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参百四拾   ショパン(2008/2/23)
参百参拾九  8GBフラッシュメモリ(2008/2/16)
参百参拾八  食料自給率アップだって(2008/2/9)
参百参拾七  Vista用ドライバ(2008/2/2)
参百参拾六  西部劇U(2008/1/27)
参百参拾五  西部劇(2008/1/20)
参百参拾四  ファッションショー(2008/1/12)
参百参拾参  今年の趣味(2008/1/5)
参百参拾弐  日本人、舐められっぱなし(2007/12/30)
参百参拾壱  田中徳三氏死去(2007/12/22)
参百参拾   ささやかな命の洗濯(2007/12/15)
参百弐拾九  スティーブン・キングの「セル」(2007/12/9)
参百弐拾八  防衛省は腐っている(2007/12/1)
参百弐拾七  これはいい音だ(2007/11/24)
参百弐拾六  技能五輪国際大会(2007/11/18)
参百弐拾五  コット vs モズリー(2007/11/10)
参百弐拾四  中日優勝に見る勝負ごと(2007/11/3)
参百弐拾参  墨攻(2007/10/27)
参百弐拾弐  最近の世相(2007/10/21)
参百弐拾壱  期待を裏切らない亀田戦(2007/10/13)




参百四拾   ショパン(2008/2/23)
 いいDVDを見つけました。例の廉価なディスクで、1944年に公開された「楽聖ショパン(A Song to Rememmber)」です。

 少年時代から死ぬまでのショパンの人生を描いていますが、多分フィクションで再構成してるのでしょう。私は音楽の歴史に無知なので、本当のところは分かりません。パリへ出てきたショパンとエルスナー(ピアノの師)が、その場でリストに出会い、認められるというのはやりすぎ。でもまあテンポのよい展開です。

 全編に流れるのは、当然のことショパンです。「子犬のワルツ」「幻想即興曲」「ポロネーズ」なんか好きな曲ですから、文句を言う気も起こりません。特に「ポロネーズ」は、いろいろなアレンジというか感情の起伏に合わせた変化を聴かせてくれます。



 古い映画ですが、セットの説得力は抜群です。陋屋のような生家、19世紀のパリの下町、貴族のサロン、当時の劇場の雰囲気と観る者を楽しませてくれます。


 で、ショパンといえば、「ピアノの森」を連想します。週刊モーニングに連載されているこの漫画の大ファンなのです。主人公の一ノ瀬海は、現在ワルシャワのショパン・コンクール本番でピアノを弾いているところです。さてさて、カイ君は優勝できるのでしょうか。この後の展開が楽しみなことです。
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参百参拾九  8GBフラッシュメモリ(2008/2/16)
 数年前から512MBのフラッシュメモリを使ってきました。これはフル稼働の状態です。自宅と仕事場とのデータ運搬、所有する2台のPC間のやりとりにと重宝しています。

 一応ブロードバンド・ルータを持っていますが、普段は使っていません。最大8Mbpsのスループットなので、100Mbpsの光ケーブルには向いていません。ですから、サブのPCをWebに接続するときは、ONTへの接続を差し替えています。
 なので、PC間の通信をする場合にも、ONT(光端末)への接続を一時的にルータに繋ぎ替え、ハブとして機能させています。100Mbps対応のルータを買えばすむ話ですが、貧乏性ゆえ我慢しています。

 ケーブルの差し替えが面倒な場合、フラッシュメモリでデータをやり取りするわけです。で、最近は動画を扱うことが多く、その容量にたまげています。720*480サイズのMP2ファイルは、2時間ものでおよそ3〜4GBくらいになります。3倍モードで録った6時間番組なんか、画質を落としても10GBを超えてまっせ奥さん。ちなみに1920*1080のハイビジョン映像だと、2時間番組で20GBくらいだそうですね。さすがに私の機材の容量では、到底間に合う世界ではありません。

 その動画をやり取りする必要があり、8GBのフラッシュメモリを購入したのです。BUFFALOのターボなんちゃらとかいう高速タイプです。さすがに8GBまでは考えていなかったものの、店頭で価格を比較すると、かえって安上がりだったのです。これがあれば、あと数年は戦えますね。


 VTRコンバートも終盤に近づいています。この土日は、持ち帰り仕事の傍らで「エヴァンゲリオン」の変換を片づけます。全26話とあって、11時間くらいかかりそうです。元ソースが3倍モードなので、画質は落として変換しています。ただ、WOWOWのハイビジョン放送を録画したテープなので綺麗なものです。480線の地上波映像はカスです。





 こんな感じです。作画には手間暇をかけていますね。
 不要になったテープは、オタクの知人に譲ります。きっと狂喜乱舞でしょう。
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参百参拾八  食料自給率アップだって(2008/2/7)
 毒餃子が世上を賑わせています。こういう事件が起こると、必ずお馬鹿な意見が出てきます。
 曰く「検査体制を強化せよ」
 無理だって。大きな政府をよしとするなら有りですけど。

 あるいは、「食料自給率を向上すべき」
 この意見も無理です。もともと日本は平地が少なく、山間部にまで段々畑を耕作してやっと70%の自給率だったのですから。ところが、今の山間部は限界集落となって、存続そのものが危ぶまれています。農業生産の向上どころではありません。

 なによりの問題点は、農産物価格の国際相場と後継者不足です。希望があるとすれば、日本の賃金相場の低下です。年収200万円時代が到来すれば、農業もまた就業の対象となるでしょう。そんな時代は目前まで来ています。後は、若者が農業に魅力を感じてくれるかどうかです。

 で、農業政策は相も変らぬせこいことです。意識の高い農家は、もう国の政策を無視しています。国は米の価格統制を農協を通じての買取システムによって成立させてきました。また、生産調整を転作を通じて為してきました。昔からこれらに反旗を翻していた農家はありました。国の施策を無視するには、米の出荷や販売を自前でやればよかったのです。そういった農家は、かつては極少数でしたが、今はかなり増えています。自由な販売なくして農業の面白みもないでしょう。本当に美味い米を作れば、買い手はいくらでもいます。

 もちろん自由にはリスクがつきものです。アメリカの農民など、不作ともなれば、多額の借金のために自殺者が多数出たりします。多額の借金までして農業をやるのはお勧めできません。ところが、農協の融資というのは、多額の設備投資でないと認められないもののようです。こういった点を改めるべきですが、例えば古木を使って自作で牛舎を建てるなどの合理的案件に対して融資は為されない模様です。

