なんてありゃせんぜ、とか思いますけどね。一方で、農業再生への徹底した取り組みや他県にまで出向いての営業開拓なんかは、現実にやるべきことと思います。

 紆余曲折の中、次第に村人の旧弊意識を改めたり、自存意識を高めたりして、大きな成功を収めます。就農事業に参加するために都会からやってきた若者3名が、実は傑出した才能の持ち主だったとかはご愛嬌です。彼らの持つスキルが発揮するシナジー効果もあって、ものごとが好転してゆきます。

 この小説の描く地方、特に僻地の再生は重要な課題でしょう。コンパクトシティとして整理統合路線を選ぶか、あるいは本作のように都会の人間を吸収して再生への道を探るか。これは僻地がいずれ選択しなければならない課題です。
 そういえば、西村寿行氏のデビュー作『老人と狩りをしない猟犬物語』もまた、山奥の村落のさらに果てに住む老人一家の消滅までの物語でした。例えようもないもの悲しさに彩られていました。
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六百四拾六  PC用スピーカー(2014/3/15)
 現在、2台のPCを使い分けています。旧PCでキャプチャした映像は旧PCでしか視聴できません。特にボクシングライブラリは結構利用しています。

 I・Oデータ製モニタのスピーカーは良好な音質です。バランスがよく、この種のものにしてはレンジも広めです。新PCの音声出力をモニタに繋いでいる関係で、旧PCの音声用スピーカーが別途必要になります。これまでは、18年前に購入したPenteium Proマシン用に手配したスピーカーを繋いでいました。

 これがしょうもないSPで、しかも経年劣化でひどい音しか出ませんでした。とても録画を楽しめる音ではありません。そこで、ミニSPを購入しました。
 下図がそれです。聞いたこともないメーカーです。価格は2,000円を切るものですから、期待はしていません。それでも、店頭の各種SPを見比べて、一番ましな音を予感させました。
 USB給電方式がいいですね。ただでさえ、コンセントの口が足らずに困っていましたから。また。3W+3Wということで、店頭機種中ではよさげでした。

 中国製なのが残念ですが、今や中国製しかありません。重さは670gとあって、サイズとの相関関係からすると、密度が最高でした。他の機種はいかにもスカスカです。



 音は小さなドーム型とあって、中高域中心のレンジ感です。解像度は高めで、歪み感もなく安っぽさがありません。あと、仕方ないとはいえ、低域は足りません。背面にバスレフポートがありますが、気休めですね。

 で、オーディオ好きとしては試したくなるんです。下図のとおり、スタビライザーを乗っけてみました。



 これは700gで、左SPには900gのスタビを乗せました。わずかに締りが出て、くっきり感が際立ちます。期待の低域に変化はありません。ないものをねだっても仕方ないですね。
 定位は文句なしです。小さなドームの小さなエンクロージャーなので、音像が一切滲みません。左右SPをわずかに外へ向け、逆オルソン効果を狙っています。

 可愛らしいもんです。オーディオ專用の40kgSPは、動かすことができないほどの難物ですが、こいつは手に取って眺めることができます。
 きっと最近の若者たちは、こういうミニオーディオを普通のこととしているのでしょうね。これはこれでアリでしょう。しかし、大型オーディオの本格的爆裂サウンドを一度は体験していただきたいです。
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六百四拾五  ウクライナ暗雲(2014/3/8)
 ウクライナのヤヌコビッチ大統領が追われ、キエフの新政権が発足しました。これ以後のマスコミの報道は偏っているように見受けられます。

 新政権は早速ウクライナの公用語からロシア語を認めないとの法を定めました。さすがにこれは東部やクリミアの住民は飲めんでしょう。
 また、ロシア軍のクリミア駐留は、協定で認められていることです。今回活動しているロシア軍は、その定数内に収まった勢力です。さらに、ヤヌコビッチ前大統領からロシアへの正式な要請がありますから、プーチンが言うように国際法に則った行動であるとの主張には頷けるものがあります。

 ヤヌコビッチ前大統領の逃亡劇をクーデータと捉えるか、あるいは市民革命と捉えるか難しいところです。このようなケースの正邪は、とても結論を出せるものではないでしょう。ヤヌコビッチ氏の腐敗まみれもおぞましいけど、正義づらしているティモシェンコ元首相も同じ穴の貉です。どっちもどっちの話なのに、マスコミは明らかにキエフ側の主張に足場が置かれています。

