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百六拾  夜郎自大(2004/11/14)
百五拾九 大改造(2004/11/7)
百五拾八 プレーヤー・ベース成功と失敗(2004/11/1)
百五拾七 多事に合掌(2004/10/30)
百五拾六 価値あるイベント“技能五輪”(2004/10/24)
百五拾五 老化(2004/10/17)
百五拾四 アンプ帰着(2004/10/10)
百五拾参 アイテム3点(2004/10/3)
百五拾弐 アメリカよ(2004/9/26)
百五拾壱 デラホーヤ悶絶KO(2004/9/19)
百五拾  「地獄へ行くぞ!大五郎」(2004/9/12)
百四拾九 アンプ故障(2004/9/4)
百四拾八 忘れていたレコード(2004/8/28)
百四拾七 インシュレートに関する新発見(2004/8/21)
百四拾六 Λがやってきた(悲願、成る)(2004/8/13)
百四拾五 意図的につくられる反日意識(2004/8/8)
百四拾四 ニュールンベルグ裁判(お盆特別回)(2004/8/1)
百四拾参 技能は大切(2004/7/25)
百四拾弐 カルトの至宝「キングダム」登場(2004/7/18)
百四拾壱 知的財産権がえらいことに(2004/7/11)




百六拾  夜郎自大(2004/11/14)
 アラファト議長が逝去しました。TV解説は、もっぱら彼の反イスラエル闘争に焦点を当て、彼がいかにパレスチナ問題の象徴かを唱えていました。まあ、仕方ないと思います。今のTV局関係者でアラブの歴史に通じている人間は極めて少数でしょう。20年前までなら、中東の騒乱をリアルタイムで報道していた記者が多数在職していたでしょう。でも現在は、中東を知らない世代ばかりじゃないかな。

 アラブ世界がなぜイスラエルに対して、ひたすらの後退を余儀なくされたかというと、アラブ人の夜郎自大っぷりが原因です。戦争をするなら、勝つべくしてやらなければいけません。実際は気勢を上げたり、反イスラエルのお題目に熱狂するばかりで、綿密なイスラエル軍の事前評価を行っていません。これで戦争に勝てるわけもないし。

 アラブの後退を苦々しく見つめていたパレスチナの若者たちは、反イスラエル闘争に立ち上がりました。その指導者がアラファトです。もともとPLOはアラブ全体の結束を強化し、統一的な指導のもとにイスラエルに当たろうという趣旨でナセルが設立したものです。ナセルはイスラエル軍の実力を痛いほど熟知しており、不用意な実力行使がかえってアラブのマイナスになることを理解していたのです。シリアやヨルダンが水資源の問題から、イスラエルと戦闘を繰り広げている時期を背景にしてのことでした。この件でも、イスラエルは自分勝手な破壊と侵略を繰り返しています。

 で、アラファト率いる武装組織は、穏健を趣旨とするPLOにあって突出した武装闘争を繰り返しました。歴史の後知恵で言うなら、彼の身勝手な行動がアラブに多大な迷惑と損失を与えてしまいました。TVニュースは彼の死を嘆く人たちの映像を流していましたが、それは表面的なものでしょう。本当は彼の身勝手さと支援金の横領を不快に感じていたはずです。


 10日、政府は中国の潜水艦が領海を侵したと報じました。11日に入って中国の「漢」型と発表しました。よく言うよね。そんなのP3Cが最初に補足した時点で特定できていたはずです。
 いろいろ理解に苦しむことがあります。
 ・日米合同訓練の偵察行動と思われる。偵察は当然であろう。大々的に公表することなのか?
 ・漢型は攻撃型原潜であり、大型でもあり、トラブル続きで偵察に向いていない。
  北海艦隊所属艦が対象になるにしろ、キロ型もあるだろうに。
 結局、日米の訓練が対中を意図したものであろうから、それに対する示威行動なのでしょう。でも、恥を掻いただけですけどね。

 ちなみに近所の若い衆は、海上自衛隊でP3Cのパイロットを務めています。優秀な隊員なのでしょう。リムパックに参加したことがあるそうです。聞けば、ハワイ沖でハープーンの空中発射もやったそうです。男前の好漢です。


 中国は、南シナ海にある南沙諸島周辺のベトナム側資源調査の国際入札に関して、不満を漏らしています。
 「南シナ海及び周辺諸島の権益は中国にある。中国の国家主権と管轄権を侵犯する行為だ」と声明を発表しています。また、各国の石油会社に対しても、「中国政府の立場を尊重し、中国の権益を侵す行為を控えるべきだ」と警告しています。
 本当に自分勝手です。このベトナムの手法は、中国自身が東シナ海の大陸棚に対してやった手法の真似です。中国はベトナムに文句を言うなら、自分が反省すればよいことです。
 また、中国はそれ以外にも領土問題についてダブルスタンダードをやっています。
 ・尖閣諸島に対する主張‥‥地質的には琉球列島には属さず、中国の大陸棚上にあるから中国領土であるとの主張。
 ・南沙諸島‥‥地質的には東南アジア諸国(フィリピン、ベトナム、マレーシア)の大陸棚上にあるが、それは言わない。

 中国の夜郎自大っぷりは、イスラエルやアラファト、あるいはブッシュ政権や戦前の日本の大陸政策を髣髴させます。

 尖閣諸島の領有権については、尖閣諸島問題 を参考にさせて頂きました。
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百五拾九 大改造(2004/11/7)
 以前、アンプのベース・ブロックを出し入れしたとき、背面のフォノ・ケーブルの端子を曲げてしまいました。このケーブルはモンスターの安価なやつです。RCA端子の外側がひん曲がり、下図のとおり折れてしまいました。端子を付け替えて修理しようと探したものの、RCA端子単体はどこにも売っていません。そこで諦めて、プレーヤーのフォノ・ケーブルに流用することにしました。QL-A70は着脱タイプではありません。交換は面倒です。
 ついでにアース線もやり替えます。標準品は縒り線なので精神衛生上よろしくないです。また圧着端子が錆びてよれよれです。そこで、下図のような単線のモノを自作しました。いえ、電子系の同僚にお願いしました。
 
 さらに、一気にSP内部配線もやり替える予定です。少し前からLchからビビリ音が発生しています。ピン・ケーブルを左右入れ替えてもLchからなので、スピーカの問題です。ONKYOのMONITOR2000のアッテネータ・スイッチは、ミニマム・ポジションで接続オフにできます。ツィーターとミッドレンジをオフにすると、ウーファからのビビリ音が明確に聴き取れます。内部配線をやり替える際に、ついでにチェックして直そうと思います。
 準備はOKです。下のように、ケーブル類は手配済みです。
 上の白いケーブルは、S&TのOMNI-8Nの2芯、右側は同じく4芯です。
 Victor QL-A70の内部はこのようになっています。安物ですね。積層合板は使用していません。天板もパーチクル・ボードです。
 アース線をトランス・ケースにも接続しました。
 電源回路の電解コンデンサは、ご覧のとおり全滅です。すべて液漏れしています。手持ちがないので、注文のうえ後日入れ替えます。
 ハンダ吸取り機の準備を忘れてしまい、フォノ・ケーブルの付け替えに手間取りました。
 まともに試聴していないので、音質評価はできません。フォノ・ケーブルのグレードを数段上げた割には変化が判りません。
 アース線をトランス・ケースに引いたのは失敗でした。ハム音が余計に生じました。コンデンサ交換時に、ついでに除けます。

 試聴もそこそこに、いよいよスピーカーに取りかかります。ユニットを取り外したところです。
  
 ネットワークのコンデンサは、意外なことにポリプロピレンのフィルム・コンデンサを使用していました。ウーファ用に電解コンデンサが使用されていますが、これは比較的影響の少ない個所に対してです。
 今、迷っています。これらを高級コンデンサに変更すべきか? 全部やり替えるとなると、数万円の出費を覚悟しなければなりません。さすがに躊躇します。とりあえずアッテネーターを先に片づけて、それでも満足できなければあらためて考慮します。

 ウーファのビビリ音はコーンの振幅の際の接触でした。エッジ接合部(合わせ目)が硬いことから、上方(エッジ接合部位)に引っ張られたのではないでしょうか。そのために、当初は出ていたセンター位置がずれたのではないかなあ。この想像は素人考えですけど。
 ウーファはU-Station21に修理に出します。よろしくお願いします m(__)m