 農業はなかなか今の若者気質にマッチしないでしょうね。私にしても農業が嫌で嫌で、他人に耕地を貸していますもん。農業自給率アップは難しい課題です。
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参百参拾七  Vista用ドライバ(2008/2/2)
 ちょっと仕事で画像を大量に印刷(プリンタ)する予定です。となると、モニタ・キャリブレーションが必須です。i1のドライバがやっとVista対応になりました。ダウンロードして、今日のことキャリブレーションを行いました。

 やはり機械による測定・調整は素晴らしいです。色温度は6,500K、ガンマ値は2.2にしました。今は印刷デザインから離れているので、ガンマ値1.8のプロファイルは作成しませんでした。無用ですから。

 これでスキャナ入力にしろ、プリントアウトにしろ、満足のいく色管理が可能になりました。もう一台のPCはWindows2000ですが、Vistaで作成したプロファイルをそのままコピーしました。プロファイルの保存場所はWindowsフォルダの System32/Spool/drivers/color です。

 DTPと無縁の方々でも、デジカメやスキャナから画像を取り込んだり、自分で印刷しているはずです。このときにあって、正確なモニタ・プロファイルを作成するかどうかで、画像品質は別次元に突入します。例えば、スキャナ入力する場合でも、正確なプロファイルがあり、正確な色管理設定をしておけば、元画像の色合いがそのままモニタに再現されます。自分で色調補正する必要がありません。i1は高価ですが、i1Display2であれば、基本的なモニタ調整だけの機能であり、これで十分です。値段は、40,000円ほどです。

 今後このページで紹介する画像品質も、かなりレベルアップするでしょう。明日は日曜ですが、しこしこと画像処理をして印刷の準備をしたいと思います。
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参百参拾六  西部劇U(2008/1/27)
 相変わらず西部劇づいています。またまた買ってしまいました。





 昔の西部劇を観ていて気づいたことがあります。インディアンの描き方は、昔から好意的であったということです。私がガキの頃、「ソルジャー・ブルー」が物議を醸しました。この映画にアメリカ人はショックを受けたそうですが、西部開拓=先住民に対する侵略行為の自覚は昔からあったのでしょうね。

 「西部の王者」は、インディアン問題だけでなく、文明批判も行っています。この映画は1944年公開というのだから驚かされます。第2次世界大戦中でありながら、政府や大企業を悪役にしつらえているのですから。


 MPファイルに変換したVTRは膨大です。300GB近くになっていますが、それでもまだ半分かな。気が遠くなりそうです。
 旧大映の時代劇もかなりあり、なかにはため息が出そうな名シーンの数々があります。少し紹介しますね。
 「剣鬼」より


 「座頭市 血煙街道」より


 ご覧のように、旧大映の映像は、照明に工夫を凝らしています。画面に強烈な陰影を与えています。コントラストが大きいのは、本来は晴天時です。上は屋内、下は雪の舞う曇天です。でありながら、あえて大きな対比を照明で作り出しています。

 「ひとり狼」より


 夜のシーンでさえ、照明で陰影を描いています。このままでは上の映像と同じで、昼間のシーンになってしまいます。そこで、現像時にフィルムを着色して全体を暗くしているのです。

 今の映画作りの手順にはないものですね。ガキの頃の私は、旧大映の映像に夢中になったものです。こういう古い映画が、今はDVDで再販されています。名作が世に紹介されるのは、心強い限りです。
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参百参拾五  西部劇(2008/1/20)
 またまた西部劇のDVDを買ってしまいました。例の著作権切れの安価なやつです。買ったのは、下図の2作です。1本500円ですから惜しくありません。「百四拾壱 知的財産権がえらいことに」に書いているように、日本においては、映画の著作権は70年間に延長されました。この改正前に商品化されたわけです。





 色合いがオリジナルの印刷色調と若干ずれています。私はまだ、Vista 環境でのモニタ・プロファイルを作成しいていません。つい最近のこと、i1のドライバが Vista に対応したので、やっとモニタ・キャリブレーションが可能になります。上図は、Photoshop で手作業による補正を行っていますので、オリジナルに近づいてはいます。モニタ・キャリブレーションをきちんと行えば、補正は必要ありません。

 それはともかく、懐かしい映画です。映画の醍醐味をたっぷり堪能しました。現在のド派手で展開が急なドンパチ映画に慣れている方は、物足りなさを感じるかもしれません。

 昔の映画作りは、実に丹念です。今は天候さえも、CGで望むとおりの映像を得られます。昔は、監督の意図する映像を得るために、ひたすら待ち続けたのでしょうね。「黄色いリボン」の荒れた曇天なんか、めったに撮れるものでないでしょう。


 かつてのアメリカの西部劇と日本の時代劇は、本当に素晴らしいです。この500円シリーズのライブラリーは、かなりの数になってきました。新作は買う気も起きませんけどね。
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参百参拾四  ファッションショー(2008/1/12)
 かなりの数の映画VTRを変換しました。そのなかに香港アクション映画がありまして、MPファイルにしたおかげで、簡単に画面キャプチャができます。以前に書いた“弐百「カンフーハッスル」とブルース・リャン”内の画像を追加しましたのでご覧ください。ブルース・リャンの驚異的なバネに驚くでしょう。一切のトリックなしです。


 本日、生まれて初めてファッションショーというものを観覧しました。この専門学校の生徒さんが、技能五輪全国大会に出場した関係から、敬意を表して見学させていただきました。また、この学校の先生に、職業訓練指導員免許の試験問題(洋裁)作成を委嘱していることもあってのことです。
 休日とはいえ、半分仕事みたいなものです。でも観覧してよかったです。日本の若者たちも捨てたものでないと、あらためて感心しました。

 卒業制作に加えて、一般公募の高校生らの作品も出品されました。若い娘さんたちの中には、趣味で手縫いの服を制作する方が結構いるみたいですね。コスプレだけでなく、本格的に服飾に取り組んでいる方々です。
 興味深かったのはリフォーム関係です。テーブルクロスをショールに転用したり、和服をもとにワンピースをつくったり、喪服がシックなカクテルドレスに化けたりで、ずいぶん楽しませてくれました。

 モデルは、製作者本人です。高校生たちが、自作の服のお披露目とあって、晴れがましさに輝いていました。学院の卒業制作の方のモデルさんは、どうやら学生選抜だったみたいです。どうりでレベルが高かった。なんのレベルかは察してください。


