改革派

一年前に起きたエルディア王位継承争いの際に対立した二派のうちの一つで、ロイド首相を中心に国内の民主化政策に大きく舵を取ろうとした派閥。
旧情報部局長ロス=御堂らが改革派に属していた。

その中心となったのは前国王の落胤でもあったアクア・スティル・ロイド首相。
留学先のアメリカで先進諸国の優れた政治学を学んだ彼女は、王族による専制政治を解体すべく活動を開始。
長く専制政治の弊害に苦しむ母国を救うために早急な対応が必要であると考えた彼女は前国王の暗殺まで考えていたとされている。

前国王死後、首相の立場にあった彼女は暫定的な国内政治指導者の座に就き、情報部の解体などの様々な民主化政策を推し進めて来た。
王権派であったプリシアとは長く対立状態にあったが、『EVE burst error』終盤の会談で両者の和解が成立している。

しかし、その直後にロイド首相、ロス=御堂らが立て続けに殺害されたために派閥の旗手を失った改革派は空中分解。
残された改革派の人物も現在のプリシア体制に起用されるなど互いの融和も進んではいるが、
旧情報部の残党などの一部の過激派は地下に潜伏しており、国外勢力を手を組んで反体制勢力として今でも活動しているようだ。
これら行き場を失った残党が自然発生的に集まったのがロイズとされている。

ガイギー社

『EVE ZERO』に登場する研究機関。前身はスイスの老舗製薬会社ガイギー製薬。
病院や製薬会社を専門にして薬品を卸す会社なので一般にはあまり知られていないが、業界では有名。
デジタル・メック社のナノテクノロジー部門と帝都大学素粒子物理学研究センターが母体となっている。
ちなみにガイギーもノバルティスも実在の製薬会社にちなんだネーミング。

『EVE ZERO』に登場したシャサ・ノバルティスは同社の研究総責任者。
今作ではナノマシン研究の権威として名前が登場し、彼の名を冠したナノマシン技術「N(ノバルティス)システム」開発の一人者として名前が登場。
ドールマン、橘公彦らと共にエルディア科学局で人体クローニング研究を行っていたとされる。

『EVE ZERO』に登場する仁科秀人も同社の研究員。
後に独立し、フィルブライト財閥の資金を背景に仁科遺伝子研究所を設立した。
特殊な遺伝子「ブリンガー」の持ち主である榊原素子、また彼女の娘であるアルカ・ノバルティスを研究体として様々な研究を行っており、
後にこれがエルディアに渡って「EVE」の礎となった経緯が『EVE ZERO』作中で描かれている。

桂木探偵事務所

桂木弥生が所長を務める私立探偵事務所。
業界でもトップクラスの実績と知名度を誇る探偵事務所で、尾行や浮気調査といった探偵的な依頼は勿論、
企業相手の法律相談や公的機関の捜査活動の手助け、それらへの各種専門家の仲介など多種多様な業務内容を請け負うコンサルタント企業でもある。
かつては天城小次郎も所属してエースとして活躍していたが現在は袂を分かっている状態。
先代所長は弥生の父・源三郎。小次郎の手で政治家への贈賄罪を告発され収監されるが、収監先の出火で命を落としている。

父の贈賄事件、所員の殺人事件の関与問題などで一時は信用を落としていたが、
エルディア王位継承事件の際に行方不明となっていたプリシア女王を発見・保護した功績が広く認められ信頼を回復。
その後は数々の依頼を受ける一大探偵事務所に発展し、隣町にも支部を発足させるなど業績は好調なようだ。

作中では公安の麻薬捜査官に協力して大物議員の息子が関与していたラオスの麻薬密売組織摘発に大きく貢献した功績が語られており、
民間組織ながら公的機関からも信用される探偵事務所として名を馳せている。

旧科学局

旧情報部と共にエルディアの発展に貢献した部署。
ドールマン=孔を中心に様々な研究の開発で成功を収めたが、
クローン人間の研究、生物兵器、麻薬に類するような薬品など、倫理観を埒外に置いた研究成果を危険視する声もあったという。
C計画に於ける前国王の記憶の受け皿として用意されたクローン人間のμ-101も科学局によって開発された。

その後局長のドールマンは息子であるストールマンによって殺害されており、
中心人物を失ったこととこれまでの研究成果の非人道性などを理由にロイド首相による民主化政策の一環として解体された。
解体にはロス=御堂が携わっており、C計画の機密保持と隠蔽のために解体されたとされる。

今作では、昆虫学の権威である橘公彦やナノマシン研究の大家として『EVE ZERO』に登場したシャサ・ノバルティスなどが、
前国王時代のエルディア科学局に渡ってドールマンと共にクローン人間の開発に従事したことが描かれた。

