サラ&シルディ

ディーブ配下の女性で金髪の方がサラ、黒髪の方がシルディ。
茜や小次郎の拷問を目の当たりにしながらも笑みを浮かべるなどディーブ配下らしい残忍な描写がある他、
グレンを射殺したり昏睡状態にした小次郎と茜を車ごと真冬の海にダイブさせたりするなど情報部員としての冷徹な描写も為されている。
ディーブが殺害されて後は他の残党らと同様内調によって逮捕されたようだ。

登場シーンの少ない脇役ということで端的なわかりやすさを必要とされているのかリメイクの度に外見なども大きく変更されており、
PS2版PLUSではシルディはかなり病的で危ない表情となり、サラは褐色銀髪の女性となるなど絵的な差別化も図られている。
PSP版ではエンディング後のエピローグにて「ラウンズマン」と呼ばれる謎の存在とコンタクトを取るシーンが追加され、
自分たちの秘密を知るディーブや御堂らを抹殺するように命令されるなど原作のburstとはポジションが大きく異なっているのが特徴。

続編の『EVE rebirth terror』ではまさかのCV付きでの出演を果たすなどの活躍を見せるが、本作ではただの脇役。


サンプラス保険会社

保険調査員の鈴木こと桂木源三郎が所属している保険会社。
役所に登記はされているので書類上は存在しているが、実際には社員もなく登録された住所には空き地があるだけといういわゆる幽霊会社。

探偵は調査の際に様々に身分を偽って行動する必要が生じるが、その嘘をもっともらしくするため、
またはその身を狙われて逃亡する際などに偽造した身分証等を複数所有することもある。
サンプラス保険会社はそのようなケースを想定した源三郎があらかじめ用意していた隠れ蓑の一つ。

サン・マンション

まりなと弥生の住むマンション。まりなは403号室、弥生は402号室に住んでおりお隣同士の関係。
奇数室と偶数室は室内の間取りは同じだが左右対称の構造となっている。
また、二人の住む4階は最上階となっており、天井には電動で開閉するサンルーフが備え付けられている。
日光をふんだんに取り入れることが出来、夜には星空を眺めることが出来るなどの見晴らしのよさがうりだが、
真夏になると直射日光が暑過ぎてほとんど開けられることはないらしい。

桂木探偵事務所からは徒歩圏内にあるため、弥生はここから徒歩で職場に通っているようだ。
一方のまりなにとってはここが本宅というわけではなく、任務の際に使用する内調オフィスに近いセーフティハウスの一つという位置付け。
そのため家具などはほとんど置いておらず、部屋の中央にベッドがあるだけという簡素な状態になっている。
まりな編序盤では護衛対象となった真弥子がここに宿泊。小次郎編中盤では酔った弥生を介抱するシーンで弥生と別れて以来久しぶりにこのマンションを訪れている。
ちなみにまりな編終盤でまりなに誘われた源三郎が高所恐怖症を理由に部屋に入ることを拒むが、これは隣室に娘の弥生が住んでいるので顔を遭わす危険性があったためだろう。

マンションの前には植木が植えられており、コマンドを選ぶことで何度もぎゅむぎゅむ踏みつけることが可能。


柴田茜

人脈を活かして小次郎のために情報や依頼を持ち込んでいるフリールポライター。
業界から干されている小次郎にとっては有り難い存在だが、小次郎曰く「抜け目のないゴシップ好きのカメラマン」とのことで、
何度か小次郎の依頼を横取りして記事をすっぱ抜いたり、仲介料としてかなりのマージンを抜いていたりとルポライターらしい図太さや逞しさも目立つ。

本作序盤でストールマン=孔からの絵画捜索依頼を小次郎に持ちかけるが、
小次郎が依頼を達成した後も探りを入れるような言動を取っており、後には小次郎の探偵事務所に忍び込んでPCから情報を盗み見たこともあった。
かつて仕事の失敗で業界から干されかけていたところを二階堂に助けて貰ったことがあり、その恩義と感謝から自ら進んで二階堂の捜査や情報収集に協力をしていた茜だったが、
茜が持ちかけた絵画捜索依頼は、桂木探偵事務所の乗っ取りを画策していた二階堂の指示によるものであり、
二階堂の桂木探偵事務所に対する執心が焦りを帯び始めるに連れて茜への指示も徐々にエスカレートしてしまう。
茜は二階堂の行動に危うさを感じて再三にわたって翻意を促していたのだが、彼を止めることはついに出来なかった。