 技能振興というものは極めて大切です。若者たちに技能継承ができないと、日本は滅びてしまいます。仮にスポーツが滅んでも、何の不都合もありません。困るのは、スポーツを飯の種にしている輩だけです。スポーツなんて趣味でいいじゃないですか。でもね、技能が滅んだら、ものづくりが壊滅ですよ。その技能を担う若者たちも可哀そうです。

 残念なことに、今回のファッションショーを開催した生徒さんたちの将来も厳しそうです。日本のアパレル業界は、数年前からひたすら下降線を辿っています。今年に入ってからは、壊滅的な状況に立ち至っています。中国が素材から縫製まで、自前でやれるようになったのです。気候不順が業界を直撃したことも痛かったみたいです。当県においても、中小事業所はかなり前から廃業していましたが、大手まで規模縮小を余儀なくされています。

 厳しいのは服飾関係だけでないにしろ、仕事柄業界の悲惨な現状を目の当たりにしているだけに、若い彼ら、彼女らが気の毒です。この現状は、誰が悪いとかではありません。国際競争の場においては、如何ともし難い構造的なものです。


 最後に、学生たちへの苦言です。アパレル関係といえど、もっとデッサンをやれよな。スタイル・スケッチがひどすぎ。よくこんなのを展示するなあと感心しました。いえ、皮肉ですけど。私だったら、恥ずかしくて人の目に触れるところに出せないけどさあ。
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参百参拾参  今年の趣味(2008/1/5)
 大晦日から開始したVTR処分作戦は順調です。ボクシング関係ビデオのデジタル・データ化を完了しました。知人に貸しているテープを除いて、すべてMP2ファイルに変換しました。下図がその一覧です。



 あまり古いソースはありません。次々に上書きしていったからです。おかげで、残しておかなかったことを後悔している試合がたくさんあります。なかでも、チヤベスvsウィティカー、ベンvsユーバンク、ロイvsトニー、カルバハルvsチキータ、レナードvsハグラーなどを消したのは、悔やんでも悔やみきれません。

 あと、キック・ボクシングと武道関係のビデオの変換もほぼ終えました。問題は映画やドラマ関係です。これは膨大な量があり、一体いつ完了するか見当もつきません。春までに済めば御の字でしょう。今これを書きながらも映画を1本変換しています。気の遠くなる作業です。

 この不毛な変換作業を早く終えたいです。変換を終えれば、VTR2台にビデオ・テープ、15型TVとTV台を始末します。すれば、部屋がかなり広くなり、なにより空間の有効活用が図れます。現在のパソコン・デスク位置は、スピーカーの放射範囲を一部遮っています。これを移動することによって、音質のアップが見込めそうです。


 モニターの入力を切り替えると、「のだめカンタービレ」を放映しています。実は私、このドラマを見るのは初めてです。好評を博しているのは、あちこちで聞いています。音楽を素材にして、いい味を出しているとの専らの評判ですね。
 で、私の感想はといえば、これはないだろってなもんです。外人たちを日本人が演じているじゃん。いくら髪を染めて、ど派手な付け睫毛を装着しても無駄だって。しかも日本語を喋ってやがる。ちらっと写った屋外風景は日本のそれじゃん。ここはパリのはずだぜ。あたしゃ耐えられませんね。
 せっかくの素材がもったいないです。制作費と期間の制約から、妥協せざるを得ないのでしょうが、志が低すぎます。
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参百参拾弐  日本人、舐められっぱなし(2008/12/30)
 年の瀬に、不愉快な情報が続いています。

 豪州の最大野党である労働党が、日本の調査捕鯨監視のため偵察機派遣など軍隊を出動させたいとの考えを示したというのだ。野党といっても、24日の総選挙で、11年ぶりに政権を執る可能性が高くなっている。まもなく軍出動は現実のものになるかもしれないのだ。(Jcastニュースより)

 発展途上国並みの無責任発言は、野党なればこそでしょう。それであっても、こんなレイシズムともいえる非難を浴びせかけるのは、日本に対する侮蔑感情が日常風景として存在しているからでしょう。現に反捕鯨活動家たちは、日本の調査捕鯨は、「非人道的で胸が悪くなる」と宣っています。
 冗談じゃないです。オージーたちのアボリジニ虐殺こそが、非人道的というものです。頼むから、日本の政治家たちよ、反論してくれよ。


 欧州連合(EU)の欧州議会(仏ストラスブール)は十三日の本会議で、アジア太平洋戦争中の旧日本軍の「従軍慰安婦」について、日本政府の公式謝罪や歴史事実の国民教育を求める決議案を賛成五四、反対なし、棄権三で採択しました。同様の決議は、米下院(七月)、オランダ、カナダ両国下院(十一月)で採択されており、四例目です。(赤旗より)

 日本の国会でも決議しませんか。EU諸国がアフリカ人を大量虐殺し、百年にわたって植民地化し、資源簒奪を繰り返し、同じ人間を奴隷として虐げ、さらには人間を商品として狩り、売り捌いていたことに対する非難決議を採択しましょう。加えて、アフリカ国民に対する謝罪と補償を求め、歴史事実の国民教育を徹底するよう決議しましょう。
 それが互恵主義であり、国際化であり、歴史を直視する姿勢というものです。


 福田康夫首相と温家宝中国首相の首脳会談。直後の共同記者会見で「台湾独立」に対する表現をめぐり、福田首相が顔色を変える一幕があった。「(独立を)支持しない」という福田首相の発言を温首相が説明。これを会場で日本語に訳した通訳が「独立反対を表明した」と強い表現に「誤訳」したためだ。(産経新聞より)

 台湾問題については、日本は一貫して日中平和条約に則って対応しています。つまり、台湾独立は支持しない。ただし、中共による統一も支持しないというか、一切の明言を避けています。きっと福田さんは焦ったでしょうね。独立反対を明言したということになれば、間違いなく辞職せにゃならんでしょう。
 中国にしてみれば、なんとか日本から台湾統一支持を取りつけたいわけです。昔から、この点についてしつこく迫ってきましたから。で、何を焦ったのか、このような信義にもとる行為を仕掛けてきたわけです。本当なら、外務省は猛抗議すべきです。
 中国にしろ、外務省にしろ、なにも期待しませんし、このような卑劣な行為に対しても、またか程度の感興しか湧きません。多分、大多数の日本人は、中国による侮蔑行為を当たり前くらいに捉えているのではないでしょうか。ここ、30年間にわたる日本に対する見下した発言や威嚇行為があまりに多すぎて、日本人は不感症に陥っているように思われます。