 で、開けてみて、道具や材料が足らないことに気づきました。以前使用していたスピーカーの改造は簡単でした。道具といっても、6角レンチとドライバくらいのものでしたから。今回は、時間がかかりそうです。
 MONITOR2000の造りは、なかなかに本格的です。ネットワーク基盤の銅箔の厚みもかなりのものです。また、ハンダも贅沢に盛っています。吸音材はごく少量で、このスピーカーのハイスピード振りを窺わせます。ミッドレンジ・ユニットは密閉ケースに収納され、ボックス内部の音波の影響を遮断しています。感心するのはいいけど、改造は大変です。と言っても、大変な思いをする当事者は同僚の I さんなんですけどね。感謝しています。
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百五拾八 プレーヤー・ベース成功と失敗(2004/11/1)
 アナログ・プレーヤーのベースが完成しました。

 15mm厚コンパネです。一枚をご覧のように切り欠きました。この2枚をブチル両面テープで接着します。
 今回は面倒なので、研磨もしていません。面倒というより、一刻も早くセッティングして鳴らしたいのです。本当は研磨したうえ、サンディング・シーラー塗布→研磨→塗布→研磨と繰り返せば完璧です。接着強度が高まり、表面が平滑で密着度も高まります。
 ネジはプレーヤー裏板(薄いパーチクルボード)を止めるものです。もとからのインチネジが鍋なので出っ張ります。そこで皿ネジに置き換えます。

 ジャストフィットしました。

 背面です。電源ケーブルとフォノ・ケーブルをうまくかわせました。
 さっそくハウリング・マージンをチェックしました。静的なマージンはDENON製インシュレータ並みです。ところが、歩いたりの床振動をモロに拾うようになりました。そこで御影石をアンプへ、自作ブロックをプレーヤーに戻しました。それでもマージンを確保できなかったので、防振ゴムを挟みました。やっぱ、あかん。仕方なくインシュレータを元通り戻しました。上の写真はその完成形です
 結局DENON製インシュレータのお世話にならざるを得ません。なんのこっちゃ。
 決して徒労に終わったわけではありません。音は良くなりました。中高域の解像度がぐっと上がり、今まで聴こえなかったレコードのゴーストが聴き取れるくらいですから。ただ、低域の圧力は減退しました。これはむしろ分解能が上がったためでしょう。

 期待したほどのハウリング・マージングが確保できなかったのはコンパネの容量不足でしょうか。多分、2層じゃなく、5層くらいは必要なのでは。と言いつつ、もうやる元気がありません。
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百五拾七 多事に合掌(2004/10/30)
 ここのところ参っています。職場の40代前半の同僚が心不全で亡くなりました。健康に意を砕いていた男だけに信じられません。


 さらに、先日の台風23号は当地に甚大な被害をもたらしました。県下各地に避難警報が発令され、あちこちで床上浸水が生じました。我が家は水の被害はないものの、強風による被害が生じています。トタンが飛ばされ、瓦にも相当の被害が出ています。今日、トタン修理を依頼しました。瓦は自分で直します。漆喰をたっぷり買い込みました。墨汁もいっしょにね。本職の方は墨片を混ぜるそうですが、私は例によって手抜きです。私はガキの頃から屋根の修理を任されてきました。瓦がずれたり割れたりしているのは古い家屋です。すると、今の瓦とでは形状が合いません。そこで漏水遮断用に代替品をいろいろ試しました。ビニールや銅版、コーキング剤などですが、いずれも間に合わせにしかなりません。そこで作業は面倒だけど、漆喰の登場となります。昔の人は偉いです。漆喰に勝る材料はありません。晴天が続いて野地板や盛り土が充分乾いたら、じっくり修理をする予定です。


 そこへ新潟中越地震の報です。出張で滞在していた岩手県のホテルで第一報を見ました。ニュースを聞きながら、ガキの頃に見た新潟大地震を思い出しました。当時の新聞第1面に扱われていたのは、倒壊したアパートの写真でした。あの頃に比べると、建築基準がはるかに厳しくなっているだけに、耐震構造上の不備による倒壊は少なかったのではないでしょうか。もっぱら台風のもたらした雨による土砂崩れや地盤の緩みが主原因でしょう。
 こういう災害が起こると考えさせられます。普段は公共土木工事に批判的な目を向けていますが、自然災害に対する防災の観点からは大切なことなのでしょう。

 また、日本人の生活自給能力が脆弱になったと痛感させられました。今回も孤立した村が紹介されていました。田舎であれば、公共インフラが途絶しても、生活を維持できそうな気がするのですがねえ。もはや都会同様に自給が無理になっているのでしょうか。我が家であれば、井戸水を利用できます。ユノックスで湯を沸かしていますが、いざともなれば薪で風呂を沸かせますし、竈や七輪で煮炊きできます。そもそもプロパンガスですから、ガス供給云々は関係ありません。野菜は少なからず納屋に取り置きしています。ほとんどの農家がそうでしょう。都会だとライフラインが絶たれると自給は不可能でしょう。しかし田舎には田舎の知恵があると思うのですが。


 イラクでまたまた日本人が人質になりました。イタリア人、カナダ人、イギリス人、オランダ人と次々に人質事件が起こっているというのに、不用意な行動もいいとこです。本当は無視するのがベストです。騒げば騒ぐほど、テロリスト側はその効果が大きいと自信を深めてしまいます。誘拐事件と同じく、静かに見守るのが正解だと思います。


 以前にも紹介した作家の大石英司氏のサイトに気になる記述がありました。10月26日の「中国空軍、その脅威の正体」です。私はもうミリタリー・ウォッチをやっていないので不覚にも知りませんでした。調べてみると世界の空軍力にSu-27×90機、Su-30×38機とあります。これはただ事ではありません。東シナ海の制空権は、もはや中国のものでしょう。しかも中国は空母を欲しています。空母運用は一日にして成るものではないにしろ、失敗や錯誤の経験を積むことによってモノにできます。今の中国に空母運用は無理でしょう。でも、将来のことは判りません。Su-33(Su-27の艦載機仕様)導入の道筋もできているわけですから。
 Su-27の高機動性については「ウクライナの航空ショーでSu-27が墜落」で触れています。


 IBM製3Dワークステーションの雄というか、業界標準として君臨しているIntelliStationのトップモデルにAMDのプロセッサーが搭載されました。3Dマシンにおける要求度の第一はレンダリングパワーです。AMDのチップは従来よりIntelに優っていました。ただ、トータルな信頼性からIBMはAMDを採用してこなかったのです。それがついに採用、しかもトップモデルです。Intelはカッカきていることでしょう。でも仕方ないわな。3D性能では太刀打ちできないもんね。しかもデュアル機ともなれば、さらに実効性能に差がつくでしょう。AMDは帯域をPoint to Pointで、Intelはシェアしているだけに、当分の間差は埋まりそうにありません。そのうえ、Intelはクロックの高速化を中断しちゃったしね。


 アナログ・プレーヤーがどうにもしっくりきません。DENON製インシュレータは良品ながら、発条構造は好きではありません。そこで今日のこと、DIYショップで15mm厚コンパネをプレーヤーと同サイズ2枚分カットしてもらいました。明日はその1枚を切り欠きます。電源ケーブルやフォノ・ケーブル、モーターの突起部をかわすためです。そしてブチル両面テープで2枚のコンパネを接着します。これをインシュレータなしでプレーヤーの下に敷き、ハウリングマージンを確保できれば成功です。音質アップは間違いないでしょう。
 さて胸算用どおりにいくかどうか。
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百五拾六 価値あるイベント“技能五輪”(2004/10/24)
 つい先ほど出張から帰ってきました。この土日は、岩手県で開催中の「技能五輪 2004 in 銀河系いわて」を視察していました。これを書きながら、ぐったりしています。金曜日、午前の訓練を終えた脚でそのまま岩手に飛びました。ホテルに着いたときは、陽もとっぷり暮れた6時過ぎでした。

 昨日は早朝から、12会場に分かれて実施されている42職種の競技を見学しました。いえ、そのうちの4会場だけです。岩手県は広いので、全会場を見学するのは事実上不可能です。シャトルバスが運行されているのですが、一度間違えて逆行してしまい、1時間ほど無駄にしました。このチョンボがなければ、あと1会場は訪問できたのですが。

 技能五輪の競技出場者は23歳以下の若者です。彼らは例外なく、日々の仕事に追われながらも、自覚を持って技能向上に取り組んできました。その成果をこの2日間に発揮します。各都道府県の、各業界団体の、各所属組織の名誉さえかけています。課題に取り組む彼ら、彼女らの真摯な態度には粛然とさせられます。そしてなにより、彼らの担う技能水準の維持向上は、日本の将来そのものを担ってさえいるわけです。それほど有意な彼ら(彼女ら)の生き様でありながら、世間の興味は冷淡です。スポーツ五輪出場者のヒーローぶりとは大違いです。私は技能五輪に挑む彼らをこそ、ヒーローとして誇りたいです。
 彼ら、彼女らの健闘振りを見てください。
 美容:壮観でした

