マトリ

麻薬取締官または麻薬取締機関等を差す隠語。
作中では大物議員の息子が関与していたラオスの麻薬密売事件摘発の際に、桂木弥生がマトリに協力していた。

μ-101

「ミュー101」。有機生命体、即ち人造クローン人間の個体番号。「EVE」こと御堂真弥子のことを差す。
クローン人間の素となるDNAはプリシア・レム・クライムのものが使用されており、髪の色や瞳の色を合わせると容姿は完全に同一のものとなる。

肉体はプリシアのもの、移植される記憶はロイド首相ことアクアの幼年期の物を流用、更にその上にエルディア前国王の記憶を移植しており、
二つの記憶の安定のためにインシュリンに似せた薬品を投与し続けなければならなかった。
激しい記憶障害と人格破綻に見舞われた末に暴走が起こり、最終的には前国王の記憶は消失。μ-101は活動を停止してしまう。

今作ではこの二つの人格が混ざり合うことで生じる記憶障害についての説明が追加。
健忘症や多重人格などの他に、各細胞・臓器を形成するアミノ酸にも混乱が生じ、長期的な栄養摂取に重大な障害をもたらすとされた。DシリーズD1の死因でもある。
その事態を回避すべく真弥子はインシュリンを接種していたとされる。

また、このμ-101に起きた記憶障害・人格破綻と同様のものが「D4」深浦麻世にも起きたとされ、
麻世はその症状を治療するために「D5」海原鉄子と共に自殺サークルピリオドのメンバーに協力してNシステムと呼ばれる薬品を開発している。

ユーフラテス

集団自殺サークル・ピリオド内に於ける青山たけるの名前。
同サークルはホームページ上での掲示板などで活動しているため青山のハンドルネームである可能性が高い。

名前の由来については不明だがおそらくはユーフラテス川が由来か。
ティグリス川と共にメソポタミアを形作っている歴史上最も重要な川として有名。文明の起源、生命の根源的な意味合いを持たせているのだろうか。

ラストマ・グルリタ・ラシャール卿

エルディアの画家。生没年は不詳。
印象派に影響を受けた独特の画風で知られ、エルディア共和国国璽でもあるシルクスクリーン絵画の作者でもある。
国璽の絵を書き上げた後に自身の首を刃物で切り裂いて自殺したとされており、
その後国璽を巡っての血生臭い政治闘争などの逸話に事欠かないことから「呪われた画家」とも言われている。
『EVE burst error』ではシルクスクリーン絵画について調べものをしていた小次郎が、エール校図書館の司書助手を勤めていた松乃広美と共に上記の内容について調べている。

今作では『ファガタレハ』と呼ばれる絵画の作者として図書館の文献に登場。
こちらも「見たものは自殺する絵」と呼ばれるなどいわくつきの作品となっており、呪われた画家としてオカルト方面で有名なようだ。

ロイズ

エルディアの地下に潜む改革派の残党が自然発生的に集まって出来た組織。
改革派の中でも旧情報部に雇われていた各国マフィアの流れ者や暗殺者などの血生臭い連中が中心。
プリシア新女王による政変後も反王権派として居場所を無くした者たちが結託したものと思われる。
作中では旧情報部でディーブ配下だったサラ、シルディ、テラー部隊の一員だったジェス・カスターがロイズの人間とされる。

組織をまとめあげる中心人物が不在でそれぞれの思惑や打算で結託しているため組織としては不安定だが、
それが故に地下に潜伏する全容を把握しづらい状態でもあるようだ。
不安定な組織ながらロイド首相を冠する「ロイズ」を名乗るのは、改革派の残党や反王権派を吸収する意図からだろうか。

旧情報部、旧科学局と繋がりのあったアメリカやロシアの武器商人などとコンタクトを取り、
エール校に隠された「ストールマンの遺産」とナノマシン技術の結晶「Lose ONE」を手に入れるべく来日。小次郎、まりなの行く先々で何度も衝突する。
作中では米国篤志家のジェームス・リヴァーリングと手を組んで武器や資金の提供を受けていた。

作中終盤、エルディアに渡ったまりながプリシアに直訴したことによって、ロイズへの資金の流れが断たれて壊滅的な被害を被ったとされる。

ワルサーP38

ドイツのカール・ワルサー社製の9mm軍用自動式拳銃。
ドイツ国防軍の制式拳銃に採用され、第二次世界大戦中はルガーP08と共にドイツ軍によって広く使用された。

『EVE burst error』、『EVE ZERO』では桂木源三郎が愛用。今作では法条まりなが作中でベレッタM1919と共に使用している。
源三郎愛用の銃と同一の物かどうかの記述は無いが、この銃に思い入れがあるのかもと思わせるシリーズファンへのサービスの一つかも。
作中のまりなは銃を二丁所持しているが、いわゆる二丁拳銃スタイルで発砲するというより、「相手に銃は一丁しかない」と思わせることによって意表を突くことを目的としているようだ。

ワルサーP38はルパン三世愛用の銃としてもあまりに有名。
桂木源三郎の初代声優が銭形警部役の納谷悟朗であるため、作中で源三郎が銃を撃つシーンは僅かだがシリーズファンには強く印象に残っていることだろう。