 なんといっても見苦しい政治家の最右翼はオバマ米大統領です。
 「ロシアを孤立させ、ロシア経済に打撃を与える経済的、外交的手段を検討している」
 「ロシアが世界中から強い非難を受けていることは、ロシアが歴史の誤った側にいることを示している」
 「力ではなく、外交に頼ることが国益に適うかどうかを考えるべき時だ」

 本日の、お前が言うなですね。
 ロシアのクリミア駐留は、アメリカに比べれば理性的な行動ですわ。一体、どの口で言うのか。カンボジアの20年間の地獄の日々は、アメリカの夜郎自大が生み出したものです。ホンジュラスの地獄もまたアメリカがやらかしたものです。
 大量破壊兵器などとほざいて、イラクに終わりなき混乱を生み出したのもアメリカです。イスラエルに軍事支援を行って、パレスチナの民の生活を奪ったのもアメリカです。
 パナマの主権を無視したのもアメリカだし、リビアの国家元首を空爆で殺そうとしたのもアメリカです。それに比べれば、ロシアの行動はまだしも筋が通っているんじゃないですかね。

 経済制裁は西側にとってむしろ上手くない話です。ガスの供給というウクライナとEUの血流の元栓を握っているロシア相手にやれるもんじゃないでしょう。アメリカの資産凍結を受け、ロシアはウクライナのガス代金未払いを理由に供給停止を発表しましたね。EUはもうビビッているんじゃないですかね。
 あまりに影響が大きすぎて、有効な制裁措置なんてできないと思います。なんなら、穀物禁輸でもやりますかい。アフガン侵攻の際の禁輸措置以来の悪夢が再来しますぜ。
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六百四拾四  ソチ五輪閉幕(2014/3/2)
 ソチ冬季五輪はハラハラしたり、感心したりの興味深いものでした。会場やホテル、道路なんかの整備がギリギリまでできてなくて、心配させられました。
 Webには直前のソチの情景がアップされていて、すべてが中途半端なままの状態でした。公式のTV放映には、そのようなインフラ未整備の問題は一切映しませんでしたね。

 ところがソチ開会式の演出はチラ見しただけですが、素晴らしかったですね。長野五輪のプア感とは段違いでした。雄大なテーマをビジュアル化していて見事でした。

 もともとロシア人のビジュアル構成力というのは光るものがあります。今はまだ自由を謳歌できる空気が十分ではありませんが、やがて世界的なデザイナーも輩出することと思います。
 ロシアアヴァンギャルドの十年間の輝きは今も高く評価されています。中でもドイツや日本はロシアアヴァンギャルド発の表現を積極的に取り入れています。特に戦前の日本において、印刷技術とグラフィックデザインの底上げに貢献したグラフ誌『NIPPON』を見ると、ロシアアヴァンギャルドの影響を一番受けたのは日本ではないかと思わされます。長野五輪を思い出すと、少し恥ずかしくなります。

 話題独占の競技は女子フィギュアでした。浅田選手のフリーの演技は圧巻でした。あれで、浅田選手より上の得点が出たというのが不思議です。主観による採点だと仕方ないですね。

 ところで、ネット界隈では反韓感情からか、金選手を貶める言説が横溢していました。こういうのは勘弁していただきたいです。また、浅田選手の努力と対比して金選手を異能扱いする言説もありました。これは違うかと思います。フィギュアのことは分からないし、金のトレーニングメニューも知りませんけど、金選手もまた半端ないトレーニングを自らに課し、同時に研究心の塊ではないかと想像します。そこまでの努力がないと、世界の頂点にはとてもとても立てないかと思います。