 グラフィックデザイン:私の専門分野ですが、参加者が少なくて淋しい

 家具:女性の参加者も多かった

 広告美術:これも私の専門分野です。検定で長い関わりがあります

 抜き型:メーカーからの参加者が多く、さすがです
 上の“抜き型”以外にも、自動車板金などでも TOYOTAやMAZDAなどのメーカーからの参加者がいます。彼らは世界大会で勝つことを目標に、技能向上そのものを業務としています。ですから、中小事業所からの参加者では、とてもとても勝てません。今回も、指導スタッフがVTRを回しながらチェックしていました。アッ、競技中は競技者に対して話しかけることは禁止されています。

 新潟県からの出場者及び関係者にはお気の毒です。地元のことが心配で、競技どころではなかったでしょう。帰県するにも、新幹線も高速道路も現在不通です。一日も早い復旧をお祈りしています。

 来年は山口県で開催されます。お近くの方は、一度見学してください。きっと、日本の技能の将来を担う若者たちの真剣な眼差しに感銘を受けることでしょう。
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百五拾五 老化(2004/10/17)
 今、左肩から腕にかけて鈍痛を抱えています。一年前までは右肩(腕)でした。原因は明らかにパソコンです。そこで一年前にマウスの設定を左利き用に代えて、ずっと左手で使ってきました。おかげで右肩の痛みはきれいになくなりました。ところが先日より左肩(腕)に痛みが出てきました。しかも今回は首まで痛みが及んでいます。もう私もおしまいです。老化症状以外のなにものでもないでしょう。
 今日は量販電気店を訪ね、健康器具のコーナーをチェックしました。マッサージ器のカタログを数点頂戴しまして、検討しているところです。展示品を試しもしました。さすがハイテクの成果です。昔のマッサージ器とはモノが違います。下手なマッサージ師よりよほど効果があります。すでに気分は購買モードに入っています。ただ、効果的な品は30万円前後と高額です。最近はオーディオに散財してるし、このうえマッサージ器を買うとなると、パソコンの更新はおあずけです。まあ、しゃあないわな。肩の痛みは24時間絶え間ないし、背に腹は替えられません。

 先週、オーディオ趣味にこれ以上手をかけないと言った傍から、ある注文を入れました。

 スコット・トゥローの新作「死刑判決」が発売になり、さっそく買ってきました。久方ぶりのトゥローです。彼の作品なら期待を裏切らないでしょう。さあ、今から読み始めます。

追加:10/18
 先ほど注文品が届きました。TAOCのインシュレータ SBL-13MT です。スピーカーを買った福岡のオーディオ・ショップ U-Station21 に、お買い得価格で展示されていたものです。
 さっそくセッティングして試聴しました。音が整然と整理されました。帯域バランスがナチュラルです。でありながら、同時に分解能も向上しました。メーカーが“整振スタビライザー”を謳っているのも納得できました。
 現在、機器のベース(インシュレータ)は下のようになっています。
 右上のSY-Λ88Uのベースが問題です。

 TAOCを脚受けにしました。
 今回の注文の際、SPケーブルも3m頼みました。以前買ったケーブルの残と今回の注文分とでスピーカーの内部配線をやり替える予定です。いよいよアッテネータ省略の改造に取り掛かります。
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百五拾四 アンプ帰着(2004/10/10)
 アンプが帰ってきました。修理そのものはダイオードを純正に戻しただけで動作しました。AQUAの大島さんも「問題ないですよ」と仰って下さいました。なお、全体のチェックとハンダの見直しをして頂きました。交換部品がダイオードとヒューズだけだったので、修理代は安かったです。職場の同僚との検討では、「ヒューズを純正品と同じスロー・スターターにしていれば、直っていたのでないか」との結論に達しました。
 以前からRchの低域に力不足を感じていました。ひょっとしてRchのウーファーが逆相になっているのかと疑っていましたが、アンプのオーバーホール後はまともです。アンプの側の問題だったのでしょう。

 パテをしごき付けた方の自作ブロックをパワー・アンプのベースに移動しました。おかげで快調です。すると他の部分の調整不測が耳につくようになりました。
 プレーヤーの下には御影石とDENON製インシュレータを置いています。インシュレータの制振性能が優秀なので、御影石とのコンビでも充分です。ハウリング・マージンは4dBアップしています。音が明瞭に際立ちます。それだけに、余計にほんの僅かな歪さえ聴き取れるようになりました。そこでオーバーハング、水平、針圧、アンチスケート量を徹底的に煮詰めました。オーバーハングは15mmにしました。正規のハング量は不明なのですが、通常は15mm程度でしょう。以前は剛性重視で9mm程度に抑えていました。さらに、プリのスイッチ類を嫌になるくらい回して馴染ませました。ここまで試みて、やっと納得がいきました。今は素晴らしいサウンドを聴かせてくれています。
 あらためてアナログの良さを実感しています。私のアナログ・システムは、そう大したものではありません。それでもCDより明らかに冴えた音質です。レンジだってアナログの方が広く聴こえます。まあ、この点は錯覚でしょうが、なんでかなあ。


 ところでショッキングなことがありました。ヘッドアンプを買ったダイナベクター からお買い得商品の案内がきました。メール内容は次のとおり、通販利用者に対する優先販売の案内です。
 1.DV-50A 低出力MCカートリッジ \12,600(税込)10個限り
 2.DV-50X 高出力MCカートリッジ \10,500(税込)10個限り
 3.DV KARAT RUBY 低出力MCカートリッジ \18,900(税込)15個限り
 4.DV PHA100 ヘッドアンプ ¥63,000 (税込)2台限り
 5.DV-505トーンアーム中古(完全オーバーホール品)\126,000(税込)1台限り
 6.DV-507トーンアーム中古(完全オーバーホール品)\157,500(税込)2台限り
 7.ヘッドシェル(オルソニックタイプ)\2,100(税込)20個限り
 8.ヘッドシェル(ダイナベクター製)\2,100(税込)20個限り
 4.のヘッドアンプ(PHA100)がこの値段なのには泣けてきます。私は半年前に100,800円(税込み)で買ったというのに (>_<) <辛い
 新製品(PHA200)が出たために安価な処分となっています。担当者の話によると、200と100はほぼ同じ内容だそうです。新しい200はインピーダンスが3ポジションで、よりきめ細かい対応ができるようになっているとのことです。逆を言えば、廉価な100で充分ともいえます。このメールが届いたのは3日前です。はやばやと売り切れたんじゃないかな。
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百五拾参 アイテム3点(2004/10/3)
 アンプは修理中です。AQUA の大島さんのチェックによると、ダイオードだけの問題だそうです。破損していない方のダイオードを純正品に戻したところ、問題なく動作したそうです(ダイオード4ヶのうち破損したものは2ヶ。4ヶすべてをテクニカルサンヨー のショットキー バリアダイオードに交換した。それでもヒューズがとび、修理に出した)。何故なんだろうか。自前の修理の際に、ダイオードの方向を間違えたのかなあ。
 それ以外のコンディションは抜群だそうです。コンデンサやトランジスタで劣化したものがあれば交換をお願いしていたのですが、必要なしとのことです。ハンダの痩せも無く、念のために一部だけ盛り直しをしてくれたそうです。今週には我が家に帰ってきます。あ〜楽しみ。出迎え態勢は万全です。アンプ不在の1ヶ月間にいろいろ準備しました。
 左上はオークションでゲットしたDENONのインシュレータです。スプリング内臓で、高さ調整によって発条の効きを殺せます。
 手前の御影石は機器のベースにします。オーディオ用の高価なものでなく、庭石用の安価なやつです。4ヶで数百円でした。土に敷くため下面はガタガタです。そこで溝つきゴムを敷いて緩和するつもりです。表面の研磨もすませています。この御影石と自作ベース、さらにDENON製インシュレータの組合せを試行錯誤して、アナログの音質向上を図るつもりです。
 御影石の上にあるピンは、ショートピンプラグです。不要なRCAケーブルを切って自作しました。芯線を拠り合わせたうえ、ハンダを流しています。これをプリとパワーの未使用PHONOに挿しておきます。すれば、ハムを遮断してSN面で効果があるでしょう。それに、なにより精神衛生上気持ちがいいです。

 我ながら呆れています。若い頃のオーディオ趣味にまんま回帰しています。しかし、今回のセッティングで最後です。これ以上のことはしません‥‥多分ですけど。
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百五拾弐 アメリカよ(2004/9/26)
 最近、面白い映画がないので懐かしい名画に逃げています。先週は「殺陣師段平」と「大統領の陰謀」を堪能しました。どちらも大昔に観た映画です。

