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八百八拾   ガレージの備品取付終了(2018/11/10)
八百七拾九  平成最後の全日本剣道選手権大会(2018/11/3)
八百七拾八  巨星西澤潤一氏墜つ(2018/10/28)
八百七拾七  村田選手終了(2018/10/21)
八百七拾六  井上尚哉選手、世界の檜舞台へ(2018/10/13)
八百七拾五  上物完成直前(2018/10/6)
八百七拾四  秋の夜長に社会派ムービー(2018/9/29)
八百七拾参  社日のお祀り(2018/9/23)
八百七拾弐  倉庫完成(2018/9/15)
八百七拾壱  震度7の脅威(2018/9/8)
八百七拾   リフォームもう一息(2018/9/2)
八百六拾九  巨星墜つ(2018/8/27)
八百六拾八  営繕工事の敵は猛暑(2018/8/19)
八百六拾七  アマチュアボクシングには絶望しかないのか(2018/8/11)
八百六拾六  刀装一新(2018/8/2)
八百六拾五  世界に羽ばたくボクサーたち(2018/7/29)
八百六拾四  電子タバコと加熱タバコ(2018/7/25)
八百六拾参  日本刀改装(2018/7/18)
八百六拾弐  復活!パッキャオWBA戴冠(2018/7/15)
八百六拾壱  大雨特別警報の乱れ打ち(2018/7/7)




八百八拾   ガレージの備品取付終了(2018/11/10)
 ガレージ兼倉庫の装備品取り付けも完了しました。注文していた品が届き、施工も終わりました。
 まずは感知式照明です。夜間の帰宅時に暗闇で手さぐりしたり、足元に気を使ったりから解放されます。下図のとおり、二か所に設置しました。感知式は防犯上も好ましいです。泥棒が足を踏み入れた瞬間に点灯するとあって、さぞかし泥棒も焦ることでしょう。



 次に必要だったのは、プライバシー保護のための目隠しです。いろいろ迷った結果、従弟のアドバイスに従って巻き上げ式スクリーンを二か所に取り付けました。



 上図のとおり、戸口の横枠に巻取収納ケースを取り付けています。間口3mに対し、2m幅のスクリーンながら、下図のように角度的に外からは覗けません。ちょうど手前左のガレージで隠れることとなります。奥のスクリーンも角度的に、足らず部分をブロック塀が遮ってくれます。

 半透明のスクリーンなので通気性があります。ただ、さすがに風があると風圧で押されて具合が悪くもあります。あくまで臨時の目隠しであり、普段は巻き上げておきます。





 ぶっちゃけた話、居合稽古用の目隠しです。まさか刀を振り回しているところを近所の方々に見られるわけにはいきません。便宜的に降ろすスクリーンなのです。

 カーテン、ブラインド、シェード類も検討しましたが、これらはあくまで室内用なので向いていないと拒否られました。ならば、アコーデオン式のパネルカーテンならどうだと訊ねても色よい返事がもらえませんでした。で、従弟が提案したのが縦巻き式のロールスクリーンだったのです。個人的には、アコーデオン式のパネルカーテンの方が正解なんじゃないかと思うのですが、専門家に逆らうのは気が引けました。下手の考え、休むに似たりとか言いますもんね。
 いずれも室内用なので、外での使用には問題があるのでしょう。通気性の半透明スクリーンなら、風圧をある程度逃がせるとの考えなのかな。

 建物のやり替えはすべて片づいたものの、境界の畦畔コンクリもついでに修繕することにします。更地にして見通しが良くなったため、他家の田圃と接した境界のコンクリートがボロボロであるのに気づきました。一部は崩れてさえいました。非常にまずいので、畦畔コンクリートもやり替えることにしました。
 型枠工事を務めてくれた棟梁がすでに現地確認も済ませてくれています。他の仕事が片づき次第ということで、取りあえず待ちぼうけです。やはり、まだまだ解放されません。
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八百七拾九  平成最後の全日本剣道選手権大会(2018/11/3)
 本日文化の日は、「NPB日本シリーズ王手第6戦」だの、「講道館杯全日本柔道体重別選手権」だの、「フィギュア フィンランド大会」、あるいは「世界体操ドーハ2018 種目別決勝」などスポーツ観戦の見どころたっぷりです。

 でもね、文化の日といえば、なんといっても「全日本剣道選手権」ですよ。平成最後の第66回大会は劇的な展開で、まるでマンガみたく、出来すぎな結末でした。決勝は昨年と同じ対戦で、西村英久(熊本)vs内村良一(東京)となりました。西村選手が勝てば、宮崎、高鍋に続く連覇達成となり、内村選手が勝てば、優勝4回(準優勝4回)達成となります。なお、両選手以外にも、世界選手権で個人優勝した安藤選手も注目されていました。

 決勝戦は西村選手が39秒で小手を決め、再開直後に再度小手を決めるという速攻で連覇を果たしました。個人的には大会常連である内村選手に馴染というか愛着があり、どうしても贔屓目で見てしまいます。ただ、あまりにあっさりした負け方なもので悔しさを覚える余地もありません。

 平成という時代にあって、実に印象的な剣客が輩出しました。宮崎正裕氏は優勝6回、準優勝2回という史上最高の戦績で、「平成の千葉周作」を称するに相応しい方でした。昔は出場資格として段位が問われ、若き宮崎氏は段位が足りなくて出場できませんでした。この資格制限がなければ、優勝回数はもっと増えただろうとかいわれています。

 また、高鍋進氏も優勝2回を連覇で飾りました。氏の面打ちは日本最速とされ、誰もが認めるものでした。そして高鍋氏に期待された史上初の3連覇を阻止したのが竹ノ内佑也氏です。

 62回大会において、21歳という史上最年少の筑波学生で優勝し、このとき高鍋3連覇を阻んだものです。竹ノ内氏もまた、天才の誉れよろしく期待されて警視庁に奉職しています。なお、今年の東京大会準々決勝で竹ノ内氏は内村氏に敗れました。場外反則合わせ一本でした。なんかあほらしい負け方ですけど、反則前に内村氏に胴で一本を取られていますから仕方ないです。
 その胴は、正面から袈裟に斬る胴で、内村氏の得意技なんじゃないでしょうか。うろ覚えですけど、今日の準決勝でもこの技を決めたはずなんですけど。歳をとると忘れっぽくなって、今日のことさえ曖昧になっています。

 他にも栄花兄弟、石田兄弟、そして宮崎氏にも弟がいて兄弟で決勝戦を闘っています。このときは弟が勝っていて、もし正裕氏が勝っていれば、5連覇というとんでもない記録を記す筈でした。

 相撲界は相撲を国技などと僭称していますが、根拠なしの出鱈目です。国技に最もふさわしいのは言うまでもなく剣道です。年に一度、全日本剣道選手権大会を観戦すると、自分も日本人の一員なんだと再確認させられます。剣の煌めきに心を奪われてしまうのです。
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八百七拾八  巨星西澤潤一氏墜つ(2018/10/28)
 長年、東北大学教授を務めた西澤潤一氏が先週の21日に亡くなったそうです。92歳の大往生でした。西澤氏の業績の凄さは言うに及びませんが、私のような田舎の人間にも大きな影響を与えてくれました。

 仕事がら技術開発についてウォッチングし続けてきました。本来は技能の方が専門ながら、技術と技能は車輪の両輪に当たるとあって、身近な話でした。特に昭和50年代から日米貿易摩擦が深刻化し、次いでプラザ合意以降の円高によってもたらされた“Japan as Number One”に代表される日米間のせめぎ合いが各方面で論じられました。

