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参百    チーム・バチスタの栄光(2007/5/20)
弐百九拾九 究極のスーパーマッチU(2007/5/12)
弐百九拾八 究極のスーパーマッチ(2007/5/5)
弐百九拾七 本当かよ(2007/4/29)
弐百九拾六 アメリカン・ヒストリーX(2007/4/22)
弐百九拾五 滑稽な、あまりに滑稽な(2007/4/14)
弐百九拾四 オーディオ閑話休題(2007/4/7)
弐百九拾参 慰安婦決議案(2007/3/31)
弐百九拾弐 リセット(2007/3/24)
弐百九拾壱 地域振興かアメニティか(2007/3/17)
弐百九拾  再会(2007/3/17)
弐百八拾九 環境移行と構築(2007/3/11)
弐百八拾八 Windows Vista(2007/3/3)
弐百八拾七 携帯嫌い(2007/2/24)
弐百八拾六 WUXGAとフルHD(2007/2/17)
弐百八拾五 ケーブルTVが来た(2007/2/11)
弐百八拾四 中国の技術開発事情(2007/2/4)
弐百八拾参 液晶ディスプレイは進歩しているのか(2007/1/27)
弐百八拾弐 食の安全U(2007/1/21)
弐百八拾壱 訂正と平静(2007/1/14)




参百     チーム・バチスタの栄光(2007/5/20)
 ここのところ残業続きで、もっぱら土日は意識的にリフレッシュに努めています。連休に「チーム・バチスタの栄光」(宝島社)を読んだところ、予想外の面白さでした。で、結局、続編の「ナイチンゲールの沈黙」、そして昨日は「ジェネラル・ルージュの凱旋」まで読んでしまいました。もう一作、「螺旋迷宮」があり、これは来週あたりに読もうと考えています。

 面白さのランクは、「チーム・バチスタの栄光」>「ジェネラル・ルージュの凱旋」>>「ナイチンゲールの沈黙」といったところです。

「チーム・バチスタの栄光」
 宝島社の“第4回 このミステリーがすごい”大賞受賞作です。選考時より、新人賞には珍しいというか、既成プロ作家の作品群と比べても面白いとの評価でした。私も同感です。ミステリーとしての構造は軽めながら、キャラが圧倒的に立っています。いっぺんで登場人物たちのファンになりました。となると、シリーズ展開している続編を読まないわけにはいきません。田口医師、役人の白鳥、藤原看護師(嘱託)らのメインキャラに加え、猫田看護師、兵藤医師らの脇役がまた興味深い人たちです。

「ナイチンゲールの沈黙」
 これはあまりいただけません。オカルトを持ち込んじゃあ駄目でしょう。このシリーズを見限りそうになりました。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」
 もう一作だけ様子を見てみようと読んだものです。大正解。前作から登場していた速水医師が主人公の物語に仕上がっています。

「螺旋迷宮」
 この作品は終末医療をテーマにしているそうです。作者の海道尊氏は現役の医師であり、医療の問題が各所にちりばめられています。作者としても、終末医療あるいはターミナルケアの件は、語り甲斐のある点なのでしょう。私にも興味のあるテーマなので、来週の読書を楽しみにしています。
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弐百九拾九 究極のスーパーマッチU(2007/5/12)
 慣れない仕事のために要領が悪く、夜遅くまで無駄に時間ばかり食っています。おかげで新聞もTVも無縁の生活なので、世相に疎くなっています。ために、土日は浮世に自分を引き戻すべく、命の洗濯に努めています。まあ、4年前はその土日もありませんでしたけど。

 先週行われたWBC世界S.ウェルター戦デラホーヤvsメイウェザーの興行実績はとんでもないことになっています。
 PPV購入件数215万件、売上げ1億2000万ドル(約144億円)の史上最高額を記録したそうです。で、ファイトマネーもまた、中量級史上最高額を記録しました。デラホーヤが4,500万ドル(約54億円)、メイウェザーが2,000万ドル(約24億円)だそうです。合わせて78億円で、マイク・タイソンvsイベンダー・ホリフィールドの7,000万ドル(約84億円)に次ぐ大金です。中量級としては、3年前のデラホーヤvsホプキンス戦を上回りました。
 デラホーヤが受け取ったファイトマネーは、vsメイ戦、vsホプキンス戦、vsトリニダード戦を合わせると、110億円くらいになるはずです。これにvsチヤベス二戦、vsウィティカー戦、vsクォーティ戦、vsモズリー二戦、vsバルガス戦を合わせると、200億円に近づき、他の試合まで含めたら、軽く200億円を突破するでしょう。ヘビー級を除いて、不世出のスパースターといっていい稼ぎです。

 先週のメイウェザー戦は、試合内容もまた、大金にふさわしい至高の技術戦でした。ホプキンス戦は力量差が明らかなミスマッチでしたから、比較するも愚かです。ヘビー級のタイソンvsホリフィールド戦は史上最高額といっても、試合内容は最低でした。反則vsダーティの泥仕合でしたしね。


 世間では、イベンダー・ホリフィールドはスポーツマンシップに溢れたアスリートなどと評されていますが、誤解も甚だしいところです。彼のボクシングはダーティの極みです。ダーティといえば、ホプキンスやリッキー・ハットンも挙げられます。でも、ホリフィールドの汚さは露骨なまでです。頭を相手にガンガンぶつけていきます。相手と身体が接した場合でも、頚をひねって、頭を振り当てます。
 そのホリフィールドのヘッドバットを巧みに捌いたのは、3階級制覇のジェームス・トニーでした。実に巧みでした。頭から突っ込んでくるホリーを、左肩で受け止め、その反動でカウンター気味のショートを合わせました。さらに頭を振り当ててくる場合は、ウィービングで躱してカウンターを取りました。天才的な防御センスで、仕掛けたホリーの方が消耗を深めました。
 ところが、タイソンにそこまでのセンスはありません。ホリーの頭が邪魔になって、自分のボクシングができないタイソンは、試合中にぶち切れてしまいました。所謂、耳噛み事件ですね。せっかくのビッグマッチをぶち壊した責任は、実はタイソンだけでなく、ホリフィールドにもあったと思います。

 今回の試合はMP2ファイルにしていますから、永久保存で老後の楽しみに取っておきます。
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弐百九拾八 究極のスーパーマッチ(2007/5/5)
 明日のこと、ラスベガスにおいてWBC世界S.ウェルター級タイトルマッチが行われます。待ちに待ったオスカー・デラホーヤvsフロイド・メイウェザーの世紀の一戦です。

 ここ十年での中量級のスーパーマッチといえば、デラホーヤvsトリニダード、デラホーヤvsホプキンスが挙げられます。どちらも全世界注目のビッグマッチでした。ホプキンス戦は勝敗への興味でなく、デラホーヤのチャレンジ精神への声援でした。対して、トリニダード戦は純粋に勝敗への興味が横溢していました。
 さて、今回のメイウェザー戦はどんなものでしょう。私にはデラホーヤの勝ちがまったく見えません。世間の予想も圧倒的にメイウェザー有利です。でありながら、世界中がこの一戦に固唾を呑んでいます。スーパースター同士の対決というだけでなく、最強戦士メイウェザーの敗北をその目にしたい、との願望からではないでしょうか。デラ・ホーヤはクレバーなボクサーです。なにがしかの勝算あっての対戦なのでしょう。ファンもその点に光明を期待していると思われます。

 メイウェザーはパーフェクトなボクサーです。ここまで完全なボクサーは、今まで存在しなかったでしょう。近いのはロイ・ジョーンズです。そのジョーンズも晩年は3連敗を喫し、パーフェクト神話に幕を下ろしました。メイウェザーもいずれは敗れるでしょう。その節目がいつになるか、歴史の幕間を見逃すまいと、ボクシングファンは注目するわけです。デラホーヤがあえて闘うということは、そこに可能性があると分析しているのでしょう。デラホーヤの有利なポイントとして、次のことが語られています。