 「大統領の陰謀」を最初に観たのは大学生時分だったかな。そのときは取り立てて感興もなかったのですが、この齢になるとアメリカの裏事情に多少は通じたこともあって深い感銘を受けました。ワシントン・ポスト紙のカール・バーンスタインをD.ホフマンが、ボブ・ウッドワードをR.レッドフォードが演じています。ウォーターゲート・ビル(民主党本部)侵入犯の背後関係に疑問をもった新人記者のボブ・ウッドワードが、蟷螂の斧ならぬ脚とメモ帳で肉迫してゆきます。これをサポートしたのがベテランのカール・バーンスタインです。二人は副大統領をはじめ、ニクソンの選挙対策委員たちの不正を暴き、ニクソンを失脚に追い込みました。体制側のあらゆる組織に浸透した影響力に何度も押しつぶされそうになりながらも、ワシントン・ポスト紙は牙を剥き続けました。残念ながら今のアメリカ・マスコミには、かつてのワシントン・ポスト紙のような権力批判性向はありません。日本同様の、いえ、日本以上に体制べったりです。

 さらに偶然のこと、先週WOWOWで「JFK」が放映されました。オリバー・ストーン監督は、巷間よく言われる産軍複合体の陰謀を、ニューオーリンズ地方検事の告発を通して描いています。3時間に及ぶ大作とあって見応え十分です。
 軍事産業、軍上層部、CIA、FBI、警察、ウォーレン委員会と、政府組織のあらゆる部署の荷担を示唆しています。ただ、ストーン監督(というか、ギャリソン地方検事)は、マフィアの関与は確認できなかったとしています。実際には、CIAのキューバ侵攻作戦(ピッグス湾事件)には利権がらみでマフィアが深く関与していたとされています。ケネディ狙撃チームの手配は、マフィアがやったとする向きもあります。いえ、マフィア自身がCIAのエージェントだった可能性が高いのですが。

 WOWOWでは、数ヶ月前に「ロバート・ケネディ」も放映されました。この映画でも、ロバートとアメリカの暗部との苦闘が描かれています。ラストのロバート暗殺シーンは何度見ても切なくなります。あの射殺シーンは、当時生で見ましたから。ガキの私でさえロバートの死によって、アメリカの明るい未来は閉ざされてしまったとの感を持ちました。アメリカ大統領の選択は世界に影響を与えるだけに、ケネディ兄弟の死には無念の想いを禁じ得ません。そうそう、いつだったかWOWOWで「ジョンソン」もやってました。ひょっとしてWOWOWの担当者は、現代アメリカ史に思い入れがあるのかしら。ここまでくれば、ついでに「ホッファ」もやって欲しいな。全米トラック運転手労組委員長のジミー・ホッファもまたアメリカの闇を代表する人士です。あからさまな腐敗と汚辱にまみれながらも、何故かアメリカではその存在が許されています。日本であれば、そのスキャンダルに対する世間の指弾が許容しないでしょう。アメリカが民主主義の国だとか、社会正義を実現する国だとかの言はたわごとです。今回の大統領選挙でも、いろいろやってくれそうな気がします。


 アンプ(AU-X1111)の故障原因は迷宮入りです。ダイオード交換後もヒューズがとびます。自前の修理は諦めて、今週にもAQUAに発送します。
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百五拾壱 デラホーヤ悶絶KO(2004/9/19)
 本日昼頃、ラスベガスで4団体統一ミドル級タイトルマッチが行われました。WBO王者オスカー・デラホーヤがWBA/WBC/IBF王者バーナード・ホプキンスに挑んだスーパー・マッチです。両選手のファイトマネーは、ペーパー・ビュー収入の分配以前に50億円を超えていたそうです。あのレナードvsハーンズの統一戦でのファイトマネーでさえ40億円だったと記憶しています。ヘビー級を除いて史上最高額を記録しました。中量級で今後このような興行は考えられません。
 金額はともかく、試合内容に対する興味は弱めです。レナードvsハーンズ、レナードvsハグラー、最近のデラvsトリニダード、デラvsクォーティーなんかに比べても結果が見えているだけに、何故こんなに高額なのってなもんです。結局デラホーヤ人気の為せるわざなのでしょう。

 結果はホプキンスの9回KO勝ちで、まったく危なげない試合展開でした。徐々に弱らせたデラに、身体ごとぶつけるようなボディへの左フック一発で決めました。こらえようとしたデラもたまらず膝をついて、悶絶KOとなりました。衝撃的なKOシーンでした。デラはこれで4敗目。今後はさすがにこれまでのスーパースターの位置は得られないんじゃないかな。それにやはりミドルは無理があるでしょう。WBO戴冠試合にしても、相手が積極的に打って出ていれば勝てなかったと思います。もう無理をせずにスーパー・ウェルターに戻して欲しいです。S.ウェルターには、ロナルド・ライト、シェーン・モズリー、フェルナンド・バルガス、ダニエル・サントス、あるいはデラホーヤ目当てに復帰予定のトリニダードを始め、リカルド・マヨルガ、バーノン・フォレストらも参入してくるでしょう。なんといっても統一王者のロナルド・ライトとの一戦が楽しみです。モズリーさえ退けたライトの堅固なボクシングも、デラなら打ち崩せそうです。ホプキンス戦よりよほど面白そうなんだけどなあ。
 そのホプキンスは強過ぎです。身長があり、スピードもあり、パンチも強いという恵まれた体力に加え、相手のパンチが届かないところにすっと身体を移動させる防御動作の徹底ぶりは小憎らしいほどです。ボクシングの上手さに加え、汚いテクニックの名人です。頭を相手に押しつける嫌らしさ、至近距離で身体を沈めながら打ち下ろす右クロス−相手側にすれば、目の前に頭が振り下ろされてくるもんね。相手をロープに詰めたときは、まるでタップを踏むように脚を踏み替え、常に強いパンチが打てる体勢をつくります。万全なまでのボクシングです。こんなのに勝てるミドル級ボクサーはいません。さっさと上の階級のカルザゲとやって欲しいものです。
 ボクシングはやはり生に限ります。録画試合は結果が判っているだけに、勝敗への興味が希薄になっちゃいますから。


雇用状況好転
 今年に入っての雇用状況は明らかに好転しています。昨年度より、若干の上向きをみせていたのが、今はいい状況と言えるところにまで至っています。なにせ高齢者の就職についても、前例のないほど内定が得られています。
 さらに、厚生労働省は日本版デュアル訓練やら、インターンシップやら、障害者訓練などと就業を促進するためにいろいろ手を打っています。で、それを実施する我々現場部隊は、もう身体がいくつあっても足りないほどの対応を強いられています。


プロ野球選手会スト
 大いに結構です。選手が球団に対して団体交渉をし、聞き入れられない場合、要求を勝取るための手段としてストしか残されていないでしょう。しかも単なる球団交渉でなく、今回のような新規参入ルールづくりのような統一要求については、スト権行使しかないでしょう。「影響の大きい土日でなく、平日に行うべき」の意見には異論ありです。ストというものは、その影響の大きさこそがポイントなのですから。
 近鉄が合併を推進する前に、売却交渉を行わなかったのは不誠実でしょう。球団数の削減はリーグ維持に関わることなのですから。なんとしても1リーグ制でやりたかったのでしょうね。この件について、作家の佐々木敏氏が「週間アカシックレコード」で興味深い推論を掲げています。それと加盟料60億円、参加料30億円というのは一体なんなのでしょうか。プロ野球拡大の芽を自ら摘んでしまおうという意図なのかな。今回、球団サイドも加盟料の見直しに着手しています。やはりストなればこその成果でしょう。ついでにドラフト指名改革や逆指名撤廃も手をつけて欲しいものです。戦力の均衡は、試合の面白さを保証するための最低条件ですから。ただ、私は放映権料の一括管理・再配分には反対です。これは悪平等というものです。もしやるとすれば税金方式で、一部納入・再配分にとどめるべきです。
 もう一点、有望アマチュア選手に対する養育費とか称するものや、ドラフト候補の関係者への謝礼の実態を知りたいです。週刊誌なんかに書かれている話では、当たり前に行われているそうですね。週刊誌は信用できませんけど。もし公立高校や国立大学の職員に対して謝礼を渡せば、受取った側は収賄罪で即刻懲戒免職です。この点について、他の賞罰の選択は一切ありません。渡した側はこれまた贈賄罪です。こんな当たり前のモラルも通用しない世界なのでしょうか。
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百五拾 「地獄へ行くぞ!大五郎」(2004/9/12)
 あの富川晶宏氏(幼児時代しか知らないので、氏とは言いにくいなあ)が、逮捕されました。詳細は、拳銃密輸犯は元「大五郎」 映画版に出演していたを読んでください。富川氏といえば、映画版“子連れ狼”の大五郎役で一世を風靡した名子役です。TV版で大五郎役を演じた西川和孝氏に続いての犯罪露見です。西川氏の場合は強盗殺人、富川氏は銃刀法違反です。