 技術の先進性についての日米比較が盛んに行われ、一時は日本もアメリカに互す時期がありました。“技術立国”が日本の生命線のように捉えられ、合言葉のように使われました。そして、いかに画期的な技術開発を成すかが大きなテーマとなり、焦点を当てられたのが西澤氏でした。
 西澤氏の業績はあまりに凄いもので、凄すぎて笑うしかありません。あの時代を生き、日本の行く末に思いを致した人間なら、一度ならず西澤氏の言葉に耳を傾けたことでしょう。
 西澤氏が訴えた内容は、当時世間で一般的に流布されていた言説とは異なるものでした。従来の議論に違和感を覚えていた私は、西澤氏の主張に感じ入るとともに深く納得しました。

 発明や発見に必要な態度は、豊かな発想や多彩なアプローチなどが眼目であるとされていました。しかし、どうにも疑わしかったものです。昔から、斬新な技術開発やアイデアの実現を“千三つ”と称していました。これは成功に至る効率の悪さを表した言葉です。その難しいアイデアの実現を高い確率で達成し、成果を上げてきたのはイギリスです。そのイギリスにおいて実施されてきた高等教育は、古典教育や哲学的な原書に時間を割くようなものです。ですから、世上言われているような、多彩な発想を掘り起こすスタイルではありません。

 西澤先生が強調していたのは、「理論を突き詰め、正しい道筋を追うこと。その方向の先に求めるものがある」「それを発見したり、実現するには、忍耐が求められる」などの趣旨を述べていました。いかがでしょうか、基礎研究とか基礎技術を実現するために大切なのは、多彩な発想とかでなく、正しい理論を追い、ひたすら追求する忍耐ではないでしょうか。

 西澤氏逝去の報に接し、ひとつの時代が終わったことを実感させられます。西澤氏が達成した事績は多岐に及びます。しかしながら、氏の業績が正当に評価されたか怪しいのです。固陋な学会秩序、年功序列、短視眼的判断しかできなかった特許庁など、不運を一身に浴びてしまいました。以下は調べるのが面倒なので、適当な記憶で書きます。
 前述の不運がなければ、トランジスタの基本特許というか半導体の基礎理論の幾分かは西澤氏にあったでしょう。また、光ケーブルの基本特許も所有すべきものであったわけで、そこから生み出される富は天文学的なものでしょう。いえ、西澤氏は無償提供を基本スタンスにしていたので、商売にはしなかったでしょうけど。
 そして、ものごとがうまく転回していれば、ノーベル賞を2回受賞していても不思議でなかったかと思います。まことに残念なことです。
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八百七拾七  村田選手終了(2018/10/21)
 井上尚弥選手快進撃の一方で、残念な試合がありました。本日、ラスベガスにおいてWBAミドル級タイトルマッチが開催され、王者の村田諒太選手に同級2位のロブ・ブラント選手(米国)が挑んだものです。結果は大差判定で村田選手が負けました。
 日本全国のボクシングファンたちは、「終わった、終わった。日本人選手が重量級でビッグマッチに関わる夢は、結局のところ夢に終わった」とばかり肩を落としています。
 村田選手はロンドン五輪金メダリストという勲章を手にすることによって、この金バッジを後ろ盾に日本人初のスーパーマッチを実現できるかもという夢を持たせてくれました。ミドル級には、サウル・アルバレス、ゲンナジー・ゴロフキン、ジャーモール・チャーロ、ダニエル・ジェイコブス、ピーター・クイリンといったビッグネームが存在しています。彼らのボクシングは躍動的、かつ攻撃的とあってファンたちを熱狂させるものです。そんなビッグネームと日本人選手が対戦するなんて、村田以前にはあり得ない話だったのです。

 今日の試合はそのための前哨戦でした。勝利すればというか、鮮やかな勝ち方ができれば、次はビッグネームとの対戦が組まれるだろうと期待されていました。対戦相手の力量が明確でなかったので、試合の帰趨が読めない状況でした。
 私も YouTube で断片的な映像を見ただけで、判断し難いところがありました。速いステップワーク、多彩なコンビネーション、強打を打ち抜くのでなく速い回転で打って離れるボクシングと思われました。村田選手と対照的です。村田選手は攻防分離型で、ブロッキング主体の防御で受け、その後で打ち返すというものです。

 そんな両者の相性からすると、手数とステップワークでブラント選手がポイントアウトする展開が予想されました。一方で、体格で勝る村田選手が相手を圧迫し、得意のワンツーで抑え込む展開も考えられ、アメリカ関係者のオッズも村田有利を予想していた模様です。

 現実の試合結果は前者の予想が当たりました。ブラント選手が速いコンビネーションを矢継ぎ早に出して圧倒しました。打点も正確で、軽打ながら顔面に多数ヒットしたおかげで村田選手の顔は腫れ上がりました。

 攻防分離の村田選手はカウンターを取ることもできず、前後左右のステップを踏んで止まらないブラント選手にパンチを当てることができません。しかも、村田選手は特定の距離でしかパンチを打てないので、攻撃の幅が狭いのです。村田選手に限らず、帝拳ジムの選手に共通の欠点ですね。今回も腕を伸ばしてのプッシングや抑え込みをやっていました。右クロスを打つ距離を取るために相手を固定しようとしての悪あがきです。癖になってもいるのでしょう。レフェリーに注意されても繰り返していました。プロデビューしてからずっとやっていた癖ですから、今さら修正もできないのでしょう。というか、トレーナーがきちんと指導すべきことです。

 もう一点、今回も左フックが機能していませんでした。村田選手はSNSで左フックを磨き上げた旨のコメントを書いていたそうですが、従来とまったく変わるところがありませんでした。

 32歳なのでおそらく引退するのではないでしょうか。引退せずに再起を図るなら、ボクシングを変えることが必須です。年齢がいっているので、今さらボクシングを大きく変えるのは難しいでしょう。まして、攻防一体のボクシングを指導できるトレーナーがいないとあっては、どうしようもありません。残念ですが、村田選手のチャレンジもここまでかと思います。
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八百七拾六  井上尚哉選手、世界の檜舞台へ(2018/10/13)
 ※ この項はすべて敬称を略します。

 先週日曜日、横浜アリーナにおいて世界が注目する試合が行われました。WBAバンタム級王者 井上尚弥 vs 元スーパー王者で4位のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)戦です。この試合はバンタム級頂点を争うトーナメントの準々決勝でもあります。8選手によるトーナメントで、世界が注目しています。

 このトーナメントの優勝賞金は明言されていませんが、最低でも1億超えが保証されているそうです。格闘技界において、ファイトマネーと別にこんな大金が提示されるのは、日本人選手にとって前代未聞です。かつて、キックボクシングが沈滞状況に陥ったとき、再興を目指して中量級オープントーナメントが開催されました。その際の優勝賞金が300万円程度であったはずです。キックの貧しさは仕方ないにしても、軽量級ボクシングもまた高額なギャラに縁がありません。

 WBBSと称されるクラス最強を決めるバンタム級のトーナメントにおいて、世界中のボクシング関係者が優勝候補と見なしているのが井上尚哉です。井上はリング誌によるPFPトップ10にも選ばれています。
 リング誌が10月7日に発表したトップ10
 1位 ワシル・ロマチェンコ
 2位 テレンス・クロフォード
 3位 サウル”カネロ”アルバレス
 4位 ゲンナジー・ゴロフキン
 5位 アレクサンドル・ウシク
 6位 井上尚弥
 7位 マイキー・ガルシア
 8位 シーサケット・ソー・ルンヴィサイ
 9位 エロール・スペンス・ジュニア
10位 ドニー・ニエテス

 上掲10選手の中から、さらに私見で強者を抽出するなら次の4選手です。テレンス・クロフォード、ミゲール・ガルシア、ワシル・ロマチェンコそして井上尚弥。
 ここで井上の名を挙げるのは、決して身内贔屓からではありません。その勝ちっぷりが圧倒的なのです。暴風雨というか、一瞬で倒し切る様は落雷直撃にも似ています。その見事さから、世界中のボクシングファンが関心を集め、その多くがパッキャオの後継と看做しているのです。