 来年もきっと似たような状況が続くのでしょうね。小泉時代には、中国との間に新しい関係が生まれるかと期待しましたが、福田政権になって元の木阿弥となりました。
 対中国には、巨大な利権が横たわっています。政治家たちが忠犬ポチに甘んじるのは、利権目当てです。日本の将来がどうなろうと、あるいは日本の歴史が汚されようとどうでもいいのです。そしてなにより、彼らを選んだのは、日本人自身なのです。新年を迎えるというのに、まったく気分が滅入ってきます。
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参百参拾壱  田中徳三氏死去(2007/12/22)
 今は満ち足りた気分です。つい先ほどまで、NHKのBS2の番組「BSまるごと大全集 日本のフォーク&ロック」が放映されていたのです。60年代から80年代までの懐かしいフォークやロックを、映像つきで紹介してくれました。しかも3時間30分の生放送です。こたえられまへん。
 見慣れた映像に聴きなれた曲ではありますが、何度聴いてもいいんだわあ。最初は別の用事を片づけながら観ていたのが、途中からモニタの前に陣取っちゃいました。なかでも70年代フォークは、私の青春時代そのものです。70年は大阪万博の開催年であり、カレッジフォークと呼ばれる黎明期でもあります。フォークは当時の若者に熱狂的に受け入れられ、数年後には吉田拓郎、井上陽水、チューリップ、かぐや姫なんかが全盛を誇りました。この時期の彼らの楽曲は、私のカラオケ定番でもあります。

 番組では、有名どころはほぼ押さえていたものの、西岡たかし、マイペース、赤い鳥、甲斐バンド、シグナル、アリスあたりが抜けていたのは残念です。そんなに聴きたけりゃ、自分のCDで聴けよと言われそうです。たしかにこのあたりの曲はほとんど持っています。でも、TVで見るのは、また違った趣がありますから。


 その一方で、今日は残念なニュースがありました。映画監督の田中徳三氏が亡くなったそうです。私の好きな映画監督は、三隅研次、池広一夫、そして田中徳三の3人です。三隅研次氏はずいぶん以前に亡くなりました。そして田中徳三氏が逝去され、もはや池広一夫氏だけが残っているだけです。
 田中徳三氏の作品は、このようなものです。ここに上がっている59作品中、私は16作を観ています。DVDで復刻されていますから、今後さらに観る機会は増えることでしょう。

 ただ、寂しいのは、過去の作品を観ることはできても、新作は観られないということです。旧大映のように質の高い時代劇は、もはや失われた世界です。たまに製作される時代劇は、お粗末な作品ばかりです。あまりにもレベルに差がありすぎます。撮影機材のレベルは上がっても、スタッフの技能レベルが落ちすぎです。特に照明とカメラマンの質の低下には、情けないものがあります。まあ、たまにしか仕事がない現状では、仕方ないことでしょう。

 残る池広一夫氏は今もメガホンを取っています。もっぱらTVの2時間ドラマですけど、さすがに池広氏が担当した回は、映像が段違いです。その池広氏も、そう遠くない将来には製作から離れる日が来ます。日本の映画はどうなってしまうのでしょうか。
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参百参拾  ささやかな命の洗濯(2007/12/15)
 今年度の仕事上の最大のテーマを片づけることができました。昨日開催した某審議会において、4年越しの懸案ともいえる課題が成立しました。後は正式に答申を作成、提出すれば完了です。8ヶ月間にわたる胃痛の原因が解消されました。おかげで今日は朝から爽快です。悩みごとからの開放が、最上の幸福というものですね。


 久々に大音量オーディオに浸りました。ずいぶん歪っぽい音になっていました。ここのところ、ほとんど鳴らさないか、鳴らしても小音量でしたから。なにせ音楽を聴く気分じゃなかったのです。これからぼちぼちエージングでシステムを可愛がってやらなくては。


 佐々木譲氏の「警官の血」(新潮社)を買いました。「2008年版 このミステリーがすごい!」国内編で堂々の第1位です。佐々木譲といえば、昨年の「制服捜査」もよかったし、「笑う警官」も秀逸です。もともと冒険小説畑だったのが、横山秀夫ショックの余震といっていいのか、警察の世界そのものをテーマにして、いい味を出しています。横山秀夫ショックというのは、横山氏以前の警察小説といえば、刑事を主人公にした事件捜査を描いていました。ところが、横山氏は警察機構というか、警察組織そのものをネタにしたのです。例えば、「震度0」は県警の部長会議を舞台にして、権力というかポリテックスに身をやつす幹部たちを描いています。あるいは、「陰の季節」は警務課職員を軸に、警察内部の人間模様をテーマにしています。

 横山作品が同業者に与えたショックは相当なものであったと想像されます。佐々木氏もまた、単なる事件捜査とせず、警察世界そのものを描くことに比重を置いています。「制服捜査」は、北海道警の不祥事から組織再編のあおりを受けて、刑事部のベテラン捜査員が交番勤務に異動になった後の姿を主人公としています。

 「警官の血」は、戦後3代にわたる警官一家の生き方をテーマにしているそうです。なんか、スチュアート・ウッズの「警察署長」を髣髴させます。あるいはジェームズ・エルロイの次回作と同じですね。エルロイは、ウィスコンシン州警察の30年代から50年代にわたる二世代記を手がけるそうです。エルロイには及ばないでしょうが、佐々木氏の3代記も十分に期待できます。明日から読み始めようと思っています。


 審議会完了の憂さ晴らしのメインは、西部劇鑑賞です。西部劇を2本レンタルしました。うん、いいねえ。西部劇は期待はずれでがっかりすることがないので助かります。ちょうど、昔の時代劇が常に水準以上の娯楽を提供してくれるのと同じ按配です。


 しかしまあ、我ながらささやかな楽しみというか、安上がりな命の洗濯です。自分へのご褒美としては、ここ数年間、オーディオに散財しましたから、節約路線は仕方ありません。
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参百弐拾九  スティーブン・キングの「セル」(2007/12/9)
 スティーブン・キングの新作「セル」を読みました。先週の日曜に読み始め、平日は仕事が忙しくて、今日のことやっと読み終えました。今回のテーマは携帯電話です。これまでにもキングは、ワードプロセッサや車、工場機械などを怪異や破滅のきっかけとなる装置として選んできました。で、今回やっと携帯電話に目をつけたわけです。キング自身は携帯電話を使わないそうです。私と同じだあ。