 西川氏のときは別段の感興もありませんでしたが、今回の富川氏の逮捕はショックでした。私は、映画版“子連れ狼”の大ファンなのです。大映倒産後、勝新太郎は勝プロを興し、旧大映スタッフを率いて映画製作に尽力していました。勝プロのドル箱は当然のこと“座頭市シリーズ”です。ところが、昭和47年からシリーズを開始した“子連れ狼”は、若山富三郎主演で“座頭市”以上の人気を博しました。
 「子を貸し腕貸しつかまつる」(1972)
 「三途の川の乳母車」(1972)
 「死に風に向かう乳母車」(1972)
 「親の心子の心」(1972)
 「冥府魔道」(1973)
 「地獄へ行くぞ!大五郎」(1974)
 この全6作がすべてです。一定の観客数が期待できる人気作でありながら、大五郎役は富川晶宏くん以外には考えられないということで打ち切りとなりました。私自身、大好きなシリーズでしたが、富川君以外の大五郎は観たくなかったので納得しました。それと若山が腰を痛めたため、最終作は明らかに殺陣のレベルが落ちていました。いえ、水準以上であるのは間違いないのですが、それ以前の作品のレベルがあまりに高かっただけに、潮時の感もありました。
 この作品の魅力は多岐にわたっています。まず、小池一夫の考案した基本プロットが冴えています。柳生と公儀介錯人の暗闘、政治力を行使するための資金作り、そしてそのための高額の殺し屋稼業、父子の寄る辺のない人生と見せ所が満載です。さらに旧大映スタッフによる映像が最高です。第3作「死に風に向かう乳母車」の冒頭の映像美には溜息さえ出ます。監督は三隅研次が大半を担当しています。カメラマンは、もう当然のこと牧浦地志と宮川一夫、殺陣は楠本栄一と宮内昌平です。日本映画の粋というべきメンバーです。
 第1作「子を貸し腕貸しつかまつる」は、物語全体の状況説明に大部を費やしているので物足らない面があります。また第6作「地獄へ行くぞ!大五郎」は前に書いたように、若山富三郎の体調不良によって殺陣がとっ散らかっています。この2作を除いたあとの4作品はいずれも傑作です。なかでも「死に風に向かう乳母車」と「冥府魔道」が好きです。「死に風に向かう乳母車」は完成度の高い映像美に、「瞑府魔道」は問答無用の殺陣の素晴らしさに魅せられました。
 このシリーズは私の大切なビデオ・コレクションになっています。

 で、富川氏はやってくれました。撮影時の富川君は母子家庭で、若山氏を役柄のまま実の父のように慕っていました。それだけに若山氏は、富川君が成長して大五郎役をこなせなくなるとシリーズを打ち止めにしたのです。富川氏にも、周りの彼に対する配慮を真摯に受け止めて、“子連れ狼”の名を惜しんで欲しかったです。映画のタイトルどおりの人生を歩んじゃあつまんないです。TV版の西川氏も、ドラマを地でゆく殺し屋になっちゃたしね。
 今回は人名が多いので、西川氏と富川氏以外の敬称は略させて頂いています。


 アンプの故障個所は低電圧回路のダイオードでした。今、代替品を探しているところです。ダイオードくらいどこにでもありそうなものですが、難しいことになっています。容量とサイズが合うものがありません。製造メーカーも減っていますし、扱い店もほとんどない状況です。それとダイオードが壊れた理由が判っていません。もし、ダイオード交換後にまた壊れるようであれば修理に出します。
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百四拾九 アンプ故障(2004/9/4)
 先日の台風16号は当地に甚大な被害をもたらしました。夜半、めったにない強風を経験しました。幸いなことに、風向きの関係で当家の被害は最小でした。瓦と壁に若干の被害がでましたが、覚悟していたほどのことは起こりませんでした。

 強風下であれば、大音量でスピーカーを鳴らしても近所迷惑になりません。勇んでAU-X1111のスイッチを入れたところ、電源が入りませんでした。私はこれまでオーディオ機器の故障を経験したことがありません。高校時代にお下がりのモジュラー・ステレオを貰って以来の初故障です。
 原因を想像するに、SY-Λ88Uを繋いで間がないので、真っ先にSY-Λ88UのDC漏れを疑いました。職場に精密測定機器があるので調べてみました。いえ、電子系の同僚にお願いしたんですけどね。MM経路は万全でした。DC漏れが皆無ということはまずあり得ないでしょう。それでも、ボリューム最大でも無視できるほどの極少でした。波形も乱れがなく、抜群のコンディションでした。MC経路は若干の漏れがありました。ボリューム最大で、Lchが0.1mV、Rchが0.5mVです。さすがにこれだと波形も乱れます。でも、この程度でパワー段にダメージを与えることは考えられません。
 原因が判らないままAU-X1111を開けると、見事にフューズが切れていました。フューズを入れ替えて電源を投入すると、バシッの音とともにとびました。さあて、どこかにショート不具合があるぞ。回路図もない状態で、ぎっしりの内部をチェックするのは大変です。取り敢えず、電源回路から同僚が調べてくれています。問題がなければ、前段→後段と劣化や焼損を調べる予定です。もし、原因が判らなければ、AMP修理工房AQUAで修理してもらおうと考えています。いずれにしても、ここ当分音楽はお預けです。
 そうだ、AU-X1111がいない間にコンクリート・レンガを作り直そうかなあ。今度はたっぷり水に浸けてから作業にかかるぞ。完璧なインシュレータが期待できそうです。

 あちこちで出会い系サイトへの登録を促すメールが話題になっています。なんか凝った内容だそうです。噂に聞くだけだったのが、やっと当方にも送られてきました。ちょっと嬉しかったです。

 件名 こんにちわ

 私の会社は連休が無いんだぁ
 今日やっと休みもらえたけど
 みんなどっか行ってだ〜れも居ないし
 お盆の休みはどこか行きました?

 美弥子

 最初、知り合いからのメールかと思いました。で、名前に覚えがないので、例の勧誘メールだなと。世の中には暇な人間がいるものです。
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百四拾八 忘れていたレコード(2004/8/28)
 暇さえあればアナログ・レコードを聴いています。古いレコードをめくっていて、「炎(あなたがここにいてほしい)」をみつけました。もうすっかり忘れていました。「狂気」「おせっかい」「ファイナル・カット」「ザ・ウォール」「原子心母」は覚えがあるのに、この傑作を所持していたことは忘れていました。

 半速カッティングとかの優秀ディスクです。ジャケットの帯には「音の極限を追求した話題のディスク」とあります。曲はしっかり覚えていました。「狂気」同様のサウンド・イフェクトを多用した傑作です。音楽そのものはこちらが上でしょう。特にA面はフロイドの作品中で一番好きです。でも、このお気に入りのディスクをウン十年間忘却していたとは。SONYの“マスターサウンド・シリーズ”の一枚とかで、通常のディスクより割高です。そういえば貧しい学生時代に、価格が高めとあって、これを買おうか迷ったんだなあ。今こうして聴きながら、買っておいてよかったと納得しています。他のフロイドのディスクに比べて、明らかに音質が勝っています。ベールを剥ぎ取ったように明瞭なサウンドです。「狂気」はCDも持っていますが、アナログの方が音がいいです。ということは、このディスクはピンク・フロイドのディスク中で一番いい音を聴かせてくれるんじゃないかな。

 伊福部昭さんの映画音楽について「伊福部マーチ」に書いています。これは井上誠さんの電子楽器による再構成です。フルオーケストラ版を聴きたくて、Webで調べるとありました。さっそくamazonで注文しました。で、着きました。
 左のディスクはオリジナルのサントラ盤です。かつて劇場空間に鳴り渡ったサウンドそのものです。やはりレンジは狭いですが、そんなのは関係ないです。時代の証言とも言うべき記念碑です。右はコンサート用に伊福部さんがアレンジした「SF交響ファンタジー」です。演奏は日本フィルハーモニーです。フルオーケストラとあって、セシオン杉並ホールを7日使用しての録音です。文句なしの優秀録音です。堪能させていただきました。井上誠氏のシンセによるアレンジもいいけど、やはりゴジラのメインテーマである重低音のうなりはコントラバスでなきゃね。
 

