建白TOPへ

七百     統一地方選(2015/4/12)
六百九拾九  世紀の一戦続報(2015/4/5)
六百九拾八  『かくかくしかじか』完結(2015/3/29)
六百九拾七  メイウェザーvsパッキャオ再々考(2015/3/22)
六百九拾六  位置取り再考(2015/3/15)
六百九拾五  メイvsパック戦展望(2015/3/8)
六百九拾四  今春の二大イベン(2015/3/1)
六百九拾参  決定、メイウェザーvsパッキャオ(2015/2/22)
六百九拾弐  藤井教授、予定どおりの遁走(2015/2/15)
六百九拾壱  またまた橋下無双の予感(2015/2/8)
六百九拾   オーディオなぜか快調(2015/2/1)
六百八拾九  雑事いろいろ(2015/1/25)
六百八拾八  大阪維新への無理解(2015/1/18)
追加:オーデイオ機器(2015/1/12)
六百八拾七  大阪維新への期待(2015/1/11)
六百八拾六  ニューヒーロー誕生(2015/1/3)
六百八拾五  このミス2015への賛否(2014/12/28)
六百八拾四  韓流アネクドート(2014/12/22)
六百八拾参  去りゆく人々(2014/12/13)
六百八拾弐  今年のベストポスター(2014/11/30)
六百八拾壱  未来車の展望(2014/11/23)




七百     統一地方選(2015/4/12)
 統一地方選が開票中です。11時過ぎのNHKニュースによると、大阪府議、市議ともに“維新の会”が過半数に及ばないものの、第一党となっています。今後の開票でどこまで上乗せできるか注目です。

 自民、公明、民主、共産といい、いずれも堅固な組織構築ができています。一方の維新には、地域組織なんて存在してません。でありながら、このように全党相手に圧倒的な第一党なのですから、大したものです。大阪の民意としての維新支持は本物でしょう。

 NHKのインタビューでの松井知事には笑っちゃいました。真面目な顔してるんだもの。府議会のやり取りでは、「なんやと、やれるもんならやってみいや」なのにね。

 開票が終わり、得票が確定してから、もう一度考察します。


追加:4月15日

 府議会が過半数を得られなかったとあって、橋下市長も喜びを見せていません。しかし、これはポーズでしょう。半数近くが当選したのは上できだし、市議会は大躍進ですしね。その上、堺市では維新の会所属立候補者は全員当選しています。

 5月の住民投票で都構想が賛成となった場合、橋下氏の去就がなんとなく窺われてきました。市長任期中に移行作業を片づけ、その後堺市長選に出馬するような気がします。そこで武山市長に勝った場合、堺市を解体し、特別区移行を進めるのではないでしょうか。
 国政への転身を予想する向きがありますが、あくまで大阪再生を目標としているや思われます。

 いずれにしても、住民投票後の展開が気になります。
目次




六百九拾九  世紀の一戦続報(2015/4/5)
 この世紀の一戦は、いろいろとんでもないことになっています、

 二人のファイトマネーは、両者ともに100億円をはるかに超えるわけですが、その秘密はPPV収入からの歩合でしょう。購入件数が過去最高と予想され、購入価格も1万円以上という前代未聞レベルだそうです。つまり、PPV収入が数百億円規模になりそうなのです。そりゃあ、歩合収入も凄いことでしょう。

 各国の放映権料もかつてない高額で、フィリピンでは約11億円での落札だそうです。メキシコではHBOとSHOWTIME両系列の2局が同時中継する異例ぶりです。日本ではWOWOWがSHOWTIMEとの契約と思われます。
 WOWOWは日本のスタジオと現地の二元中継で、現地解説は西岡氏が務めるそうです。我々はお茶の間のWOWOWチャンネルを回すだけで視聴できるので幸せです。

 今回はプレスツアーがありません。PRの必要なしの判断です。そりゃそうでしょうね。アメリカでは、この試合をオリンピックやスーパーボールに並ぶスーパー・イベントと位置づけているそうです。
 ボクシングファン以外には違和感のある話でしょうね。我々にとっては、当然だろ、ですけど。

 日が経つにつれ、パッキャオが勝つシーンばかりがイメージされるようになっています。私の妄想が現実になることを願うばかりです。あと4週間です。
目次




六百九拾八  『かくかくしかじか』完結(2015/3/29)
 東村アキコ氏の自叙伝『かくかくしかじか』がついに完結しました。東村氏はギャグ漫画家ですが、本作は半自叙伝です。
 大学入試を控えた高校3年から、漫画家として成功した時期までを描いたものです。話の中心を成しているのは、漫画と絵画という表現に携わる部分です。そして、東村氏の絵画の師匠が日高氏という宮崎在住の絵描きさんです。

 その師匠との出会いから別れまでが描かれています。なにぶん絵画の基礎の話ですから、私も日々覚えのある内容です。
 とにかく描け、は至言です。なにによらず、基礎修練とはそういうものです。デッサンにすべてをかけるというのもどうかと思いますが、美大入試とあっては仕方ないのでしょう。入試のために東京のデッサン予備校数年間通うというのも馬鹿げています。そのような事情も初めて知りました。私にゃ理解できないというか、とても許されなかった話です。親から浪人は許さん、ときつく言い渡されていました。浪人するより、早く働けってことでした。

 また、物語中で描かれている美大生の生態というか、甘い考え方にも覚えがあります。私の大学時代にもいました。ていうか、先生そのものに、そのような甘い考えの方がいましたもん。
 同期の女子で、その先生に感化され、世間から隔絶した人生に足を踏み入れようとした者がいました。私らで必死に止めようと説得しました。しかし、聞き入れられず、卒業後に染色工房に就職しました。
 「止めとけよ。そんな職人の世界なんて、まともに人間扱いされる世界じゃないぞ」とかね。
 結局、就職後、1か月もたずに辞めました。そんなの、最初から分かっていたことなのに。