 可能性その一  ウェイト差のアドバンテージ
 メイウェザーは本来ウェルター級の選手です。対してデラ・ホーヤはS.ウェルター級です。前日軽量でも、69.85kg(デラ)、68.04kg(メイ)と1.8Kgの差があります。試合当日には体重差がさらに広がるでしょうから、パンチ力や耐性に大きな差が生じます。

 可能性その二 体格差のアドバンテージ
 私は、この差は小さいと考えています。体重差は大きなポイントでしょうが、身長差は関係ないと思います。リーチがほぼ同じだからです。メイウェザーが下の階級で活躍していたとき、その優位性はスピードだけでなく、実はこのリーチ差でなかったかと考えています。相手の届かない距離から、遠慮なくパンチを当てていましたから。そのアドバンテージも今回はありません。二人の距離は同等です。
 かつてデラホーヤが二連敗したシェーン・モズリー戦の悪夢がよみがえります。モズリーとの間に身長差はあったものの、リーチ差はなく、スピードに翻弄されました。まさにメイウェザーと類似の関係です。
 ただ、S.ウェルター戦は微妙な判定であり、デラホーヤが勝っていてもおかしくない内容ではありました。

 明日の正午頃には結果がでます。明日、もう一度レポートします。楽しみであり、同時に明日の朝は憂鬱でもあります。毎年恒例のいで浚いが待ち受けているのです。歳だから、これが辛くて。


5/6 13:30 追加
 113-115
 116-112
 115-113
 スプリット・デシジョンでメイウェザーの勝利です。いい試合でした。
 予想通りの展開でした。デラホーヤはボディ中心の攻撃プランでしたね。メイウェザーの顔面にはとてもパンチは当たりませんから。デラホーヤは前傾姿勢をとり、右ダックで相手の右クロスを躱わすメイウェザーにショートの左を多用しました。これにはメイも困っていましたね。
 メイのジャブ、左フック、右クロスも見事に防御していました。さすがデラホーヤは対メイウェザー戦法を身につけていました。残念ながら、加齢からくるスタミナ面に難があり、終盤に失速してしまいました。仕方ないというか、よくやったと思います。

 逆を言うと、メイウェザーのボクシングは素晴らしいとしか言いようがありません。今回初めてリーチのアドバンテージなしの試合を行いました。前半は届かなかったパンチも、中盤は相手に攻めさせて見事にヒットさせました。終盤は相手との距離の差を完全に克服しました。まさにボクシングの申し子、天才です。
 もはやメイウェザーに勝てるボクサーは存在しません。仮にウェルター級でやるとして、ミゲール・コットかシェーン・モズリーくらいしか相手にならないでしょう。その両者にしても、まず勝てそうにありません。強すぎるのも問題です。勝敗への興味を持ちようがありませんから。
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弐百九拾七 本当かよ(2007/4/29)

 欧州の天文台が、これまでに見つかった太陽系外惑星の中で「最も地球に似た惑星」を見つけたそうです。平均温度は0〜40℃、水が存在でき、表面は地球のように岩や海で覆われているとみられるとのことです。

 夢があって結構な話です。ただ、このニュースを報じる記者は、必ずといっていいほど知的生命体が存在する可能性があるとか何とかつけ足しています。これが余計なんだなあ。
 知的生命体の存在なんか期待できません。これを言うと、必ず次のような会話になります。

相手「現に地球が存在するのだから、同じような星があっても不思議でない。宇宙には無数の星があるのだから」
私「地球という存在は奇跡なんだ。地球があるからといって、同じような星が存在する理由にならない。そもそも、可能性を言うなら、宇宙の星の数は少なすぎる」
相手「なんで少ないのか」
私「適当な気温条件を満たすとなると、恒星と惑星との距離が極めて限定されるんだ。このハードルだけで、ほとんど振るい落とされる」
相手「それでも、宇宙には該当する星がそれなりにあるだろう」
私「あると思う。でも、その星に有機物を育む環境があるかどうかのハードルが待っている。そしてさらに、動植物が進化するに耐えうる環境となると、これはもう望み薄いんじゃない」
相手「そんなの分からないじゃないか。可能性は否定できないぜ」
私「最後に、とっておきのハードルが待ってる。動植物が繁殖できたとして、人間のような知的生命体に進化するハードルはきつい。これって、年末ジャンボ宝くじを、4年連続で当てるくらいの話じゃないかな」
相手「そりゃ無理だわ」
私「だろ」


 バイオ燃料が実用化されています。国内でも販売が開始されましたね。この話にも嘘が混じっているんじゃないかな。Yahoo! ニュースから引用します。
 二酸化炭素(CO2)を吸収する植物を原料としたバイオエタノールは、二酸化炭素の排出量がゼロと計算されるため、政府は2010年度までに原油換算で50万キロ・リットルのバイオ燃料を国内で使用する目標を掲げている。出荷式で石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は「(バイオガソリン販売は)国民一人一人が地球環境貢献を意識できる画期的なプロジェクトだ」と意義を強調した。

 たしかに植物は光合成で大気中の二酸化炭素を費消します。でもね、どちみち植物は枯れた後、燃やされるか、微生物によって分解されるかです。そのとき、再び二酸化炭素を放出するから同じなんだけどなあ。致命的な点は、バイオ燃料生成時に石油を使うので、結局エコかどうか怪しいものです。それになんといっても、エコ燃料は食糧問題とリンクしていますから、むしろデメリットの方が大きいんじゃないかな。

 二酸化炭素削減はEUが主導している話です。EU政府はヨーロッパの自動車メーカーに期待していません、というか怒ってさえいます。今後購入するEU政府公用車はTOYOTA車にするとかで、ドイツ車メーカーとつばぜり合いをやっていますね。

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弐百九拾六 アメリカン・ヒストリーX(2007/4/22)
 レンタルしたDVDの中身がケースと違っていました。西部劇のつもりが、「アメリカン・ヒストリーX」が始まりました。でも、いいんです。「アメリカン・ヒストリーX」はお気に入りの作品ですから。最初に観たときもヘビーでしたけど、今回も腹にきました。

 これは人種差別をテーマにした映画です。若者の怒りが差別へと向かう危うさを描いています。と同時に、人種差別意識の底の浅さを嘲笑してもいます。差別意識に染まった主人公(エドワード・ノートン)が、刑務所暮らしを通じて自分の過ちに気づきます。と同時に家族の大切さにも目覚めます。でありながら、かつての愚かしさゆえに、弟を失う悲劇で映画は終わります。

 予想を裏切るエンディングでありながら、弟が兄の半生を綴ったレポートの言葉によって観る者は救われます。淡々とした演出とノートンの抑えた演技は、人種差別の愚かしさを身近なものに感じさせてくれます。
 ディスクを間違ってケースに入れた店員さんに感謝しときます。


 しかしねえ、人種差別や民族差別を国家ぐるみで推進している一部の方々には怒りを覚えます。中国といい、南北朝鮮といい、お隣にこういった国家が存在しているのは不幸な構図です。まあ、このような状況に至った責任は日本側にもありますけどね。
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弐百九拾五 滑稽な、あまりに滑稽な(2007/4/14)
 温家宝首相が来日しました。いやまったく、予想以上の斜め上を行くパフォーマンスでした。彼は昔から、国内党序列に向けた世過ぎのみを心得としてきた政治家です。今回の訪日でも、完全に国内に向けてのみの言動でした。

 白眉はなんといっても国会演説でした。「対話」「協議」「協力」「平和」「友好」「交流」などの言葉があふれていましたが、実際に言ってることの内容といえば、むしろ逆の意味合いでしたね。「対話」「協議」→「中国の言うことをきけ」、「協力」→「中国への利益供与」、「平和」「友好」→「日本は反省し続けろ、中国の侵略行為はないものとせよ」、「交流」→「中国による洗脳」とまあ、このような内容でしたね。

