爆弾処理班

テロリズムなど事件性が高い仕掛け爆弾等を用いた犯罪に投入される警察の専門部隊。
主には警備部機動隊等の所属で、不審物の確認、爆弾の撤去、搬送が主任務となる。
撤去作業はX線透視装置や爆発物収納筒などを利用しつつ、対爆スーツを着た隊員が直接マジックハンドを操作して行われることが多いが、
状況に応じて重機や遠隔操作ロボット等も使用される。ちなみに砲弾・爆弾の不発弾処理については自衛隊の管轄。

作中ではまりながカミソリを用いて爆弾の解体を行ったが、このような爆発物本体と起爆回路の切り離し等の解体作業は完全にドラマやアニメ上の演出。
そもそも電子機器が高度に発展した現代では爆弾にどのような回路が用いられるかの選択肢は事実上無限であり、解体=無効化という選択肢そのものが非現実的とされる。

光と影信仰会

まりなと甲野が所属する内調ビルにて、部署名をカモフラージュするために表に出されている名前。電話をかけるとこの名前で応答することになっている。
一見すると怪しげな宗教団体を思わせる名前なので、一般人が近寄り難いという意味でもカモフラージュするにはうってつけなのだろう。
ちなみにこの名前を考えたのは甲野のようで、まりなを「樹 卑弥呼(いつきひみこ)」という偽名で任務に当たらせようとしたらしい。

氷室恭子

教育監視機構のエージェント。CPU関連に卓越した知識を持ち、高度なハッキング技術を駆使する凄腕の捜査官。
エール外国人学校ディレクター・ストールマン=孔の公金横領疑惑を調査するため、女子生徒に扮して同校への潜入捜査を行っていた。
同じエール校にて真弥子護衛任務に就いていたまりなは任務の詳細を隠すために形式的に公安部に所属していたことになっていたのだが、
部署間の連携が疎かになった結果氷室は彼女のことを別件で派遣された新人の捜査官と思っていたようで、まりなと校内で顔を合わした際にお互い干渉しないよう忠告を残している。

こうしてストールマンの職場であるエール校や彼の自宅を中心に任務を遂行して来た氷室だったが、
物語の中盤ストールマンが自宅で殺害された後はお役御免となって捜査から外れるよう上からの指示が出る。
これを後からエール校にやって来た内調からの圧力によるものだと解釈した氷室は、プライドを傷付けられたことに憤慨して自分一人でも事件を追うと決意。
任務の最中で知り合った探偵の小次郎と手を組んで独自の捜査を開始することになる。

その後は内調データベースへのハッキングや大使館への盗聴、挙句治外法権の大使館への侵入を行うなど、イリーガルな手段も平気で行う小次郎の奔放さに呆れながらもこれに協力。
法や規則に縛られることなく己の信念を曲げずに突き進む彼の姿勢に徐々に惹かれはじめてゆく。
その一方で誇りとしていた「公僕」としての自分自身の在り方に疑問を抱き始めており、エルディアを巡る陰謀に日本政府が加担していたことを知るとこの緊張の糸が切れたようで、
大使館侵入騒動の後に現在の職を辞してあまぎ探偵事務所に就職することを決意した。

その後物語の終盤以降は登場しないが、続編以降はあまぎ探偵事務所の唯一の所員として、そして小次郎のよきパートナーとしてレギュラー出演。
作品によっては小次郎の恋人のようなスタンスで描かれるなど、桂木弥生と並ぶEVEシリーズのヒロインとして登場していくことになる。


CV:松井菜桜子

プリシア・レム・クライム

エルディア前国王の姪。王族に相応しい品格と豊かな見識を持つ聡明な女性で、前国王に後継者がいなかったため血縁者の中で最も王位に近い人物として周囲から期待されていた。