 私はなんとなく、そのようなアートの世界が嫌で、デザインを志望し、そのおかげで今があります。絵画や彫刻を専攻していたら、今頃悲惨な人生を送っていかもしれません。高校時代の友人にいます。美大卒業後、一度も堅気の仕事に就いていない奴が。
 親は堪らんでしょう。そいつの実家は農家だったのですが、一度も農作業を手伝ったことがないとか言ってました。弟はよく手伝っているけど、俺は関係ないってね。親もいろいろ甘やかしていました。

 『かくかくしかじか』のラストは悲劇的なものです。中盤辺りから、なんとなく結末が示されていました。それでも実際に物語で語られると効きます。救いは、日高氏が全力で生きていた点です。誰もがかくあるべし、と勇気づけられます。この漫画からは、幾分かの勇気をいただきました。未読の方には、是非ともお読みください。
目次




六百九拾七  メイウェザーvsパッキャオ再々考(2015/3/22)
 世紀の一戦には、いくら語っても語り尽くせない期待感があります。スポンサー契約についても、驚くような話がありました。ビール会社スポンサー入札で、メキシコの会社が落札し、30万ドル(約6億7200万円)の成約となったそうです。もう、本当に桁が違います。

 メイウェザーという選手は、とてつもないボクシング・スキルと運動能力を備えています。この点ついては万人が認めるところであり、疑問を差し挟む余地がありません。でありながら、これまで難しい相手を避けてきた来歴があります。

 最初のS.フェザー級で闘った難敵といえば、ディエゴ・コラレス選手です。クラス最強のハードパンチャーとあって、盛り上がりは凄かったものです。しかしながら、結果は一方的なものでした。
 あのとき思いました。S.フェザー級でメイウェザーが苦戦するであろうは、ホエル・カサマヨル選手ではないかと。サウスポーで回り込みながらのファイト・スタイルでした。加えてカウンターが上手く、一番やりにくかろうと。で、結局やらず終いでした。

 次に期待したのは、私も何度か書いたS.ライト級のコンスタンチン・ズー選手です。ストレートをひねり込むのでなく、真っ直ぐ突き出すような打ち方でした。これでスピード・スターのザブ・ジュダー選手やシャンバ・ミッチェル選手を鮮やかにKOしました。もし、メイがズーと闘っていれば、KO敗を喫していたかも知れません。
 ちなみに、ズーはリッキー・ハットン選手に敗れましたが、あれはハットンから反則を取るべきでした。レフェリーがひどすぎました。

 そして、パッキャオです。長い間パックを忌避し続けてきました。多分、メイはやらないだろうというのが、ボクシング関係者の一致した見方でした。カサマヨル選手、ズー選手と避けてきたものを、ここにきて最大の強敵であるパックと対戦するというのです。この点だけは褒めてやりたいです。

 あとは試合内容です。きっと防御主体の組み立てでしょうね。ポイントを稼ぐため、ときたま遠い間合いからの右クロス、左フックを当て、あとはディフェンス主体を繰り返すでしょう。
 ただ、これまでの相手と違い、そのメイのパンチを外すのパックです。ポイントを稼げないとなると、メイも攻撃的に為らざるをえません。

 そこから先は、両者ともに速いハンドスピードとコンビネーションが交錯し、帰趨がまったく見えません。やってみなけりゃ分からない、が私の結論です。そのような展開になるためには、パックに抑制的に闘っていただきたいです。ローチさんは重々承知のことと思います。

 あと40日ほどの待ち時間です。私ゃ、この試合のことが片時も頭から離れません。
目次




六百九拾六  位置取り再考(2015/3/15)
 史上空前のスポーツイベントを控え、期待感が収まりません。前回に続き、位置取りについて考えてみます。
 左右に回り込む動きと、その方向が重要である件は、ある方の教えによるものです。ボクシング系某サイトの管理人さんのレクにより、目覚めたものです。回る方向によって、なにが有利になるのか懇切な説明を受け、理解に及んだものです。

 某ボクシング番組の有名解説者は出鱈目を言ってます。隣に座っている、数年前に引退した元チャンプが話を合わせるのに困っていましたっけ。

 「五百参拾  西岡vsマルケス ラスベガス決戦  (2011/10/2)」から引用します。

 対戦相手は世界的に名の売れた歴戦の雄、ラファエル・マルケスです。文句なしの強豪とあって、試合の緊迫感は最上でした。ただ、ラウンド開始後の西岡の動きを見て、勝ちを確信しましたけど。

 西岡は左回りに動き、常にいいポジションをキープしていました。おかげでマルケスはやりにくそうで、パンチもあまり出ませんでした。解説者は慎重にやっていると指摘しましたが、むしろパンチを出しづらかったのではないか。

 西岡選手は左構え(サウスポー)で、マルケス選手は右構え(オーソドックス)です。つまり、西岡選手が左回り動くと、マルケス選手からすると右方に位置します。これでは強いパンチをぶつけることができなくなります。

 内山選手(右構え)vs三浦選手(左構え)での内山選手も見事でした。左構えの三浦選手に対して、右回りに動いて安全位置をキープするよう努めていました。ただ、右拳を痛め、途中から左一本で闘いました。その際には、左周りでジャブ、フックを当てにいってました。実にクレバーな選手です。

 位置取りの優位性を最大限に活用したのは、なんといってもバーナード・ホプキンス選手です。アントニオ・ターバー選手(左構え)、ジョー・カルザゲ選手(左構え)いずれからもダウンを奪っています。右に素早く動くと同時に、飛び込んで右クロスを叩きつけました。この攻めだと、仮に相手から反撃をくらっても効かされることがありません。

 試しに左構えをつくり、自分より左方に位置する仮想敵にパンチを振るってみてください。とても効かせるパンチが打てないでしょう。

 夢の対戦で期待するのは、パックがこのような位置取りから、メイを完膚なきまでうちのめすことです。決して可能性が低い話ではありません。私ゃ期待しまくりです。
目次




六百九拾五  メイvsパック戦展望(2015/3/8)
 5月2日の対戦を控え、両者の過去の試合を暇を見つけては再視聴しました。
 メイ有利は動きませんね。いえ、パックとローチさんのコンビは対策を立てるだろうし、対応策を練ることでしょう。そこのところに期待と望みを託しています。で、パック勝利を願っているものです。