 話題になったのは、演説の草稿の一部を読み落としたことです。
「日本は戦後平和発展の道を選び、世界の主要な経済大国と重要な影響力を持つ国際社会の一員となりました。中国人民は日本人民が引き続きこの平和発展の道を歩んでいくことを支持します」
 うっかりミスだってさ。誰が信じますかいな。多分、中国国内向けの事情なのでしょう。弱腰と受け止められると、厳しい批判に晒されますから。こういった点が日本と中国の違いです。言論の自由がないのは国民だけでなく、党幹部にしても同じなのです。

 そのような一党独裁政権の首相が、普通選挙の洗礼を受けた日本国会で演説するというのも滑稽な図です。そしてあのわざとらしい拍手の嵐。あれはもう、おちょくっているようにも見受けられました。胡錦濤主席が外国で演説したときには、凄まじい野次で中断せざるを得ませんでした。日本の品位を守るために、野次はだめです。そこでほめ殺しで皮肉な場面を演出するのがおしゃれというものです。
 できれば、「日本が中国侵略戦争を発動し、中国人民に深刻な災難をもたらし、死傷者おびただしく、巨大な資産損失を来たし、中国人民の心に言い表せないほどの傷を与えた」の部分で、鳴り止まぬ万来の拍手をやれば、もう最高のメッセージだったでしょう。
 残念なことに、演説の草稿が議員に配布されなかったという不手際があったそうです。これは明確な外務省の怠慢というか、演説内容のひどさを隠すための姑息な手立てだったのでしょう。我々はこんな外務省を税金で養っているわけです。今更ながらですけどね。

 いえ、もう腹も立ちません。むしろ、もっとやってくれの気分です。やればやるほど、日本人の見る眼も醒めたものになるでしょうから。
 「氷を解かす旅」が成果を収めたと総括(毎日新聞) このような記事に疑問を抱かない日本人は、もはや少数でしょう。それもこれも中国関係者のあまりな対応の故です。ですから、私などはもっとやってくれと期待するわけです。2ちゃん用語でいうところの“生暖かく見守る”というやつです。


 しかも、訪日に合わせて東シナ海のガス田の本格稼動を認めるというあざとさです。例によって外務省は、抗議じゃなくて要望を口にしただけです。
 「中国側が東シナ海ガス田開発に関する活動に対して自制するよう望む」
 もう笑っちゃうでしょう。
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弐百九拾四 オーディオ閑話休題(2007/4/7)
 新しい仕事は、もうあきまへん。この先どうなるか。まあ、ボチボチやっていくしかありません。

 今回は仕事の鬱に対する気晴らしもあって、お気楽なテーマにしました。私のオーディオ遍歴を紹介したいと思います。Webには歴代の名機を紹介するサイトがあります。そのうちのいくつかにリンクさせていただいて、私のオーディオ遍歴を紹介します。


1.モジュラー・ステレオ時代
 高校時代は中古のモジュラー・ステレオを聴いていました。プレーヤーとアンプが一体型のやつです。なんか針圧がやたら高かったので、アーム後端に10円玉を数個貼りつけてバランスを取っていました。

2.レシーバー時代
 大学1年の夏にアルバイトをやって購入しました。貧乏学生なので、安物ばかりです。それでもモジュラー・ステレオからのグレードアップ効果は圧倒的で、オーディオにのめり込むきっかけともなりました。

 プレーヤー:Lo-D PS44
 初めて買ったプレーヤーは、評論家にまったく誉められることのなかった日立製です。

 レシーバーはLo-D SR-3100、安価なモノです。

 スピーカー:ONKYO QuartLam-III
 このSPはBHに近い構造です。94dBの高能率で、歯切れよい低域でした。分解能は値段なりでしたね。超低域は一切出ませんでした。2年後、先輩に安く譲りました。


3.プリメイン・アンプ:Lo-D HA-510更新
 透明でクリアな音質でした。以前のレシーバーの出力が15Wくらいだったかな。このプリメインは50Wなので馬力感がぐっと上がり、同じSPとは思えないくらい力強くなりました。


4.チューナー:ONKYO :Integra T-405更新(質屋で見つけた中古品)
 当時、海辺に下宿していたので受信状態が極めてよく、FMを堪能しました。この時点でレシーバーは先輩にあげました。


5.スピーカー:Lo-D HS-530更新
 このスピーカーは隠れた名機だと思います。まじめな技術集団が手抜きなし、コスト度外視でつくったSPです。世界初のアルミ単板によるユニットで構成されています。前作のHS-400は、特性はともかく音質的にはつまらなかったです。このHS-530はバランスが光っていました。なお、徹底的に改造しました。


6.チューナー:VICTOR JT-V75更新(中古品)
 学生時代、飲み会の金がなくて、ONKYOのチューナーを売りました。後に初ボーナスで買いました。


7.カセットデッキ:Aurex PC-X88AD(半額セール)
 3ヘッド、adresによるノイズリダクションが秀逸でした。当時のドルビーBは音質劣化が甚だしかっただけに値打ちがありました。パーツもいい部品が大量投入されていました。欠点はお馬鹿なケース設計です。前後二つのケースを組み合わせるなんて、何を考えてんだか。


8.パワー・アンプ:TORIO L-05更新(4割引き)
  プリ・アンプ:ONKYO P-303更新(4割引き)

 社会人になって、金が自由になるのでプリメインをセパレートに更新しました。ハイスピード、低歪、広い音場感、パワー感とすべての面でグレードアップしました。
 評論家の長岡氏推薦機種を選択しました。

9.プリメイン・アンプ:SANSUI AUX-1111更新
 憧れのMOS FET、繊細で豊潤。大型トランスによる余裕の音づくりです。旧セパレートアンプは知人に格安で譲りました。


10.カセット・デッキ:VICTOR TD-V931更新
 Aurexのデッキが故障し、部品取りしたので、後継として購入しました。長岡氏大絶賛、たしかに高品位な音質です。


11.CDプレーヤー:SONY CDP-X7ESD(展示処分品)
 初めてのデジタル体験となりました。これ以後、アナログからCDに切り替えました。安物プレーヤーとカートリッジでは低域再生に無理がありますが、CDはなんなくこなします。


12.スピーカー:ONKYO MONITOR2000更新(中古)
 難しい仕事が一段落したお祝いというか、ご褒美に購入しました。これまた徹底的に改造し、調整に1年4ヶ月を要しました。


13.プレーヤー:VICTOR QL-A70更新(中古)
 オークションで落札し、軽い改造を施しています。知人に譲りました。


14.ヘッドアンプ:Daynavector PHA-100
 現行製品中、最高のモノでしょう。アナログユーザ必携。ワイドレンジで、ダイナミックな音質です。ただし、私の製品は特別仕様のしなやかタイプです。


15.プリアンプ:Aurex SY-λ88U更新(中古)
 憧れのラムダをオークションで落札。永久保存すべき名機です。


16.カートリッジ:SHELTER 501U更新
 audio-technicaやDENONを利用してきた私が初めて買った本格カートリッジです。このクラスになると、デジタルを一蹴する異次元サウンドを提供してくれます。


17.CDプレーヤー:marantz SA-11S1更新(中古)
 デジタルの進歩は素晴らしく飛躍していました。目から鱗でした。


18.プレーヤー:YAMAHA GT-2000更新(中古)
 オークションで落札。オプションのストレートアームを搭載した掘り出し物でした。これも永久保存ですね。


 こうして記載してみると、中古ばかりです。新品の場合も大特価品ばかりを選んでいます。自分でも貧乏性が嫌になってきます。
 多分、これでゴールでしょう。今はAVのV(ビジュアル)の方に興味が向いていますし。とかなんとか言っておきながら、将来のことは分かりません。