 一場投手
 この件に関する世間の反応は、可哀想とかいうものが大半です。そういう判断は、私には理解できません。私は地方公務員だけに、金銭授受や利益供与というものに対して、常に厳しい眼を向けています。公務員の場合は、贈収賄罪(収賄の側)が厳しく適用されます。公務員といっても、地方公共団体と外郭団体、あるいは省庁の官僚とでは扱いが異なっています。地方公務員であれば問答無用で懲戒免職になるケースでも、官僚だと該当する便宜供与があったかどうかややこしい議論をし(実は先に身内保護ありき)、結局訓告や減俸で収まることが多いものです。地方公共団体でも、下位にいくほど対応が厳しくなります。昔のこと、私の住む隣の市で、27歳の土木課主事が業者から7万円ほどを受取って懲戒免職になりました。これなんか気の毒でした。旧大蔵省のNさんなんか、大金を、それも庁舎内で受取ってお咎めなしですからねえ。

 私は公務員の服務規程が厳しいことを悲観するものではありません。むしろ、その厳しさを誇りとしています。職務に関して業者から利益供与を持ちかけられたこともあります。もちろんお断りしました。会食したときは、こちらが奢ります。割勘というやつが、どうにも肌に合わないもので。レジの前で、請求額を頭割りして、釣りがどうの、細かいのがどうのといったやり取りが鬱陶しくて嫌いです。あるいは教え子の父兄から付届けを押しつけられることもあります。直接会っての場合は、絶対に受取りません。事情を話せばご理解いただけます。困るのは、自宅に送付されてくるケースです。本音では現物を送り返したいのですが、さすがに角が立ちます。そこで同程度のものを返礼として送付します。「今後二度とこのようなものを提供しないように」との釘を指しての返送です。

 で、一場投手です。「いけないこととは分かっていたが、断り切れなかった」 だってさ。これが大の大人の台詞とは哀しいものです。200万円の供与を受けての自覚がこれですから。明大監督や父親のコメントにも世の移ろいを感じます。自分の息子や教え子のしでかしたことなら、巨人がどうのと他人のことをとやかく言うのでなく、自身のすべきこと、自身の悛めることにのみ言を向けるべきです。恥知らずな政治家でさえ、受託収賄のケースで「強引に渡されてしまった」などとあほな台詞は口にしないでしょう。
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百四拾七 インシュレートに関する新発見(2004/8/21)
 先週セッティングしたコンクリート・レンガに関して、ある発見をしました。レンガだけでなく、コンクリート・ブロックやドブ板にも共通する有益な情報です。っても、オーディオ・マニア以外にはくだらない話ですけど。

 先週の写真のように、コンクリート・レンガを使用しています。で、レンガを叩いてみたところ、音に違いがあるのに気づきました。これは共振音ですから、音質に影響を与えます。音が尾を引くレンガは問題ありです。対処の必要があります。なぜ違いがあるか考えると、次の理由しか思い当たりません。
 「コッ」共振なし‥‥一ケだけ、作業中に汚れたため水洗いをした。当然、水気を十分含んでいる
 「コツ」硬い当りの音‥‥水性パテを二回処理したもの。パテの水分をコンクリートが吸収
 「コツン」共振音‥‥乾燥ブロックにプラサフ処理を行った。水気を一切含んでいない
 どうやらコンクリートに水分を与えると、しまりが出て共振を押さえ込む模様です。それも十分に与えたものは、ほとんど共振しません。そこで今日は、乾燥したままのレンガを風呂につけました。表面処理をしているので、水洗い程度では水分が吸収されないのです。風呂につけると少しずつ気泡が出てきました。まあ、気長に待ちました。2〜3時間後、表面を乾燥させて、水分が逃げないように上塗りしました。残念なことに、すでにプラサフを吹いているので、十分に水が行き渡っていません。水分の吸収具合によって、鳴き加減が微妙に異なっています。
 今までコンクリートそのものの共振対処について、考察した記事を読んだことはありません。知っていれば、こんな余計な手間は不要だったのに、無念。長岡さんが存命であれば、この発見を注進に及んだのになあ。

 コンクリート・ブロックやコンクリート板を使っている方は、だまされたと思って試してください。劇的にコンクリートの鳴きが止まります。
 @水を十分に含ませる
 A表面を乾燥させる
 B水性パテをしごき付ける
 C研磨する
 D好きなように仕上げ塗装をする
 どうも水分がポイントなので、水性材料を使うのが吉です。それに水性材料は扱いが簡単ですしね。仕上げ塗装もエマルジョンでいいんじゃないかな。ああ、私も最初からこの点に気づいていればなあ。
 8/28 追加:上塗り塗装はエマルジョン系でいいけど、パテは樹脂系を使用のこと。水分を遮断しなくてはいけないので。

 ラック内のアンプ(35kg)のベース・レンガを出し入れするのに四苦八苦しました。片腕でアンプを持ち上げ、もう一方の手でレンガを代替の支持台に置き換えます。レンガの制振処理を終えるともう一度入れ替えます。もう二度とやりたくないです。右腕の筋肉が断裂しそうになりました。今も筋肉が疼いています。年を食うとオーディオも命がけです。
 しかも無理をしたため、アンプがずれてRCA端子のひとつが曲がってしまいました。一応元に戻し、断線もしていませんが、ぐらつきがあります。どうにも精神衛生上よろしくないです。AMP修理工房に依頼すれば、しっかりしたテフロン絶縁RCA端子に交換修理してくれます。でも発送のためにアンプを取り出したり、梱包することを想像するとぞっとします。
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百四拾六 Λがやってきた(悲願、成る)(2004/8/13)
 スピーカー更新が契機となって、次々にあれやこれやと更新を進めてきました。そしてフォノ・イコライザーにも手を入れたくなりました。現有アンプのAU-X1111MOS-VINTAGEは、同じSANSUIのB-2102MOS-VINTAGE(パワーアンプ)にプリ部をくっつけたものです。ですからプリ部は若干の力不足です。本格的なイコライザー・アンプが欲しくなり、オークションをチェックしていました。そして、ついにAurexのSY-Λ88Uをゲットしました。このプリ・アンプは1982年に発売された銘機です。私もずっと憧れ続けていたものです。今回入手したものは、新同極上品です。外装のつや消し塗装を見ても、使用せずに梱包されていたことが伺えます。当然のこと基盤の焼けもありません。高級アンプは電流を贅沢に流すので、例外なく基盤が焼けたり、電解コンデンサが劣化しています。フィルム・コンデンサでさえ経年劣化を免れません。ところがこのアンプは、20年前の製品にかかわらず新品の鮮度を保っています。しかも10万円です。入札開始価格が高かったので、私以外の入札がなく、そのままの価格で落札できました。こんなお買い得品にめぐり合えるとは、夢にも思っていませんでした。多分、日本中で一番劣化の少ないSY-Λ88Uじゃないかなあ←自画自賛、俺。
 で、下のようなセッティングです。
 さすがに機器の三段重ねは無理があるので、自作ラックをTV台から戻しました。そこで具合の悪いこが起こりました。写真の自作ラックの内幅は440mmで、プリ、パワー、CDPも収まりません。もともとこのラックは、以前使っていたセパレート・アンプ(ONKYO/P-303、TRIO/L-05M)に合わせて設計しています。仕方なくプリメインの側板を外しました。これは明らかに音質劣化に繋がります。これをカバーするため、昨日はコンクリート・レンガのインシュレータを拵えました。プリ用も合わせ、8ケ自作しました。コンクリート・レンガはインシュレータとして優れています。プレーヤー用に作ったやつは、日時の経過とともに制振性能がアップしました。今ではハウリング・マージンは12dBにまで及んでいます。しかもレコード演奏中に叩いても無音です。これなら側板が殺していた振動の悪影響を緩和できそうです。
 バネやゴム弾性を用いた制振効果は本物じゃないですね。このコンクリート・レンガのように、振動や衝撃を質量で減衰させるタイプは音質面でも有利でしょう。前号「オーディオ・アクセサリー」誌で、高価なインシュレータ・ボードの特集をやっていましたが、あんな金をかけなくても、数千円でもっと高い効果が得られます。金をかけずに汗をかけと言いたいです。