 メイ有利と考える理由は、リーチ差の一点です。メイが183cm、パックは170cmです。この差は大きく、差を埋めるだけでも大きなハンデを抱えていることになります。
 これまでにも、メイの長いリーチがいかに試合を有利に運んできたかについて、何度か書いてきました。

 以下は、デラ・ホーヤ戦を前に書いたもので、両者の体格差について述べました。

 私は、この差は小さいと考えています。体重差は大きなポイントでしょうが、身長差は関係ないと思います。リーチがほぼ同じだからです。メイウェザーが下の階級で活躍していたとき、その優位性はスピードだけでなく、実はこのリーチ差でなかったかと考えています。相手の届かない距離から、遠慮なくパンチを当てていましたから。そのアドバンテージも今回はありません。二人の距離は同等です。

 この距離の差が、パッキャオだとあからさまになります。某ボクシング番組の解説者は、距離の差を踏み込みのスピードでなんちゃらとか宣うでしょう。しかし、そんな甘いものではありません。ブラッドリーもそうでしたが、メイは踏み込んでの左ストレートを右ダックで外します。この動作は余裕でしょう。ただでさえ反応の速いメイが、遠い距離からの踏み込みに対処できないはずがありません。

 むしろ、フック系で闘うのが正解かと思います。そこで期待したいのは左回りの動きです。右構え(オーソドックス)のメイに対しては、左周りに位置することにより、安全圏となるのです。
 この点が惜しかったのは、ビクター・オルチスです。オルチス戦後、その辺りのことを書いています。

 問題点は相手に対して右回りに動いたことです。右構えのメイウェザーに対して、右回りに動くとむしろ注文に嵌ってしまいます。下図を見ていただくと、そのあたりの機微が伝わるでしょう。

 右に動くと、メイウェザーの右クロスの照射ポイントに自ら位置することとなります。同時に左フックの照射ポイントでもあります。
 この位置関係を逆に攻撃側のメイウェザーから眺めると、もっと分かりやすいでしょう。ここからオルティスが左に動くと、わざわざ自分から左フックに当りにいくようなものです。あるいは、対角に右クロスを絞り込むのにちょうどいい加減です。


 パックとローチさんは、この点を承知しています。マルガリート戦で左回りを披露していました。また、ブラッドリー戦では、有利な位置取りをしようと互いが動きあっていました。

 この位置取りの優劣が勝敗の岐れ目となるでしょう。安全圏からカウンターの左右フックを狙うことと思います。また、パックにはそれを可能とするスピードとフットワークがあります。
 私がパック有利に賭ける理由はこの点です。そうなることを祈るばかりです。
目次




六百九拾四  今春の二大イベント(2015/3/1)
 先週書いたビッグマッチの詳細が伝えられました。フロイド・メイウェザーJr vs マニー・パッキャオ戦の興業規模は異次元レベルになっています。
 まず、チケット価格が異常ともいえる高額です。最安値でも45万円ほどで、リングサイド席の700万円が15分で完売したそうです。しかも、リングサイド席を購入するためには、MGMグランドホテルの課したVIPハードルを満たしている必要がある模様です。もうね、こんな話は聞いたことがありません。

 次にファイトマネーです。ファイトマネー自体が史上最高額で、これに加えるPPV収入もまた異例の高額で、合わせてメイが2億4千万ドル(約285億円)、パックが1億6千万ドル(約190億円)だそうです。今年のスポーツ高額年収のワンツー・フィニッシュはすでに確定です。

 PPV収入が高額なのは、テレビ放映がHBOとSHOWTIMEの2元同時中継となっているからです。ルイスvsタイソン戦に倣うのでしょう。


 大阪都構想の協定書が府市両議会に上程されました。維新の会と公明党の賛成で可決されることが予定されています。そして、5月17日に可否を問う住民投票が実施されます。
 市議会では、すでに都構想に係る質問が行われています。

 反対の各党と市長との丁々発止の質疑応答が繰り広げられることでしょう。すでに共産党が頑張っています。
 在阪TV局は、春の住民投票に向けて番組を構成することでしょう。昨日の『たかじんNOマネー』が早速やってました。橋下市長と共産党府議が出演して、それぞれの主張を述べました。

 その内容なのですが、共産党は出演者を間違っていますよ。都構想と関係ない主張を述べるものですから、コメンテーターたちに注意されまくりでした。
 あるいは、東京都の各区が市への格上げを望んでいると発言し、在京のコメンテーターたちに「希望している区はどこですか」「どのような調査結果に拠るものなのですか」とか問われて馬脚を現わしていました。

 それでも共産党は出演するだけマシです。自民党、民主党、公明党は討論番組への出演を拒否していますから。


 今春のボクシング決戦と大阪市の住民投票は、偉大なる歴史的イベントです。私に直接の利害はないものの、もう今から気になって仕方りません。皆さんにとってはいかがなものでしょうか。
目次




六百九拾参  決定、メイウェザーvsパッキャオ(2015/2/22)
 ついにこのときが来ました。5月2日、フロイド・メイウェザーJrとマニー・パッキャオが対戦します。

 この試合、一体どれほど待ったことか。5年前の交渉では、メイがパッキャオに対して、試合1か月前だったかからの血液検査(血液抜き取りが必要)を要求し、破談になりました。今回の交渉も不調と伝えられていたのが、一転決定の模様です。

 両者の契約局が違っていることも難しい問題でしたが、同時中継となるのでしょう。ルイスvsタイソン戦の前例がありますから。つまり、メイのコールをジミィ・レノンJr氏が、パッキャオのコールをマイケル・バッファ氏が務めることが予想されます。まったく贅沢な興業です。その興業規模も、中量級最大といわれたデラvsメイ戦を超えること間違いなしです。

 これまでのスーパー・マッチといえば、レナードvsハーンズ、レナードvsハグラー、プライヤーvsアルゲリョ、デラvsトリニダードなどです。これらは、いずれもファイトマネーが双方とも20億円超でした。
 で、今回は両者ともに100億円とかの報道もあります。空前絶後、もう二度とはない興業です。メイといい、パックといい、超人といっていいボクサーです。同時代に両者が生きているのも天の配剤というべきです。
 メイは5階級制覇で無敗、一方のパックは6階級制覇です。ただし、実質的には8階級制覇を成し遂げています。