追加(2015/1/12) ヘッドフォン:HC-100
 Webをいろいろ散策していて見つけ、同時に思い出しました。私もかつてはヘッドフォンを所有していました。大学1年次、夏のバイトで買ったものです。上のプレーヤー(Lo-D PS44)、レシーバー(Lo-D SR-3100)、スピーカー(ONKYO QuartLam-III)とセットです。下宿暮らしに向けて購入したものの、やはりスピーカーがあれば、聴くこともなく、早々と友人に売りました。
 たしかコンデンサ型であったかと思います。ダイナミック型とは一線を画す音質で、評論家からも極上の評価でした。定価18,000円という、当時としては高級ヘッドフォンでした。雑誌の評論では、STAXの高級機にも引けを取らないとかのお褒めをいただいていました。
 後に売ったことを後悔し、買い戻しを提案しましたが、断られました。馬鹿だった。
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弐百九拾参 慰安婦決議案(2007/3/31)
 米下院に提出された慰安婦問題がキナ臭くなってきました。そもそも事実関係を争うべき案件なのに、マイク・ホンダ議員にしろ、NYTにしろ事実の検証は一切避けています。そのくせ、東アジアの20万人に及ぶ女性が強制的に性奴隷にされたと非難しています。

 Sankei WEB 「古森義久のワシントン報告」から引用します。

 「この決議案は日本帝国の軍隊によるセックス奴隷、つまり強制的売春の責任をいま日本政府が公式に認めて謝り、歴史的責任を受け入れることを求めている。日本の軍隊が5万〜20万人の女性を韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシアから強制的に徴用し、将兵にセックスを提供させたことは歴史的な記録となっている。米国も人権侵害は冒してきたが、日本のように軍の政策として強制的に若い女性たちを性の奴隷にしたことはない」
 2月15日の公聴会で議長役となった同小委員長の民主党エニ・ファレオマバエンガ代議員

 この決議案は突っ込みどころ満載です。

 まず、昭和31年以前の日本の法律では、売春は合法であり、法に適った職業です。現在の人権感覚で裁く話ではありません。

 次に、軍隊に売春宿が付随していないと、恐ろしい悲劇を生んでしまいます。これは全世界の戦争で生起した事実です。
 アメリカを例に挙げると、第二次世界大戦で大陸反攻を成功させた米軍は、ドイツ領内へ進撃を開始します。この進撃で、米兵はドイツ女性を手当たり次第に強姦しました。うろ覚えの記憶ですが、米兵自身が強姦行進とか称していたはずです。女性の現地調達が常識であった軍隊にあって、日本軍は自前のシステムをつくりあげたのです。これって非難するより、むしろ誉められるべきことだと思います。
 ちなみに日本軍が軍隊に慰安所を設けたのは、シベリア出兵が原因だと言われています。現地女性とことに及んだ兵士の間で性病が蔓延したため、自前で管理する道を選んだとのことです。
 独軍兵士は例外的に他国女性を襲いませんでした。ナチスの教育の賜物で、アーリア人の純潔性を刷り込んでいたからです。それに比べると、米軍なんか行儀の悪いことです。戦後日本の進駐軍兵士用の慰安所設営を望んだのはGHQでしたしね。アメリカさんは健忘症に罹っているのでしょうか。

 そして肝心のポイント―強制の有無です。従軍慰安婦は職業であり、業者が運営していたものです。外地での勤務を選択したのは慰安婦自身です。もちろん、当人が望まぬ選択を強いられるケースもあったでしょう。当時の彼女たちに関する記録を読むと、職業として悩んだ形跡があります。外地での勤務は過酷である一方、金になるので迷ったなどの記述を見かけます。と同時に、従軍慰安婦を選択した場合は、単なる売春と違って、国家への貢献の意識があったと見受けられます。

 従軍慰安婦をことさら言挙げするのは、当時合法であった職業に、貧困から就かざるを得なかった女性たちを辱める行為だと思います。アメリカ下院も、反省するなら自国軍隊の強姦行進を非難してください。
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弐百九拾弐 リセット(2007/3/24)
 とうとう、私にも現場仕事を離れるときがきました。もう嫌で嫌でたまりません。っても歳が歳ですから仕方ありませんけど。ピーターの法則に鑑みるに、私のように無能な人間が職階を上がるのは、組織にとって不幸というものです。
 愚痴を言っても仕方ありません。新しい仕事に向け、気分を一新するためもあって、身の回りのクリーニングを進めています。言ってみれば、生活のリセットです。

 まず、旧レコード・プレーヤーをマニアの知人に譲りました。カートリッジにDL-103Rを付けています。補強キャビにDENONのインシュレーター、FHONOケーブルをモンスターに変更した改造プレーヤーです。さすがマニアの知人は、モノの値打ちが分かっているので喜んでくれました。まあ、喜んでくれれば、プレゼントの甲斐もあるというものです。

 旧22インチモニタは同僚に譲りました。快調なモニタだけに惜しくもありますが、置く場所がないのですっきり処分しました。やはり液晶ではCRTに太刀打ちできません。I-O DATAの液晶は暗さが足りません。というか、どこのメーカーであろうと、液晶では不満からのがれられないでしょう。有機ELやSEDが製品化されないかぎり解決しないでしょうね。

 ときどき増えすぎた書籍類をBOOK OFFで処分しています。今回はダンボール4箱分を売り払いました。わずかながら小遣いにもなりますし、これは一石二鳥です。もう2箱分ほど処分しようかな。

 VTRのストックをMP2に変換し、VTRの処分も考えています。さすがにこれは時間がかかる話なので、数年越しの作業になりそうです。あるいは、寝る前にVTR一本を流して変換し、翌朝電源を切るやり方なら手間がかからないでしょう。問題は電気代が無駄になることです←私、貧乏性なんです。

 新しいメールアドレスの連絡もBCCで終えました。連絡に対しての返信も相当数頂けたのですが、携帯からの返信はえてして送信者を明示していないので困ります。一体誰からのメールなのか分からないのです。アドレスをつき合わせて、送信者を特定しなくてはいけません。面倒なんだけどなあ。

 新しい仕事に向け、近視用眼鏡も拵えました。レーシック手術を受けたのが5年前、当時はばっちり見えたのが、はや近視領域に突入しています。情けないけど、近視用眼鏡が必要な局面もあるのです。一方で、読書時には老眼鏡が必要だし、不便極まりないこと。

 携帯電話の準備は数週間前に終えています。でも、未だにデスクの端にほったらかしです。触るのも嫌なんです。高機能に見合うだけの操作性は得られていないし。インターフェイスの設計には問題ありですね。

 このサイトの構成も若干手入れしました。DTPの頁の古い内容は削除しました。古くても、今も通用する話はとりあえず置いていますが、遠からずすべて削除します。なにせ、現場を離れる人間のサイトにはふさわしくないですから。


 おニューのPCの環境構築はほぼ完了しています。しかしながら完全とはいきません。満足のいく設定をするには administrator 権限が必要です。いろいろ調べて administrator でのログインは可能となりました。XPであれば、ログインをクラシック・スタイルに切り替えれば可能になりますが、Vista にはその設定がありません。NT以来のユーザーの属性設定に、その設定がありました。デフォルトでは administrator のアカウントがロックされています。これを有効にすれば、ユーザー・アカウントに明示されるようになります。
 ところが、それでも一部のフォルダやファイルにアクセスできないのです。なんで? 「フォルダ オプション」の「表示」で「隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない」に該当するものがアクセス拒否されるみたいです。XPまではこんなことなかったのになあ。
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弐百九拾壱 地域振興かアメニティか(2007/3/17)
 先日、瀬戸内海に浮かぶ直島を訪ねました。産廃処理工場で有名になった島です。「直島スタンダード2」を鑑賞するのがメインでした。11人のアーチストによる、島の環境をそのまま利用し、島全体を対象にした展覧会です。下図は大竹伸朗氏の作品です。



 どこかの学生さんたちが、授業の課題とされたのでしょう。レポートを書いていました。家の右に見えるでしょう。ベンチに腰掛けてレポートづくりに余念がありません。直島を訪ねると、たいてい建築系の大学生の一団に出会います。今回は美術系だったみたいです。