 で、今回は手抜きしました。8ケも作るとなると大儀です。パテしごきを省略しました。
 ・レンガ同士を擦り合わせて凸を均す→プラサフで下地処理→ラッカーで上塗り→クリアでゴムを貼り付け
 下の写真で判るとおり、プレーヤー用に比べてガタガタです。表面が凸凹なので上塗りもきれいにできていません。ポリパテで平滑にすれば、音質にも好影響があると思います。でも、もうたくさん。昨日は汗だくになりました。
 SY-Λ88Uはさすがです。長岡さんの批評のとおり、ワイドでフラット、高解像度ながらあくまでナチュラルです。しかも音場が広大です。また、噂には聞いていましたが、歪の少なさは無類です。音量をどこまで上げてもうるさくなりません。こういうニュートラルな音質は、一番実現が難しいんじゃないかな。まさに私の好みにぴったりです。内蔵MCヘッドアンプも優秀です。ダイナベクターのヘッドアンプと甲乙つけ難しです。Λ88Uは、無色透明のニュートラル・サウンドです。対してダイナベクターは、若干色気のある微粒子サウンドです。Λ88Uはバックコーラスを分解しきるほどの高解像なのに、それと感じさせない自然体です。とても不思議な感覚です。このプリ・アンプが日本オーディオ史に名を残しているのを納得しました。

 TV台は近所のユーズ店でガラス扉つきの立派な台を買いました。2,000円也でした。ホント、俺みたいなのがいるから、日本の経済が駄目になるんだろうなあ。
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百四拾五 意図的につくられる反日意識(2004/8/8)
 先日のアジア杯における中国人観客の無作法は、あらためて驚くことではありません。この件に対する識者のコメントは、無知の産物か中国に遠慮した嘘かのどちらかです。何故こういうことが起きるかといえば、理由は明白です。国家が国民に対して日本をターゲットにした反日教育を徹底しているからです。別に歴史を真っ当に教えているからではありません。もし、日本による大陸侵略を詳述するのが真っ当な歴史教育であると強弁するなら、ぜひとも中国政府には中国史が周辺諸国に対する侵略の連続であったことを微細に教えて欲しいものです。また、文化大革命の凄まじいまでの悲劇をきちんと教育すべきです。でも、これらはやってません。結局、反日教育は当局の都合によるものだということになります。


 同じ例は韓国がそうですね。北とのPR合戦に押され気味だった李承晩は、国論の統一と自政権批判をかわすため、反日教育を導入しました。以後、半世紀が経ち、もはや修復や修正が不可能なところまで来てしまいました。
 台湾のケースは、日本にとってラッキーな面がありました。戦後、大陸から外省人がやって来て台湾を制圧しました。この外省人というのがお粗末で、むしろ日本統治時代が評価された経緯がありました。しかも、228事件という象徴的な大争乱がこの点を決定的なものにしました。

 中国の反日教育に関しては、日本政府の側にも問題があります。かつて教科書検定騒動があったとき、当時の官房長官であった宮沢喜一氏は、亡国的な対応をしました。あれが今日まで尾を引いています。イギリスのサッチャーは、中国の干渉に対して、「歴史教育はその国の重要な事項であり、他国による干渉は内政干渉である」と、毅然と拒否しました。おかげで中国は、それ以後イギリスに対して要求していません。ところが日本は面白いように反応し、要求に対して譲歩を続けるので、今日の体たらくとなっています。靖国に関しても似たような話です。当時の三木武夫首相が問題の根源です。表面的な問題を糊塗するため、「私人による参拝」などという姑息なコメントをしたために今日の状況を招いてしまったのです。あのとき、「首相として、戦死した方々に手を合わせるのは当然のことである。いずこの国でも、国家のために亡くなった方を弔うのは、後人の役割としている」と、コメントしておけば何も起こらなかったのです。もし、「その戦争が他国を侵略し、他国に惨禍を与えたのなら、問題でないか?」と問われたら、「戦争の是非を問うのと、戦死者を弔うのは別である」とはっきり拒否しておけばよかったのです。

 で、中国の反日教育です。もはや韓国同様に後戻りできない地点まで到達しています。これを修正しようとすれば、政権そのものが国民の反発を食らってしまいます。ですから、中国政府に期待はできません。日本としては、毅然とした対応をするだけです。相互理解などという眠たいことをいう評論家は無視しましょう。そんなたわ言が通用する余地はありません。
 中国の地理で教えている“中国本来の領土”には呆れます。内蒙古はもちろん、朝鮮半島まで含んでいます。さらに沖縄諸島はおろか北方領土まで含めています。こんな恥知らずなことを、国家の方針として教育しているような輩との間に理性的な相互理解が成立すると思います?

 中国侵略を歴史教育として教えるのが適切というならば、まして日本に干渉までして強いようとするなら、互恵の原則で強く反論していただきたいものです。中国の歴史教科書は、他国への侵略を一切記載していません。ベトナム侵略を“懲罰を与えた”などとほざいています。これらをいちいち指摘し、「まず、あなた方が記載しなさい。そのうえで、他国に要求すべきです」と、はっきり返答して欲しいものです。ところが、外務省のチャイナスクールの輩は、北京当局の意を汲むことに汲々としています。あるいは田中真紀子元外務大臣が中国要人に示した飼い犬のような言辞は記憶に新しいでしょう。

 今回の中国観客の無作法は、世界に中国人の民度の低さを露呈しただけです。少なくとも我々が心を痛めることではありません。責任は中国当局の反日教育に起因するものですから。ただ、日本の不利は第三国にとって対岸の火事というか、有利に作用する点なのが心配です。
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百四拾四 ニュールンベルグ裁判(お盆特別回)(2004/8/1)
 当地のお盆の時期は8月13日〜15日です。関東では7月15日前後だそうですね。
 今回のタイトルは時期がずれています。7月19日、WOWOWで本邦初公開の「ニュルンベルグ軍事裁判(200分)」が放映されたのを俎上に上げたくて書き始めました。この作品は2000年に公開されたアメリカ映画です。こういう映画をこそ地上波でやって欲しいものです。今の日本は拝金至上主義があらゆるところに蔓延しています。TV局としては、視聴率が取れそうもない映画は買いつけないでしょう。なんか淋しくなります。かつて、主義・主張の時代がありました。あれはあれでうざい時代でした。それでも物事に対する真摯な姿勢が内包されていたのは間違いないでしょう。大学生あたりは、パンより思想を大切にしていました。この日本にもほんの30年前まで、貧しくとも知への欲求がそれを上回っていた時代が現実にありました。時代の変転の無常を感じます。

 ニュールンベルグ裁判はナチスドイツの戦争犯罪を裁いたものです。私も東京裁判は詳しいものの、ニュールンベルグ裁判は大まかなことしか知りませんでした。それもあって、興味深く観劇しました。
 この映画は、ジャクソン主席検事(米国人判事)とヘルマン・ゲーリング(空軍大臣、国家元帥の称号も得る)の法廷闘争を軸に裁判の帰趨を描いたものです。さらにナチス戦犯内部でのゲーリングとアルベルト・シュペーア(建築家、軍需相を務める)の対立にも重要な視点を据えています。この3人の人物を中心に物語は展開しますが、やはりゲーリングの個性は圧倒的です。役者そのものがゲーリングのそっくりさんで、演技もまんまゲーリングです。いえ、私はゲーリングを写真でしか見たことがありませんが、記録に残っているゲーリングの表情や挙措を上手く写しています。ゲーリングが法廷で行った戦争そのものの正当性やナチス擁護の弁論は既知です。一方、シュペーアの弁論はまったく未知でした。ですから興味深く観ることができました。シュペーアは建築家であり、ヒトラーが夢想した第3帝国の都市計画をプランニングした有能な人物です。前任者のフリッツ・トートも、シュペーアに比べると無能に見えてしまいます。シュペーアは空襲によって軍需工場が破壊された状況下で、なお生産実績を上げたテクノクラートです。また、ベルリン陥落間際、ヒトラーの破壊命令に抗命し、戦後復興の基盤を残そうと腐心しました。一方で過酷な捕虜使役を問題視され、有罪(禁固20年)となりました。

 ジャクソン主席検事が構想した「平和に対する罪」や「人道に対する罪」は確かに必要なことではあったでしょう。理想として掲げるべきことです。でありながら、ゲーリングの反論や皮肉の方がはるかに説得力があります。歴史の後知恵として批評が許されるなら、連合国(米英仏ソ)が裁いた罪状は、そのまま彼ら自身が裁かれるべき訴点です。作中のゲーリングにそのあたりのことも語らせています。法廷外のシーンなので、映画用のシナリオだと思われますが。

