I'm home!
arc3後|2008.02.09
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(いやでもまて!ビビガが放っておくわけないだろう!留守中はマスターキー使って、換気頼んでるし)
 エルクは首を振って、懸命に選択肢を増やそうとした。
 と、ドアの向こうから、こちらに駆けてくる、忙しない足音。
 思わず身構えて、気付いた。
 その足音にも、その音にかき消されそうな声にも……覚えがある。
 ノブから指を外して、一歩後ろへ下がった。
「はいはーい、今開けるよー!」
 そして弾けるようにドアが開いた。
 それにしても凄い勢いだ。直撃すれば、鼻を折ってる。
 そんな傷害罪未遂をしでかした奴は、鈍色の瞳でエルクを捉えると、あからさまに嬉しそうに光らせる。
 そこにエルクがいて嬉しいと、笑った。

「おかえり」

 何勝手に入ってるんだ、とか。
 いつから来ていたんだ、とか。
 今日は疲れてるから、あまり相手できねーぞ、とか。
 つーか、鍵開けっぱは不用心だろーが、とか。
 不満も心配も、頭を廻った全ての言葉が、ぜーんぶ飛んでいって。

「―――ただいま」

 残った最後の言葉を呟いて、エルクは小さく微笑んだ。
いつか無くなった〜!!;;と騒いでいた話のひとつがこれです。
帰ってきた〜っていう思い詰め込んでみました(笑)

ここまででいったんひとつの話になるなと思ってきってみたら、小話ぐらいの(以下?)長さになってしまった。
ってことで続きがあります。我が家の炎音はどんどん仲良くなります。

一応フリー配布中。