 で、私はひねくれ者なので、ついついあらぬことを考えてしまうのです。彼らに出題した教授も罪なことをするなあと。遠くから訪ねてきながら、この程度のアートを鑑賞させるというのはいかがなものかと他人事ながら心配になります。もし私が生徒なら、きっと教授に文句を言うでしょう。高い金を払って遠隔地まで行かせながら、この程度の作品しか見られないんじゃ強制に値しないと。自由出題であるなら文句ありませんけど。

 それと、直島のやり方にも疑問を持ってしまいます。直島町民の総意はどこにあるのでしょうか。島内各所、どこかの民家内や空き地を利用して作品が展示されていました。当然のこと、島民の生活空間の内側まで観光客が入り込んできます。私の観察したところでは、これを歓迎する方と不快に感じている方が並存していました。地域振興の実や声に対して、反対できない空気が存在しているのかもしれません。私であれば、こういうのは絶対許容できませんけど。


 この点は実に難しい問題を孕んでいると思います。どちらが正しいとか間違っているとかじゃあないでしょう。そこで生活する人間の選択の問題でしょうね。
 イギリスにおいて興味深い話があります。20世紀を代表する彫刻家はヘンリー・ムーアでしょう。彼は晩年、農村地域で制作活動に没頭しました。死後、財団は彼の所有地と地内に点在する膨大な作品群を公開しようと計画しました。世界的なムーアの作品群を、閑静な丘陵地帯に置いた状態で鑑賞できるとなると、間違いなく世界的な観光名所になるでしょう。地域にとっても、多大な振興が期待できるところです。しかし、地域住民はこれに対して、強力な反対運動を行いました。結果、未公開となりました。ただ、工房なんかは公開されているみたいですけど。なにぶん、うろ覚えの記憶だけで書いているので、間違っていたら指摘してください。
 地域住民が反対した理由は、観光名所となることによって、地域の平安が乱されるのを嫌ったためです。ムーアの作品を公開する意義を重要視する方もいるでしょうし、生活空間の快適性こそが得難いものであるとする方もいるでしょう。言えることは、外部の人間の思惑は関係ないということです。そこで生活する人たちが選択すべきことです。私はムーア財団の提案を拒否した住民を支持します。
 彼らにとっては、平静や安全な社会こそが得難い財産なのでしょう。観光資源などと、金に換算した判断に迷わされない選択は貴重なものに感じられます。日本人も少し見習ったらどうかなあ。
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弐百九拾  再会(2007/3/17)
 昨年に続いて、今年も障害者技能競技大会が行われました。今回のDTP競技の課題作成は同僚にお任せしました。おかげで当日の審査員を務めるだけで仕事は済みました。

 参加選手は昨年の方々と同じです。今回は両人の了解を得ましたので、顔出しで競技風景を掲載します。



 奥の方は電動車椅子で、しかも手が不自由です。掌で掴むことしかできないので、大型トラックボールを駆使してのオペレーションを強いられています。キーボード操作は、握り締めた棒で押さえる要領です。あまりに困難なハンデを背負いながら、競技に挑む姿には頭が下がる思いです。もちろん服さえも一人では着ることができません。介助の方の協力を得ながらの競技実施でした。

 手前の方は聾唖のハンデを負っています。この方は、昨年秋に行われたアビリンピック出場選手でもあります。昨年来の強化練習を経たこともあって、スキルアップには目覚しいものがあります。今回もいい作品を仕上げてくれました。

 前回にも感じたことですが、私は彼らから生きる勇気を与えられた気がします。へんな話だとお思いでしょうが、彼らの真摯な姿勢に接すると身の引き締まる思いがするのです。
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弐百八拾九 環境移行と構築(2007/3/11)
 年度末とあって、多忙な週でした。おかげで新しい Vista への環境移行は、遅れに遅れてしまいました。
 やっと今日のこと、すべてを完了しました。アプリケーションのインストール、旧プロバイダの契約解除手続き、衛星からケーブルTV へのWOWOW 移行、TVキャプチャのセットアップ、これらすべての設定を終えました。

 アプリケーションはすべて動作しています。20世紀に購入したアプリケーションでありながら、まったく問題ありません。こういうときに、Windows の良さを実感します。互換性の保障は難しいところでしょうが、Microsoft はよくやっていると思います。

 先週書いた「修復セットアップ」時の「復元ポイント」の件は、雑誌やWebに一切書かれていません。出たばかりのOSですから、修復の必要もなく、ライター連中も気がつかないのでしょうね。
 Vistaのセキュリティ重視の姿勢は結構なことなのですが、インストールやセットアップ時には些かうざいです。「いちいち訊いてくるなよ」と舌打ちしたくなります。多分、どこかの設定で省略できるのでしょうが、まだ調べていません。それと、特定のフォルダやファイルにアクセスできないのは困りものです。例えば、ユーザーフォルダ内にはアクセスできません。「Application Data」「Local Settings」「スタート メニュー」なんかは、必ずいじる必要があります。さて、一体どうせえっちゅうんじゃ。他の方々はどう対処しているのでしょうかねえ。


 I-O データのキャプチャカードには、「どこでもmAgicTV」がおまけで付いてきます。このアプリケーションは、TVやVTRからの信号を再生したり、録画する優れもののソフトです。ケーブルTVから S とRCA で入力した信号を見事に再生してくれました。昨日までは、モニタのPCとAV入力を切り替えながら視聴していたものを、今日からはPC画面上でTV画面を脇のほうで再生しています。今もこの文章を書きながら、ドキュメントの傍らでWOWOWの「サウンド・オブ・サンダー」を流しています。こりゃ便利だわ。いい番組があれば、すかさず録画ボタンを押すだけですから。MP2で720*480サイズの設定にしています。HDDの容量がたっぷりありますから、当分の間は録り溜めに徹します。WOWOWのボクシングの試合映像を遠慮なく保存しておけます。そもそも、ボクシング世界戦ライブラリをつくるのが目的でしたから。

 しかし感心するのは、映像が720*480ながらきれいなことです。もともとのソースがハイビジョン映像ですから、リサイズしても品位が高いです。WUXGAとフルHD 映像に慣れてしまっただけに、720*480は物足りなくもありますが、通常のTVやS-VHSに比べれば十分高精細です。

 PCとAVの統合は多難かと危惧しましたが、あっさり環境構築が完了しました。問題はAVライフを送る時間が取れないことです。Intel のCore2 Duoは余裕でマルチタスク作業をこなしてくれますが、肝心の人間(ぬばたま)がシングルタスクなのが痛い。
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弐百八拾八 Windows Vista(2007/3/3)
 新しいPCを購入しました。Windows Vista Ultimate 版です。メモリは2GB、HDDは2個搭載しました。うち1個は、日立/IBM製の16MBキャッシュ 500GBモデルです。録画データを保存するため、高速モデルを選択しました。ビデオカードにはファンレスを奢り、AVキャプチャ・カードも入れています。下図の黒いケースの売れ線モデルです。



 モニタとはDVIで繋いでいるので、映像はくっきりはっきりです。それもあって、Vistaのインターフェイスはなかなかのものです。新しいフォントのメイリオはよくできています。従来のUI ゴシックとは隔絶した美しさです。よくできたデザインなのでAeroはそのままに、クラシック表示に別れを告げました。


 旧PCのデータを移行し、Web経由でドライバのアップデートも済ませました。困ったのはI-O DATEのキャプチャ・カードです。ドライバを落とすのにシリアル番号が必要で、これが本体にしか記載されていないのです。おかげでケースをばらす羽目になりました。

 Norton AntiVirus は、ちょっとここには書けないやり方で新しいVistaにもインストールしました。私は自動アップデートの設定にしていないのでOKです。なにがOKなのかは察してください。Symantec さん、ごめんなさい。