 パッキャオが2階級制覇後、フェザー級に挙げてマルコ・アントニオ・バレラとノンタイトル戦を闘いました。バレラが全盛期とあって、パッキャオは代役のかませくらいの扱いでした。ところが2度のダウンを奪ってTKO勝ちという圧倒ぶりだったのです。この試合で一気にパッキャオの名が世界に轟きました。

 さしずめ、このバレラ戦が井上のナルバエス戦に該当します。その後の初防衛戦でも2回にガードの上からフックを叩きつけて倒しきるという離れ業を見せました。
 続けてWBA世界バンタム級王者ジェームス・マクドネルと対戦し、初回1分52秒TKO勝ちで3階級を制覇しました。そして、先週の初防衛戦が初回1分10秒KO勝ちという、まさに衝撃的な内容でした。

 パッキャオはバレラ戦後も強豪と戦い続け、WBAフェザー級スーパー王座、IBFフェザー級王座統一王者のファン・マヌエル・マルケスと闘い、初回にダウンを3回奪うという劇的な内容でした。この試合は引き分けでしたが、ジャッジ1名が採点を間違っていて、その間違いがなければパッキャオの勝ちでした。いずれにしても、当時無冠といえフェザー級で最強を謳われたバレラにも勝っているのですから、事実上の7階級制覇です。
 続いて元3階級王者エリック・モラレスに僅差で敗れ、再戦では10回TKO勝ち、再々戦で3回KO勝ちとその差を開きました。さらにマルケスと再戦し、僅差で3階級制覇を成し遂げました。

 このあたりまでの活躍で、パッキャオは世界中を熱狂させるスーパースターに位置づけられました。残念ながら、同じ3階級制覇といえど、井上にはまだそこまでのステータスはありません。今回の劇的な初回KOを以ってしても及んでいません。
 パッキャオと闘った相手はむしろ格上のスーパースターであり、パッキャオが勝つことによって、そのオーラを奪い取ったやに思われました。

 WBSSのトーナメントで強敵を圧倒できれば、上に記したS.フェザー級までのパッキャオの活躍にも比すことができます。まずはバンタム級を圧倒的な力で制覇することです。そして、そこからが勝負なのです。
 パッキャオにしても、S.フェザー級以後がキャリアの頂点なのですから。ライト級を手始めに中量級で前例のない大活躍を見せました。
 パッキャオの後継と看做すのも、期待できる素材なればこそで、より高いレベルの試合が見たいのです。また、井上には可能だとしているのです。

 私見ですが、井上はS.バンタム級とフェザー級までは確実に獲るでしょう。すると5階級制覇ということになります。そこまでの活躍に疑問を持ちません。問題はその後です。果たして、S.フェザー級から上にも通用するのか、ディープなファンたちの興味は、すでにそこにまで至っているのです。
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八百七拾五  上物完成直前(2018/10/6)
 車庫と倉庫はほぼ完成しました。
 グレーチンも設置されました。グレーチンを入れ込むフレームをセメントで固定しています。で、クレームを入れました。立ち上がり基礎じゃあるまいし、通路となる箇所に壁のような垂直面のままで完了させるつもりだったそうです。段差は2〜5cmで、下図のとおり手前側の段差が大きくなっています。
 道路と連結している状態で、ここに躓いて怪我でもされたら管理責任を問われます。道路面に合わせて均すよう申し入れ、下図のとおりモルタルで段差を埋めていただきました。しかし、こんなことを施主に言わせんなよとか情けなくなりました。こんな段差、安全注意義務に配慮すれば、とうてい放置できるできるものではありません。

 グレーチンは厚みがないので水流を妨げません。せっかくの配慮も、近所の方々は気づいてくれません。悲しい。



 先週、台風24号が上陸し、暴風雨に晒されて横殴りの雨が叩きつけてきました。実は台風に感謝しています。暴風雨のおかげで問題点が露呈しました。ガルバリウムの噛み合わせ箇所の仕舞が甘く、雨水が浸透しまくりました。
 下図のように、片流れのガレージ屋根はほぼ全面に浸透していました。切妻の屋根は勾配もきついとあって、本来であれば雨水が入り込むこともない筈です。それが一部に浸透し、板材を激しく濡らしていました。



 従弟に連絡を入れたところ、翌日には現地確認に訪れ、板金屋さんにも連絡を取りました。板金屋さんと相談し、必要な材料決めと採寸をして、すぐに発注した模様です。

 下図のように、雨水が隙間から入り込まないよう、幅広面で被せています。また、木材断面でも雨水を遮断するよう金具で覆いました。破風板などの断面には、一応がとこ塗装を済ませ、塗膜で遮断しています。今回のカバーは念を入れてのことです。塗装屋さんにどんな塗料を使っているか訊ねたところ、素人に判るまいとか思ったのか、まともに答えてくれませんでした。重ねて訊くのも角が立つので諦めました。

 新品の板材が雨水でほぼ全面汚れてしまったことから、従弟も板金屋さんも責任を感じているのでしょう。しかし、この補修作業が別料金で請求されたら、少し腹が立ちます。最初から、雨水が入り込まないような仕事をしていただきたいです。

 下図左の赤丸をご覧ください。斜面のガルバと垂直面との隙間から雨水が入り込んできたので、補修によって隙間をなくしています。右の赤丸が、木材の断面を覆うカバーです。



 ガレージ兼倉庫の利用方法は下図のとおりです。さっそく軽自動車を置いています。
 井戸の横に洗い場のパンを設置しています。今も毎日運動がてら井戸水の汲み替えを行っています。台風の後、水がかなり濁りまして、これをすべて汲み出すのは重労働だとげんなりしていたところ、翌日には透明でした。多分、地下水は流れているのでしょう。これまで我が家の井戸は、溜まり水(湧水)かと誤解していました。



 残すところは、排水区画の処理だけです。それが終われば、やっとお茶出し接待から解放されます。これで自分の時間が自由になります。ここまで、およそ4か月の工程でした。
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八百七拾四  秋の夜長に社会派ムービー(2018/9/29)
 近年のアメリカ映画の堕落には目を覆うものがあります。『アベンジャーズ』の超絶ヒットが呼び水になったものでしょう。稼げるとなると映画会社に迷いはありません。

 マーベル・コミックとDCコミックのヒーローたちを混ぜご飯よろしくミックスさせ始めました。バットマン、スーパーマン、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルク、マイティ・ソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、ワンダーウーマンなどなど。当然のこと、ストーリーは無茶苦茶です。プロデューサーたちとライターが頭を寄せ合いながら、銘々が行き当たりばったりの思いつきを口にし、屋上屋を重ねるが如き企画会議が目に浮かびます。

 そんなクロスオーバー映画は安っぽい設定と安易な展開でありながら、いざ公開すると良好な興業実績を上げます。儲かる以上、会社はより力を入れるでしょうし、今後も沈静化することはないでしょう。

 そんなお馬鹿エンタテインメント隆盛の一方で、やはりアメリカの映画人たちはチャレンジングです。最近レンタルした映画は、ノンフィクションものが充実していました。内容は、いずれも70年前後を舞台にしたアメリカの裏面を描いた良作です。

『ペンタゴン・ペーパーズ 最古機密文書』
 マクナマラ国防長官が行ったベトナム戦争の分析評価は、政府にとって不都合な内容満載でした。そのために分析はお蔵入りし、政府はなにもなかったように振る舞いました。政府の不誠実に怒った研究者が、この最高機密を密かにニューヨーク・タイムスに流し、タイムズは内容の一部を報じました。それを受け、政府側は報道の差し止め訴訟を起こしました。

 関係者は続いてワシントン・ポストに文書を渡します。ポストは上場を控えた難しい時期とあって、報道すべきか難しい選択を迫られます。ポストの経営陣と報道現場が丁々発止のやり取りをする緊迫の中、報道に携わる者はいかにあるべきかを問う映画です。

