内閣調査室

法条まりな、甲野三郎が所属している内閣直属の諜報組織。作品内では「内調」と略されている。
犯人逮捕や犯罪行為の抑止を目的とする警察組織とは異なり、政治的な判断が必要とされる案件を遂行する組織として描かれており、
まりな自身のスタンスも警察官ではなく諜報員もしくは情報官としてのそれに近い。
任務遂行の際に目標の確保や護衛活動を行う必要から現場では警察組織に於ける警視正に相当する強力な権限が認められており、銃の携行を許可される場合もある。

作中では外交官の家族を護衛する任務に就いているが、これはSPによる厳重な護衛を必要としないとの先方の要望を受け入れているため。
単独で護衛任務を遂行できる能力を有し、かつ政治的な判断が必要とされるケースの発生を考慮されて、内閣直属の諜報組織たる内調の出番となった。

内務監査

「監査」とは、法令や社内規程などのルールが適切に守られているかをチェックすること。
日々行われている業務がルールに沿ったものかを判断するために、書類やデータを収集して監査の対象となる項目の有効性を合理的にチェックしていく。

内部(内務)監査は組織内部の人間によって行われる任意の監査のこと。
作中ではまりなの属する内調が警察組織とは別系統の組織として位置付けられているため、香川美純による内務監査は外部監査としての側面を持つ。
香川がどの組織に属しているかは明らかにされていないが、おそらくは警視庁の公安部に近い部署だろう。
職務とは言え身内であろうと容赦無くミスを突くことから大抵は憎まれ者ポジションとして描かれているが、香川の場合は個人的な感情も含まれているとかいないとか。


二階堂進

桂木探偵事務所所員。傲慢な自信家で「桂木探偵事務所のホープ」を自称している。
小次郎や源三郎のような探偵を「直感や勘に頼る古臭いタイプ」と唾棄しており、これからはデータやマニュアルに基づいた捜査方法を確立させるべきという信条の持ち主。
反面、データや理論を過信して自身の推理に陶酔して他の可能性を否定してしまう傾向があり、小次郎や源三郎からは探偵としての能力にやや厳しい評価を下されてもいる。
いじられキャラとしての一面が目立つが、いわゆる女たらしとしての一面を持ち合わせており、複数の女性と交際を持っている描写が作中で確認されている。
小次郎の情報源でもある茜とも肉体関係を持っており、彼女を利用して小次郎から情報を盗ませようとしたこともあった。

所長である弥生に好意を寄せており、小次郎と源三郎を失って独りで奮闘する弥生を「公私ともに支える」と豪語。
弥生もまた彼の好意に気付いて二階堂からのアプローチを拒まずにはいたが、小次郎のことを忘れ切れていない態度は明らかで、結局二階堂の申し出は弥生に拒否されることとなった。
これを機に彼は「所長を二重の意味で手に入れる」として桂木探偵事務所の乗っ取りを画策。
茜を使って小次郎にストールマン=孔からの絵画捜索依頼を持ちかけ、これを利用して絵画の原版を密かに入手。
小次郎や弥生を出し抜き、中東国家の大使館と繋がりのある「M」氏からの大掛かりな依頼を自らの手腕で達成したという事実を以て桂木探偵事務所の乗っ取りを目論んでいた。

だが本物のストールマン殺害現場に呼び出されて指紋や痕跡を残すという失態を演じ、殺人の容疑で指名手配されてしまう。
逃げ場を失った彼は絵画の原版を手に依頼主である「M」氏と交渉するが口封じに殺害された。
後の警察発表ではストールマン殺害を悔やんでの自殺とされるが、首を深く真一文字に切られていた上にエルディア軍正式採用のナイフが握られていたことから、
彼の死は自殺に見せかけた「テラー」による殺害として一連の王位継承事件の謎を更に深めることとなった。


CV:うえだゆうじ

二重スパイ

諜報活動において、組織(政府)のために敵組織(政府)をスパイしながら、その敵組織(政府)から逆に組織(政府)をスパイするよう雇われた人物。
機密の漏洩や重要人物の暗殺など何らかの意を受けて潜り込んでいるの諜報員として描かれる。
諜報組織は情報工作や破壊工作を専門とする組織であるため、組織や国家への揺るぎのない忠誠心を必要とされており、構成員といえども監視と疑惑の目を向けられるのが常。
その中にあって外部からスパイとして潜り込む必要があることから相当困難な任務として描かれることが多い。
第一次世界大戦下、ダンサーとして名を馳せた女スパイのマタ・ハリ、冷戦時代のジョージ・ブレイクなどが有名。
日本では数年、数十年かけて敵対組織に溶け込む「草」と呼ばれる忍者の存在が時代小説などに登場している。

本作では桂木源三郎の意を受けたシリア・フラットが、ディーブ配下の旧情報部残党に身を置いてその活動を監視する役割を担っており、
エール外国人学校での真弥子襲撃や、廃ビルで小次郎が拷問される際には他に気付かれないように密かに手助けした。