 いろいろインストールするなかで、余計なソフトも入りこんでしまいました。不要なソフトを削除した際に、DVDを認識するプログラムまで飛んじゃいました。BIOSでは認識しているものの、Vista からはまったく見えません。さあどうすべえと頭を抱えました。
 結局、OSの上書きインストールしかあるまいと、セットアップ・ディスクから起動して感動しました。なんと、「システムの復元」がセットアップ手順に含まれているのです。インストール、削除等のすべての設定ポイントが自動的に記述されていました。地獄で仏とはこのことです。さっそくプログラムが飛んだであろう復元ポイントを指定し、回復をかけると元通りに復帰しました。
 2000/XPのように、自分で復元ポイントを作成する必要がありません。これは前代未聞の優れものでしょう。

 もう一点、「スタートアップ・プログラム」の停止(開始)が簡単にコントロールできます。デフォルトでVistaは、システムに影響するような起動プログラムをブロックします。で、タスクバーから「スタートアップ・プログラム」の一覧を一発で呼び出して設定することができます。この点はWin9x系の「msconfig」以上の手軽さです。

 メールのアドレス帳やメッセージの移行も簡単です。2000/XPのように、なぜかうまくインポートできないとかのトラブルはありません。

 私が期待していたカラーマネージメントはまだ未知数です。Macの「Color Sync」に該当するパネルがあります。その意味するところや効果はまだ検証していません。というか、Vista 対応のプリンタやスキャナ、デジカメを購入しての話になります。そのときはきっちりレポートしますので。
 i 1がVista に対応していないので、モニタ・プロファイルが作れません。とりあえず、モニタに添付されていた I-O DATE 作成の標準プロファイルを割り当てています。

 結論として、Vista はよくできたOSだと思います。あとはデバイス・メーカーのドライバ・サポートに期待します。私は今後、AV関係の実験検証にかかるつもりです。PCとAVの統合は予定どおりの進捗を見せています。


 光ケーブルを引いたのを契機に、サイトを新しいプロバイダに移行します。こちらでの更新は今回で最後にしますので、今後ともよろしくお願いします。
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弐百八拾七 携帯嫌い(2007/2/24)
 私は携帯電話嫌いです。10年ほど前、やむを得ない事情で携帯を所持しましたが、その事情が片づくや、すかさず解約しました。以後、友人、上司、○○らの携帯を持てとのプレッシャーにも負けず、無手生活を続けてきました。

 なにぶん内勤業務なので、困ることはありません。仕事はともかく私生活で不便だろうとの指摘はピント外れです。むしろ、私生活で呼び出しを受けるのが嫌でたまらないのです。鬱陶しいというか、平安が乱されるというか、私生活においてはひたすらサブマリン・ライフを送りたいのです。
 一度、交通事故を起こしたときだけは、さすがに警察への連絡に携帯があればいいと思いましたがね。ただ、他者の都合としては、連絡を取るのに困ることが多々あるみたいですけど。

 それが再びやむを得ない事情で携帯電話が必要になりました。本日のこと、仕方なくDoCoMoを契約しました。一番安くて基本機能だけの機種です。
 本当にやむを得ないとき以外に使う気はありません。そもそも常時所持するのが嫌でたまらないのですから。もう鬱です。で、今から、いつ解約しようかと考えています。

 世間の携帯好き人間のメンタリティが理解できません。コミュニケーション・ツールとか言っても、電話より面談の方が楽しいでしょうし。逆にひとりで居るときは、ひとりを楽しみたいですし。
 それと携帯電話が当たり前になることによって、勤務モラルが崩れているように見受けられます。勤務時間中の私用電話に対する心理的ハードルが低下しているのではないでしょうか。昔であれば、余程のことでもないかぎり、勤務中の人間に私用電話をかけることなどなかったでしょう。しかも、結構な大声で会話をするなど、見苦しいことこのうえないです。勤務中くらい、電源を切っておけよってなもんです。
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弐百八拾六 WUXGAとフルHD(2007/2/17)
 先週購入したWUXGAモニタは快調です。なんといっても広い作業エリアが魅力です。Photoshopを例にとると以下のような具合です。



 おかげでパレット類が邪魔になることがありません。EXCELなんかも、そうそうドキュメント表示を移動する必要がありません。
 左右方向の余裕は半端じゃないですけど、Windows Vistaだとこれでも窮屈とのことです。嫌なインターフェースだこと。


 ケーブルTVを存分に堪能しています。Dケーブルで接続すると、Sケーブルとは次元の違った映像が映し出されました。ハイビジョン映像の1080i(1125iの走査線)は、凄すぎます。なお、ハイビジョンの仕様説明については、「ボクにもわかる地上デジタル - 方式編 - HDMI端子とD端子」をご覧ください。
 地上波ハイビジョン映像(1440*1080まで。ちなみに衛星では1920*1080まで)は下のようなものです。大幅に縮小していますが、この小ささでも元画像の美しさが伝わるでしょう。



 フルHD環境も痛し痒しの面があります。あまりに高精細で美しいので、通常の480iの放送映像が汚くて仕方ありません。もう勘弁してくれってなもんで、見る気が起こりません。また、同じハイビジョン放送でも、カメラなどの映像機器の良し悪しや、カメラマン及び照明の技能の差が露に感じ取れます。意外だったのは、NHKのカメラマンの腕がもう一つ冴えないことです。それと、スタジオ放送はさすがです。照明を完璧に追い込んでいるので、最高といっていい映像を提供してくれますね。特に「報道ステーション」の映像は、現時点で最上のものではないでしょうか。

 フルHD映像を楽しみに、衛星放送をチェックしていますが、大半は1440*1080のようですね。やっと本日のこと、「インデペンデンス・デイ」でお目にかかることができました。高いモニタを買った甲斐がありました。もう映画館に行く必要はありません(高いといっても10万円を切る価格)。満足 (^o^)/


 さらに、PC映像出力のキャリブレーションを行いました。で、いろいろ疑問が湧いています。このモニタは液晶ながら、それなりにコントラスト比が大きいです。技術的なことは分かりませんが、どうも素の性能というより、回路補正のような拡張機能で実現しているのではないでしょうか。

 i1で補正を行う過程で、納得し難い現象に出会いました。キャリブレーションを行う際、コントラストを最大にします。これによって最暗部と最明部を両端に置き、その間を適性に割り振るわけです。当然のこと、コントラストが高ければ、中間の諧調表現がリッチになります。
 で、この機種でコントラストを最大にすると、画面全体が白とびを起こしてしまうのです。これは異常な状態です。そこで、コントラストの数値を変えながら(下げながら)何度も設定を繰り返しました。補正カーブが輝度レンジを最大にカバーしたのは、コントラストを50%(モニタ標準)にしたときでした。なんかよく分からない現象です。ですから50%を超えるコントラスト設定は、特別な回路補正によるものではないかと感じた次第なのです。


 はやく次期パソコンが来ないかなあ。TVキャプチャカードを入れているので、本格的に録画ができるようになります。そうすれば、WOWOWも衛星からケーブルに切り替えることができるのに。今のところは勧誘メッセージが画面を占有しているので、鬱陶しいことこのうえないです。
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弐百八拾五 ケーブルTVが来た(2007/2/11)
 先週より光ケーブルが繋がっていたのが、昨日ついにSTB(セットトップボックス)が設置されました。やはり、こういうことはすんなりいきません。いろいろ困ったことがありました。

 当地のケーブルTV放送業者も、最近はやりの困ったちゃんです。私の契約内容と違った手続き処理をしていました。STBを2台契約していたのに、1台だけの発注内容になっていました。追加分の設置は後日だそうです。Web接続業者もいいかげんです。契約時にHP増量サービスを申し込んでいたのに、送られてきた登録完了書では見事にスルーされていました。今春にはこのサイトも移動しますが、サイト容量のスリム化を図り、規定容量に収めます。増量サービスの手続きが、もう面倒くさくて。