 ラストシーンは、あざとさいものでした。大多数の方は感じ入るでしょうが、私は本来の余韻を曇らせる素人っぽい演出だと思います。

『ザ・シークレットマン』
 『大統領の陰謀』はニクソン選対陣営が仕掛けた民主党盗聴事件をポストが暴露したものです。事件の詳細をポスト側にリークしたディープスロートの存在があったわけで、政府機関の高位者と考えられていました。
 本作はそのディープスロートが主人公のノンフィクションです。FBI副長官が情報漏洩者で、ニクソン政権とFBIとの権力闘争の中で、マスコミに流して司法の独立を勝ち取ろうと策動したとされています。その副長官は退任後も漏洩を否定していたものの、死ぬ間際に告白したそうです。

 事実は藪の中にしろ、当時からディープスロートは政府機関の枢要にある者と推定されていました。下っ端にはアクセスできない情報でしたから。FBI副長官ならだれもが納得です。

『デトロイト』
 67年のデトロイト暴動の最中に、現地警官がモーテル宿泊者を暴行、射殺した実話を題材にしています。黒人差別の峻烈さを背景にした緊迫感あふれる再現劇です。当時の記録や証言を元に緻密に再現したとあって142分に及ぶ大長編となっています。
 白人警官たちによる傍若無人な暴力、人権無視、抜き難い人種差別がこれでもかと繰り広げられます。観る者は不快感に囚われ、目をそむけたくなります。そんな不条理が70年代まで現実に行われていて、今もなお黒人被疑者に対する警官の暴力は止んでいません。黒人への暴力沙汰が頻繁にニュースになっています。きっと、アメリカの観客にとっては、胸を抉られるような痛みを伴う映画なのでしょう。


 ヒーローたちを寄せ集めたご都合主義丸出しの映画が量産される中、『ペンタゴン・ペーパーズ 最古機密文書』、『ザ・シークレットマン』、『デトロイト』といった本格的社会派サスペンスも作られるわけで、やはりハリウッドは凄いところです。今さら日本映画と比べても仕方ありませんけど。

『レディ・プレイヤー1』
 息抜きに一作だけSFエンターテインメントを選びました。
 私にとっての見どころは、二つ目の鍵を得るためにキングの世界に入り込むパートです。「キングの嫌いな自作品は?」でしたっけ。この設問の答えは世界が知っています。キューブリック監督の『シャイニング』ですね。
 キューブリック版へのオマージュとして、映画の名シーンがそっくり再現されています。双子の娘、血の奔流、例の部屋の怪異などキングファンは喝采したことでしょう。

 『シャイニング』原作、キューブリック版、TV映画版の関係や経緯については、これまでにも何度も触れているので省略します。とにかくキングは、キューブリック版が我慢ならなかったのです。
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八百七拾参  社日のお祀り(2018/9/23)
 本日、秋分の日は“社日秋祀り”でもあります。土地土地の産土神に対して、春は五穀豊穣を祈り、秋は感謝を捧げます。私の住む地区が今年の秋の社日の頭組に当たり、我が家が頭元に指名されました。その内容や手筈についてあらかじめ調べ、1か月前の会合で頭組氏子たちと当日の役割分担を決めました。

 他の氏子たちは当日の役割だけです。やはり頭元が事前準備やら買い出しやらを務めます。数日前には榊を切り集め、2日前にはお供えものの買い出しを終えました。ついでに会計報告やらも作成して当日を迎えました。

 早朝から宮司さんの来訪を予約しました。当日は他地区の祭り本番もあり、宮司さんも多忙な身体です。他地区の祭り前なら時間を割けるとのことで、7時半に頭元宅での神事開始となりました。


 今日は早くから起きて準備に追われました。準備物は下図のとおりです。
 酒、洗米、塩、水に加え、干しうるめ、するめ、バナナ、きゅうり、茄子などの山海の物を取り揃えました。できるだけ新鮮なツヤが欲しかったので冷蔵しておいて、直前の準備となりました。また、榊も直前に切り揃えました。



 宮司さんが我が家での神事を執り行い、続いて農業用溜池ほとりにある社での奉納を行いました。
 地区の他の担当班が、事前にきれいに掃除してくれていました。



 最後は本殿脇にある荒神さんで締め括りました。頭組氏子全員が揃って拝みました。氏子も減っています。面倒ごとを嫌ったり、年齢的に無理ということで外れた者がいます。
 荒神さんも担当班がきれいにしてくれています。みんな蚊に刺されながら頑張ってくれました。早朝とあって蚊が満ちています。猛暑が過ぎ、気温が緩んだために蚊の活動が活発になっています。蚊も冬越しに備えて生きるのに必死です。



 本来であれば、直会(なおらえ)と称して全員で労いを行うそうです。しかし、できるだけ手間を省こうということで、なんにもなしで解散となりました。なお、お供え物は私の一存で分け、地区氏子の面々に届けました。次の寄合のときにでも会計報告を行って集金の段取りとなります。
 肩の荷が下りました。これで安眠できるというものです。
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八百七拾弐  倉庫完成(2018/9/15)
 ガレージ兼倉庫も完成しました。あとは入口周辺のモルタル仕上げと道路とを繋ぐグレーチン設置だけです。
 用水路の橋渡しについて、本来はコンクリートの床版を使う予定でした。床版は厚みが150mmほどもあり、水流の邪魔になる恐れがあるので遠慮しました。周囲が農家なので、田圃への水入れで文句を言われては堪りません。



 下図のようにグレーチンを設置することにし、受けの工作に掛かっているところです。グレーチンであれば、厚みが50mmほどで済みますから問題がありません。水流を避けるとなると、できるだけ上に設置しなければいけません。コンクリート床版のように厚いと飛び出ますから、道路面と合わせる際に坂になります。



 同時にエアコン、プロパン、床下乾燥機などを設置している区域の基礎も仕上げます。工事は猛暑を避け、夏場が過ぎてからにしようとやり残していました。



 内部の様子です。でき上がれば軽自動車のガレージにします。棚も設えてくれました。さすが本職の大工さんとあって、頑丈な棚です。耐荷重150kgといったところでしょうか。

 中心部の櫓は井戸の桁です。つるべバケツを吊り下げています。長いこと使っていなかった井戸なので、最初は黄色く濁った水でした。何度も汲み替えるうちに水の透明度が上がっていきました。ここ数日間で200杯ほど汲み出したでしょうか。
 すでに無色になっていますが、透明度はまだまだです。運動がてら、井戸水の汲み出しを日課にしています。かつて、井戸水を本格的に利用していたとき、まさに無色透明でした。そこまでの純化は、まず以って無理でしょう。本職に清掃を依頼すればよいのでしょうけどね。



 素人の建築プランは駄目ですね。でき上がってみなければ、完成後の使い勝手や光線の具合が予測できません。いろいろ不満があり、ああすればよかったなどと後悔しまくりです。

 大工さんも板金屋さんも型枠大工さんも、みんな気のいい職人さんです。施主の意向を気にかけてくれ、配慮もしてくれました。問題は、そもそもの建築プランなのです。
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八百七拾壱  震度7の脅威(2018/9/8)
 震度7の地震というのは、本来であれば人間なぞ蹂躙されるに任せるしかない自然の脅威です。それを、人間の闘争心と克己心、そして英知で以って対抗しているのです。家屋の耐震強度なぞ典型でしょう。昔の家屋なら全倒壊間違いなしのところ、今や相当部分が抗って見せます。橋梁や道路などのインフラにしても、大規模な地殻変動には耐られないものの、鉄筋やコンクリートでかなりの抗堪性を発揮します。

 それでもさすがに震度7ともなると、未だ人知の及ばない破壊力を蔵しています。平成以後の震度7は数回に及び、いずれも凄まじい爪痕を残しています。
 1995年1月17日の阪神淡路大震災
 2004年10月23日の新潟中越大震災
 2011年3月11日の東日本大震災
 2016年4月14日と16日の熊本地震

