愛媛みかんの ふるさと四国はドラマチック



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2009 8/14 愛媛県西予市明浜町渡江の盆おどり

四国には古くから各集落ごとに伝わる盆おどりがありました。
その後時代の変化と共に徐々に廃れてしまい昔のありのままの盆おどりが
伝承されている所は殆ど無くなってしまいましたが、今でも盛大に行われている地区が
あると聞き、三浦の自宅から車を走らせ一時間ほどかけ西予市明浜町渡江(とのえ)集落までやって来ました。
 盆おどり会場は地区の集会所前、海がすぐ側の広場です。
着いた頃には日もどっぷりと暮れ、もうすぐ盆おどりが始まるところ、
まもなく地区の盆おどり保存会稲垣会長さんの開会の挨拶があり踊りが始まりました。
始めは保育所年少さんからの出番、それに続き踊る演目ごとに2人〜3人ずつが組になり
徐々に出演して行き広場は御覧のとうりの華やかさ、噂には聞いていましたが想像以上のものです。
豪華な衣装を着こなし歌舞伎のように華麗に踊る役者さん、お見事です。
聞けばこの日の為に三ヶ月間毎晩練習をしたそうです。
私も天満地区の盆おどり保存会に所属している関係で皆さんの努力とご苦労がよく解ります。
出来ればいつまでもこの素晴しい伝統と文化遺産を後々までも残して頂きたいものです。
 渡江集落の盆おどりは華やかな踊りに注目が集まりがちですが実は口説き歌も素晴しいものです。
私の知るかぎり、ここのくどきは他地区にない独特のものです。
集落の長役らしき三人程がねじりハチマキのイナセな格好で太鼓に合わせて順番に朗々歌うくどきは
一見地味そうに見えますが、その独特のゆったりとしたリズムと優美な節回しは乾いた大地を潤す水の如く、
聞く人の心に染み渡り郷愁をさそいます。
やがて夜もふけ盆おどりが佳境に入る頃今夜の私にはその節回しがなぜか物悲しく聞こえてくるのですなぜでしょう。
お盆とはいえ、もう季節は秋の気配、海から吹き寄せる初秋の浜風のせいでしょうか