その二階堂からの指示でストールマンと「M」氏両者との交渉を有利に運ぶ材料として原版の価値を調べていたが、
事態に深入りしたことで二階堂は口封じの為に殺害されてしまい、茜もディーブら旧情報部残党に捕らわれてしまう。
同じくディーブに捕らわれた小次郎と共に真冬の海への転落死に見せかけて殺害されそうになるが、寸前の所で現れた源三郎に助けられている。

この後麻薬の禁断症状に苦しむ小次郎を献身的に介抱。翌朝に小次郎がトリスタン号に乗り込む際には事務所の留守番を任された。


CV:かないみか

ショットバー

ショットバーの「ショット」は「ワンショット」を意味しており、お酒をボトルではなく一杯ずつ注文するスタイルのバーを指す。
滞在時間が比較的短く手頃な料金で楽しめるため、一人でも気軽に立ち寄れるバーとして様々な客層が訪れる。
英語の「bar」は酒場や飲食店を指すが、イギリスではこのスタイルの酒場を「パブ」と呼ぶのが一般的。
ちなみに「ショットバー」は和製英語で、他にもダーツバー、スポーツバー、ガールズバーなど日本では酒類を提供する飲食店や風俗店の場合でも広く「バー」の呼称を用いる。

プリンセス・ホテルの地下にあるバーは、宿泊客の空いた時間などにも利用出来るような気軽なバーということでショットバー扱いはされているが、
酒や料理の種類も豊富なかなり本格的なお店で、同ホテルのルームサービスも手掛けているようだ。

シリア・フラット

エール外国人学校のアラビア語講師。まりなの行く先々に姿を現し、助言とも警告とも取れるような言葉を残す謎の多い女性。
言動や挙動に隙が無くエルディア出身であるということ以外の素性は一切不明だが、105cmという驚異的バストは一度見た者の脳裏に焼き付いて離れない。
しかし本人はそこにコンプレックスや不満を抱いているようで、胸の話題となると途端に不機嫌になってしまう。

作中では主にまりな編に登場。助言や忠告を与える謎の女性ということでまりなの方も警戒していたが、
物語中盤では夜の学校にまりなと真弥子を呼び出して捜査から手を引くようにと脅しをかけている。
この時シリアがエルディア軍正式採用ナイフを使用して暗殺者「テラー」の存在を匂わした事から彼女がエルディア軍情報部残党であると判明。
情報部残党を率いるディーブの下でエルディアの王位継承争いの為に暗躍していた。

彼女の正体は桂木源三郎とエルディア人女性との間に生まれた女性。
弥生とは異母姉妹の関係に当たるが弥生はこの異母姉妹の存在はおろか、源三郎が海外に現地妻と家庭を設けていたことすら知らされてはいなかった。
父親に溺愛されて育った弥生とは正反対に、シリアは幼少より源三郎から情報部員としての訓練を叩き込まれており、父と娘の関係ではなく上司と部下として長く接して来た。
政変後、情報部が解体されてからは源三郎の意を受けてディーブ配下に身を置きダブルスパイとして源三郎をサポートしており、
源三郎が収監されている刑務所に火を放って彼の脱出を手引きしたのもシリアの手によるものである。

ディーブ死後は豪華客船トリスタン号に乗り込み、本来の役目であるプリシアの護衛任務に戻っている。
プリシア即位後、計画が頓挫したことで窮地に追い詰められた御堂がプリシアを人質に取った際にはこれを救出しようとするが、御堂に気付かれて腹部を撃ち抜かれてしまう。
これが致命傷となり沈没するトリスタン号の中で絶命。その亡骸は最期の瞬間まで父親である源三郎に抱きかかえられていた。


