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手取りの稽古



■谷本館長の合気道の手の使い方に関する教え
 片手取りをイメージしています。

(1)手を掴まれてから、力を抜いて手を準備するのではなく、手を掴まれる前に準備しておくこと。
 手を掴まれてからは、手の力具合などの状況を変えないこと。

(2)手を掴まれた、手を抑えられた、という状況でも相手の手を気にせず(持たれたところを気にせず)、相手のからだとか、自分の頭とかを触るようにすれば、自分の手は簡単に動く。

(3)持たれた部分の力を変えてはダメ。
 接触点を通して、相手と繋がらなければならない。
 力を弱めると相手に突っ込まれる。
 力を強めると相手もそれに負けないように力を強めてくる。
 腕、肩、背中、腰と順番に力を入れていくと相手もそれに合わせて抵抗することができる。
 しかし接触点の力が同じであれば、体を動かしても相手にはわからない。
 転換(体の変向)でも何でも、手の接触点の力を変えないように動かなければならない。

(4)持たれた時に、指を縮めたり伸ばしたりするのは、力の状態が変わるのでダメ。
 指は伸ばしているのなら伸ばしたままでなければならない。
 相手の力によっては自然と指が曲がるときがあるが、その時はそれでよい。
 その時逆に伸ばしたままにすると、その部分に緊張が生まれ相手の状況が分からなくなる。

(5)自分の肩が緊張していると、緊張している肩で自分の力が止まってしまう。
 体全体の力が、指先まで伝わらず、緊張している部分で止まってしまう。

(6)手を持たれた場合、相手の状況がわかるように、自分はリラックスしていなければならない。
 持たれた瞬間に、相手の状態がわかるような体作りをしなければならない。
 そのためには、持たれてから、肩の力を抜くのではなく、持たれる前から、その状態にしておかなければならない。

(7)そのような体を作るためには、先ず、自分の体の状態をわかるようにならなければならない。
 自分の体の状態をわかるようになれば、相手の体の状態もわかるようになる。

(8)最初からそのような体はできないから、最初は、手を持たれた時に、自分の体のどこが緊張しているのかを知ること。
 緊張しているところがわかれば、その部分の緊張を解くようにすること。
 ただし持たれた部分の力を変えてはダメ。

(9)自分の体がリラックスしておれば、相手の弱いところがわかるようになる。
 接触点の力を変えずに、相手の弱いところに入っていくように体を動かせば、相手は簡単に倒れる。

(10)他の手取りの技はもちろんのこと、正面打ちや突きなどに対しても同じようにできるようになること。

(11)指は、丹田の指標。
 丹田から指先まで、気を通さなければならない。
 丹田の気が指先まで出ていると、指は伸びる。
 縮まった指は、力が抜けているだけで、気が流れていない。
 しかし、指に力を入れて指を全部伸ばすのはどこかに力が入る。

(12)相手が手を取って、握りこんできたのを感じる。
 相手を感じて、丹田の気を指先に出し(入り身をし)、相手と一緒に動くようにする。
 相手を感じないうちに動けば、相手に反応される。
 肩の力を抜いていても、相手を感じる前に腰の力などで動いても、ダメ。

(13)女性は力がないので、手を持っていても力がかかると維持できなくなる。
 相手の手の平を器と考えて、その器の中に自分の手を納めるような形で、動かす。
 もちろん肩の力は抜いて、相手の動かしたい方向を感じること。
 女性は特に力がない上に感度がよい人が多いので、少しでも違和感を感じると逃げられてしまうのだろう。
 また相手とぶつかるのは、直線的に動いているからではないか。
 腕をやわらかく円運動するようにしてみたらよい。

(14)手をもたれたとき、自分の手を内側に曲げると、隙間ができて、自分の手と相手の手が離れてしまう。
 自分の手と相手の手に隙間ができると、それは力を入れて自分勝手に動いていることになる。
 逆の立場で、相手の手を持ったときに、相手の手が棒のように感じるときは、相手と自分が一体になっていない。
 つまり、自分の手が持たれた時に、相手が自分の手を棒のように感じているときは、まだ、自分の力が抜けておらず、相手と一体になっていないということ。
 同じ様に逆の立場で、相手の手を持ったときに、ボールを握り締めているように感じるときには、相手と自分が一体になっている。
 つまり、自分の手が持たれた時に、相手がボールを握っているように感じてくれるときには、自分の力が抜けて、相手と一体になることができている。
 相手を崩すときには、そのように感じられるところに、入っていかなければならない。
 持たれた部分の相手が握りこんでくれるところに合わせて入っていくように、体を動かせば、相手は自然に崩れる。

(15)肩の力は抜かなければならない。
 しかし、体全部の力を抜いては、相手に突っ込まれる。
 力を抜くところは抜いて、入れるところは入れなければならない。
 力を入れるのは、臍下丹田である。
 肩や上半身の力を、臍下丹田に溜めるイメージを持つこと。

(16)技をかけようと思って、体を突っ込みすぎたり、体が斜めになったりすると、臍下丹田の力が抜けてしまう。
 臍下丹田の力を維持するためには、体を真っ直ぐにしていなければならない。
 体を真っ直ぐにしたまま相手を崩すためには、足を動かしたり、膝を落としたりすればよい。

(17)合気道は和の武道、相手が思わなくても、相手の体に勝手に自然に力が入るような技のかけ方もダメ。