 とりあえずSTBを自室に設置し、15インチTVに繋いでテストを行いました。う〜ん、ばっちりです。しかし設定や操作のややこしさは半端じゃないです。お年寄りが使いこなすのは無理というものです。肝心の画質は、衛星受信には敵わないとみました。ちょっと、がっかり。

 ケーブルTVの担当者と入れ替わりにONT(光通信端末装置)設置業者がやってきました。
 で、2時間以上も持参パソコンを端末に繋いで弄っていましたが、結局繋がりませんでした。機器の不調なのか、担当者がタコなのか。私は黙って見ているだけです。
 光ケーブルの信号は来ているそうです。となると、パソコンの設定に不備があるとしか考えられません。担当者は、「マニュアルの手順どおりになっているのに‥‥」と首をかしげるばかりです。きっと、ネットワーク設定項目のどこかに、余計な設定が生きているのでしょう。担当者は、また後日と言って帰りました。


 ケーブルTVが繋がったとなると、ワイド画面が欲しくなります。で本日のこと、パソコンショップを訪ね、Vista搭載PCを発注のうえ、ディスプレイを購入しました。

 下図が購入した I-O DATAの LCD-TV241XWR です。WUXGA (1920*1200) 表示なので、以前のUXGA (1600*1200) に比べて左右方向が圧倒的に広いです。以前のブラウザのサイズから比べると、余裕のスペースが生じています。

 画質のプリセットは「写真」「映画」「テレビ」「テキスト」の4タイプが用意されています。私の好みというか、見慣れたCRT表示に一番近い「写真」に合わせました。i1でキャリブレーションするまで、とりあえずこれで我慢します。



 ケーブルTVのSTBと繋ごうと、Dケーブルを探したけれど見当たりません。ディスプレイかSTBのどちらかに付属しているだろうと、勝手に思い込んでいたのです。仕方ないので明日買ってきます。いつものことですが、段取りの悪いこと。
 とりあえずSケーブルで繋いでTVを流してみました。うん、結構いけます。これでD端子経由だと期待できそうです。電気店の店頭で見かける液晶TVと比べると、クォリティの点でワンランク上の品質です。PC用ディスプレイの精細感は価値がありますね。

 下図はWOWOWのハイビジョン映像です。D接続で、これがどこまで画質アップするか楽しみです。



 欠点はやはりと言うか、CRTに比して諧調レンジが狭いです。暗い部分が若干つぶれ気味で、白い部分はとび気味です。それと黒が完全な黒ではありません。液晶である以上仕方ないことではありますが。
 また、仕事上とても大切なCMYKモードの再現性も完全ではありません。下にCMYとCMの掛け合わせ、BK-W(グラデーション)の画像を配置しておきます。これが印刷インキ色で再現されているかが重要なのです。皆さんのモニタではいかがでしょうか。印刷用カラーチップと比較してください。



 モニタ・キャリブレーションによる補正がまだなので、この液晶の実力は断定できません。現状では画像処理や印刷指定をディスプレイ画面に依存して作業するのは無理です。無理というか危険です。

 ただ、誤解のないように書いておくと、この液晶パネルは現行製品の中では最上のものの一つでしょう。私が不満を感じるのは、きちんとしたキャリブレーションを経たCRTを見慣れているからです。

 追加の欠点:前面タッチセンサーの感度が悪く、操作し難い。


 発注したパソコンはショップのBTO構成です。納品には2〜3週間ほどかかりそうです。売れ筋でないパーツを選んだので仕方ありません。着々とフルHD環境のAVパソコン完成に向けて歩んでいます。
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弐百八拾四 中国の技術開発事情(2007/2/4)
 中国のロケット運用技術は日本のそれを上回っています。ロケットを翔ばす技術というのは、最高レベルのハイテクが求められます。でも、中国の技術が日本を上回っているはずもありません。これはロシアというか、旧ソ連の技術でしょう。
 同様に、中国産新型戦闘機の“J10(殲撃10)”もまた外国の技術によるものでしょう。この新型戦闘機を見たとき、まっさきに思い浮かべたのはイスラエルが開発していた“ラビ”です。よく似ていますね。ラビの設計をベースにしているとの見解が一般的だそうです。また、エンジンはロシア製(SU-27用)をベースにしています。レーダーや火器管制システムも海外製の模様です。

 外国の技術とはいえ、一応国産で製造できるのは立派です。と同時に、その点が中国の限界でもありましょう。眼をIT業界に向けると面白い話がころがっています。中国は国産独自技術や独自仕様の開発に国家の威信を傾けています。で、残念ながら成果が上がっているとは言い難い状況です。

 独自CISC CPU 神威
 Windowsも動作するx86互換のCISC CPUです。設計開発したのは上海復旦微電子公司で、2002年に製品が発売されています。動作クロックは80MHz、3.5nmプロセスだそうです。後継CPUは発表されていません。

 独自RISC CPU 方舟
 方舟科技が設計したCPUで、これも開発が中止されました。2001年にリリースされた1号は動作クロック166MHz、L1キャッシュは8KB+8KBというスペックでLinux用のクライアントPCに採用されたそうです。もちろん一般消費者が買うはずもなく、政府が大量に買い上げたそうです。開発中止の理由は政府系からの大型の投資資金を、方舟大厦という巨大なビル建設につぎ込んだためだそうです。多分、党関係者が利権に群がったことでしょう。
 “方舟”を採用したのは方正(レノボに次ぐ中国No.2のPCメーカー)です。ちなみに方正はファウンダーとも呼び、DTPソフト「Founder it」を販売していました。日本語化されていて、国内販売もされたそうです。売れたかどうかは知りませんけど。

 独自RISC CPU 龍心
 昨年発表されたものの、私はその実態を知りません。今年あたり搭載PCが現れるかどうか。

 独自DSP 漢芯
 韓国で起こった黄禹錫ソウル大学元教授による“ES細胞論文捏造事件”とよく似ています。結局、モトローラなんかのリマーク品をそれらしく見せていただけでした。関係者が研究費を着服していたのは、例によってのご愛嬌です。

 次世代光ディスク EVD
 日本のHD DVDやBlu-rayの向こうを張る、容量9.4GにHD映像が記録可能な仕様です。製品は発売されているはずですが、なんかよく分かりません。ソフトもほとんど出回っていないみたいです。HD DVDやBlu-rayが世界を舞台に覇権競争を繰り広げているのと対照的です。


 中国政府も知的財産権の大切さをよく理解していると思われます。著作権や特許に関して、先進国からさんざんやり込められていますからね。と同時に、国威発揚や国民の大国意識の琴線に触れる点でも理に叶っています。惜しむらくは基礎技術の欠如のため、なかなか成果が出ていません。IT関連の開発状況を眺めると、上に書いたような哀しい現実というか、期待を裏切ってくれません。合掌。
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弐百八拾参 液晶ディスプレイは進歩しているのか(2007/1/27)
 Windows Vistaの一般向けリリースが迫っています。3D表示なんぞは余計なお世話なので、別に欲しくもないOSです。でも、構想中のAV環境との統合を考慮すると、Vistaをベースにしておくのが無難でしょう。今後発売されるフルHD向けデバイスのサポートは、Vistaが最優先されるでしょうから。

 AV統合を満たす要件について、いろいろ調べました
  1. 記録型の内蔵Blu-rayやHD DVDが必要
  2. 当地のケーブルTVのSTBは、すべての出力端子を備えている
  3. ほとんどのビデオカードはWUXGA(1920×1200)とHDCP(著作権保護技術)に対応しており、フルHDの1920×1080を表示できる
  4. ケーブルTVからの信号をPCに取り込むキャプチャ機器が必要
  5. ケーブルTVの映像をスルー表示させたいので、ディスプレイはインターレース信号に対応していること
 とりあえずこのようなところです。1.〜3.は問題なしです。
 4.のキャプチャ機器はI・O・DATAなどから出ています。ただし、録画するとなるとソフト面で悩ましいことがありそうです。
 5.が最大の難関です。現時点でPC用のWUXGA(1920×1200)を満たす液晶ディスプレイで、インターレースにも対応しているのはI-O DATAのLCD-TV241XWRしかありません。この液晶パネルはEIZOのFlexScan S2411Wと同じ物と思われます。そこで考え込んでしまいました。


