中華民国・現代 書道史トップページに戻る
西冷印社の始動と発展
光緒三十年(1904)、丁仁、王し、葉銘、呉隠の提唱により、浙江省杭州の西湖の畔に、篆刻家集会の地として創設さ
れた西冷印社は、民国四年(1915)、呉昌碩を初代社長に推薦し、いよいよ本格的な活動を開始した。西冷印社は金
石に刻した文字資料の保存と、印学の研究とを本来の目的とするものであったが、同人や賛同者の出資により、意趣を
凝らした楼閣、亭台、収蔵庫などが社内に次々と建設されさらには、周辺ところせましと名家の書が刻し尽くされ、名実と
もに篆刻家の聖地が完成した。日本からもその趣旨に共鳴して、長尾雨山、河井せん廬も社員として参画した。
二つの故宮博物院
民国13年(1924)11月5日、清室優待条件に基づき宣統帝傅儀が北京紫禁城を出宮すると、残された賞玩用の古文物は
すべて国有となり、清室古物保管委員会が組織されて、綿密な学術的分類と整理が施され、翌14年10月10日、紫禁城は
新たに故宮博物院として発足した。その後、抗日戦争が激化すると、文物は難を避けて四川、貴州と転々とし、第二次大戦
終結後、蒋介石が台湾に移ると共に、文物も台湾に移された。現在台湾にある故宮博物院は、民国43年年(1954)に完成し
たものである。
この時代の能書家たち
斉白石(1864-1957) 王震(1866-1938) 于右任うゆうじん(1879-1964)台湾の書家
梅蘭芳めいらんふぁん(1894-1961) 王个い(1897-1988) 啓功 沙孟海さもうかい
ケ散木(1898-1963) 王震(1866-1938)
啓功 于右任