 勝敗の帰趨は予想しがたです。両者が抑制的なボクシングをすれば間違いなく判定でしょう。両者ともにまともにパンチを食うこともないでしょうしね。
 攻撃的に行き過ぎれば、行った方がやられる可能性が高いことと思います。この点は、両者ともに承知しているでしょう。特にマルケス第4戦の敗戦は、パックに強い悔悟を残しているでしょう。あのカウンターをくらったのは、あまりに不用意でした。

 メイもまた、パック相手に今までの対戦者みたく調子こいたパフォーマンスは無理でしょう。特にフレディ・ローチ氏の存在を煩く感じているかと。メイvsデラでのデラ・ホーヤの仕上がりは完璧でした。メイの左フック、右クロスを完璧にブロックし、メイ対策が完全でした。ただ、デラは加齢によるスタミナ切れで判定負けとなりました。メイの左フック、右クロスは速いだけでなく、フェイントをまぶしているので避け難いものがあります。きっと、ローチさんは読んでいるのでしょう。
 パックは元々スピードがあり、出入り、ボディワークも抜群です、ここにローチ仕込みの対策が加わるとなると、メイも攻めには慎重になるでしょう。

 ポイントは、パックがサウスポーである点です。メイの左フック、右クロスともに得意のカウンターのいい的なのです。ハットンが見事にくらいましたね。

 双方ともに、出過ぎないよう、行き過ぎないよう慎重に闘うと想像します。ボクシングファンたちは、メイの判定勝ちを予想する方が多いのですが、私はパック有利に賭けます。願望含めてですけど。

 メイがパックに勝てば、間違いなくボクシング史上最強の称号を手にするでしょう。しかし、パックが勝てば、逆にメイが手にするはずだった栄誉のすべてを総取りするのです。それだけに、メイはやりたくなかったと考えます。

 今春、ボクシングの歴史の決定稿が刻まれます。私ゃ、今からワクワクです。
目次




六百九拾弐  藤井教授、予定どおりの遁走(2015/2/15)
 先週書いた橋下市長と京大藤井教授とのバトルはしょむない収束となりました。橋下氏が公開討論の申し込みをしたところ、藤井氏は意味不明の主張で遁走の仕儀となりました。

 「『討論』でなく、『ケンカ』の申し入れなのです」
 「私の言論はいかなる圧力、脅し、あるいは嫌がらせにも、絶対に、屈することはありません」
 「公開討論に訴える手法は言論封殺です」

 これに対して、橋下氏は翌日すぐに返答しました。

 「統一地方選や住民投票を前にして、反感を買うような対応をできるわけないじゃないですか」
 「言論封殺だなんて、藤井さんは内閣官房参与なんですよ。政府関係者じゃないですか。どちらが権力が上なんですかね」
 「藤井さん指名の応援団300人の集まりでもいいです。時間も都合つけて出席します。僕は一人で出席しますから」
 「暴言のことは、もう追求しません。あくまで大阪都構想の疑問点に答えますよ」

 いちいちご尤もです。ここまで返されても、藤井氏は応じないんですね。無理もないです。藤井氏による都構想批判は素人以下の内容で、その拙さは最早ご本人も自覚していることでしょうから。
 先週にも書いた「大阪市の市税2,000億円が都に移管され、市外に使われることになる」との批判です。
 この論は破綻していますね。私が先週書いたことに加え、現状についても橋下市長が説明していました。
 現在の大阪市の事業自体が、市民以外も含めたサービスを行っており、現実を知らない空虚な批判だと難じていました。返す刀で、平松前市長にも批判を加えていますね。平松氏は反維新、反橋下、反大阪都構想の運動を繰り広げていて、藤井氏の反対意見を引用しているそうです。
 その平松氏にも公開討論を呼びかけました。平松氏は絶対受けないのを承知で痛ぶっています。なかなかに楽しませてくれます。
 私ゃ、橋下氏を応援しています。
目次




六百九拾壱  またまた橋下無双の予感(2015/2/8)
 橋下市長と京都大学の藤井聡教授が揉めています。藤井氏は大阪都構想に批判的で、いろいろ反対意見を表明しました。
 その中で、なにやら橋下氏に対する侮辱発言があった模様です。私ゃ、その件に興味はありません。むしろ大阪都構想についての建設的議論を望んでいます。

 今回の経緯から、橋下氏は藤井氏に公開討論を申し入れています。その際の案件は、あくまで大阪都構想問題です。「非礼な学者はやっつけにいきます」とか言っているのは、藤井氏による大阪都構想反対意見に対する反論が目的です。それなのにマスコミは、なんでか「ヘドロチック」発言とかのちんけな罵倒合戦の部分ばかりにフォーカスして報じています。

 藤井氏は、大阪市の市税2,000億円だったかが都に移管され、市外に使われることになると非難したのです。これは拙い意見表明です。
 市の事業が都に移管されると、当然のこと事業費も移管されます。人件費、事務費、その他所要経費は必要なものですから。加えて、市の債務(地方債)も都側で償還することとなり、そのための財源も移さなければいけません。

 そんなの当たり前の話なのにね。藤井氏の頭の中では、一体どのような構図が描かれているのでしょうか。よ〜分かりません。公開討論をすれば、この点をボロカスに突っ込まれることでしょう。
 藤井氏、最近は「僕は中立だから」と逃げを打っています。中立ってあんた、平松前市長たちと反維新活動に勤しんでいるじゃないですか。なんか見苦しいんだなあ。
 面白いのは、藤井氏が出演している番組で、公開討論を受けるかどうかを尋ねられたとき、「まだ、申し入れ書を見ていないので」とか、言質を取られることを避けていた場面です。その際のスタジオが、討論に応じればボロカスにやられる、の雰囲気で染まっていたものです。皆さん、よく分かってらっしゃる。
目次




六百九拾   オーディオなぜか快調(2015/2/1)
 先週のこと、久しぶりにオーディオ装置に火を入れたところ、意外にも快調でした。そこで、『STEREO』誌が恒例としているオーディチェックディスク付録企画分を購入しました。