 そして、先日9月6日の北海道胆振東部地震です。被災地の地質も影響したそうで、見たことのない地滑りが起こりました。このような事態について、誰であっても予想できなかったでしょう。となると、地震予知なんて意味あるのでしょうか。

 ロバート・ゲラー氏の訴える「地震予知は害悪である」が、まさにこれでしょう。下手に特定の地域を予想すると、それ以外の地域の方の意識が緩んでしまいます。震度7レベルのカタストロフィが、いつどこで発生してもおかしくないのが日本の実状です。すべての国民が大地震に備えるべし、というのがゲラー氏の主張です。
 災害が起こると誰もが備えの重要性を口にします。ところが、日月を経て生活に追われる中でやがて忘れ去られます。特に地震予想から外れている地域だと、大半の方が真剣に考慮しないでしょう。

 今回、300万人近くが停電を経験したそうです。電化に囲まれ、IT利用に馴染んだ現代人は、停電によって生活の利便性の大半を失ってしまいます。西日本の水害で猛暑に遭った被災者に比べ、9月に入った北海道とあって、まだしも過ごし易くて助かりました。これが猛暑や冬場だったら大変な事態となっていたでしょう。

 そんな具合に停電は重大な問題を突きつけます。しかし、それ以上に致命的なのは断水です。田舎だと身近に川が流れていますが、都会だと暗渠水路だったりで利用しづらい状況があるでしょう。断水がもたらす最大の課題は排便です。飲料水はペットボトルや配給で凌げます。しかし、トイレ用には再生水とか河川の水を利用しなければいけません。で、都会だとそのような利用すべき水が身近にないでしょう。となると、水洗を諦めて面倒なサバイバル式排便始末が必要になります。

 断水で流せないと分かっていても、人間は生理現象に勝てずに排便しがちです。その結果、便器に大便が大盛りとなります。非常時にあって、田舎なら排便場所に困りませんが、都会じゃ難儀するでしょう。阪神淡路大震災で、避難場所の学校のトイレがすぐに大便てんこ盛りになったそうです。断水で流せないと分かっていても、やっちゃうんですね。避難住民たちがボランティアの方々に対して、便所のアレをどうにかしてくれって文句を言ったとかの逸話があります。都市伝説かもしれませんけど。

 田舎ならともかく、都会であれば停電に備えての予備電池、ラジオの準備、非常食、排便始末の材料などをあらかじめ手配しておくことが必須でしょう。震度7は、誰であっても遭遇する惧れがあるのです。

 ニュースで被災映像を見ていると、キングの『クラウチ・エンド』が思い起こされました。この短編を読んでいたとき、文章からイメージさせられたのが今回の映像です。道路が捩じれて掘り返されたような、あのありえない映像です。液状化と地層のずれによって引き起こされたものでしょう。
 そんな異常事態によってのみ見ることができる映像なのに、キングは自身のイマジネーションのみで描出してみせたのです。彼の才能にはリミットがない模様です。
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八百七拾   リフォームもう一息(2018/9/2)
 2日後に非常に強い台風が直撃するものと予想されています。台風は建築途中の我が家にとって天敵です。

 母屋に併設するガレージはほぼ完成しました。下図のように、後は樋や金物を敷設するだけです。屋根と壁装を母屋に似た色合いとテクスチュアで揃えました。こうすることで母屋との一体感が醸し出され、家が大きく見えるのです。知らない人が見たら、元々から一体で建てられた構造物だと勘違いするでしょう。



 裏のガレージ兼倉庫が遅れています。台風が近づいているということで、大工さんも急いでくれました。一昨日に棟上げを開始し、昨日には垂木を打ち、野地板を張って防水シートまで張りました。これで一応がとこ安心です。

 それでも雨水に濡れるのは嫌なものです。間が悪いというか、工程遅れが悔やまれます。猛暑の夏とあって仕方ありませんけど。



 どんな現場でもトラブルなしにはことが運びません。今回は明り取りが無視されていました。
 野地板を張る様子を窺っていると、切欠きがまったくないものだから、恐る恐る訊ねました。大工さんも驚いて図面を開くと、切欠きのない図面と切欠き指定のある図面が併存していました。
 急遽張り終えたコンパネを剥がして切り欠いてくれました。下図がその切欠きです。台所の窓とトイレの窓に光が届く予定です。半透明のポリカーボネートを敷いて、上からガルバリウムを被せればよいかと思います。いえ、従弟にすべてお任せしますから、余計なことは言いませんよ。



 内部には棚や井戸の小屋を設置します。その辺りのことは大工さんにお任せです。大まかな希望だけ伝えています。そこから先は大工さんのセンス次第です。がっかりせぬよう期待していますが、物事はそう上手くは運びません。顔で笑って心で泣くとか、よくある話です。
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八百六拾九  巨星墜つ(2018/8/27)
 昨日のAFP通信の記事から引用します。

 ジョン・マケイン米上院議員死去、81歳

 米共和党のベテラン上院議員でベトナム戦争の英雄でもあるジョン・マケイン氏が25日、死去した。81歳だった。マケイン氏の事務所が明らかにした。マケイン氏は脳腫瘍の治療を中止したばかりだった。

 マケイン氏は米国内の分断が深まる中、党派にとらわれない活動を行っていたことでも知られている。

 事務所は声明で、「ジョン・シドニー・マケイン3世は8月25日午後4時28分、妻のシンディさんとご家族に看取られて永眠いたしました」、「彼は死の間際まで、60年にわたってアメリカ合衆国に誠実に尽くしました」と述べた。


 マケイン氏はアメリカの良心といっていい政治家であったかと思います。軍人経歴のなか、長期に渡るベトナム捕虜生活を送っています。その間、拷問にも屈せず、北側に強いられた政治メッセージを発するに当たって、士官教育で受けた暗喩を送るなど見事な対応をして見せました。また、北側が持ちかける取引に一切応じず、長期間の捕虜生活を自らに受け入れました。

 そのような経験を積むと、必ずや人間は変わるものです。マケイン氏は正真正銘の本物であったと思われます。共和党の重鎮というだけでなく、一市民、ひとりの人間としてのあり方を生涯追求した方でしょう。

 上院議員としても別格の存在感を有し、党派を超えてアメリカを代表する人士の風格があったものです。そこまでの政治家であれば、軍艦への命名が考慮されます。
 父祖も軍人で、海軍大将まで務めています、その功績を称してイージス艦に名が冠されています。亡くなったマケイン氏もその命名に含まれているというのが残念です。

 アメリカの原子力空母の名は、大統領から取ることとされています。しかし、カール・ヴィンソンだけは上院議員です。カール・ヴィンソンは二次に渡るヴィンソン法案で以って、軍艦大幅増備を謳った拡張法案を通しました。昭和17年〜18年に太平洋に登場した新型艦は、ヴィンソン案によって製造されたものです。カール・ヴィンソン議員によってアメリカは救われたとも言えます。

 カール・ヴィンソンに比べ、マケイン氏はイージス止まり−それも父祖との合わせ技−とあって、勿体ないというかお気の毒です。もし、父祖がらみでのイージスへの命名がなければ、正規空母命名への可能性もあったのではないでしょうか。
 大統領選でオバマ氏の向こうを張ったこともありますしね。あのときのペイリン氏選択の拙さを描いた『ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女』は必見です。ペイリン氏とマケイン氏を演じた俳優さんが見事なメーキャップで化けていました。

 マケイン氏は、海軍への貢献という点でカール・ヴィンソン氏に及ばないでしょう。しかし、アメリカの難しい舵取りにあって、長年月外交軍事に幅広い見識と影響力を発揮し続けました。トータルの功績では、むしろカール・ヴィンソン氏をも凌いでいるかと思います。