 ある日の午後、突然携帯電話を通じて、人間の脳をリセットし、新しい生き方と能力を啓発するプログラムがインストールされます。リセットされることにより、人間たちは、闘争本能のみに突き動かされます。このあたりは、ほとんどゾンビの世界です。
 やがて、集団行動の規範や意識の共有プログラムが動作し始め、“携帯狂人”という新しい人類に進化(退化)します。ここまでのキング描くところの地獄絵図は秀逸です。キングは幾度も町や都市、あるいは世界の破滅を描いてきました。それらと手法は同じです。主人公たちの視野と見聞のみで、周囲の変貌を丹念に作り上げていきます。

 キングの長編は、いずれも出だしが緩慢です。主人公の日常をこれでもかと書き込むのが常套手段ですが、「セル」は、冒頭10頁目から混乱シーンがスパークします。ですから、せっかちな方にもお薦めです。

 ただし、お手軽な展開の分、世界の破滅を扱っている割には小ぶりな物語です。「スタンド」のような、善と悪を対立軸にした新世界構築の壮大さはありません。最初から最後まで、数人の男女のみが舞台に登場するスタイルです。でも、面白さは第一級保障つきですよ。


 笑っちゃうのは、携帯人間が人ならぬモンスターに変貌し、携帯嫌いの人間たちは助かるというプロットが気に入りました。読みながら、俺も人間のままでいられるなあと、頷くことしきりでした。
 携帯電話を嫌悪の対象にした小説は、これが最初じゃないかな。誰かがやると思っていたら、キングが大掛かりな舞台装置で仕上げましたから、もう他の作家には手が出せないでしょうね

 「セル」には、携帯を風刺する側面もあるでしょう。そういえば、筒井康隆氏の「最後の喫煙者」にも、喫煙を罪悪視する風潮に対する風刺がありました。あれは傑作でした。「セル」より、もっと面白かったなあ。キングであれば、「最後の喫煙者」をどんな作品に仕上げるかな。きっと、迫害され、逃亡するヘビースモーカーの作家が、放浪中にいろんな喫煙者に出会い、苦難を乗り越え、ときには煙草が不可思議なパワーを生み出すとかの、超自然的な物語世界にしちゃいそうです。それはそれで読んでみたいものだ。
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参百弐拾八  防衛省は腐っている(2007/12/1)
 防衛省の調達に関して、汚い話が浮かび上がってきています。まあ、今さらながらの話ですけど。海外の兵器の購入に際しては、常に政治家や高官が利権に群がってきました。古くは大正時代のシーメンス事件が有名です。巡洋戦艦「金剛」や装備品の購入に関して、イギリスのヴィッカース社から代理店の三井物産経由で海軍関係者に賄賂を送った疑獄事件です。明治以来の伝統は連綿と受け継がれているんですねえ。

 そもそも、海外武器メーカーから直接購入すればいいものを、代理店(商社)を通しての調達が常態となっています。調達課員の数が少なくて無理だというけど、変な話です。代理店にやらせている作業をメーカーに求めればいいだけのことでしょう。メーカーは受注のためなら喜んでやるでしょうし。

 要は、メーカー、代理店と2段階にすることによって、賄賂を受け取る段階を増やしておきたいのだと思います。ちなみに、シーメンス事件での三井物産からの贈賄額は、現在の価値に換算すると、数十億円くらいだと思います。
 また、防衛省官僚や制服組高官の再就職口を余計に確保するのが目的でしょう。その結果、とんでもない高価格の兵器となっています。ライセンス生産を選択した場合、高価格となるのは仕方ありません。でも、普通に海外から購入するのに、なんでこんなに高いのってなものです。

 ライセンス生産を含む国内生産兵器が高いことについては理由があります。毎年の調達数が少ないため、量産効果が期待できません。じゃあ、集中生産がいいかというと、これまた無理があります。まず第一に、防衛予算の枠の問題がありますが、もっと重要なのは、メーカーを生きながらえさせることが求められる点です。例えば、火炎放射器は特殊なボンベや装置が必要です。で、年間納品量はごく僅かなのに、メーカーはラインを維持し続けなければいけません。これでは価格が高めになるのも仕方ありません。
 それもこれも、日本が武器輸出を禁じられているためですから、基本的に高価なことに文句はありません。承服しがたいのは、輸入する場合でも、異常な高価格である点です。その理由が、上に書いたようなことだとすると許せません。


 もう一点、制式制度が大きな問題点です。制式制度というのは戦前からのやり方です。購入物品の仕様を厳格に定め、問題点の変更の際には、財務省に対して、変更理由のデータや部品の一つ一つに至るまで、詳細な仕様変更書類の作成が求められます。また、以前の仕様に問題があるとなると、当時の担当者の判断や選択が悪かったということになり、問題点を指摘しにくいという組織保護の力が作用します。その結果、古いデータや書類をできるだけ廃棄して、昔の証拠を残さないでおこうという、とんでもない事務処理が為されています。
 兵器を新規開発する場合、現有機器の問題点の抽出や再評価が必須です。兵器の耐用年数は極めて長いため、開発時のコンセプトや評価データを、後年の新規開発のために長く保存しておくことが大切です。今の自衛隊は、その重要性を放棄しているのです。それもこれも、制式制度の煩雑さを避けるためと、担当者の責任回避のためです。

 私がここに書いたことなど、昔から指摘され続けてきたことです。でありながら、一向に改善する気配もありません。防衛機密の名の下に、政治家、官僚、制服組高官らはやりたい放題です。一体どうすれば改めることができるのでしょうか。それとも、どうしようもないことなのでしょうか。
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参百弐拾七  これはいい音だ(2007/11/24)
 21日に閉会したユニバーサル五輪は優秀な成績を収めました。この点について、誤解していたので訂正します。日本勢は、金メダル16個、メダル獲得数24個で、一昨年のヘルシンキ大会での金メダル獲得数第1位からの連覇でした。韓国の成績は金11個、メダル数27個という素晴らしいものでしたが、金メダル獲得数では、韓国、スイス(金4個、メダル16個)、フランス(金5個、メダル12個)を押さえての1位です。ついで台湾、あとはヨーロッパ勢が上位を占めています。

 私が個人的に応援していた「広告美術」の岡田選手(静岡県選出)は、敢闘賞(8位)でした。やはり、ヨーロッパの若き職人たちの、中学を出てすぐ、業界のマイスターに鍛えられたキャリアには敵いません。