 もう上がりですわ。若干の不満はあるものの、自身の身の丈にあった装置に仕上がっています。もういいんじゃないでしょうか。これ以上を望むと、きっと迷路のような泥沼に入り込むことが予想されます。
 NETで見かけるやりつくしたスーパーマニアたちが言ってました。数百万円の高額スピーカーを所有している方でも、上手く鳴らし込んでいる人間ははなかなかいないそうです。

 上に書いたように、私の装置にも問題はあります。ただ、その問題点っていうのが、本当に問題にすべきことなのか疑問です。先週書いたように、聴力との相性もあると考えられます。
 若い完調の耳の人間ならどう聴こえるのか、あるいは今後の老化に伴ってどのように変化してゆくのか。正解は必ずしも一つではありません。

 少なくとも、今日も各種ディスクを聴きながら、十分な満足感が得られました。問題点も、あえて不満とするに当たりません。

 他人の意見を聞くのもいいけど、他人はきっと違った感想を持つでしょう。その意見に振り回されちゃ、きっと収拾がつかなくなるでしょう。NET界隈のオフ会で、他人の装置を聴いて、あれこれ意見を述べている方々、余計なお世話じゃないですか。
 再生帯域を客観的に伝えるとか、歪みを指摘するくらいに止めるべきです。それ以上のことは、人それぞれ好みの世界なのですから、言っても仕方ないんじゃないでしょうか。
目次




六百八拾九  雑事いろいろ(2015/1/25)
 ここ1週間ほどリフォーム屋さんをやっています。

 先週は屋内の水栓すべて補修しました。家はすでに30年余の劣化が目立ち、水漏れにも悩まされていました。面倒くさくて放置していたのを、やっと手入れした次第です。コマを入れ替え、今は快適です。
 最初は力加減が判らなかったものが、後の方は慣れてばっちりでした。

 今日は開き戸の蝶番をやり替えました。蝶番の不具合症状が数年前から出始め、手を加えて誤魔化しながら今日まで来ました。
 さすがに誤魔化しきれなくなり、蝶番を入れ替えました。ほぞを欠くのが面倒だったので、以前のものより一回り小さなパーツを買って誤魔化しました。小さいとあって、以前の位置から少しずらす余裕があり、手間を省くことができました。

 本職の方や大工趣味の方が聞いたら、顰蹙ものでしょうね。私ゃ、工作下手の文科系を自覚していますから、これでいいのだ。


 3年くらい前から You Turbe 中心で音楽を聴いています。おかげでオーディオ装置は放置しっぱなしです。
 本日、ひさしぶりに動作させるといろいろ変化を見せてくれました。最初は寝ぼけていたものの、じわじわとエージングが進んで本領を発揮しだしました。ここまでは、いつものパターンです。

 そのうち、今まで気づかなかった音が聴こえはじめたのです。なんなのでしょうか。原因は分かりません。経年劣化が進んでいるわけですから、悪くなることはあっても、よくなることはあり得ません。
 ひょとすると、私の耳の性能劣化によるものかもしれません。歳を重ねた分だけ、聴覚の劣化や特性変化が必ず生じているはずです。その特性変化によって、聴こえやすくなった周波数領域があるのかもしれません。
 これは決して好ましい話ではありません。同時に聴こえにくくなった領域もあるはずだからです。基本的に性能は低下してゆくばかりです。私のオーディオライフの先も、そう長くないのでしょう。
目次




六百八拾八  大阪維新への無理解(2015/1/18)
 先ほど喫茶店で週刊文春を捲りました。適菜収氏の連載『今週のバカ』が、昨年4月からの総決算として、最も印象に残ったバカは誰かという『今年のバカ大賞』を掲載していました。
 この連載のことは知らないのですが、読者投票と氏自身の考えの総体として順位づけが為されている模様です。で、栄えある大賞は、橋下徹氏でした。

 理由として、昨年末の衆議院選挙での“出る出る詐欺”を挙げていました。多分、適菜氏は大阪都構想の法定協議会の経緯どころか、その存在さえ知らないんじゃないでしょうか。知っていれば、昨年末選挙の出馬の是非の意味も分かるはずです。

 先週書いたような、橋下氏の偉業成就に向けての地道で困難な取り組みのかけらも理解していない模様です。
 想像ですが、在京メディアが報じる印象のみでものごとを考えているのでしょう。いえ、哲学者に多くを望むべきではないですね。放っておきましょう。


 驚きのニュースに接しました。平井和正氏が亡くなったそうです。

 長らく露出していなかったので、どうしているかと心配していました。

 大人気“狼男シリーズ”の『人狼天使』あたりからおかしくなりました。石森氏との共著『幻魔大戦』は、傑作だったかと。ところが、後年のオリジナル『真幻魔大戦』は、立ち読みでさえ頭が痛くなりました。

 個人的に好きなのは、次のものです。
 “ウルフガイ・シリーズ”の『狼の怨歌』『狼のレクイエム』
 “アダルト・ウルフガイ・シリーズ”の『人狼、暁に死す』『人狼地獄篇』『人狼戦線』『狼は泣かず』『人狼白書』
 “死霊狩りシリーズ”
 漫画原作の『エリート』『スパイダーマン』

 新興宗教なんかに嵌らず、エンターテインメント路線を邁進してくれていれば、きっと素晴らしい創作活動を重ねてくれたのにと残念です。ご冥福をお祈りします。
目次




六百八拾七  大阪維新への期待(2015/1/11)
 橋下市長による新春出初め式での挨拶
 (産経ニュース)
 「いつ命を落とすか分からないので、子供と奥さんを大切に」
 「ばかな政治家のために命を落とす必要はないが、市民のためには命を落としてほしい。消防隊を心から尊敬する」

 また、都構想の是非を問う住民投票の結果次第での進退の件とかいった、政策以外のことばっかしメディアは食いついています。
 橋下氏は以前からずっと、大阪都構想の中身をこそ報じてくれと懇願さえしてきました。ゴシップ誌とかならともかく、報道紙誌としての役割を考えるなら、優先順位は言うまでもないでしょう。