 すでにイージス艦に命名されていますから、空母への命名はあり得ません。それが少しばかり残念なのです。
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八百六拾八  営繕工事の敵は猛暑(2018/8/19)
 ガレージや倉庫の営繕は遅々たる歩みです。なにぶん連日の猛暑とあっては仕方ありません。職人さんたちもヘロヘロで頑張ってくれてはいます。
 大工さんチームは現場に工場扇を設置してなんとか凌いでいます。あかんのは鉄筋型枠チームです。空調服で凌いでいるものの、それでもおっつかない模様です。とにかく休憩ばかり取って、仕事がさっぱり進捗しません。
 基礎が完成したら大工さんが上物に掛かる工程ですが、基礎が遅れ遅れで予定が狂い、大工さんチームもカリカリきています。それでも盆明けにガレージの骨組みが完成し、あとは板金屋さんにお任せするばかりです。



 ご覧のとおりの骨組みです。板金屋さんも忙しく、仕上げは後日ということで、取りあえず防水シートだけを敷いています。仕上げはガルバリウム張りとなります。外壁には亜鉛のトタンを張るだけです。

 無理を言って、幅は余裕の4mとしています。車のドアを開けるにも余裕で、気を使うこともないでしょう。また、ちょっとした荷物を置くこともできます。
 ただ、幅を取ったため、屋根の勾配が緩くなりました。北国なら駄目な設計でしょうが、当地で雪が積もることは滅多にありません。多分、なんの問題も起こらないでしょう。とにかく板金屋さんの手が空くのを待つばかりです。

 さて、遅れに遅れているのは裏手のガレージ兼倉庫です。昨日のこと、やっと生コンの流し込みが完了しました。狭い中、ミキサー車とポンプ車が道を塞いで近所に迷惑をかけました。幸いなことに珍しく車が通らなかったので助かりました。それでも道に佇んで、通行車輛に頭を下げたり誘導したりで半日が潰れました。
 いつもは3人ながら、当日は6人がかりとあって、午後過ぎには作業がすべて完了しました。

 ところで、生コンについて世間話をしていて驚きました。当地にあった2軒の業者がいずれもすでに廃業しているそうです。今回の業者は、隣の市の業者で、ミキサー車2台で遠くから往復したそうです。これからは現場仕事に際して、職人さんの手配にも困ることでしょう。次々に廃業していますし、若者がこの業界に入ってきませんからね。



 新築なら簡単でしょうが、上のとおり既存建物との取り合わせやら、コンクリを避ける養生やらで手間がかかっています。職人さんたちの苦労も理解できますが、それにしても日数がかかりすぎです。隣家の元棟梁が我が家の工事を眺めながら、いみじくも言ってました。夏場の工事なら仕方ない。作業の効率が上がるのは冬だと。

 乾燥後、立ち上がりの基礎ができ上がったら建築大工さんの出番となります。しかし、十分な乾燥期間を設けなきゃならんし、大工さんチームにも都合があるしで、我が家の作業にかかれるのはいつになるやらです。8月中の完成は無理と思われます。

 今年の夏は苦行です。日差しを遮る予定のガレージがないまま、猛暑に炙られ続けています。従兄には恐縮しながら頭を下げられました。職人さんの健康のこともあり、仕事のペースについて文句を言えないそうです。

 私には基礎の良しあしが判断できません。あまり仕上げがよいとも思えません。上にも書きましたが、職人さんも人材不足の筈です。若者のものづくり離れは切実で、技能の継承も怪しいと思われます。
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八百六拾七  アマチュアボクシングには絶望しかないのか(2018/8/11)
 日本ボクシング連盟の不祥事が世間を賑わしています。特に会長の人を人とも思わない傍若無人ぶりが話題となっています。チンピラ風外観、非常識を絵に描いた話ぶり、違法な金銭のやり取り、反社会勢力との交際と、アマチュアスポーツに係る組織トップとしてあり得ない人間です。その強烈な映像がインタビューとともに毎日お茶の間に届けられるとあっては、話題にならないはずもありません。

 相撲、アメフト、アマレス関係者に不祥事があり、散々ニュースになった後ですが、それらを上回る犯罪性と悪人キャラとあって、ボクシングそのものが世間から厳しい眼で見られているかと思います。もともとスポーツの中でも格闘技の印象はよくありません。暴力と紙一重であり、携わる者はよほど自身を律しなければなりません。数年前、柔道でもありました。助成金の不適切な取扱い、パワハラ、元金メダル選手による教え子への強姦など半端ない内容でした。その後、柔道界は組織そのものの見直しも行っています。

 今回のアマチュアボクシングの不祥事は、それまでのいずれの組織でも起こりようもない悪逆非道なものです。関係者たちの憤懣は極点にまで達していたのでしょう。都道府県連盟の幹部や関係者ら333人が「日本のボクシングを再興する会」として、JOCや日本スポーツ振興センターなどに告発したものです。

 最初に象徴的に採り上げられたのは、日本スポーツ振興センターから交付されたアスリート助成金を、他の2選手に分配するよう上から勧告的に強いた件です。アスリート助成金の性格について理解していなかったなどと、TVインタビューで会長が言い訳していました。ありえん話です。アスリート助成金について、選手本人以外への使途は一切許されないのは、柔道連盟がピンハネした件であまりに有名です。知らなかったで済む話じゃないです。

 試合用グローブの件、大会主催団体への分配金の件、会費使途の件など今後明らかにすべきことが多々あります。「日本のボクシングを再興する会」も、再興を図るなら避けて通れません。しかし、難しいでしょう。多分、闇の彼方というか有耶無耶になるんじゃないかな。

 会計を担当していた側近も辞めたそうです。辞めた以上、今後の調査に協力するとは考え難いところです。会長や副会長も、会計担当者でないと金の流れは分からないと主張するでしょう。で、これを突き崩すことはできません。刑事告訴すれば別でしょうけど。私にはその辺りの事情がもうひとつ判りません。

 アマチュアボクシングの出鱈目ぶりは日本だけでなく、世界でもいろいろ問題があります。五輪の大舞台でさえ審判買収が幾度もありました。
 スポーツの公正さを考えるとき、先進国の感覚で捉えては見誤ります。アフリカや中南米、あるいは東欧や中央アジアなどの貧しい国の人間にとって、立場を利用しての蓄財なんてやって当然なのです。むしろやらない奴は馬鹿くらいのものです。
 アマチュアだけでなくプロでも統括団体関係者の拝金主義にはおぞましいものがあります。とにかく我々の常識とは隔絶しています。それが、先進国のはずの日本において、恥ずかしいまでの不正が行われていたのです。

 数年前、拝金主義の亀田一家によってプロボクシングが汚名にまみれました。一家だけのことでなく、原田会長でさえ亀田一家を手厚く遇していた時期があったのです。試合前のリング上で愛想よく迎えたりしました。その日の試合でとんでもない反則を繰り返し、会長を始めとした面々の顔に泥を塗ったのには笑っちゃいましたけど。

 その後、本物志向の選手たちの奮闘によってボクシング復権が為された思われたとき、今回の事件ですもん。
 選手ファーストを声に唱える人間こそが胡散臭いものです。本音を言うと、再興する会の関係者も信用できません。大会開会式での県連会長の挨拶もひどいものでした。あれもまた、会長一派と同じ夜郎自大な振舞いです。再興するとか言いながら、会長たちと同じメンタリティです。

 アマボク再興がいかにして為されるのか、私には見当もつきません。とにかく、組織運営に当たって、関係者ひとりひとりがやるべきことをやるしかありません。
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八百六拾六  刀装一新(2018/8/2)
 先月半ばに依頼していた刀の改装が仕上がりました。連絡を受けてすぐ引き取りました。
 柄(つか)糸の巻き直しと鞘の入れ替えです。柄糸は渋めの色合いで、派手目の鞘に対して抑制的なバランスを取ってくれています。鞘は見慣れた模造刀から移植したものです。高校1年の夏にアルバイトで稼いで買った刀です。仕舞い込んでいたものですから、転用してもなんの不都合もありません。

