内閣調査室

内閣府直属の情報機関。通称「内調」。作中では法条まりな、甲野三郎、桐野杏子が所属している。
政治的判断が必要となる事件や犯罪捜査を特別に担当する機関で、実際に捜査に当たる際は警視庁公安部などに一時的に出向するケースもしばしば。
捜査官は強力な権限を有しており銃の携帯も認められている。
ちなみに『EVE burst error』作中のまりなは現場に於いて警視相当の権限と待遇を認められていた。これは所轄の警察署では副署長レベルに相当する。

まりなと甲野が元々公安の出身であることからEVEシリーズでは捜査の際に公安の特殊な出先機関のイメージで描かれていることが多い。
常駐するオフィスを持たないが霞が関に近い場所にオフィスを構えると肩が凝るということで、お馴染みの公安所有オフィスに間借りしている模様。

警察組織とは異なり政治の力学で動くことを目的とする組織であるため、作品毎で幅のある描かれ方がされているのも特徴。
世界有数の情報官である法条まりなを有し、日本が諜報活動の分野で列強諸国と渡り合える国になることを目指しているとする作品もあれば、
逆にまりなが一線を退いて教官職に就いたことで立場が微妙になって一時期JCIA監視下に置かれていた作品もある。

「内閣直属」という性質上ドラマや映画では日本版CIAのようなスパイ機関のように描かれることも多いが、
実際は自治体相手に内閣府広報用の資料を収集する地味な広報機関という一面もありその活動範囲は多岐に及んでいる。


パドル・カメル・サハラ・ワーハ

「月は満ち、オアシスは潤い、砂漠には緑が甦る」の意味。
エルディアでは希望を表すおまじないのような言葉として使われている。
作中ではラシャール卿の絵画「ファガタレハ」のモチーフとして描かれていることを深浦麻世が説明する。

『EVE burst error』ではプリシアにかけられたプリン人格の暗示を解くためのキーワードとして紹介された。

ピノキオ

イタリアの作家・カルロ・コッローディの児童文学作品。1883年に最初の本が出版されて以来、100年以上にわたり読み継がれている著名な作品である。

ピノキオはゼペットじいさんによって作られた、意志を持って話をする丸太から生まれた木の人形。ところがこのピノキオは勉強と努力が嫌いで、すぐに美味しい話に騙される。
たとえば話をするコオロギなどの忠告にも耳を貸さず人形芝居の親方に焼かれそうになったり、狐と猫にそそのかされて殺されそうになったりする。
終盤に巨大なサメに飲み込まれるがマグロに助けてもらう。真面目に勉強し働くようになったピノッキオは、最後に夢に現れた妖精によって人間となり、
やがて苦難を乗り越えて人間の少年へと変化するまでの逸話が書かれている。
(※wikipediaより)

作中では深浦麻世がイタリア語で描かれた原典本を読み、現在広く知られているピノキオの話との相違点に言及している。
また、音無橘花の、クローンとして後天的に植え付けられた幼少期の記憶の象徴として描かれた。


ピリオド

医者の子息である医学部生を中心に結成された終末医療研究サークル。
終末医療の正しい在り方として安楽死・尊厳死を是とする集団自殺サークルとしても活動していた。
集団自殺を強要するカルト的なタイプのサークルとは異なり依頼型・管理型に分類される。
中心人物はエール総合病院副院長の息子・青山たける。
サークルの性質上、殺人依頼や保険金制度の悪用などに用いられるケースが想定されており、公安の監視対象となったこともある。

医学部生を中心に構成されていることから最先端の医療設備、実験機器を使える環境にあり、
安楽死を迎える際に使用する「苦痛無く死を迎えられる薬」の研究開発を行っており橘桜花、深浦麻世、海原鉄子が同サークルに所属していた。
ただし橘桜花は袂を分かった父・橘公彦とは別の形でのNシステム発展形であるLose ONE開発のため、
深浦麻世・海原鉄子はNシステムを基に、「D4」麻世の中で進行していた人格破綻・記憶障害の治療薬開発のためとそれぞれの目的は異なっていた。