 先週、BS日テレの報道番組に橋下市長が出演しました。地方創生をテーマに1時間にわたって政策説明や所信を述べました。その内容は圧巻でした。今、地方再生について、本物の議論を論じている最右翼は橋下氏でしょう。しかも、大阪都構想という現実の政策で以って向き合っているのですから。

 行き詰まり、あるいは閉塞状況に陥っていた大阪都構想も、年末に新たな進捗を見せました。大阪都構想の是非を問う住民投票に対し、大阪の公明党が賛成に転ずる決定をしました。先の選挙で橋下市長と松井知事が立候補を取り止めた真相が取り沙汰されていましたが、こういうことだったのですね。

 今春の統一地方選の後、住民投票を実施する方向で話が進みそうです。大阪都構想の意義はあまりに大きなものです。よくぞここまで歩を進めたものです。橋下氏の手腕というか、実行力には敬服します。他の誰であっても、とても為し得なかったでしょう。議会、労組、関係団体など、周りのすべてが敵だったのですから。


 それに引き比べ、民主党のお粗末なこと。
 党首選の中で、岡田氏と細野氏が恥ずかしいやり取りを見せつけています。

 岡田氏「衆院だけでも、みんなの党や維新の党と合併するべきだ、との話はいったい何だったのか」
 細野氏「維新側から、関西を切り離すというサインがきていた」

 衆人環視の中、党首候補同士が「これこのとおり、民主党にはガバナンス不在なんですよ」とアピールしあっているわけで、見ていて痛々しくなります。こんな口軽が国政に与かろうなんて情けないです。
目次




六百八拾六  ニューヒーロー誕生(2015/1/3)
 新年早々、ボクシング界隈は凄いニュースに沸いています。
 マスコミでは昨年の日本スポーツの旗手として、浅田選手、田中投手、羽生選手、錦織選手らを採り上げていますね。一方、年末の井上尚弥選手の快挙には、むしろ世界が沸いています。

 Fightnews.comによる“Fighter of the Year”に井上選手が選ばれました。
 boxingsceneでもまた、井上選手が“Fighter of the year 2014”を受賞しました。
 さらに「The Ring Magazine」でも急遽“Fighter of the year 2014”にノミネートされました。年末までは、ガンボア選手を完膚なきまで叩き伏せたテレンス・クロフォード選手が最有力候補でした。ところが一転、帰趨が分からなくなりました。
 もし、リング・マガジンに選出されたら、井上選手が2014年度を代表する顔ってことになります。もちろん日本人選手では初めてです。同時にアジアンボクサーとしては、パッキャオ選手に続いて二人目ということになります。
 このようなとてつもない話なのです。マスコミにはもう少しボクシングに理解を示していただきたいです。ちょっと愚痴りたくなりました。

 井上尚弥選手は、もうラスベガスを目指すべきです。6戦目で世界奪取、8戦目で2階級制覇、その相手があのオマール・ナルバエス選手ですからね。
 その勝ち方ってのが、1Rに2度のダウン、2Rにも2度のダウン、最後のはレバーへのフックで相手を蹲らせました。
 下図は2Rの最初のダウンシーンです。ナルバエス選手が右フックを放った瞬間、顔をずらせて外し、カウンターの左フックを振り抜いたものです。ドネア選手がダルチニアン、シドレンコ、モンティエルを葬った戦慄の左フックと同じタイミングです。こういうパンチを普通に出せるのは、まったく尋常じゃないです。

(C) フジTV




 ナルバエス選手は世界戦30戦を闘い、その間、上の階級で当時全盛のノニト・ドネア選手に判定負けしただけです。上の階級で強打ドネア選手を相手に捌いたくらいですから、井上選手のパンチが通用するのかといった心配がありました。まったく杞憂でした。
 今後、ローマン・ゴンザレス選手とともに、井上選手が軽量級トップとして君臨することと思います。

 ナルバエス選手をKOした理由について考えてみました。
 一点は井上選手がコンビネーションを撃つ際、必ずボディパンチを混ぜていた点です。あれが頭部だけを狙ったものなら、ナルバエス選手は防御できたことと思います。

 ナルバエス選手は、ドネア選手のパンチをも空転させたくらいです。当時のドネア選手は、上の階級で圧倒的な強さを誇っていた時期です。ナルバエス選手の防御は、ブロッキング、ステップワーク、ボディワークのすべてが超一級品です。ドネア戦を見ていただければ、その見事なディフェンスが納得いただけるかと思います。

 これほどの選手が防御主体の闘い方をすると、ドネア選手といえども難しいでしょう。そして、顔面ばかり狙ったことが捕まえられなかった理由かと思います。ちなみに試合そのものは、フルマークでドネア選手が勝っています。

 もう一点は、L.フライ級からS.フライ級へ2階級上げたことにより、減量苦から解放され、本来持っているフィジカルの強さやパンチ力が生きてきたからではないでしょうか。パンチの効かせ具合が凄かったです。
なんか、マイケル・カルバハル選手を髣髴させました。カルバハル選手は元IBF世界L.フライ級王者で、軽量級随一の強打を誇り、ああいった効かせるパンチを撃ち抜いていました。ただし、スピードやコンビネーションの多彩さ、ディフェンスは井上選手が圧倒的に勝っていますけど。


 ここ数年、各局とも年末のスポーツイベントはボクシングを表看板にしています。

 大晦日のTV東京は、トリプルタイトルマッチを開催し、田口選手がタイトルを獲得しました。
 河野選手はドロー防衛で、内山選手は余裕の防衛です。
 やはり、内山選手は魅せてくれます。ためを効かせて体重を乗せ、振り抜くパンチからは凄みさえ伝わってきます。
 試合後、三浦選手との統一戦をアピールしていましたが、本命はミゲール・ガルシアです。チャンスがあれば、ぜひとも対戦していただきたいです。

 TV東京を観たため、TBSは一部しか見ていません。ギジェルモ・リゴンドー選手のダウンシーンも見ずじまいです。天笠選手大健闘です。負けても名前を上げたんじゃないでしょうか。