 上が模造刀から拝借した鞘です。下が刀身とともに購入した鞘です。この内ぐりの長さが刀身より短いため、刀身が完全に収まらなかったのです。



 転用する鞘の鯉口部分で僅かにつかえる部分があり、刀屋さんが鞘をざぐって収まるように整えてくれました。なお、ハバキがきつめに嵌合するよう調整されていて、刀身が抜ける心配がありません。長期間使ううちに緩くなりましょうが、当面はなんの心配もないでしょう。

 ハバキが不細工ですけど仕方ありません。外側に被せていた三重金物があると、どうしても分厚くなるため鞘に収まらなかったのです。太い白鞘に合わせて厚く作り込んでいたためです。

 柄糸は岡山県の柄巻師が巻いてくれました。私には腕の良しあしが判断できません。当地にも有名な柄巻師がいるものの、依頼した刀屋さんとのつき合いがないのでしょう。本当は薩摩拵を希望しているものの、あまり一般的でもないのでしょう。よい返事がもらえませんでした。薩摩巻の隙間を空けない詰めた巻きは、見るからに頑丈そうで昔から憧れがありました。次回に柄巻を依頼するときは無理を言ってみようかとも考えています。

 もう7週間ほども居合の稽古をしていません。修理に出していたというだけでなく、稽古場所がないためです。納屋を撤去した更地の現状では、人目があって如何ともし難いところです。建築中のガレージ兼倉庫が稽古場所になる予定ですが、完成は8月末にずれ込みそうです。
 あとひと月ほどの辛抱です。現状、いいかげんに身体が鈍っていて、さらに一か月間の無聊ともなれば、鍛練を一からやり直さなければならないでしょう。まあ、その日を楽しみに、刀を眺めて一人悦に入りたいと思います。
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八百六拾五  世界に羽ばたくボクサーたち(2018/7/29)
 ここ数日で2人の日本人ボクサーが海外で盛名をはせました。
 まず、金曜日に中国の青島でWBO世界フライ級王者の木村翔選手(青木)が4位のフローイラン・サルダール選手(フィリピン)を6回KOで防衛しました。
 木村選手は中国のトップボクサーであったゾウ・シミン選手を倒して王者となりました。しかし、現地で敵役として扱われることなく、草莽というか草魂というか、番狂わせの立役者として名を上げました。現地メディアでは「福原愛、本田圭佑に並ぶ有名な日本人アスリート」とまで評されているそうです。

 木村選手はスピードがなく、むしろ泥臭いボクシングです。シミン戦では、速い出入りでアウトボクシングに徹するシミン選手に対して、遇直にボディへの加撃を繰り返し、徐々に弱らせて倒し切りました。
 今回の挑戦者は攻撃的なボクサーであったため、苦労することなく打撃戦に持ち込むことができました。至近距離で強打を振るうことができ、むしろ強く打つために距離を必要とした挑戦者に対して優位に闘うことができました。挑戦者はプッシングを繰り返していました。あれは、距離をつくろうと押していたのでしょう。

 本日、フロリダでWBO世界S.フェザー級王座決定戦が行われ、2位の伊藤雅雪選手(伴流)が1位のクリストファー・ディアス選手(プエルトリコ)に3-0の判定で勝ちました。ディアス選手は無敗で、次世代のホープと目されている期待の星です。それを4Rにダウンを優勢勝ちでした。

 フルラウンド双方が引かずに打ち合う激闘となり、負けたディアス選手も素直に祝福しました。アメリカの解説陣も伊藤選手のスピリットを手放しで褒めていました。それもこれもリスクを恐れぬ伊藤選手の攻撃姿勢が見る者を熱くさせたからでしょう。
 試合後、放送席に招かれて手厚く遇されていました。伊藤選手もその場でディアス選手を深くリスペクトするなど気持ちよい対応をしました。世間知らず丸出しの野球関係者も、伊藤選手の爪の垢を煎じて飲むべしです。なお、放送席でゲスト解説を務めていたのはティモシー・ブラッドリー氏ですね、氏も感心していた模様です。英語が分からないのでニュアンスしか掴めませんけど。

 伊藤選手はアメリカの観客に対して素晴らしいアピールができました。今後もアメリカでよいカードを組んでもらって高額なギャラも貰えそうな雰囲気です。木村選手も中国で名が売れ、今や中国の興業で欠くことのできない存在になった模様です。両者ともに海外を舞台に活躍し、今後は世界を相手に名を売ればよいかと思います。
 井上選手を先頭にして、日本の若武者たちが世界を舞台に踊り出しています。私はしっかり応援しますよ。
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八百六拾四  電子タバコと加熱タバコ(2018/7/25)
 禁煙すでに1年を超え、完全に解脱成功しています。もはや煙草を喫わなくても苦痛を感じることもなく、平安な日常を送っています。ただ、特別な時間については例外として喫煙しました。

 まず、台湾旅行中は遠慮なく喫いました。せっかくの旅情を味わうに、無味乾燥は耐えられません。逆をいえば、煙草を喫わない方々は人生損をしてるなあとか思います。ホテル前の灰皿で、道行く人々を眺めながらの一服は、異国にあることを実感させてくれました。また、観光地の灰皿で、旅人たちの動きを眺めながら煙を燻らせていても、自分が旅先にあることを強く実感させられました。特に、九フン(人偏に分)の夜景の中で味わう煙草は格別でした。

 現在の台湾は屋内喫煙が全面禁止され、禁煙が徹底されています。屋外であっても、喫煙場所が厳しく指定され、歩行喫煙も罰則の対象となっているそうです。現地ガイドの方からも、きつく注意されました。

 あと、煙草を喫ったのは法事関係です。喫煙者の従兄がいて、彼へのつき合いを理由に久々の喫煙を楽しみました。ただ、法事から帰る際には煙草の箱を渡し、手ぶらとなって禁煙ライフに返っています。

 そんなこんなで禁煙に何の問題もないにしろ、やはり口さみしいものです。ニコチンなんてどうでもいんです。煙を口中、あるいは肺に入れる習慣を欲しているのです。

 昔から気になっていたのが加熱タバコです。流行りの「iQOS」「glo」「Ploom TECH」は、正確には加熱タバコです。煙草葉を燃やさないのでタール成分は僅少でしょう。しかし、煙草葉を加熱して蒸気を通すとあって、有害成分が相当量混入することでしょう。

 そこで電子タバコです。調べてみると「VAPE」がよさそうな雰囲気です。問題は身近に販売していないので、購入が通販頼りになることです。したらば、行きつけのネットカフェというか喫茶店に「FLEVO」が置かれていました。
 さっそく購入して吸ってみたところ大正解でした。電子タバコは煙草葉を使用せず、単なる匂いフレーバー成分だけなので、“喫う”のでなく“吸う”がピッタリです。

 FLEVO使用者の感想として、「味が薄い」「吸った気がしない」が多いそうです。私にとって、これは問題になりません。もともと20年以上に渡って 0.1mgのごく軽い銘柄を喫い続けていたとあって、ちょうどいい加減なのです。

 いい塩梅です。吸った瞬間にシガレット様カートリッジの先端が光って焔(ほむら)を演出してくれます。と同時にフレーバーカートリッジから水蒸気が排出されて煙を演出してくれて、まさに紙巻タバコをくゆらせる感覚です。
 フレーバーは食品衛生法に合致した匂い成分なので、まず安心でしょう。そのフレーバーは、「タバコ」「メンソール」「ビタミンベリー」の3種です。スタートキット付属の2ケに加え、取りあえず「タバコ」と「メンソール」を別途購入しています。

 今もくゆらせています。煙草を喫ってる感があり、喫煙欲求を十分に満たしてくれます。私はヘビースモーカーであったといえ、0.1mgの軽いタバコに慣れていたので薄い感覚でも十分に満足できます。重い煙草を喫う方にはもの足りないでしょう。ちょうど、重い煙草から軽い煙草に変えた際に、「まるで空気を吸ってるみたいだ」「こんなの煙草じゃない」とかの不満を覚えるでしょう。あれと同じ構図で、濃い煙の圧に慣れた方に、このFLEVOは向いていません。念のため。
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八百六拾参  日本刀改装(2018/7/18)
 一年前のコラムに、刀の刀身の収まりに不具合があり、怪我までしたことを記しています。