前国王時代の専制政治による国家と国民の疲弊には早くから頭を悩ませており、次代のエルディア政治の課題として専制政治からの脱却および民主政治への移行を目指していたとされる。
対立する改革派のロイド首相とは「民主政治への移行」という点においては政治理念は共通していたが、
王政を廃止してエルディア政界から王族を遠ざけることで早急な民主化を目指す改革派の断行姿勢には否定的。
長らく専制政治の下で暮らすことに慣れ切った国民には早急な民主政治への転換を図る首相の方針は時期尚早であるとの考えを持ち、
まず自分自身が即位した後に段階を踏んで民主制への移行を目指していたようだ。

前国王死去の後に「C計画」の障害になるとの理由から情報部残党に狙われていたが、ストールマン=孔の手引きによりエルディアを脱出。
暗示を引き起こす薬によって彼女に仕える侍女・プリンという別人格になり替わることで自らの痕跡を消して逃亡を成功させた。
その後はプリンとして小次郎のもとに身を寄せて追っ手を逃れていたが、暗示の解除と共に情報部残党らの襲撃に遭い再度逃亡。桂木弥生に身柄を確保される。

トリスタン船上の即位式典では御堂真弥子から禅譲されて新国王として即位することとなるが、
直後の混乱の中で生じた爆発に巻き込まれ、小次郎、まりな、真弥子らと共に船倉に閉じ込められ、数日の後に救助されることとなった。
続編の『EVE rebirth terror』ではこの時回収されたμ-101・御堂真弥子の身柄を確保しており、
素性を隠したままでエール総合病院に入院させ、エルディアからの資金で秘匿させていたことが明らかになる。


CV:水谷優子

プリン

小次郎が事務所前にて保護した少女。
天真爛漫で裏表のない素直な性格だが、「ある方に仕えている」以外の情報を話そうとはしない謎の多い少女でもある。
だがストールマン=孔からの絵画探しが一段落した後、彼女に懸賞金がかけられていることが発覚。
また本物のストールマンが殺害された後、彼の自宅前で警官に詰め寄るなど何らかのトラブルに巻き込まれている可能性が浮上する。

その正体は前国王の姪であり、次期エルディア国王候補のプリシア・レム・クライム。
前国王死後の混乱の中ロス=御堂率いる情報部に狙われていたが、ストールマンの手引きによってエルディアからの脱出に成功。
日本では「彼女が仕えるプリシアに国璽を届ける」という命を帯びた少女・プリンとして行動していた。
小次郎の事務所前にて保護されたのは偶然ではなく、ストールマンと旧知の間柄だった桂木源三郎のアドバイスによるため。

頼みとするストールマンが殺害されたことを知って途方に暮れていたところを小次郎の後押しもあってプリンセス・ホテルに赴くことを決心。
詩の一篇を読み上げたことでかけられた暗示が解け、本来のプリシア人格へと戻ることが出来た。
暗示が解けたとはいえプリンとして過ごしていた際の記憶は残っており、自分を守ってくれた小次郎への恋心は覚醒した後も変わってはいないようだ。


CV:水谷優子

プリンセス・ホテル

セントラル・アベニューにある高級ホテル。界隈一の高級ホテルのため、世名人や要人も宿泊に利用することが多い。
地下には宿泊客以外でも利用できるショットバーがあり食事が美味しいと評判。ルームサービスの食事も手掛けている。

小次郎編では主に地下のバーにグレンやアクアに会いに行く際に利用することになるが、終盤ではプリシア襲撃の現場になった。
まりな編では源三郎を追跡した結果、二階堂の惨殺死体を発見する場所として登場。
その後は女子寮から居を移した真弥子護衛の際に利用するが、直後に居場所を知られて爆弾テロに見舞われるなどの壮絶なシーンへと発展する。
この時依頼主であるロス=御堂がまりなも口にしていない「ホテル」という単語を口にしたことで、襲撃犯に情報を漏らした人物が御堂であると確信。
真弥子の護衛任務がエルディア王位継承争いに発展し、物語が大きく動き出すシーンへと繋がる。