旧情報部

前国王時代に整備された諜報組織。前国王の側近ロス=御堂が部長を務めていた。
情報収集、諜報活動、破壊工作などの裏仕事に長けたスパイ部隊でエルディアの発展を影から支えて来た。
東洋人三幹部を筆頭に国内外から優秀な人材をスカウトして作られており、小国エルディアに似つかわしくないほどの能力を有していたとされる。

情報部による監視の目は国内の不満分子にも向けられており、その検挙・弾圧を行うなど秘密警察のような側面もあったようだ。
そのため前国王死後に専制政治を象徴する部署と位置付けられ、ロイド首相による民主化政策の一環として解体されたが、
その後も情報部の残党は水面下での活動を続け、前国王復活を目論むC計画を遂行していた。

プリシア新女王即位後も帰順せずに地下に潜って抵抗を続ける者や海外のマフィア・闇組織に逃亡する者などがおり、
その一部はロイズを名乗って情報部の再興を目論んで活動を続けている。

教育監視機構

外部からでは内情を窺いにくい学校内部の不正や事件を捜査する組織。
学校現場に於いて未成年の学生が法律違反を犯していた場合、警察による介入に自治権や世論など様々な制限がかかる。
そこで潜入捜査官を派遣し、教師や生徒のフリをして証拠を集めたり内情を探るのを主な任務とする。
公安の一部署として描かれているが、組織の性質上その存在は非公開とされている。

『EVE burst error』では当初氷室恭子が所属。校長ストールマン=孔の不正会計の証拠を掴むため潜入捜査に当たっていた。
また、御堂真弥子を保護する際まりなが形式上一時的に所属していた。

作中では同部署を率いる女性部長が産休中のため、香川美純が部長代理の任に就いている。
同組織の捜査官として佐久間裕一が所属。美ノ神みなととしてエール校に潜入している法条まりなの目的を探るため、市種悠馬の名で潜入捜査中。
また、作中後半では香川の要請で氷室が一時的に教育監視機構に復帰することになる。

設定は『EVE burst error』の前身となる作品『悦楽の学園』の中に登場。
雨宮学園に於ける女子高生の失踪事件を捜査するため、佐久間、氷室、佐々木らが捜査に当たっていた。


ククールナイフ

ネパールのグルカ族をはじめとする諸種族で使用される刃物。ククリナイフ、グルカナイフとも。特徴的な湾曲した「く」の字型の刀身を持つ。
農作業や狩猟など幅広い用途で使われる刃物だが、「生活に根ざした汎用大型刃物」という性格上戦闘行為にも使用された。
湾曲部を使って相手の持ち手に攻撃を加える、投げ斧のように投擲するなどの様々な使い方があるようだ。
(※wikipediaより)

作中ではロイズの殺し屋ジェス・カスターが愛用。投擲の際にブーメランのような軌道を描き、壁際に身を隠していた小次郎を切り裂いた。
刀身には恐怖感情を増幅させるように改良された薬品状のNシステムを塗布しており、小次郎、まりな、桐野杏子、キア・フラットなど大勢の人物が負傷している。

EVEシリーズでは『ADAM the double factor』、『EVE The Fatal Attraction』のプリーチャーがグルカナイフの暗殺者として登場。
同じナイフの殺し屋として共通点があるのはシリーズファンへのサービスだろうか。

グロック22カスタム

オーストリアのグロック社製の拳銃。
グロック社は元々銃器メーカーではないため、その機構や設計思想はそれまでの軍用拳銃とは異なり、
スタイルフレームやトリガーとその周辺機構、弾倉外側がプラスチック製となっているのが特徴。

EVEシリーズでは天城小次郎の愛用の銃としてお馴染み。『EVE ZERO』では桂木源三郎から手渡された経緯が描かれている。
『EVE burst error』では情報屋のグレンがこの銃のメンテナンスを請け負っていたが、彼の死亡後は整備に出せる相手が見つかっていない。
そのため照準がズレており、小次郎から銃を奪ったジェス・カスターも至近距離での発砲を外している。


小次郎イヤー

天城式探偵七つ道具の一つ。
優秀な探偵である小次郎には捜査に役立つ7つの特殊能力が備わっているらしい。
その他には、「前髪を上げると人相が変わる」、「足音を消すのが上手い」など。

小次郎イヤーは「聴覚と、聞こえた音を分析する明晰な頭脳からなる地獄耳」とのこと。
女子寮前をうろつくシルディの会話を盗み聴きする際、SEと共に発動させている。