 私は液晶ディスプレイのクォリティを信用していません。生徒が購入したパソコンのDTP向けセットアップを行っていますが、ここ6年間はほぼすべて液晶モデルです。で、あらゆるメーカーの液晶ディスプレイに触れましたが、いずれも不満があります。

 黒が浅いというか、明るいのです。当然のこと、コントラストが小さいので諧調が足りません。こういうのを縮退と呼ぶそうです。そのうえ黒が無彩色でなく、微妙に色味がついている製品が多いのです。セットアップ後、IllustratorでCMYKとグラデーション図を作成して表示させます。カラーマネージメントを有効にすることによって、ディスプレイの実力がまざまざと解ります。
 昨年からは、i1を使ってハードウェア・キャリブレーションを行っています。ですからディスプレイの実力を最高の状態で発揮させることが可能になっています。それでありながら、液晶にはいつも失望させられます。
 プロファイル作成後、補正カーブをRGBごとに表示してくれますが、リニアな直線にお目にかかったことがありません。特にBカーブがいびつというか、RGカーブに比べて補正が過大になりがちです。

 ちなみにハードウェア・キャリブレーションで正確なプロファイルを作成すれば、CRTなら文句なしの色再現が可能です。i1の凄さを実感した例があります。当方のCRTでRGBのうちのGが不調になった機種がありました。通常であれば廃棄するしかないでしょう。ところがi1で補正することによって、とんでもない色味を正常に戻すことができました。もちろん強制的に過大な補正をかけているので、一時的な対症療法にしか過ぎません。まあ、それほどの性能なのです。

 ただ、富士通のFMV-BIBLOの2000年秋モデルだけは別格でした。その頃はAdobe RGBを利用してソフトウェア・キャリブレーションを行っていたのですが、かなり正確な色再現とそれなりの諧調を得ることができました。視野角も異様に広く、この液晶を上回るノートPCにはお目にかかっていません。BIBLOにしても、以後は“スーパーファイン液晶”とかにグレードダウンしましたし。

 一昨日、知人の当該モデルを借りて、i1でキャリブレーションを試みました。やっぱ、別格だわ。黒は紛れもない黒だし、RGB補正カーブは見事に重なっているし。
 一緒に並べてキャリブレーションを行った、新しいd○○○bookや最新のM○○bookが哀れなものです。

 結論:液晶パネルは本当に進歩しているのか怪しい。むしろコストダウンの圧力が実態として反映しているのではないか。
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弐百八拾弐 食の安全U(2007/1/21)
 またまた鳥インフルエンザが発生しました。2004年の流行以来です。以後もタイ、インドネシア、韓国、中国でも確認されています。感染の拡大を招かなければいいのですが。


 私はコンビニの弁当を食べません。買うのはおにぎりなんかのご飯モノ、パン類だけです。野菜が入っている弁当は避けています。コンビニ・チェーンもいろいろあるので一概には言えないのでしょうが、コスト低減のために中国産野菜を使用しているケースがあると聞いています。私は中国産野菜を真っ当な食材とは考えていないのです。

 中国河川の汚染の深刻さは只事ではありません。水質汚濁は当然のこと土壌汚染を招きます。加えて農薬の使用量に歯止めが利いていません。今や中国国民自身が食品に対する危機感を隠せないでいます。ただ、彼らも日本への輸出については抵抗感がない模様です。徹底した反日教育のおかげで、日本人の健康がどうなろうと知ったことじゃないというところでしょう。

 中国に対するODAは、“環境”の名目があればほぼ無条件で認可されてきたそうです。しかし、成果が上がったという話は聞いたことがありません。党幹部の汚職、日本の政治家へのバック、ODA事業を受注する日本企業なんかが群がって、実効性は問われていないのでしょうね。

 TVのグルメ番組で中国のレストランを訪ね、料理をパクついているタレントを見ると馬鹿にしか見えません。
 「おまえら、重金属と農薬まみれの食品を口にしているのを判っているのか」ってなもんです。


 さて、日本も中国と変わるところがありません。不正な食品表示が後を絶ちませんし、ついには大手の不二家がやらかしてくれました。雪印の不祥事を他山の石としなかったのでしょうか。不二家の件は現場レベルの判断ではないでしょう。経営陣のコスト削減圧力がはたらいていた筈です。これで経営規模の縮小でも招き、従業員の解雇に繋がれば、社長の退陣で済む話じゃないでしょう。いえ、死んで詫びても追いつかないと思います。
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弐百八拾壱 訂正と平静(2007/1/14)
 フセイン元大統領の処刑について、そのあまりに唐突な実施はアメリカの意向によるものと邪推しました。これは見事に間違っていました。

 急いだのはイラクのマリキ首相サイドであり、アメリカ側はイスラムの祝日に処刑をするのを不適切であるとして、引渡しを拒んでいたようですね。後日、そのあたりの事情が漏れ伝わってきました。駐イラク大使をはじめ、駐留米軍、前日にはライス国務長官まで説得に奔走した模様です。そういえば、アメリカ側にはフォード元大統領の葬儀というイベントも控えていただけに、年末はありえませんね。考えが及びませんでした。

 シーア派にとって、フセインは余程忌むべきものなのでしょうか。あるいはイラク政権の求心力を高めるため、処刑を利用しようと焦ったのでしょうか。いずれにしても、フセインの死によって闇に葬り去られた歴史の裏側が多いはずです。法廷なり、拘置所なりで、彼に語って欲しかったです。


 安倍首相訪欧
 ドイツのメルケル首相は、中国に対する武器輸出禁止継続を明確にしてくれました。また、ブレア首相との間では、中国のアフリカ介入への懸念を確認しています。加えて、シラク大統領は日本の安保理入りを支持してくれました。
 概ねヨーロッパ首脳との間で意思疎通と東アジア政策についての確認が取れた模様です。

 中国は相当ストレスが高まっているでしょう。EUの対中武器輸出禁止は喉に刺さった棘でしょうし、対アフリカ政策に対するヨーロッパの懸念は気になっているところでしょう。安倍首相の訪欧成果は、不愉快極まりない内容じゃないかなあ。
 今までの中国であれば、口を極めて日本を罵倒するところでしょう。ところが今回は遠慮がちです。なにぶん胡錦濤氏が訪日予定だけに、日中関係を緊張状態に置いてしまうと、自分で自分の首を締める結果になりかねません。訪日するとなると、それなりの成果というか、蜜月を演出しなければなりません。下手に騒ぐと、難しい状況に追い込まれますからね。
 なにせ、昨年だったかの訪米では大恥を掻かされていますから、同じ轍は踏むわけにいきません。アメリカもひとの悪いことです。まぎれもない大国の元首を国賓として扱わなかったのですから。あげくに、その後に訪米した小泉さんを下へも置かぬ厚遇でもてなしました。この件には、中国は相当カリカリきたことでしょう。胡錦濤国家主席はアメリカの歓心を買うため、ボーイング機購入の手土産まで準備してこの扱いでしたからね。完全に面子を潰されました。

 胡錦濤氏にとって、日本訪問は失地回復の大舞台なのです。間違いは許されません。ですから日中間に重大問題が横たわっているという状況づくりはまずいのです。
 防衛省昇格についても大人しいものですね。江沢民時代であれば、凄まじい非難を浴びせかけていることでしょう。中国が騒げばお隣の国もヒステリックに騒ぐでしょうし。さらには尻馬に乗った一部マスコミがかしましいことでしょう。

 胡錦濤氏訪日のおかげで平静なものです。こういうことなら中国首脳の訪日も大歓迎です。
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