 ボクシングの世界では、リカルド・ロペスとフロイド・メイウェザーの二人が別次元の存在として語られています。この二人は得てして天才として語られます。もちろん天才なのですが、その強さには理由があります。ボクシングに関して、既成概念に囚われない探究心と研究心で以って、相手に勝つ手法を開発しています。そしてなにより、トレーニング量が圧倒的です。ボクシングの練習時間は短時間で集中することが多いのですが、メイウェザーは夜中までやったりします。ロペスなんて、試合後にホテルへ帰ってきて、そのまま通常通りの練習をやっていたそうです。
  金選手も同じでしょう。強さには、圧倒的なトレーニング量という裏づけが必ずあるかと思います。
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六百四拾参  Windouw7環境設定完了(2014/2/23)
 環境設定のすべてが完了しました。Office2013についても、あの忌々しい電話アクティベーションを終えました。さらに、Adobe Design Premium CS4の移行も終えました。
 Adobeは2台へのインストールを許しています。旧PCからアンインストールする際、「ライセンス認証の解除」を忘れましたが、新PCでのセットアップに問題は起こりませんでした。普通であれば、ユーザ管理サーバに私のインストール端末情報が登録されており、これを解除しない限り新たな登録はできないはずなんです。
 ひょっとして、2台以上へのインストールが可能なのかしら。試す気はないですけど。

 もう一点、画面インターフェースに不満があり、ずっといじり続けていました。それもこれも、アイコンサイズを自在に変更できないためです。「カスタムテキストサイズ」でフォントサイズを設定すると、それに応じてアイコンサイズも変更されます。次いで、「ウィンドウの色とデザイン」から、指定項目ごとにフォントと構成要素のサイズを変更できます。これが曲者で、狭い範囲内でしか変更が利かないのです。

 仕方なく、「カスタムテキストサイズ」でフォントサイズを変えながら、「ウィンドウの色とデザイン」で試行錯誤を繰り返しました。結果、次の設定で私好みに仕上がりました。
 ・カスタムテキストサイズ:115%
 ・ウィンドウの色とデザインのフォントサイズ:10P
 ・ウィンドウの色とデザインのアイコンサイズ:37P
 これでばっちりです。ここまでくるのに数週間を要しました。よければ皆さんも参考にしてください。もちろん画面サイズと画面解像度によって適切な数値は変わってきます。私の環境は、WUXGA(1920*1200)で、24.1インチサイズのモニタです。同じ解像度でも、小さいモニタだとアイコンやフォントが小さく表示されます。その場合には、より大きくする必要があるでしょう。皆さんも、自分の見やすい環境を構成してください。Windows7の標準設定だと、アイコンがでかすぎるかと思います。

 あとフォントがらみで不満があります。これはInternet Explorerのバージョンによる問題だと思われます。IE9ではなんの問題もありません。ところが、IE10及びIE11では、ページ内のフォント表示が細いのです。ちょうど、Wordのフォント表示と同じ塩梅です。Wordは、WYSIWYGが実現できていません。フォントを指定しても、そのウェイトを再現できないのです。多分、皆さんもお気づきでしょう。まったく駄目駄目仕様ですね。

 Wordの駄目仕様が、IE11でも起こっています。IE9でうまくいってたものを、わざわざ駄目にする神経が理解できません。フォントが細く表示されると視認性が悪くなります。MSの関係者ってホントに無神経です。こういうところはAppleに学んでいただきたいです。
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六百四拾弐  感動の『シュガーマン 奇跡に愛された男』(2014/2/15)
 アカデミー賞のドキュメンタリ賞を受賞した『シュガーマン 奇跡に愛された男』を観ました。グッドタイミングというか、ちょうど佐村河内守氏によるインチキ作曲が話題になったタイミングでです。

 この佐村河内氏というのは、映画『シュガーマン』で紹介されたシクスト・ロドリゲスとは正反対の生き様です。佐村河内氏のあざとさというか、聴覚障害の詐称っぷりというか、才能も何もないのに嘘で固めた半生は、本物のアーチストの前では屑でしかありません。
 シクスト・ロドリゲス氏の、溢れんばかりの才能を持ちながら、栄誉と無縁の半生を送った生き様とが実に対照的なのです。

 ロドリゲス氏はデトロイトで60年代末からブルース・シンガーとして音楽活動を始めました。レコード会社の目に留まり、2枚のアルバムを出すも全く売れませんでした。プロモーションの不備か、アレンジの拙さか、あるいは氏自身がドサ回りを嫌って非協力的であっためか。
 レコード会社から契約を切られ、その後30年近く建設労働者として地道な市民生活を送りました。
 ところが、70年頃南アフリカに持ち込まれた氏のレコードが、口コミでテープダビングで若者間に広まってゆきました。その人気ぶりに注目した南アフリカのレコード会社が、海賊版(アメリカのレコード会社に版権料を支払ったとも)を出版しました。