 また、「グラフィックデザイン」代表選手は、19位に終わりました。日本のグラフィックデザインのレベルは極めて高いので、納得いかない方もいるでしょう。これには理由があります。国際大会の課題は英語なのです。つまり、欧文組版のスキルが求められるのです。残念ながら、日本人デザイナーでは如何ともしがたい部分なのです。私も含め、欧文組版をマスターしている日本人デザイナーは、国内にはいないんじゃないかな。そもそも、若いMACデザイナーは、日本語組版さえ知らないのですから。
 もう一点、フォントの背景知識の欠如が問題になってきます。日本人は日本語フォントについて、その歴史的、また文化的背景を知っています。明朝体、ゴシック体、隷書体、勘亭流、楷書体などなど。さらには、楷書体と一口に言っても、欧陽詢、虞世南、ちょ遂良、顔真卿、王義之などの書があり、それぞれにコンセプトが異なっています。これらは、東洋人は日常的に親しんでいるものの、欧米人には分かり難いことでしょう。
 同じことはアルファベットにもいえます。それぞれの書体には、歴史的背景や、地域的あるいは文化的背景があるのです。ところが日本人には馴染みのない話でしょう。ですから、日本人デザイナーがヨーロッパ料理店のデザインをすると、フォントの選択で失敗してしまうのです。イタリア料理店なのに、フランスを象徴する書体を使用するなどです。

 開催国として、一応の面子は立ちましたね。開会式前に、厚生労働省の講堂で行われた日本選手団の結団式には、舛添大臣も出席して愛想を振りまいていました。


 タイトルの、いい音というのは下図のCDのことです。



 クラウンレコードのCDですが、本屋やDIY店で売られている廉価なディスクです。実はひそかに期待して買ったのですが、大満足です。寺内タケシ氏は、昔から音質へのこだわりや問題意識を持っていました。ギターとギターアンプを繋ぐのに、LC-OFCケーブルを早くから使用していました。その効果は絶大だと語っていました。当然のこと、こだわりは録音にも反映されているだろうと睨んでいたら、案の定でした。
 実に抜けのよい、爽やかな音です。ポップス系というか、エレキでこんな音はめったに聴けません。何度聴いても心地よいこと。

 ちなみに、森園勝敏とういうか「四人囃子」もまた、オーディオ的音質にこだわったロックグループでした。なかでも最高なのは、「レディ・バイオレッタ」です。アルバム「ゴールデン・ピクニック」に収録された名曲です。私は、オリジナル・レコード、リミックス・レコード版、CDと揃えています。
 音質的には、両者甲乙つけ難しです。いずれにしても、凡百のポップスとは、ものが違います。
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参百弐拾六  技能五輪国際大会(2007/11/18)
 昨日の早朝も早朝、4時起きで静岡へ行ってきました。ユニバーサル技能五輪国際大会の取材のためです。一応、仕事ですけど、自腹での出張でした。もう旅費もありませんから、哀れなものです。

 今日の昼過ぎに帰宅し、つい先ほどまで、撮影した画像を印刷していました。カメラとPCの通信ができなかったり、プリンタが不調でどうにもならず、新しいプリンタを買って印刷し終えたところです。CANONのPIXUS iP4500が安かったので、これに決めました。本当はEPSONのPX-G930が欲しかったのですが、CANONの倍以上という高額では手が出ませんでした。


 世界大会はさすがです。22歳以下の若者のなかで、まぎれもなく世界の頂点に位置する技能所持者たちの祭典です。さらに今回は国際アビリンピック(障害者競技会)が同時開催されました。

 下図は、静岡ツインメッセで行われたアビリンピック会場です。


 本県からは、4名の競技種目選手と1名のデモンストレーション選手が出場しました。
 下図は、陶磁器競技風景と日本の代表選手です。




 下図は喫茶サービスのデモンストレーションに出場した選手です。


 他にも、「建築CAD」「写真撮影」「編物」に出場し、建築CADのT選手は見事銅メダルを獲得しました。


 一方の技能五輪は、沼津会場で行われました。これが遠くて往生しました。往復だけで3時間ですから。これに待ち時間が加わりますから、おいそれと行き来できません。
 会場は大盛況でした。下図はそのひとコマです。


 本県期待の星、「建具」に出場のN選手です。彼は天才です。


 下図は「情報技術」のO選手です。


 下図のG選手は、現在大手デザイン事務所で活躍中の現役デザイナーです。種目は当然「グラフィックデザイン」です。



 昨年の全国大会で優勝した「広告美術」のOさんは、私が取材した時点では苦戦していました。4日間の競技日程の3日目だったので、最終仕上がりは知りません。結果が楽しみです。


 技能五輪の成績発表は明日です。さてさて、日本選手のメダル獲得数はいかがなものでしょうか。他国の選手も優秀な方々ばかりでした。全員の健闘にエールを送ります。
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参百弐拾五  コット vs モズリー(2007/11/10)
 今週は大変でした。昨日、某審議会において、懸案事項を成立させることができました。ここまでくるのに数年越しの紆余曲折があり、今年から私が引き継いだわけなのです。まだまだ話は完全に片づいていません。もう一山です。
 まあ、今日、明日はのんびりさせていただきます。とはいいながらも、次回の段取りが頭から離れません。それに、いろいろへまもやっているものだから、胃が痛いこと。


 で、その明日、いよいよWBA ウェルター級タイトルマッチ ミゲール・コット vs シェーン・モズリーが行われます。これは見逃せません。どんな展開になるか、見当もつかないのです。

 コットが固いガードで詰めて、強打を振るうか。モズリーがスピードを生かしたボックスでポイントを稼ぐか。はたまた、モズリーの強くて速い連打がコットを弱らせるか。あるいは、コットの強烈なボディがモズリーを弱らせるか。どの展開になるか予想がつきません。
 私がポイントと見ているのは、モズリーのスタミナです。ウェルター級初戦はデラホーヤ戦でした。あの試合のモズリーはパワフルで、しかもスタミナ満点でした。フルラウンド動き回り、しかも強打を振るい続けました。あれから7年経ち、今のモズリーには、かつての若さが失われています。この点がポイントになるかと考えています。
 結果は明日出ます。午後あたりに、試合結果を踏まえて追加したいと思います。

11/11追加
 コットの判定勝ちです。Web情報によると、試合内容は私の展開予想すべてが凝縮していたそうな。つまり、両者ともに、持ち味を存分に発揮したシーソーゲームです。結局、互いに決定打を欠き、前半から中盤にかけて攻勢をかけたコットの勝ちとなりました。

