栄養がなくなっている! |
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スーパーに行くとまるで工業製品のように規格化された、外観の美しいきれいなみかんが並んで
います。
現在の農作物は経済性や生産効率に重点が置かれ、化学肥料や化学農薬を使用して大量生産
されています。
確かに化学的な力によって、外観がきれいで大きなみかんは作れますが、悲しいことにみかんの
栄養価は年々減少しているのをご存じでしょうか。
食品標準成分表/科学技術庁 |
作 物 |
栄養素 |
1951年 |
2001年 |
減少率 |
ほうれん草 |
ビタミンA |
8,000 |
4,200 |
47.5% |
ビタミンC |
150 |
35 |
76.7% |
鉄分 |
13 |
2 |
84.6%
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人 参 |
ビタミンA |
13,500 |
9,100 |
32.6% |
ビタミンC |
10 |
4 |
60% |
鉄分 |
2 |
0.2 |
90%
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みかん |
ビタミンA |
2,000 |
14 |
99.3% |
ビタミンC |
29 |
17 |
41.4% |
鉄分 |
2 |
0.1 |
95% |
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微生物が鍵を握っている! |
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栄養価の減少は、連作により同じ微量要素が大量に畑から持ち出され、土壌中に少なくなっ
たこともありますが、
土の中の微生物と深く関係しています。
微生物と言うとO-157やインフルエンザなどのウイルスやバイ菌を想像されるかもしれません。
私も就農当初は微生物と農業がどのように関係するのか全く知りませんでした。しかし、みかん
が健康に育っていく為には微生物が重要な働きをすることを知りました。
土壌には昔から、麹菌、納豆菌、乳酸菌、酵母菌等の微生物が生息しており、これらの微生物
が落ち葉や堆肥等の有機物を分解発酵させ、アミノ酸やビタミン、酵素等を生産しています。
そしてミネラルなどはみかんが吸収して利用しやすいように変成してくれているのです。
みかんは自分でミネラルを製造することは出来ません。土の中で微生物により分解イオン化され
たミネラルを吸収するしかありません。
しかし、無機質の化学肥料では、ほとんど微生物のエネルギー源にならないため、このみかんと
共生する微生物が繁殖出来ないばかりか、農薬がこの微生物を殺してしまいます。
このように化学肥料や化学農薬に依存した栽培では、土の中の生態系が崩れ、微生物のバラン
スがとれなくなり、土は生きた土から死んだ土へと変わってしまうのです。
私たちが健康で生きていくために口にしなければならないものは、微生物によって分解イオン
化されたミネラルを吸収して育った栄養のあるみかんなのです。
ミネラルが不足している! |
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現代の食生活は豊富な食品数に囲まれているにもかかわらず、精白や精製そして加工された
食品を食ベルことが多いため、各種ミネラルの摂取が不足しやすい環境にあります。
豊富な食材に囲まれているにもかかわらず、飢餓感を感じるのは、必要な栄養が足りていない
からです。
特にカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅などは不足の人々が多いミネラルです。
ヒトは生まれ変わる! |
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ヒトの体は約60兆個の細胞から構成されています。
そして、1日7,000億個の細胞が絶えず新陳代謝を繰り返しています。この新陳代謝のサイク
ルは場所によって、それぞれ違っています。
たとえば、口腔は1日、胃腸3日、心臓は22日、肌は28日、そして骨は90日周期で全体
の3%〜5%が順番に新しく生まれ変わっています。
血液は4か月です。ですから4か月前に食べた物が、血液となり今の体を作っているのです。
そして7年もすると骨も含めて別人になっているのです。
私たちが生きてゆく為には、細胞一つ一つが元気に活動することが大切です。元気に活動する
ことで、エネルギーが作られ、細胞に生まれ変わりの周期をちゃんと保つことができるのです。
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微生物の力を借りて、安全で生命力にあふれた農作物を日常的に食べることで、
健康な毎日を送ることができ、命をつなげて行くことができると思います。 |
こ・だ・わ・り |
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私たちは、生命力に溢れたみかんを育てるため、敢えて効率を追求せず様々な工夫をしています。
農薬や化学肥料は使用しません!