 東京裁判と比較すると、ゲーリングをはじめドイツ国防軍の将官は見事な軍人です。日本海軍の米内光政の如き、自分可愛さにひたすら逃げをうった輩とはものが違います。東京裁判については批判が多いです。でも、私は必要なものであったと考えています。勝者であれ、他から強いられなければ、日本人は自身を裁くことができなかったでしょう。東京裁判については、来年にでも思うところを綴りたいと考えています。
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百四拾参 技能は大切(2004/7/25)
 今日は早朝から「広告面粘着シート仕上げ(屋外広告)」の技能検定委員を務めていました。これは本来業務ではなく、関連部署への援助業務です。今までいろいろやりました。「電気製図」「調色」「建築塗装」「金属塗装」「樹脂成型」なんかの検定委員や補佐員を経験しました。えてして技能検定の実施時期は夏場に集中しています。ほんとに辛い一日です。「広告面粘着シート仕上げ」は、風があると施工に差し支えます。おかげで扇風機も使えず、受験者ともども汗だくの一日です。幸いなことに、今年は他の検定とバッティングしたため、冷房の効く部屋で行われました。(^o^)丿<ラッキー

 技能検定は実務に携わる方々の技能測定、資格認定、自己診断等の意義があります。事業所によっては、資格取得者に対して技能手当を支給して意識向上を図っているところもあります。ただ、受験者の側に資格に対する欲求があるかは疑問です。手当で報いる会社の場合は社員も貪欲です。そうでない場合は、「なんで、こんなことをやらなければならないんだ」「せっかくの休日が潰れてしまう」「仕事で疲れているのに、余計な勉強や事前講習を受けるのは勘弁してくれ」などの意見が大勢を占めています。
 その気持ちはよく理解できます。ただ、そんな彼ら(彼女ら)もいざ受験すると、己の未熟な部分に気づかされたり、自己の技能水準に自信を持ったりで、検定の意義に共感してくれます。また、日常業務においては全体の一部しかタッチしていないことがあります。そんな方々であれば、業務全体を知るいい機会ともなります。

 平成18年度には、当地で技能五輪が開催されます。おかげであらゆる業界職種で選手育成について議論されています。これがきっかけになって技能向上への一般の興味が高まるといいのですがねえ。
 さらに好成績の選手は2年に一度の国際大会に出場します。前回の日本は3位でした。1位は韓国、2位はスイスです。2007年大会は日本の静岡で開催されます。すでに日本大会開催に向けて動いています。厚生労働省も日本開催時はもっといい成績を狙っていることでしょう。しかしねえ、総合プロデューサーがなんで残間里江子氏なんだか。どうにも、あの方には胡散臭さがまとわりついてんだけどなあ。
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百四拾弐 カルトの至宝「キングダム」登場(2004/7/18)
 今夏、WOWOWの話題作はスティーブン・キングの「キングダム・ホスピタル」です。8月7日から全13話が予定されています。一昨年夏の「ローズ・レッド」は傑作だった。「キングダム・ホスピタル」はそれ以上に期待できそうです。「キングダム」はもともと1994年にデンマークで製作されたTVドラマです。この傑作をキングがリメイクしたのが「キングダム・ホスピタル」です。しかも嬉しいことに、先行露払いとしてオリジナル版「キングダム(全8話)」も先々週から放映されています。
 オリジナル版の凄さは、噂には聞いていました。観るのはもちろん初めてです。すでに4話が放映されました。ヨーロッパ製らしいくすんだ映像は、かえってゴシック・ホラーの趣を醸し出しています。呪われた場所から蘇ってくる霊的なもの、それ以上にけったいな生身の人間たち。淡々とした演出に加え、ハンディ・カメラを多用することによる独特な映像が堪能できます。キングもまた「キングダム」に魅せられたのでしょう。アメリカ風演出と映像で再構成しています。オリジナル版、キング版いずれも見逃せません。来月から始まる「キングダム・ホスピタル」が楽しみです。放映が始まれば、きっと話題になるでしょう。WOWOWに加入していない方が気の毒です。
 昨夏の目玉、スピルバーグの「TAKEN」にはがっかりさせられました。キングなら期待を裏切らないでしょう。ちなみにキングが他人の作品をプロデュースするのは初めてです。


 ジェンキンス氏
 この人物になにかを期待するのは間違っているみたいです。そもそも兵役が嫌で脱走したくらいですから、クズなのは折り紙つきなのでしょう。日本政府の対応は明らかにダブル・スタンダードです。よど号ハイジャック犯に対して、免責は一切しないと突っぱねています。でありながら、何故アメリカに対して免責を求めるのか。話が捻じれています。自国さえ許容できないことを他国に要求するとはね。
 曽我さんや子供たちが可哀想ということなのでしょう。でも、それを言うならハイジャック犯たちの親も可哀想です。もう相当な老齢で、老後の面倒を見る必要もあるだろうし。結局、世間の耳目を集めているとか、家族会のような圧力組織が背景にあるとかがポイントなのでしょう。よど号事件の家族のように、もの言わぬ人間たちは徹底的に無視してます。
 いえ、私はハイジャック犯にしても、ジェンキンス氏にしても罪を償うべきであると考えます。そこに区別すべきものは何もないと確信しています。


 プロ野球
 近鉄とオリックスの合併を機に、1リーグ制が論議されています。つい最近は2リーグ制維持が吹き返しています。パ・リーグは統合を、巨人以外のセ・リーグ球団は分離のままを望んでいます。
 このまま推移すると、否応もなしにパ・リーグは壊滅するでしょう。親会社にしても、いつまでも資金投入していられないでしょうし。再建を考えるなら、地方分散を図るしかないんじゃないかな。地方の集客力は小さなものです。それでも現状の都市集中による弊害よりはましでしょう。がらがらの観客席を見るにつけ、これなら地方の方がまだしもと思わされます。
 関東‥‥東京/巨人、ヤクルト
       埼玉/西部
       千葉/ロッテ
       神奈川/横浜
 関西‥‥大阪/近鉄
       兵庫/阪神、オリックス
 昔はこれに加えて、日ハムと南海までもが都市圏だったのですから。
 もう一点は、選手の年棒の見直しです。年棒高騰のきっかけをつくったのはヤクルトです。野村ヤクルト躍進時、従来のアップ率を無視した契約が為され、これが年棒高騰の呼び水になりました。選手たちも働き口の存続を前にして、目が覚めたんじゃないかな。


 田中知事
 白骨温泉がらみで、「お叱りをください」だってさ。よくゆうよな。お叱りが必要なのは、あんた自身だろ。どれだけ出鱈目をやってることか。しかもそれに対する説明を一切拒否してるじゃん。
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百四拾壱 知的財産権がえらいことに(2004/7/11)
 先週は一週間の研修でした。関東はえらい暑さでしたね。おかげで空き時間も外へ出る気がしなかったですもん。その研修というのが「知的財産権とビジネスモデル」というタイトルでいい勉強になりました。
 知的財産権は「特許権」「実用新案権」「商標権」「意匠権」「著作権」「不正競争防止法」その他といったところです。このうちの「商標権」「意匠権」「著作権」「不正競争防止法」は私の関連分野です。でありながら、法改正をきちんとウォッチしていなかったので、いろいろ驚かされました。なかでも次の二点は「そんなのありかよ」です。
  • 著作権は死後50年間というのが一般的です。法人であれば発表後50年間です。ところがアメリカのみは95年間に延長していました←いやあ知らなかった
  • 日本でも映画の著作権は70年間に延長←これ、20年後にはさらに延長されるんじゃないかな
 なんだ、そんなことも知らないのかなどと呆れないでね。まったくお恥ずかしい限りです。アメリカはこの分野でも勝手気ままです。講師の先生の説明によると、アメリカの著作権期間延長のロビー活動を担っているのはウォルト・ディズニーだそうです。50年間→75年間ときて、今回95年間にまで延びたそうです。アメリカは“先発明主義”の件といい、“ITC”の件といい、自分勝手を押し通しています。で、ビジネスモデルの件は、ここのところ世間を賑わしているので私もそれなりに知っていましたが「ハブアンドスポーク特許」は初耳でした。知ってる方には耳障りでしょうが、一応説明します。これは、小口投資家から資金を集め、集中して大口投資するというものです。変な話です。なんでこんな当たり前の投資信託が特許になるんですかねえ。アメリカのプロパテント政策の見境のなさには呆れるというより怖くなります。

 ほかにもいろいろ認識を改めたことがあります。現在の特許制度は、審査請求して初めて実体審査が開始されるそうです。また実用新案は、審査なしで登録されるように法改正されていました。あるいは、著作権として扱われているコンピュータ・プログラムが、特許権でも扱われるようになるというのも初耳でした。こんなことを書くと、「おまえが知らなかっただけだ」と言われそうですね。どうもここのところ大幅な法改正が矢継ぎ早に実施されています。今までのようにのほほんとしていたら、生徒に嘘を教えちゃうなあ。大反省です。
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