蛇龍会

「じゃりゅうかい」。香港闇社会のマフィア組織の一つ。
エルディア情報部次長だったディーブは蛇龍会のような香港闇社会と中東の小国エルディアを繋ぐネゴシエーターとして暗躍していた。

蛇龍会首領には幾人かの愛人がおり、サラとシルディは老齢となった首領がそれぞれ別の愛人との間に産ませた異母姉妹。
二人は首領の子でありながら、愛人の子であるが故に跡取りとしては扱われず、満たされぬ鬱屈を物欲で埋めようとする放蕩娘として腫れもの扱いされて疎まれて生きて来た。

エルディアとのパイプを持つディーブが現れて後は遊び半分で彼に従ってエルディアに渡る。
満たされぬ思いが様々な欲と結び付き、退屈凌ぎのためなら自らの命をも賭けることの出来る壊れた感性へと辿り着いたようで、、
ディーブ子飼いの情報部員として様々な非合法活動に身を投じて来たとされる。

真社会性

動物の集団のうちでハチやアリなどの社会性昆虫などに見られるものを指す言葉。
元々は動物に対しても普通に使われるような「社会的な集団を作る性質」の意味で社会性と呼んでいたが、
行動生態学等の進歩の中でその意味が見直され、新たな概念として提出されたものである。その重要な特徴は、集団の中に不妊の階級を持つこととされる。
(※wikipediaより)

作中では昆虫学の権威とされる橘公彦が提唱。
これら昆虫の持つ真社会性のメカニズムをシャサ・ノバルティスが構築したナノマシンシステムの運用理論に応用し、Lose ONEの開発研究に成功している。

作中終盤ではそのLose ONE使用の際、起動時に媒介となるDNAの持ち主が真社会性でいうところの女王蜂・女王アリに相当することが判明。
その使用者本人が死亡することで女王の「代替わり」が行われ、Lose ONEの効果が無効になるとされた。
まりな編冒頭で死亡していた橘公彦の死因は、実験段階で感染者を出したLose ONEをこの「代替わり」を行うことで打ち消すための自殺だった。


ストールマンの遺産

『EVE burst error』作中で殺害された、エール外国人学校校長ストールマン=孔が残したとされる遺産。
その詳細は不明だが、改革派残党のロイズらがその遺産を追って日本で行動を起こしていた。

彼がエール校校長に就任した際には多額の使途不明金が動いたとされており、公金横領などの不正疑惑が生じている。
『EVE burst error』で教育監視機構時代の氷室恭子がエール校に潜入した目的も、ストールマンによる横領疑惑の調査とその証拠となる不正帳簿を暴くことだった。
しかしエルディア王位継承事件の最中に当のストールマンが殺害されたことで捜査は打ち切られており、
任務に着いていた氷室が途中でJESを退職したこともあってその実態は明かされないままとなっている。

今回、美ノ神みなとの偽名を用いて法条まりながエール校に潜入した目的を探ろうとする香川が、再度エール校での捜査をJES捜査官である佐久間裕一に任命。
佐久間と、一時的にJESに復帰した氷室は、まりなの目的がこの遺産にあると睨んでエール校を再び調査することになる。

物語終盤で校長室の本棚の裏に隠されていた通路が発見され、地下に研究施設が隠されていたことが判明。
そこにはストールマンの父であるドールマンの研究成果が密かにエルディア科学局から回収されており、
NシステムやLose ONE、Dシリーズなどの研究の痕跡が発見された。これこそがストールマンの遺した遺産とされる。

セントラルアベニュー

EVEシリーズではおなじみの、街の中心部に位置する繁華街。
様々なお店が並ぶショッピングエリアでもあり、昼夜を問わずたくさんの人で賑わいを見せている。
今作ではドッグラン・カフェや有機栽培野菜のアンテナショップ、コスメやエステ店なども登場。
また作中が12月ということで、小次郎編では深浦麻世と共に夜間のイルミネーションを楽しむシーンもあった。