 「I Wonder」「Sugar Man」「Forget It」「Cause」「Crucify Your Mind
 これらを聴くと、当時の南アフリカの若者たちが夢中になったのも頷けます。私も一ぺんで好きになりました。

 アパルトヘイトの世上故、鎖国政策であったため、氏のプロフィールが全く分からないまま、伝説のミュージシャンとして国民の圧倒的な支持を得ました。特に若者たちにとっては、氏の音楽が反政府運動のエネルギーやシンボルともなったそうです。反社会的な歌詞なので、放送禁止歌の指定を受け、マスメディアで歌が流れることもありませんでした。
 氏のプロフィールは一切分からず、薬の過剰摂取で死んだとか、コンサートの最後に銃で自殺したとの噂が独り歩きし、死んだというのが定説となり、まさにレジェンド的な存在となったそうです。

 南アフリカのライターが氏の半生を明らかにする中で、氏が生きていることを知り、本人とのコンタクトに成功します。ここからとんとん拍子に話が進み、1998年に南アフリカでのコサートが実現しました。6回のコンサートはすべてソールドアウトとなり、現地の人々の熱狂的な歓迎を受けました。

 氏はその後も南アフリカでのコンサートをこなすものの、得た金は友人や家族に与え、自身はこれまでどおりの家で、これまでどおりの建設労働者としての生活を続けています。
 ただ、映画のおかげでコンサートやTV番組に引っ張りだこだそうですけど。上に挙げた曲以外にも素敵な曲のオンパレードです。

 「I Think of You」「Inner City Blues」「Sandrevan Lullaby/Lifestyles」「Street Boy」「A Most Disgusting Song」等々、すべて名曲です。個人的には、ボブ・ディランよりぐっときました。また、発売されなかった3枚目のアルバムに収録予定だった「I'll Slip Away」も素敵な曲です。

 これほどの才能を持ち、聴く者に感動を与える作品を創り出しながら、数十年間無名のまま、いち肉体労働者として地道に生きたロドリゲスと佐村河内氏とでは、あまりに隔絶しています。
 興味を持たれた方には、是非にも映画をご覧ください。映画の中、南アフリカでのコンサートシーンはグッときますよ。
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六百四拾壱  東西首長選挙(2014/2/9)
 本日、首都投票です。現時点での開票状況は分かりません。投票率は12ポイントほど低い模様です。大雪の影響で有権者も面倒くさいことでしょう。その上、先週書いたような白けムードがあったなら、仕方ないことでしょう。そもそも、猪瀬前知事の辞職そのものがお下劣な理由によるものでしたから、余計に馬鹿らしいのではないでしょうか。猪瀬氏は圧倒的な得票数で当選しながら、このザマですから。


 一方の大阪市長選はそれなりに意味があります。在京メディアはなぜか橋下市長の辞職を茶化そうとします。あるいは皮肉めいた報じ方しかしません。大阪の反応はかなり異なっています。
 橋下氏と在京メディアの関係は相当に悪いのでしょう。橋下氏は記者の中途半端な質問に対して、質問そのものの妥当性を問うたり、記者の認識の不備について、その場で指摘したりします。記者たちは公共機関への取材において、そのような扱いを受けたことがないのでしょう。まして、在京メディア、特に新聞社や放送局の記者には慣れないことなのでしょう。相当に敵愾心を抱いていることでしょう。

 大阪都構想はあまりにハードルの高い課題です。それだけに実現による意義もまた巨大です。これに挑むのは、橋下氏以外には考えられません。私は橋下氏のチャレンジ精神を立派だと思います。
 府市統合というのは、あまりに利害関係者が多いことと思います。行政の無駄が多いということは、それだけぶらさがって飯のタネにしている人間が多いということです。そんな中、ここまでのスケジュールをこなしているだけでも大したものです。周りは反対勢力ばかりといっても過言じゃないでしょう。

 スケジュールとして、府市民に統合内容を示すため、統合計画案の策定にかかろうとしています。ところが、市議会側がこれに難色を示し、統合構想に反するプランに固執しています。そこで躓けば、先に進めないことを睨んでの上です。
 確信犯的な議会に対抗しようとすれば、いきおい民意を背景にしなきゃ前進できないでしょう。

 繰り返しますが、在京メディアが皮肉っぽく報じるような、そんな軽い話ではないと考えます。
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