ファガタレハ

ラストマ・グルリタ・ラシャール卿が初期に描いたとされる絵画。
「ファガタレハ」とは「失われる個人」という意味。「ファガタ・アレハ」とも。
独特の暗いタッチで満ちた月と砂漠のオアシス(パドル・カメル・サハラ・ワーハ)を描いており「見ると自殺する絵」と呼ばれていた。
一方で「個を捨てて公に尽くす」という意味も込められており、決して不吉なだけの絵画ではないようだ。

一年前の事件で殺害された前校長ストールマン=孔がこの絵のオリジナルを校長室に取り寄せようとしていたとされる。

プッタネスカ

イタリアのパスタ料理。トマトソースパスタのバリエーションの1つで、アンチョビやオリーブ、ケッパーの塩味や唐辛子の辛味を利かせた刺激的なナポリの名物パスタである。
名称は「娼婦風のパスタ」を意味する。名前の由来には諸説あり「娼婦は昼食時にも忙しく、海のものも畑のものもごった混ぜにしてパスタと和えて食べた」説、
「娼婦が客をもてなすためのパスタ」説や、「激務の娼婦が体力を回復するために食べたパスタ」説、「刺激的な味わいが娼婦を思わせるパスタ」説など様々である。
(※Wikipediaより)

作中で法条まりなに昼食のお店選びを命じられた桐野杏子が目星をつけたパスタ店の人気メニュー。
「昼食は素早く食べることが出来て、消化が良くて、エネルギーのあるものが良い」というのがまりなのモットー。
杏子との捜査初日に食べるつもりだったがタイミングを逸し続けてしまい、エンディングでようやく二人はプッタネスカを食べることが出来た。

プリンセス・ホテル

セントラルアベニューにあるホテル。界隈では一番の高級ホテルで地下にはショットバーがある。
リヴァール・リビングストンの宿泊先でもあり、捜査中のまりなと幾度となく顔を合わせた。
中盤では深浦麻世殺害容疑をかけられた天城小次郎が音無橘花と共に同ホテルに潜伏滞在。
また、終盤ではヴィーネ・フラルとロイズ出資者のリバーがこのホテルで接触している。

『EVE burst error』作中でも度々通うことになるホテルで、エール校女子寮を退去した御堂真弥子の宿泊先として選ばれたり、
プリシアにかけられたプリン人格の暗示を解くためのヒントを記した人形がVIP待遇で予約された部屋に置かれていたりもしている。
他にも二階堂進の殺害、爆発物騒ぎとそれに続く銃撃戦など次々と事件が発生したが、一年が経過した今作ではそれらの風評もようやく落ち着いて客足も戻っているようだ。
しかしながら二階堂と思しき人物の幽霊が出るなどの噂話も絶えないらしい。

フロッピーディスク

磁気ディスクの一種で、駆動装置からの取り外しが可能な記録媒体。
磁性体を塗布した厚さ0.075ミリのプラスチック円盤を駆動装置で回転させ、円盤の片面ないしは両面に同心円状に信号を記録する。
現時点で一般的なハードディスクとは異なり、駆動装置から媒体を取り外すことができることが特徴。
ディスクの直径により8インチ、5.25、3.5インチの3種が主に知られる。
(※Wikipediaより)

氷室編でOIF社に連続して電話をかけ続けるクラッキングツールが記録された媒体として登場。JESオフィスのテレビの下に隠されていた。
今作の時代設定が90年代後半であり、記録媒体としてのCDがようやく普及し始めた時期のため、フロッピーディスクはまだまだ一般的に広く使われていた媒体である。

ベレッタM1919

イタリアのベレッタ社製の拳銃。
イタリア軍に正式採用されたベレッタM1915を25口径にして小型化したタイプで、女性の護身用として用いられることも多い。
007シリーズ初期作品でジェームズ・ボンドが使用していたが、セールス的にもあまり成功しなかったようで、以降はワルサーPPKがボンド愛用の銃として広く知られるようになった。
(※wikipediaより)

EVEシリーズでは法条まりなの愛用の銃として登場。まりなは愛称で「イクイクちゃん」と呼んでいるが、今作ではその呼び名は登場していない。
作中では担当した捜査の危険性がなかなか認められず、まりなも後半になってようやくこの銃の携帯が許可された。