作品によっては移動先として登場しないものもあり、『EVE The Lost One』では代わりにワールド・インポート・タワーが中心地として描かれている。


テラー

terror。「恐怖」の意。

エルディア前国王を暗殺したとされる殺し屋。
金で雇われる殺し屋であるという点と、殺しの際にナイフを用いるという点は判明しているが、それ以外の素性の一切が謎に包まれている。
『EVE burst error』作中で実在しない、前国王の意図的な自死を隠蔽するために作られた架空の殺し屋であることが判明する。

実態は情報部時代の桂木源三郎が率いていた情報部実行部隊のコードネーム。
暗殺や破壊工作などの裏仕事に長けた部隊で、近隣諸国を震え上がらせていた。
情報部時代のジェス・カスターがテラーに在籍。
源三郎に挑むも返り討ちにされたことを根に持ち、情報部解体後も「テラーを凌駕する」ことだけを目標にロイズにて暗殺仕事を請け負っていた。

今作ではそのジェスが用いるナイフに塗布されていた、恐怖心を揺り起こすNシステムを用いた薬品のことを「テラー」と呼んでいる。
それを愛用のナイフに用いるのは「テラー」を凌駕する、使いこなすというジェスの願望の表れか。

デリンジャー

デリンジャー(英: Deringer)はリンカーン暗殺にも用いられたヘンリー・デリンジャー開発の護身拳銃の固有名称。
スペル違いのデリンジャー(derringer)は、これに倣った小型拳銃を意味する普通名詞となった。
明確な定義があるわけではないが「掌もしくは衣服のポケットに収まる小型サイズ」で「単発式で弾倉を持たない」銃を呼ぶケースが多い。
その性質上護身用や暗殺用武器として用いられることが多く、女性用の防寒手袋に隠せるという意味で「マフピストル」という通称があった。
(※wikipediaより)

作中ではサラとシルディが使用。
上記の通り殺傷能力よりも携帯性に重きを置いている銃だが、サラもシルディも特別な戦闘訓練を積んだわけではなさそうなので手軽な銃の方が扱いやすいのだろう。

東洋人三幹部

旧情報部を率いていた東洋人幹部。
即ち部長のロス=御堂、次長のディーブ、実行部隊「テラー」部隊長の桂木源三郎のこと。

情報部には主にエルディア軍部の人材が登用されていたが、
ディーブや源三郎のように生粋のエルディア人ではない者が幹部として登用されていたように、
海外の傭兵や暗殺者、マフィアのような裏稼業の人物であっても優秀であれば情報部員として採用されていた。
素性を問わずに門戸を開き、国の発展のために能力を発揮出来る環境に、若い頃の源三郎は生き甲斐を覚えていたと語っている。

ロス=御堂はエルディア建国時に登用された日本人の二世三世にあたる世代の人物であると『EVE The Fatal Attraction』で説明されている。
ディーブは今作に於いて香港マフィアにパイプを持つ闇商人として描かれた。

また、幹部ではないが『EVE The Fatal Attraction』では安藤、藤井、森田、美村らも旧情報部に武器商人として登用された人物として登場。
情報部解体の混乱の中でそれぞれが実験体であったEVEを連れて日本に逃亡した経緯が描かれた。

トリスタン号

エルディア船籍の豪華客船。
『EVE burst error』終盤、船上にて新国王即位のレセプションが催されたが、
その最中にロイド首相や駐日大使ロス=御堂などエルディア政権首脳の数人が船内で殺害されるなどの事件が相次ぐ。
直後に船倉に仕掛けられた爆弾が爆発したことで海中に沈没。
新国王に即位したプリシア女王ら数人が海底に閉じ込められるも、数日後に救出された。

一年前に沈没した船舶なので作中では登場していないが、ロイド首相のフィアンセだったリヴァール・リビングストンが海に手向けの花束を捧げるなどのシーンが特徴。
小次郎やまりなにとっても様々な人を失った痛恨の記憶として描かれている。

名前の由来は「円卓の騎士」の一人であるトリスタンより。恋人イゾルデとの悲恋の物語で有名。