奥谷龍仙のホームページ

   「書」はこうして学べ   (一般の部門)             



        我々書道を志す者が身につけなければならない「書」の原点なり真髄が中国書道、
        日本書道の長い歴史の中にあります。展覧会活動に追われる昨今、ついおろそか
        になりがちな基礎、基本を中国書道の「古典」なり日本のかな書道の「古筆」か
        ら学ぶことにこそ意義があり終わりはないのです。公募展に出品するたびに、
        お手本を書いてもらい、師匠の書いた「お手本」と寸分違わぬように真似をして、
        さも自分のオリジナルの作品のように落款印まで押して「入賞・入選」したと一喜
        一憂している出品者もあるようす。ある書道展を観に行ったら師匠の書く書風
        (師風ともいう)が会場にずらっと並ぶ・・・
        これを絵画展に転換して考えてみてください。極端な例かもしれませんが、指導者
        の先生が「赤富士」を描くのを得意だとしましょう。弟子の作品も皆「赤富士」・・・。
        構図もなにもかも指導者と同じ。来場者は二、三点も観ればもうあとは観ても・・・
       
      同じ「書」をやるなら、師匠の字形を習うのではなく師匠からは「書」を勉強するための
      方向性を学び本来は、古典・古筆を師として生涯勉強(臨書)する姿勢こそが大切だと私は
      師匠に教わりました。( 私の師匠は辻本史邑を師とした青木研碩です )