C計画

正式名称はNeo Cerebral Project。直訳すれば「新たなる頭脳の計画」の意。

改革派に命を狙われて身の危険を感じたエルディア前国王が数値化した自分の人格と記憶を人造人間μ-101に移植し、
それまでと全く違う肉体になることで改革派から逃れつつ再び国王として再臨する計画。
前国王の指示に従ってロス=御堂が計画を主導して来たが、計画の発案にはエルディア時代の桂木源三郎も関わっていたとされる。
しかし源三郎はこれを神をも恐れぬ行いとして任務途中からは旧知のストールマン=孔と共に計画の阻止を決意。
研究内容を破棄し、開発責任者のドールマンも実子のストールマンに殺害させたことで「C計画」は実現されぬままに頓挫することとなった。

そこから時は流れて本作burst errorの一年前。
前国王はこれまでの独裁政治の反動から来る猜疑心の肥大、反王権派活動の活発化による精神的プレッシャーによって心身に失調を来たし始めていた。
この時前国王はかつて頓挫した「C計画」の存在に再び着目。妄執とも言える「国王」への執着心を発揮して、忠臣の御堂に「C計画」の再始動を命じる。

ドールマンを失い、残された研究資料も不完全なものであったが、御堂ら旧情報部はプリシアのDNAからμ-101の生成に成功。
クローン体を御堂真弥子と名付けて架空の王位継承者に仕立て上げる一方、御堂は彼女の義理の父親として常に接し続け、繊細で多感な少女の意思を即位へと傾くように誘導。
そのために旧情報部を使って真弥子を襲撃させ、それを内調に保護させて日本政府を巻き込むことで悲劇のヒロインたる彼女の即位を後押しするような世論づくりも成功させた。
ちなみに前国王の器にプリシアのクローンを用いた理由は、計画が失敗してプリシアが即位したとしても後から彼女に成り代わることが出来るようにするためと推測される。
冷徹で計算高い御堂の思惑通り計画は進み、真弥子の即位、即ち前国王の再臨は果たされようとしていたが真弥子の翻意によってプリシアが国王に就任。
μ-101である真弥子自身も心身の維持に限界が生じて昨日を停止してしまい、その時に前国王の人格も消失してしまった。

DBMS

Date Base Management Systemの略称。いわゆるデータベースのこと。

作中まりなが閲覧していたのは政治や外交などの国家機密レベルの情報が集約されているシステムで、
情報の重要度に応じてランク付けされており、閲覧するにもそれに応じた閲覧ランクが要求される仕様になっていた。
本作が90年代後半を舞台にしているため未だインターネットが普及しておらず、情報を集約するシステムそのものに重要性や貴重性があった。
それ故に個人の端末から政府の専用端末にハッキング出来た氷室恭子の有能ぶりが際立っているともいえる。

EVE

「C計画」の要となるクローン生命体μ-101のコードネーム。御堂真弥子のことを指す。
本作のタイトルにもなった重要なキーワードだが、正体が判明するのが終盤である上に基本的にはμ-101や真弥子の名が用いられることがほとんどなので、実は作中であまり用いられていない。


M氏

二階堂進がストールマン=孔以外に絵画捜索依頼を受けていた人物で、彼の手帳には名を伏せて「M氏」と書かれていた。
後に駐日エルディア大使のロス=御堂であることが判明する。

政府高官からの極秘依頼ということもあって絵画捜索依頼の重要性に気付いた二階堂は、
桂木探偵事務所へ依頼を出したストールマンとM氏とを秤にかけて自分を高く売り込もうと画策していたようだ。
しかし国璽を手に入れようとする情報部の存在には気付くことが出来ず、呼び出されたプリンセス・ホテルの一室で口封じのために殺害されてしまう。

御堂とディーブ、それぞれが別の思惑で絵画の捜索依頼を出しており、この頃から両者の対立が鮮明になり始めていたものと推測できる。
後に焦ったディーブが小次郎の雇い主をM氏=御堂と決め付けていたのも、用済みとなった自分を排除しようとする御堂の動きを察知していたからだろう。

SP

警視庁警備部警護課所属の警察官。Security Policeの略。
アメリカの大統領警護機関であるシークレットサービス(SS:Secret Service)を参考にしたと言われている。
警視庁の警察官であることは勿論、柔道又は剣道が三段以上、けん銃操法が上級、タフな体力と精神力といった能力のほか勤務評価など総合的に判断される。
男性が多いように見えるが女性SPも多数存在。最近では実際に要人につくだけでなく、警備のためにドローンを導入するなど警護体制もアップデートしている。

本来の意味では特別警護を専門とする警視庁所属の警察官のことを指すが、作中では特別警備にあたる人物または特別警備そのものを指す言葉として用いられている。

242BA3

ハッキングシーンで内調DBMSの閲覧制限を解除するために必要となったパスワード。
内務監査の折、本部長の機転でまりなも内調DBMSを閲覧することが出来たが、レベル制限の高い「C計画」の情報を閲覧することは出来なかった。
そこで外部からハッキングを仕掛けていた小次郎・氷室に便乗する形でこのセキュリティを突破し、政府高官でなければ知り得ないエルディアの情報を取得する。
直後に不正アクセスがバレて情報の全容を掴むには至らなかったが、エルディア政府が絡む陰謀に小次郎とまりなが気付き始めるきっかけとなった。