CV:高野麗

私立探偵

元々「探偵」という日本語は警察組織や民間を問わずに捜査活動を行う人を差しており、江戸時代には同心や岡っ引きが探偵と呼ばれていた。
現在の日本では法律により「人からの依頼を受けて対価を受け取り、特定人の所在又は行動についての情報を収集し、その結果を依頼者に報告するもの」を「探偵」と定義されている。

小次郎はそういった探偵業務を民間で請け負う私立探偵である。
多くの人はシャーロック・ホームズや金田一耕助などのいわゆる探偵小説の登場人物たちのような華麗な活躍を想像するだろう。
しかし実際は何でも屋に近い存在で、人探しにペット探し、遺失物の捜査、素行調査や身辺調査などに始まり、
チケットや限定販売物購入のための徹夜行列に並んだり、花見やスポーツ観戦の場所取りに駆り出されることすらあるという。

業界大手の桂木探偵事務所から独立した小次郎は、まさに身一つでそういった雑多な依頼をこなす一匹狼の探偵としての日々を送っていた。

シルクスクリーン絵画

シルクスクリーンは孔版画の技法の一種であり、インクが通過する穴と通過しない箇所を作ることで版画の版を製版し印刷する技法。
80年代に年賀状作成で爆発的ヒット商品となった「プリントゴッコ」も大きく言えばシルクスクリーン技法の一種である。
用途は様々ながら元々は印刷するための「原版」であるため、
複製が容易な絵画よりもその原版の方が美術品としての価値も高く評価されるとされる。

図書館で小次郎が松乃と調べた際には作者とされる画家にまつわる不吉なエピソードが多く見られたが、
古来より美術品の価値は芸術性もさることながら、作者や作品にまつわる数奇な運命やエピソードも大きな要素とされて来た。

ストールマン=孔

エール外国人学校ディレクター(=校長)。孔の家は祖父の代からエルディアに仕えて来た一門で、
教育基金を設立したり日本との文化的な交流の架け橋としてエール外国人学校を創設するなど温和な知識人として教育や文化方面で国政に参画してきた。
その政治信条や理念はプリシアに近く、彼女のブレーンや政治顧問的な立場について動いていたような記述も幾つか見られる。

旧知の仲でもあった桂木源三郎を通じて「C計画」の存在を知ったストールマンは、計画を頓挫させるために研究の中心人物であり実の父親でもあるドールマン=孔を殺害。
また、御堂らに命を狙われたプリシアに薬物を使った暗示をかけて女王付きの侍女・プリンとしての別人格を施した上で日本への逃亡を手引きした。
更に源三郎が入手した国璽を二つに分割してエール外国人学校のディレクタールームに隠すなど、
真弥子を次期国王として即位させようとする御堂らの計画を妨害するため源三郎と共に様々な手を打ってきたが、遂には御堂配下のディーブに捕らわれ拷問の末に殺害されてしまう。

プリシアと小次郎が接触出来るように国璽の受け渡し場所をあまぎ探偵事務所付近の埠頭に指定しているなど自身の死を予見しながらもそれに即した手を打っており、
情報部の妨害がありながらもプリシアを即位にまで導いたその手腕は相当なもの。
源三郎と旧知の仲であったり目的のために実の父親を殺害する冷徹さも備えていることなどから、
彼も情報部のような汚れ仕事に荷担していた、或いは情報部に属していたのではないかという見方もあったが、
続編の『EVE rebirth terror』で正式に「以前は情報部に在籍していた」という設定が追加された。


セントラル・アベニュー

作中において街の中心地の繁華街として登場する場所で、以降のEVEシリーズでも選択可能な移動場所として度々登場。
ショッピングや飲食店、宿泊施設なども多数存在し、昼夜を問わず大勢の賑わいを見せている。
しかし大勢の人が集まる場所ということはもめ事や事件が起きやすい場所でもあるということ。
豪華なホテルとして名を馳せるプリンセス・ホテル周辺では作中だけでも銃撃戦や爆破事件が複数回起きていたりも。

本作ではプリンセス・ホテルに移動する前に必ず通らなければならない箇所として半ば強制的に選ばされる場所でもある。
ホテルに移動しようとしてホテル前やロビーで意外な人物と出会うことでストーリーが進行することも多い。