 コットの強さは、今がピークでしょう。そのコットを相手にして、互角に闘ったモズリーはさすがです。もう、36歳のはずですが、驚異的な身体能力ですね。明日は、映像で感動を味わいたいと思います。
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参百弐拾四  中日優勝に見る勝負ごと(2007/11/3)
 今年の日本シリーズは、ずっと眺めていました。仕事から帰ると終盤ですが、見所がいろいろありましたから。
 そつのない攻めの中日に、パンチ力の日本ハムといったところでしょうか。残念ながら、日本ハムの打線は湿りっぱなしでしたけど。
 両チームともに守備がいいですね。外野守備に関しては、昔から日本ハムは十二球団で最高でしょう。一方の内野守備は中日でしょう。荒木選手と井端選手の二遊間コンビは鉄壁ですね。

 そして中村選手の復活劇、日本球界のエースといっていいダルビッシュ、絶対的4番のセギノールとウッズと役者が揃っていました。

 そんななか、第5戦に先発した中日の山井投手が8回までパーフェクトを達成しました。で、最終回のマウンドに上がったのは岩瀬選手でした。この件は、かなり物議をかもしました。私はどちらもありだと思います。いうほど山井選手のピッチングがよかったとも思えませんし、いい当たりをされていましたから、交代はありでしょう。もちろん、完全試合に挑むのもありでしょう。

 ただ、落合采配を非難する方で、こういうことをやると野球人気が低落する旨の発言をしている方には異論ありです。むしろ逆でしょう。勝負ごとの面白さは、なにより当事者同士の勝負に対する意地や意気込みが前提です。そもそも、当人に勝ちにこだわる姿勢が希薄だと、見ている方は感情移入できません。プロレスがそうですね。あれは勝負も糞もありませんから。
 で、岩瀬選手への交代ですが、あれこそ勝ちにこだわる姿勢でしょう。ああいう真剣勝負を地道に積み重ねてこそ、プロ野球への興味も繋がるというものです。
 完全試合目前だからというのは、あくまで目先の話です。


 目先にこだわると、肝心の大切なものを失ってしまう好例が亀田フィーバーです。亀田選手の反則や、ボクシングに対して敬意を払わない不遜な態度は、ボクシング人気を盛り上げるより、むしろイメージダウンの方が大きかったと思います。JBCも、以前は亀田サイドの意を迎えることに積極的に加担していたくせに、この騒ぎなるやルール遵守を言い出しました。よく言うよね。内藤戦の問題を理由に処分したけど、同じ問題は以前からあったわけだし、それには口を噤んでいて、社会全体が非難を集中するや、一転して厳しい対応を行いました。いえ、さして厳しくもありませんけどね。

 日本シリーズの投手交代も同じです。勝ちを望む姿勢こそが、競技に対する最高の敬意であり、見る者を感動に誘うものです。その最たるものが高校野球でしょう。野球のレベルはプロに比べて低いものの、見る者を惹きつけてやまない理由はそこにあると思います。
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参百弐拾参  墨攻(2007/10/27)
 先週、日中合作映画「墨攻」を観ました。よくできた映画です。なにより原作が素晴らしいのでしょう。酒見賢一氏の原作を読んだことはありませんが、誰もが絶賛しています。デビュー作の「後宮小説」も、その豊かなイマジネーションが評価されています。

 で、「墨攻」です。映画が面白かったものだから、とりあえず漫画の方を読んでみました。これは映画の勝ちですね。漫画版は、漫画原作者のオリジナル・ストーリーが付け加えられており、これが余計です。本来は、趙の燕攻めの攻防を舞台にしており、秦の趙攻略戦は漫画オリジナルです。
 この余計な部分に不満があるのです。主人公の革離は、ご大層な理由づけで趙の防備に当たりますが、さして面白い攻防が展開するわけでもありません。酒見氏との力量差は歴然としています。

 趙を攻めた秦の名将−王翦を下劣なセクハラ親父に描き、あげくに復讐を誓う娘に殺させています。もちろんこれはフィクションです。フィクションはいいのですが、程度問題です。中国の歴史を知る者にすれば、しらけてしまうのです。酒見氏は趙の燕攻めについて、梁城という架空の合戦舞台をしつらえています。対して、漫画版の原作者の久保田千太郎氏は、史上有名な秦の邯鄲攻めを舞台にしたため、フィクションが単なる嘘になってしまったのです。弱体化した趙と強大な秦との戦いですから、邯鄲攻略は楽勝だったはずです。こういう歴史事実は覆せませんから、展開に興味が湧かないのです。

 結論:映画はお奨め、漫画は前半のみ。こりゃあ、やっぱり本家の原作を読まにゃあならんかなあ。

 ところで、私は墨子が防御戦闘のスペシャリストであるというのは初耳でした。墨家集団が傭兵として、歴史に登場してくるのを不明にして読んだことがありません。調べてみると、もともと実戦に関する記述は、ほとんどないそうです。
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参百弐拾弐  最近の世相(2007/10/21)
 亀田一家、やっと処分に

 日本ボクシングコミッション(JBC)は、亀田大毅選手に1年間のボクサーライセンス停止処分を、史郎氏に無期限のセコンドライセンス停止を、興毅選手には厳重戒告処分を科しました。

 次男の処分は軽いか重いか。厳しい処分と報ずる向きが多いですが、それほどのものではないでしょう。
 元IBF Jr.ウェルター級王者ザブ・ジュダーは、統一王者コスタヤ・ズーとの対戦で2RTKOで敗れました。ジュダーは試合続行不能の判断を下したジェイ・ネイディさんの頚を押さえつけました。レフェリーに対する前代未聞の暴行に対して、どこかのコミッションは、罰金75,000ドルと6ヶ月のライセンス停止処分を下しました。暴行というより、食ってかかった程度のことです。
 ジュダーの不行跡と大毅選手の反則を比較したら、これはもう同列に扱えるレベルではありません。1年間のライセンス停止は軽いものでしょう。

 もう一点、JBCは大毅選手の反則行為に対して1年間の停止処分を下すなら、兄の興毅選手にも同じ処分を科すべきです。興毅選手の前回の試合もまた、同レベルの悪質な反則行為がありましたから。目立たないのは、単にレフェリーがグルで、減点を取られなかったからでしょう。これではダブルスタンダードというものです。


 防衛省の守屋前事務次官の癒着

 何度も書きますが、「法の行われざるは、上よりこれを犯せばなり」です。事務方トップがこれでは、戦地に赴く兵士はたまったものじゃあないです。
 海外任務は別にして、自衛隊員の手当ては極めて安いはずです。日航機御巣鷹山墜落事故の始末のため、警察官や消防隊員、自衛隊員が多数現地に赴きました。警察官や消防隊員には昼食の弁当が配られましたが、自衛隊員はレーションで頑張り抜いたのです。また、一同が夜間は下山するのを尻目に、自衛隊員たちは現地で野営しました。それでありながら、手当ては雀の涙という悲惨さなのです。いえ、彼らに悲哀はないでしょう。それだけ任務に対して誇りを持っていると思われます。
 そんな彼らの気持ちを踏みにじる行為です。守屋さんには、償うべき瑕疵があるなら罪を贖い、きれいに身を処していただきたいものです。