 リゴンドー選手は、S.バンタム級に敵なしの天才ボクサーです。ドネア選手も判定で敗れました。ただし、まったく刺激がなく、つまらないボクシングです。相手の攻撃をすべて躱し、軽くパンチをヒットさせるもので、技術的には極上のものなのですけど。
 人気がなく、プロモーターに試合を組んでもらえず、今回日本の誘いを喜んで受けたものです。アメリカのTV局は視聴率が取れない、あるいはPPV契約が取れない試合は相手にしませんから。

 放映初っ端の村田選手は観ることができきました。なんか、ひどいボクシングになっていますね。アマ時代には、距離を詰め、相手のパンチをくぐって攻撃していました。年末の試合では、上体を突っ立てたまま、ブロッキングのみのスタイルでした。いきおい、近間でのボクシングができず、相手と距離を取るため、プッシングを繰り返していました。
 ずいぶん不細工なボクシングに劣化したものです。アメリカのレフェリーなら、あのプッシングをすかさず注意することでしょう。しつこくやれば減点を取るでしょうし、ジムの指導者は何を考えているのでしょうか。村田選手には、もう期待できません。
目次




六百八拾五  このミス2015への賛否(2014/12/28)
 『このミステリがすごい! 2015』には、賛成と反対があります。国内篇第1位は米澤穂信氏の『満願』、海外編第1位はピエール・ルメートル氏の『その女アレックス』です。

 『その女アレックス』の第1位に文句はありません。誘拐、暴行、監禁事件と思われたものが、犯人の自殺とともに、まったく違った物語へと変貌してゆきます。そして、その変貌具合が圧倒的なのです。まさに予想もつかないというやつです。
 感服しました。まったく以って、1位が相応しいかと思います。


 賛成できないのは、国内篇です。『満願』は6編からなる短編集です。異なったテイストの6編で、もちろん、それなりに楽しめました。
 しかし、ハードカバー1,600円を払う価値は認められません。世間の評判を聞いて買ったものの、文庫を待つべきでした。
 ミステリのアイデアを無理やり絞り出したの印象で、すんなり腑に落ちる小説ではありません。そのうえ、文章がこなれておらず、象形化しずらい点が多々ありました。小説を読む際、文章が生み出すイメージを脳内に象って映像化するのが常です。多分、皆さんも同様かと思います。
 ところが、本作の場合、どう映像化していいか判然としない文章があるのです。きっと私の読解力がお粗末なのでしょう。なにせ、「このミス」「週刊文春ベスト」「ミステリが読みたい」すべてで1位とのことで、パーフェクトを達成しているのですから。
 あるいは、帯に書かれた「入念に磨き上げられた流麗な文章」とかの惹句には得心できません。むしろ、「こなれていない文章による異質感が独特な味わいを生み出している」くらいが適当なんじゃないでしょうか。

 この短編集が第1位、どうにも理解しかねます。
目次




六百八拾四  韓流アネクドート(2014/12/22)
 私はヘイトスピーチが大嫌いです。さらに言うなら、ネトウヨにありがちな偏狭なナショナリズムもまた大嫌いです。ただ、中韓の夜郎自大な言説もまた大嫌いです。

 で、本日、面白い書き込みを見つけましたので、ご紹介します。
 書き込んでいるのは、中国に留学している方で、韓国から留学してきている女性(キョンヒヌナ)と知り合いになり、同胞同士のやり取りの中で聞いた面白い話を紹介していました。

 オムライス事件
 ある時、数人の韓国人と日本人でだべっていた時、ある韓国人がオムライスは韓国料理だろと言い始めた。
 そこでキョンヒヌナがその韓国人へ一言、「君、トンカツは子供の頃韓国料理だと思ってただろ?天ぷらもだろ?恥をかくからそれ以上しゃべるな」

 対馬事件
 ある時、今度は別の韓国人が、対馬は韓国の領土だと言い始めた。
 その理由は、「対馬は李氏朝鮮に朝貢してたから」
 そこですかさずキョンヒヌナが一言。
 「その理論だと朝鮮は中国の領土だが良いのか?」

 ある時、キョンヒヌナが俺に、「韓国の真実を見せる」と言って、アメリカのドキュメンタリーかなんかの番組の動画を見せてきた。
 それは、ニューヨークで寿司屋を営むキムさんが、「寿司は韓国固有の料理だ!」と主張しているものだった。
 俺はなんでこんな動画見せるのか理解に苦しんで苦情を言ったが、ヌナは最後まで見ろという。そしたら‥‥寿司屋の名前が「大阪」だった。
 キョンヒヌナは爆笑しながら、「な?これが韓国人だよ」と言った。

 キョンヒヌナ曰く、「大日本帝国‥‥この国名の大という文字には、領土的が小さいコンプレックスと領土的野心を感じる。大韓民国‥‥皆まで言うな!」

 朝鮮の役事件
 ある時韓国人留学生が言った。「日本の武士は韓国起源。武士は百済の末裔だから」
 それにキョンヒヌナが一言。「だったら朝鮮の役は侵略じゃなくて領土奪還か里帰りになってしまうがいいのか?」


 どこまで本当かは判りません。しかしながら、ありそうな内容でしょう。なお、元の書き込みを整理しています。文章そのものには一切手を加えていません。
目次




六百八拾参  去りゆく人々(2014/12/13)
 今年も数多くの著名人が亡くなりました。その中には残念な方々が数多いました。

 チューリップでリードギターを担当していた安部俊幸さんが亡くなったのは7月でした。ただ、インド在住であったことと、家族葬を執り行ったため、世間が知ったのは秋に入ってからでした。安倍さんの逝去が一番辛いです。
 これでもうチューリップの再結成コンサートを観ることはできません。チューリップの大ファンである私にとっては、決定的ともいえるダメージです。

 氏は姫野さんとのコンビでよい曲を作っています。次の曲は私の愛聴曲でもあります。
 『博多っ子純情(「ウェルカム トゥ マイハウス」所収)』
 『夏に別れを(「ウェルカム トゥ マイハウス」所収))』
 『思えば遠くへ来たものだ(「魔法の黄色い靴」所収)』リンク先の曲はアマチュアによるカヴァーです。
 『ここはどこ(「僕がつくった愛の歌」所収)』
 『神様に感謝しなければ(「Someday Somewhere」所収)』

