ヒトツキ遅れのバースデー
arc2|2006.11.09
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「え、お、おい?リーザ?」
「ごめんね。ありがとう、エルク」
「お、おう?まだ、何もあげてねーけど?」
「うん。ね、何作ってくれてるの?」
 エルクの手を引っ張り元来た方を歩きながら、リーザは少し後ろを歩くエルクに訊く。
「何って…あー。えっとな、ホルンの村に居た白いもこもこのモンスター」
「え!本当!?」
「んな嘘つくかよ。ほんと」
「わあ、ホワイトルースターだなんて…」
 元気にしてるかなとふわふわのあの動物を思い浮かべれば、エルクの足が止まった。
 不思議に思って振り返れば、何故か引きつった笑みを浮かべている。
「?どうしたの、エルク」
「…えーっと、ホワイト…何って?」
「ルースターよ、ホワイトルースター。フォーレス語で『清き者』っていう意味なの」
 白くて丸々して、ついでに可愛い名前でしょうとにっこり笑うリーザに、エルクは乾いた笑いしかでてこない。
「ねえ、どうしたの?」
「や、別に。なんでもねーよ」

 white rooster。スメリア語では「白い雌鳥」
 ただし、roosterは略式で違う意味がある。
(白い…気取った男…)
 微妙に語学達者であったエルクは酷く複雑な気分になりながら、食堂での続きの作業へと思いをふけらせた。
 人形を笑って受け取ってくれるであろうリーザに、オレは笑い返すことが出来るのだろうか。
 前を歩く彼女が喜んでくれればまあいい話とはいえ。
「やっぱ複雑…」
 聞こえないように、溜息と共に吐き出した。
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感謝。
てぃらみすさんへ。
4ヶ月近く待たせすることになってしまい申し訳ございませんでした;
そして、タイトル「ヒトツキ遅れのバースデー」、実際2ヶ月遅れというとんでもないお話でスミマセンですι
「誤解→喧嘩→仲直りでエルクとリーザ」ということですが、喧嘩…してるのかどうかいまいち不安なところです。
基本的に我が家のエルクさんは、ヘタレで口べたさんですので、誤解は簡単だなと思ったのですが^^なかなか喧嘩とまではいかないですね〜。
そして、ホルン村に、たしか…白い生き物いたような…?という、凄く曖昧な記憶を掘り探りましたので、私の思いこみだった場合…まあそっとしておいてあげて下さいね(をいをい)
あと、凄く追記でどうでもいい話ですが、個人的にはドールマスターのピエール・ベロニカ、実はお気に入りな敵(?)キャラです。エルクとの話の遣り取りがたまりませんw今回、話の流れ上エルクとリーザには引いてもらっておりますけども(笑)
そんなこんなで、なかなか楽しんで書かせて頂きましたw今回、心情描写を丁寧に書くことになり、凄く勉強になりました、リクエスト本当にありがとうございました(ぺこり)
受験大変でしょうが、頑張って下さいね!white roosterは、一応英語でございます。まあ、お役にはたたないでしょうが(苦笑)
えとえと、こんなサイトですが、これからもよろしくしていただければ幸いです。

2006年11月9日    奏
無断転載・てぃらみすさんのみ大歓迎w