(但し、微量要素肥料は除く) |
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ビタミンやアミノ酸、酵素などを生産してくれ、さらにミネラル等をみかんの樹が吸収しやすく
変成してくれる微生物を守るため、農薬や化学肥料を使用しません。
農薬や化学肥料を使わないので、慣行栽培に比べ多くの労力を必要します。
たとえば、除草剤を使わなければ雑草が旺盛な発育をしてしまうので、みかんが雑草との競争
に負けてしまうため、草刈り機を使って除草を行います。しかし、一度刈ってしまえば良いという
ものではありません。土中に雑草の種子は数限りなくあるので、次から次へと芽を出してきます。
年に4回〜5回の除草を行わなければなりません。農業が雑草との戦いといわれる所以です。
また、日本の気候を考えた時に高温多湿の条件で発生する病気や害虫が多く、またみかんも野生
植物から品種改良していく過程で病害虫抵抗性をかなりの部分犠牲にしているため、殺虫剤や
殺菌剤等の農薬散布なしに、高品質なみかんを育てるのは極めて難しい状況であります。
病気や害虫による被害も覚悟しなければなりません。
しかしながら、無農薬と言うことで見栄えの悪いもので良いとは思いません。天恵緑汁などの
手作り資材を使い、みかんが自ら健康になろうとする生命力を育むことによって高品質なみか
んを育てるために努力していますが、なかなか厳しい戦いです。
資材を手作りしています! |
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みかんに生命力を吹き込み、みかん自身が健康になろうとする力をつけるため、身近にあるものを
使った発酵液や漢方薬などを定期的に散布しています。人間の体にとっても良い物を散布す
るのですから、私たちも合羽やマスク、ゴーグルで身を守る必要がありません。
天恵緑汁は、ヨモギ、筍、杉の実、海藻など、身の回りにあるいろいろなものを黒砂糖と
混ぜて作る発酵液です。黒砂糖の浸透圧で抽出された液が、酵母菌や乳酸菌の働きで
発酵したものです。
この液体は野生の植物から抽出した生命力そのものともいえる“酵素液”であり、植物に
活力を吹き込みます。こうしてみかんを健康に育てることで、病害虫に対する抵抗性を高め
て農薬を必要としない栽培をしています。
漢・方・薬 |
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病原菌にとりつかれても発病しない、菌を追い出してしまうような体力をみかんの樹につけ、
農薬に頼らなくてよい丈夫な体を作るために、漢方薬を発酵させ焼酎に漬け込んだものを
定期的に散布します。。
材料は当帰(トウキ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(シナモン)です。
化学肥料を施肥した場合、植物体内では次のようにアミノ酸にまで合成されます。
硝酸態窒素⇒亜硝酸⇒アンモニア⇒アミノ酸
この合成の過程で、光合成により葉で作られた炭水化物が消費されてしまうのです。だったら
直接アミノ酸の形で植物に吸わせてあげれば、炭水化物の消費はされず、その分を果実に回す
ことによって、糖度を高めることができます。そのため地元の漁業組合から魚のアラをもらって
それを酵母菌を使って分解させて、栄養たっぷりのアミノ酸液を作って散布しています。
その他、アミノ酸の中でも最も成長を促進させるグルタミンを昆布から抽出して散布しています。
みかんに付く病原菌を微生物を使って制するために、乳酸菌や納豆菌、酵母菌等を培養し、
定期的に散布しています。
その他にんにくや生姜を焼酎に漬けた資材や木酢液、海水なども散布しています。
植物ホルモン
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「植物ホルモンを活かす」という本の前書きにこう書かれています。
“芽を出し、茎を伸ばし、葉を広げ、根を張り、やがて花を咲かせて実を結ぶ。植物が自然の中で
生長していく姿は、あたかも人間の一生に似ている。
そして植物がその一生に奏でるドラマは、不思議な力をもつ植物ホルモンによって、秩序正しく演出
されている。
植物がもつその不思議な力=生物機能の謎を解き、その働きを上手に活用すれば、生育の調整、
収量や品質の向上に結びつけることができる。。。。”と。
植物が本来持っている“力”を発揮できるように、植物ホルモンのバランスを整える剪定に取り組んで
います。
このとによって、山の木々のように自然の循環によって無肥料でも健康に育っていくのだそうです。
科学的に分析 |
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みかんは様々な形で今の健康状態を私達に伝えてきます。葉っぱが黄色くなったり、葉の先端
が枯れてきたり、ひどい時は落葉してしまったり。。。。。
残念ながら、まだ未熟な私達にはみかんが何を伝えているのか、はっきりとはわかりません。
土の中の状況は、物理性・生物性・化学性の3つの要素によって影響を受けるのですが、その
内の化学性については、土壌分析を行うことによって把握できます。土中の養分の何がどれくらい
不足しているのか?または過剰なのか?を的確につかみ、その数値に基づいて最適な施肥設計を
行っています。
この設計により、みかんが光合成能力を最大に発揮でき、そして細胞壁を厚くすることにより病害虫
に負けない体を作ることが出来るのです。
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農薬を使わなくなって、仕事がとても楽しくなりました。
だって毎月何度か散布する天恵緑汁や漢方薬は“ヒト”にとっても良い物
ですから、散布すると自分自身がみかんと一緒に元気になれるような気がします。
消費者の皆さんの農作物を選ぶ基準が変わることによって、農家は農薬散布
から解放され、環境にやさしい営農ができます。
そのことが消費者の皆さんにとっても土壌微生物豊かな土地から作られる栄
養価の高い農作物を食することが出来るようになり、健康な毎日を送れるよう
になると思うのです。
そろそろ、外観重視から中身重視へ変えませんか? |
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