 安部さんは声が通らないというか、抜けが悪いので、ボーカル向きではありません。でも、そんな特徴ある声がむしろ好きでした。


 高倉健さんの訃報を伝えるニュースにおいて、盛んに『昭和残侠伝』の映像が流されました。花田秀次郎兄さん最高です。任侠ものの最高傑作ですね。

 その健さんに続いて、文太兄さんの訃報もまた残念です。
 『仁義なき戦い』は、邦画ベスト10に必ずや数えられるものと確信します。学生時代に初めて観たとき、広能昌三の綱渡りのような極道半生に衝撃を受けました。親の山守組組長の屑っぷりがまた刺激的で、広能の苦悩を深めてゆく味わいが堪りません。
 個人的には小林旭演じる武田組組長の貫目が好きでした。梅宮辰夫もいい味で、よい役どころでした。1作目でよい兄貴分だったのが殺されてしまい、後に岩井組組長として再登場した際には、眉毛を剃ってしぶい極道ぶりでした。
 残念だったのは、大友組組長役を千葉真一がアナーキー風に演じていたのを、途中から宍戸錠に替わったのが意味不明でした。

 後にオールナイト一挙放映を観、さらにはビデオで観かえしました。昨年末にはWOWOWがハイビジョンリマスターで一挙放映してくれました。歳をくってから観ると、より映像の凄さを再認識することができました。
 あのギターソロのテーマが頭から離れません。今でもあのサウンドを聴くと、映像が重なって甦ります。


 そして今週のこと、GAROのマークこと堀内護氏が亡くなりました。安倍俊幸氏に続いて、青春の思い出が次々と欠けてゆきます。堀内氏が作った『ロマンス』が好きでした。若い方々にも、一度聴いてください。
目次




六百八拾弐  今年のベストポスター(2014/11/30)
 このポスターを知ったのは先週のことでした。ネット界隈で話題になっているとかで、見て驚きました。

 兵庫県伊丹市にある比内地鶏を扱う「とりしげ」が創ったものだそうです。制作そのものは、どこかの広告代理店でしょう。その事務所には、とんがったセンスのデザイナーが所属しているのでしょうね。少しばかり衝撃を受けました。
 まずは、その作品群をご覧ください。

 「では、ねぎまになってきます。」


 「あ、けさ産んだ卵も もって来ればよかった。」


 「こんなところで 食べられるわけにはいかない。」


 「どうもー、食材です。」


 このコピーやキャッチを、グロテスクとか動物虐待とかの観点から非難する方もいるでしょう。私は、それは当たらないと考えます。広告表現に節度が必要というご意見には大賛成です。しかしながら、動物系食材の実態に迫ると、否応もなく残酷さが浮き彫りになります。そこのところをユーモアで表現しているわけですから、なんの問題もないかと思います。

 商品開発の経緯を表現する際に、材料や素材が成り立つ経緯を記したり、成長する様を旅になぞらえる手法は従来からあります。
 このポスターは鴨葱をネタ元に、鶏に置き換えるセンスが光っています。産地から店までの納品を、鶏自身の旅で表現しているのです。旅立ちの後ろ姿、出立してから忘れ物を思い出すシーン、旅の苦難、到着と、ありがちな旅の断片で構成しています。

 このポスターは、生徒へのよきお手本となりそうです。この頁を再構成して配布したいと考えています。
目次




六百八拾壱  未来車の展望(2014/11/23)
 先週のこと、トヨタが世界初の燃料電池車MIRAIを発売しました。同日、ホンダも負けじと発表だけしました。
 燃料電池を実用化したのが日本メーカーというのは誇らしいことです。周辺システムにHVのノウハウが活用されているのが先駆けた理由でしょう。

 欧州メーカーは苦しいですね。EUのCO2排出量規制がやがて絶望的なハードルになりそうです。2,015年までに120g/km以下、2,021年には95g/km以下の規制です。規制値をクリアできないと罰金が科せられるそうです。
 95gといえば、現行プリウスレベルを実現しなきゃならないとうことです。これは生半可な数字ではありません。現行の省燃費コンパクトカーでさえ、届いていないのですから。

 欧州メーカーは、今後否応もなくHVやEVにシフトしなければいけません。小排気量ターボだのクリーンディーゼルだのと、呑気なことを言ってられなくなります。

 もう一点、50g/km以下だとインセンティブが与えられます。この絶望的な数値を軽くクリアするのが燃料電池車です。トヨタとホンダは、近い将来に対する明確な道筋を示して見せました。

 ところで、BMWの大株主がキリスト教民主同盟(メルケル首相)に69万ユーロ(約9600万円)を献金していたことが判明したそうです。BMWが抱いている危機感が窺われる話です。

 このような展望のなかでも、自動車評論家の一部の方々が戯言をほざいています。ダウンサイジングターボやディーゼルを主力とする欧州メーカーの見識に習うべしとか。

 そのダウンサイジングターボですけど、小排気量ターボの極みは、日本の660ccターボです。軽に採用するのは大いに意味があるでしょう。あるいはディーゼルも抜群の相性ですね。圧縮比を大幅に下げ、その分チャージ圧を高める手法です。大トルクに加え、振動が少なくなりますから必須とも言えます。

 それ以外だと、選択の問題でしょう。ターボかNAかは、結論の出ない好みの問題でしょう。少なくとも、日本メーカーはかつて世界に冠たるターボ多産症候群に罹っていたくらいです。あらゆるパターンをやり尽くしています。その結果として、NA、HV、EV路線に変更したわけです。
 ターボに頼るのでなく、燃焼そのものの研究を進めたり、あるいはHV,EVに邁進してきたわけです。個人的には、燃焼効率向上路線こそが王道だと思います。マツダ、トヨタ、スズキはすでに舵を切っています。これこそが内燃機関ブレークスルーの極致です。

 そしてイノベーションというべき燃料電池車です。日本メーカーの路線こそ王道であり、欧州車メーカーを称揚する評論家って本当に信用できません。
目次