ベレッタM1919

まりなが愛用している、イタリアのベレッタ社製の拳銃。愛称は「イクイクちゃん」。
イタリア軍に正式採用されたベレッタM1915を25口径にして小型化したタイプで、女性の護身用として用いられることも多い。
007シリーズ初期作品でジェームズ・ボンドが使用していたもののセールス的にあまり成功せず、後にワルサーPPKに取って代わられたというエピソードがある。

内調の一級捜査官であるまりなは拳銃所持と任務時の携帯及び緊急時の発砲を許可されてはいるが、常に発砲の自由を容認されているというわけではない。
今回は要人の護衛という任務の性質から銃の所持が特別に許可されているというニュアンスだろう。
そもそも日本の警察機構に於いては銃の使用というものは厳しく制限されており、例え緊急時のやむを得ない場合であっても発砲の後には厳しい調査と査問が課せられるとされている。


法条まりな

本作主人公の一人。内閣調査室のエージェントで、日本に二十数人しかいないとされる一級捜査官。
これまでに百件以上の任務をこなしながらもその成功率は99%オーバーを誇るという超一流の諜報員にして情報官でもある。
常人離れした能力や経歴とは裏腹に、感情豊かで自分の意見を前面に押し出して真っ向から任務にあたるために上層部の指示や意向を無視することもしばしばで、
優秀ながら扱いづらい「猛獣」としてその扱いは甲野に一任されているという風に描かれている。

本作では駐日エルディア大使・ロス=御堂の一人娘である真弥子の護衛任務を引き受けるところから物語が開始。
当初は要人の娘に対するいやがらせ程度だった襲撃が徐々にエスカレートしていき、次第に彼女の生命を脅かすテロ行為へと発展してゆく。
その最中、真弥子自身の口から彼女が亡くなったエルディア前国王の娘でエルディア次期国王の継承権を持つことが明かされたことで状況は一変。
襲撃を未然に防ぎ得なかったことへの不信感などが重なり、御堂からの護衛任務は取り下げられることとなった。

その後エルディア政府の陰謀を調査してゆく中で真弥子護衛任務が旧情報部率いる御堂によって仕組まれたものであることが判明し、
もう一人の王位継承者であるプリシア・レム・クライムからの要請で御堂の身柄を確保すべく客船トリスタンへ乗船。運命の戴冠式へと赴くことになる。
トリスタンでの戴冠式に於いてプリシアが次期国王に即位すると、彼女からの要請で御堂の身柄を確保すべく行動を開始。
しかし御堂の死と共に仕掛けられた爆弾が爆発したことで船は海底に沈み、船内に取り残されながらも極限状態の中を生き抜いて小次郎、プリシアらと共に真弥子の最期を見届けた。

親友である桂木弥生の父・源三郎とは事件の最中に幾度も出会い互いを想い合う仲となるが、
エルディア旧情報部と因縁のある源三郎がトリスタン船倉にて御堂と対峙したことで命を落とし、沈み行く船の中で非業の別れを迎えた。


CV:岩男潤子 / 三石琴乃

保険調査員

損害保険や生命保険において保険金請求に疑義が生じた場合、事故の現場や身辺調査をして請求に正当性があるかどうかを調査する専門員。
大手の保険会社などは社内に独自の専門スタッフを抱えているが、専門的な知識や技術が必要とされるため民間の調査会社に業務委託をするケースが多い。
必要とされる知識やスキルは警察や探偵のそれと非常に似通っており、暴力団の関与が考えられるケース専用に警察官あがりの人材を雇用している調査会社も存在する。
実際は交通事故の過失割合を判定したり生命保険の通院回数をチェックしたりという仕事がほとんど。

ちなみに保険調査員になるための資格は存在しないが、日本損害協会の資格が必要となる「アジャスター」という、自動車工学等の専門的な分野のスタッフも存在している。