 もともと鯉口の締りが悪く、常に鞘から滑り出す状態だったのです。鍔元の刃を巻いている金物をハバキと呼び、このハバキが鞘の空隙を突っ張って固定する役目を果たします。私の刀はハバキが厚すぎるため、鞘に収まらず固定されないのです。

 刀身が固定されないのに気をつけ、不満を抱えたままで扱っていたものの、いつかは修繕すべきと考えていました。極めて危険であり、再度怪我でもしたら目も当てられません。そこで意を決し、当地唯一の刀剣専門店を訪ねて相談に乗って頂きました。

 ・ハバキを鞘に合わせて作り替えるのは高くつく。
 ・むしろ鞘の側をハバキに合わせて修正すべきである。

 柄糸がボロボロに傷んだので修繕します。これについても一年前に記しています。

 居合を続けていると、必ずや柄紐が切れてしまうのです。今まで扱った模造刀すべてで起きたことです。今回はさすが品質の良い真剣とあって、よく持ったかと思います。糸が切れかけたところで、上から包帯でぐるぐる巻きの養生を施し、破損がこれ以上進まぬよう処置しました。

 ・柄糸のやり替えは、定期的に必要であろう。隣県の職人さんに依頼することとなる。

 柄巻のやり替えと鞘の内刳修正をお願いしたところ、翌日に連絡が入り、鞘師から意外な指摘を受けたとのことでした。刀身が鞘に収まらないのは、ハバキの厚みの問題でなく、そもそも鞘が短くて合致していないとのことでした。なにかの手違いで、刀身と鞘等の拵えが別物とのことです。
 刀屋のオヤジさんと相談し、長さや反りが似た模造刀の鞘で代替すればいいと話がまとまりました。刀身に合わせて鞘を新調するとなると、とんでもなく高額とのことでした。職人さんの日当から換算しても当然でしょうね。

 私も似た模造刀を所持しています。やや長めで、反りも同じくらいです。鞘を携えて刀屋を訪ねたところ、なんとかなりそうとの結論に至りました。僅かに突っ張るものの、鞘をざぐれば収まるだろうと診断されました。

 柄巻きを盆までに仕上げるよう希望しましたが、京都武徳会の大会の都合次第とのことでした。修繕依頼が多い時期なので、難しいかもしれないとのことです。
 刀屋のオヤジさんもいろいろ気を使って配慮してくれています。私のように、真剣で居合の稽古をする客が今日び珍しいのでしょう。奇特な客との認識なのかもしれません。普通は居合刀を使用しますからね。

 今回の修繕が終わったら、仕上がり具合を写真で紹介します。柄巻、ハバキ、鞘が寄せ集めでまとまりがないかもしれません。でも、いいんです。見かけでなく、居合用途という実用性を求めていますから。
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八百六拾弐  復活!パッキャオWBA戴冠(2018/7/15)
 本日、マレーシアのクアラルンプールでWBAウェルター級タイトルマッチが行われ、王者のルーカス・マティセ選手に同級2位のマニー・パッキャオ選手が挑みました。結果はパッキャオ選手が7回TKO勝ちしました。3回にアッパーでダウンを奪い、5回にも軽い右フックでダウンを奪っています。

 パッキャオ選手は一作年の引退後、わずかな間を置いただけで復帰戦を行ってWBO王座を戴冠しました。翌年のジェフ・ホーン戦で僅差の判定負けを喫しましたが、パックの勝ちを支持する向きも多かったものです。ただ、動きの鈍さが見て取れ、ボクシング漬けの生活を送っていないのが明白でした。国会議員先生とあっては仕方ありませんけど。

 本日のタイトルマッチですが、前回のオーストラリアといい今回のマレーシアといいアメリカを避けています。これはアメリカの税務当局から逃げ、アメリカへの上陸ができないためだそうです。早い話が脱税の訴追を受けているとの噂です。きっとメイウェザー戦の百数十億円のギャラに対する支払いをきちんとしていないのでしょう。

 マティセ選手はサウスポー対策ができていなかったため、試合内容が一方的なものになりました。サウスポー(左構え)相手に左に回り込む(右回り)という悪手に終始していました。一方のパッキャオ選手は、マティセ選手がオーソドックス(右構え)なので当然のこと左に回り込み(右回り)ました。そのため、パック有利の位置関係がもたらされることとなり、マティセ陣営はわざわざパックに塩を送った塩梅です。

 これがブラッドリー選手だと右に回り込もう(左回り)と意図し、左に回り込もうとするパッキャオ選手との間で有利な位置を占有しよう、あるいは行かせまいと細かなポジション争いが行われていました。
 ブラッドリー戦に比べたら、マティセ選手の拙い動きに助けられた部分があるかと思います。ですから、パッキャオ選手の復活具合については、この試合内容からはもうひとつ判りかねます。

 軽いステップ、速い左右の動き、相変わらずのハンドスピード、多彩なパンチなど、パック本来の美点が十分発揮されていました。ただし、こういうことは相手次第というか、対戦相手との相対的な力関係に左右されるものです。
 エロル・スペンス選手とかテレンス・クロフォード選手とかのトップファイターに対抗できるかは難しいところでしょう。それでも挑むのが、パックの生きざまというものです。たとえ負ける恐れがあろうとも、挑んでほしいです。それがパッキャオ選手ですから。
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八百六拾壱  大雨特別警報の乱れ打ち(2018/7/7)
 台風7号が大量の雨を降らせた後も雨は降り止まず、記録的な降雨量を記録しています。
 大雨特別警報は新しい名称といえ、今回の発令状況は前代未聞です。11府県もが対象になったのは、降雨量が異常だったからでしょう。特別警報が発令されなかった府県であっても、その降雨量が新記録となった地域がたくさんあります。
 西日本のすべてで大雨や洪水の警報が発令され、しかも発令時間が長いという、つまり同時に広範囲で影響があったということです。

 死者と行方不明者が現時点で90名近いというのも記憶にありません。ニュース映像もまた異常なものでした。堤防決壊による土砂流入は各所で起こっています。そんな中、呉市の市街地を覆う土砂が、2階に届くほどの厚みというのも尋常ではありません。そもそも、2階まで浸水するというのが滅多にある話じゃありません。また、隣県の倉敷市が大規模冠水で町全体が水没するなんてのも初耳です。
 小さな橋が流されるのはよくあります。しかし、鉄橋までが流されるというのは、最近の災害事例では聞いたことないです。

 当地に被害はほとんどありませんでした。河川も危険水位に迫ったものの決壊することはありませんでした。そしてなにより、我が家の家屋解体がよいタイミングでした。盛大な雨漏りに見舞われるであろう旧家屋が撤去済みでしたからね。もうなんの心配もありませんでした。
 加えて、大雨を利用して外装の汚れ落としを実施しました。旧家屋解体の際に埃まみれになり、泥がこびりついていたのを雑巾でこそぎ落としました。汚れを落としした後は、雨が勝手に洗い流してくれて手間が省けました。

 温暖化による大気への水蒸気供給が想定を上回るものなのでしょう。我々がつくり上げてきた排水インフラをはるかに超える雨が降り、もはや処理できない事態を迎えています。
 今後さらに温暖化が進行するのは間違いありません。一方で国や自治体の体力は下降線を辿るばかりです。いいかげんに日本人すべてが目を覚まさなければいけません。東京五輪なんてやってる場合じゃないでしょう。あるいは整備新幹線事業などと、なにをとち狂っているのか。

 人口減社会を迎えるわけで、まして山間部などの僻地は限界集落への一本道を歩みます。そういう地域にどれほどの資本投下ができるのか。政治家たちはここのところを明確にすべきです。選挙に向けて口当たりのよいことばっかし語って済む話じゃないです。
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