 プロ野球日本シリーズ

 日本ハムと中日の対戦に決定しました。いいカードだと思います。両チームともに、鍛え上げられたイメージがあります。特に日本ハムの選手からは、かつての広島赤ヘル軍団と同じ強靭さが伝わってきます。小笠原選手と新庄選手が抜けながら、戦力ダウンを感じさせないチーム力は本物としか言いようがありません。来週の対戦が楽しみです。
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参百弐拾壱  期待を裏切らない亀田戦(2007/10/13)
 一昨日開催されたWBC世界戦は、期待を裏切らない醜悪なものでした。いえ、私はいい試合を観たかったのですが、亀田ファミリーにはないものねだりのようです。

 もともと次男の大毅君は、未だ世界で闘えるレベルに達していません。あり得ないカードだったのですが、視聴率狙いのTV局は対戦させてしまったのです。
 大毅君の戦法は、長男の悪いスタイルの方を真似たものです。というか、未熟な彼には、この戦い方しかできなかったのでしょう。長男の前回の戦法は、亀田戦のデタラメに書いたとおりです。この戦法は、テクニックを必要としないものです。頭で相手の身体を押さえつけて、左右のパンチを振るうものです。普通であれば、必ずレフェリーに頭を注意され、作戦の変更を強いられます。ところが前回の長男は、レフェリーがグルだったためか、最後までこの戦法で押し通すことができました。

 ベテランのビック・ドラクリッチさんがレフェリーなのだから、こんな戦法はやれるはずがないのです。よほど世間を舐めてかかっていたのでしょう。そのうえ内藤選手は亀田サイドの戦法を読んでいたとみえ、腕を伸ばして距離をとっていましたね。あれも反則なのですが、レフェリーは一度しか注意しませんでした。亀田選手の頭の方が問題が大きいと判断したのでしょう。



 腕で頭を止めています。そう、押さえるというより、止めているのです。そうしないと、下図のようになるわけです。



 内藤選手の顎の辺りに頭突きをかましています。



 このシーンは、勢いをつけてボディに頭突きです。静止画なので分かりづらいですが、飛び込んでの頭突きです。

 頭突きによって流血などを招くと、試合が終了してしまうこともあります。レフェリーはそうならないために試合を主導する責務があるのです。この頭の使い方を見たら、腕を伸ばして止めるのは、むしろ歓迎してたんじゃないかな。

 そのうえ、内藤選手は鮮やかなステップで、亀田選手の突進を躱していましたしね。


 唯一の戦法が通用しない亀田サイドは、露骨な反則技を展開しました。まずは腿や股間打ちです。



 右腿を打っています。左腿にもホレ。





 これは効いたみたいです。内藤選手、表情を変えて怒っていました。ついでに股間も打ちましたし。
 それと、投げがしつこかったですね。ときにはヘッドロックで首投げとか、巻き投げとか、タックルとかね。







 このとき、アナウンサーは「内藤、押し潰して時間を稼いでいます」とかほざいていました。おいおい、投げた後も首を離さなかったのは亀田じゃんか。

 極めつけは12Rの反り投げですね。減点をくらった直後にやるとは、完全にボクシングを舐めています。ドラグリッチさんも厳しい表情でした。





 投げて縺れた際には、グローブで顔面をグリグリしています。




 さて、問題なのはファイトスタイルに関する反則だけではないのです。2Rにレフェリーは、亀田選手のグローブから何かを取って投げ捨てています。



 このシーンです。もしこれが、相手を傷つける恐れのあるものなら、本来であれば試合終了を宣してもおかしくありません。あるいは、リングサイドにいるWBCの立会人を呼んで協議すべきです。試合中止は影響が大きいので、こういうときは亀田選手から王座戴冠の権利を剥奪するのです。つまり、亀田選手は勝っても王座に就けない、内藤選手が負けた場合は、改めてランキング上位同士で王者決定戦を行うという対応です。ウェート・オーバーなどの際に取られる処置です。

 さらに12Rにも、なにやらきな臭いことがありました。亀田選手のグローブと同色のなにかをレフェリーはリングから拾い上げ、投げ捨てました。下図がそのシーンです。



 さらにさらに、なぜかセコンドに親父さんと兄弟がついているのです。ルールで肉親はセコンドになれないのです。しかもこの親父、試合前に内藤選手を恫喝して、レフェリーに遮られていました。



 まったく汚い亀田ファミリーですが、TV局も同罪です。実況のいかげんなことといったらありません。内藤選手のボディアッパーが炸裂した際、亀田選手の軽い左フックがカウンターで入りました。アナウンサー曰く、「左フックで一瞬、内藤選手の動きが止まりました」
 おひおひ、アッパーの方がクリーンヒットだったぜ。このシーンです。レフェリーの身体で死角になっていますが、強烈なボディアッパーでした。



 そして、訳がわからないのは12R終了後も十数秒間試合が続行したことです。



 2分59秒経過のシーンです。この1秒後に時間表示が消え、ゴングが鳴ったのは十数秒後だったのです。レフェリーがジャッジに対して、反則減点を指示していた間、時計は止まっていました。ですから、疑惑のゴングとしか言いようがないのです。
 なんか、井岡弘樹選手がナパ・キャットワンチャイに挑戦されたときの疑惑のゴングを思い出しました。


 前回の亀田兄の試合もひどかったけど、今回も醜悪な試合でした。唯一の救いは、レフェリーがきちんと対応したことです。まがりなりにも最後まで試合を成立させたのは、ドラグリッチさんの手腕といっていいでしょう。
 もし、ジョー・コルテスさんあたりが裁いていたら、途中で亀田選手は反則負けになっていたかもしれません。反則負けにするのがいいのか、最後まで完遂させるのがいいのかは難しいところです。
 内藤選手が勝っていたこともあって継続させたのでしょう。それと、亀田選手の頭突き戦法が試合続行の妨げにならなかったのは、内藤選手の技術とレフェリーの協力(内藤選手の腕によるストッピングを大目に見た)の賜でしょう。粋な計らいというものです。
 今回の試合はデジタル録画したので、映像分析も楽勝です。これからもボクシングの分析は、映像つきでやっちゃいましょう。
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